43 / 352
本編
リリの好きな人
しおりを挟む
ある日の昼下がりです。
ロキ医師の診療所は今日も閑古鳥が鳴いています。
患者が居ないのはとても良い事です。
ロキ医師はニコニコとゆったりした面持ちで薬室の椅子に腰掛けています。
真向かいにはリリが座って薬液を掻き回しています。
「うんうん。リリやそこはもう一呼吸早めに回してごらん」
「はい、ロキ医師」
ロキ医師の指示に従って心持ち早く回します。
「そうれ、そろそろ色が変わってくるぞい。
変わった瞬間に残りの葉を入れてゆうっくり大きく回すんじゃ」
「はい。って、あ!今!」
返事をしている間に色が変わり始めます。
直ぐに完全に色が変わったので慌てて残りの葉を入れました。
「ほっほ。そんなに慌てんでも大丈夫じゃよ」
ロキ医師は朗らかに笑って言いました。
リリは粘度が強くなって重くなった薬液を大きく回すのに精一杯で言葉も出ません。
暫く回していましたが、等々重さに耐えられなくて止まってしまいました。
「これ以上は重くて回せません~」
ヘタリとへたったリリは眉尻を下げて情け無い声を出しました。
「どおれ、うんうん。大丈夫じゃこれで完成じゃよ」
ニッコリと笑うロキ医師に、リリはホッと一安心しました。
「後はコレを瓶に詰めたら今日はお仕舞いじゃ。
遊びに行っといで」
「はい、ありがとうございました!」
お礼を言って瓶を取りに行きます。
広く浅い瓶を持ってきたら薬を掬っては入れます。
重いのでコレも一苦労です。
やっと入れ終って棚にしまって薬室を出ると、三巳がチョコンと座っていました。
尻尾が所在無さ気にパタパタ揺れています。耳も若干垂れ気味で、リリは内心可愛いと悶えました。
「三巳どうしたの?子供達と遊びに行ったんじゃないの?」
リリもチョコンと腰を落として首を傾げました。
「うん。あのなー、リリとお話ししたくて待ってたんだ」
上目遣いにお強請りされてリリはキューンときて、お勉強の疲れなんてあっという間に飛んで行きました。
「うん、しようね!いっぱいお話ししようね!」
リリは三巳の耳をモフモフ撫でながら満面の笑みです。
三巳も撫でられて気持ち良さそうに目を閉じます。
「それじゃあ、天気も良いし庭でお茶しながら話そうな」
「わあ、お茶会なんて久し振りだわ。楽しみ!」
三巳の提案にリリは両手を合わせて喜びました。
お茶とお菓子を持って庭に出た三巳は、簡易テーブルセットを魔法で作りました。
「三巳の魔法は凄いわよね。私がいた国じゃ見た事ないわ」
「魔法は得意分野だからなー」
リリが目を輝かせて感心すると、三巳は胸を反らせて「エッヘン」と得意顔をしました。
因みに無から有を創り出す魔法は、人間で使える人はいません。
三巳が神だからこそ使えるのです。だから、温泉施設の石も事前に用意されていたのですから。
「うーん、リリの淹れてくれるお茶はいつ飲んでも美味しいなー」
三巳は両手で茶器を持って一口飲みます。
お茶は美味しいし、天気は良いし、時折吹くそよ風は気持ち良いしで、三巳の耳と尻尾は嬉しそうにピクピク、フリフリ揺れています。
「ふふ、隠し味にハーブを少し入れてるのよ」
リリも三巳の毛並みに癒されながら、お茶を飲みます。
「リリは良いお嫁さんになるなー」
「そう……かな……」
何気無く言った三巳の言葉。それに返したリリの顔は、微笑んでいる様で、その実、感情が抜け落ちていました。
そんなリリの様子に三巳の耳と尻尾はヘニョんと垂れ下がってしまいます。
少し物思いに耽っていたリリですが、三巳の様子に気付いて「はっ」としました。
「ああっ、ごめんね。
ほら私料理はまだまだ上手に作れないからっ」
リリは慌てて、その場の空気を一層する様に両手をパタパタ振ります。
明らかに誤魔化している雰囲気ですが、三巳は誤魔化される事にしました。
「最初の頃に比べたら断然上手くなってるから安心していーぞー」
尻尾を大きく一振りして、ニカッと笑います。
リリもホッとして笑みが溢れました。
「そういう三巳こそ、料理は上手だし、可愛いし、モフモフだし、可愛いからモテるんじゃないかしら」
主にモフモフを凝視して言うリリに、三巳は照れた様な、困った様な笑いをしました。
「三巳はなー、人とは寿命が違うからなー」
「あ、そうね。ごめんね。
でも、三巳の赤ちゃんなら絶対可愛いと思うから良い人居たら逃さないでね」
「いたらなー」
リリの心からの願望に、三巳は快活に笑って答えました。
「三巳は一緒にスローライフ出来る奴が良いけど、リリは好きなタイプあるのか?」
先程のリリの様子は気になりますが、探る様に上目遣いで聞きます。
だって可愛いロダの為ですから。
(駄目そうなら謝ろー)
でも、優先すべきはリリの心です。
辛そうなら深く聞く気はありません。
リリは黙って俯向きそうになる自分を叱咤して、笑顔を作りました。
「そうね……誠実な人……かな。
酷い事をしない人……」
顔は笑顔ですが感情は何処か辛そうです。
それに魔力が乱れて落ち着かなくなったのを三巳は見逃しませんでした。
(リリの魔力が安定しないの、やっぱり心の傷が原因っぽいなー)
三巳はリリの心を慮りますが、無遠慮に聞いて心の傷を開いてしまってはいけません。
「まあ、酷い奴は誰だって論外だと思うぞー。
ドM位じゃないか?良いって言う奴」
リリの心の乱れを気にしつつ、肩を竦めて戯けて言うに留めました。
リリは明らかにホッとした様なので、やはり今は深く聞かない方が良いと改めて思うのでした。
(でも、少しは好きなタイプが判ったし。
ロダならリリには良いかもな。
良し、ロダには粉骨砕身努力して貰おう。
リリの為に!)
ロキ医師の診療所は今日も閑古鳥が鳴いています。
患者が居ないのはとても良い事です。
ロキ医師はニコニコとゆったりした面持ちで薬室の椅子に腰掛けています。
真向かいにはリリが座って薬液を掻き回しています。
「うんうん。リリやそこはもう一呼吸早めに回してごらん」
「はい、ロキ医師」
ロキ医師の指示に従って心持ち早く回します。
「そうれ、そろそろ色が変わってくるぞい。
変わった瞬間に残りの葉を入れてゆうっくり大きく回すんじゃ」
「はい。って、あ!今!」
返事をしている間に色が変わり始めます。
直ぐに完全に色が変わったので慌てて残りの葉を入れました。
「ほっほ。そんなに慌てんでも大丈夫じゃよ」
ロキ医師は朗らかに笑って言いました。
リリは粘度が強くなって重くなった薬液を大きく回すのに精一杯で言葉も出ません。
暫く回していましたが、等々重さに耐えられなくて止まってしまいました。
「これ以上は重くて回せません~」
ヘタリとへたったリリは眉尻を下げて情け無い声を出しました。
「どおれ、うんうん。大丈夫じゃこれで完成じゃよ」
ニッコリと笑うロキ医師に、リリはホッと一安心しました。
「後はコレを瓶に詰めたら今日はお仕舞いじゃ。
遊びに行っといで」
「はい、ありがとうございました!」
お礼を言って瓶を取りに行きます。
広く浅い瓶を持ってきたら薬を掬っては入れます。
重いのでコレも一苦労です。
やっと入れ終って棚にしまって薬室を出ると、三巳がチョコンと座っていました。
尻尾が所在無さ気にパタパタ揺れています。耳も若干垂れ気味で、リリは内心可愛いと悶えました。
「三巳どうしたの?子供達と遊びに行ったんじゃないの?」
リリもチョコンと腰を落として首を傾げました。
「うん。あのなー、リリとお話ししたくて待ってたんだ」
上目遣いにお強請りされてリリはキューンときて、お勉強の疲れなんてあっという間に飛んで行きました。
「うん、しようね!いっぱいお話ししようね!」
リリは三巳の耳をモフモフ撫でながら満面の笑みです。
三巳も撫でられて気持ち良さそうに目を閉じます。
「それじゃあ、天気も良いし庭でお茶しながら話そうな」
「わあ、お茶会なんて久し振りだわ。楽しみ!」
三巳の提案にリリは両手を合わせて喜びました。
お茶とお菓子を持って庭に出た三巳は、簡易テーブルセットを魔法で作りました。
「三巳の魔法は凄いわよね。私がいた国じゃ見た事ないわ」
「魔法は得意分野だからなー」
リリが目を輝かせて感心すると、三巳は胸を反らせて「エッヘン」と得意顔をしました。
因みに無から有を創り出す魔法は、人間で使える人はいません。
三巳が神だからこそ使えるのです。だから、温泉施設の石も事前に用意されていたのですから。
「うーん、リリの淹れてくれるお茶はいつ飲んでも美味しいなー」
三巳は両手で茶器を持って一口飲みます。
お茶は美味しいし、天気は良いし、時折吹くそよ風は気持ち良いしで、三巳の耳と尻尾は嬉しそうにピクピク、フリフリ揺れています。
「ふふ、隠し味にハーブを少し入れてるのよ」
リリも三巳の毛並みに癒されながら、お茶を飲みます。
「リリは良いお嫁さんになるなー」
「そう……かな……」
何気無く言った三巳の言葉。それに返したリリの顔は、微笑んでいる様で、その実、感情が抜け落ちていました。
そんなリリの様子に三巳の耳と尻尾はヘニョんと垂れ下がってしまいます。
少し物思いに耽っていたリリですが、三巳の様子に気付いて「はっ」としました。
「ああっ、ごめんね。
ほら私料理はまだまだ上手に作れないからっ」
リリは慌てて、その場の空気を一層する様に両手をパタパタ振ります。
明らかに誤魔化している雰囲気ですが、三巳は誤魔化される事にしました。
「最初の頃に比べたら断然上手くなってるから安心していーぞー」
尻尾を大きく一振りして、ニカッと笑います。
リリもホッとして笑みが溢れました。
「そういう三巳こそ、料理は上手だし、可愛いし、モフモフだし、可愛いからモテるんじゃないかしら」
主にモフモフを凝視して言うリリに、三巳は照れた様な、困った様な笑いをしました。
「三巳はなー、人とは寿命が違うからなー」
「あ、そうね。ごめんね。
でも、三巳の赤ちゃんなら絶対可愛いと思うから良い人居たら逃さないでね」
「いたらなー」
リリの心からの願望に、三巳は快活に笑って答えました。
「三巳は一緒にスローライフ出来る奴が良いけど、リリは好きなタイプあるのか?」
先程のリリの様子は気になりますが、探る様に上目遣いで聞きます。
だって可愛いロダの為ですから。
(駄目そうなら謝ろー)
でも、優先すべきはリリの心です。
辛そうなら深く聞く気はありません。
リリは黙って俯向きそうになる自分を叱咤して、笑顔を作りました。
「そうね……誠実な人……かな。
酷い事をしない人……」
顔は笑顔ですが感情は何処か辛そうです。
それに魔力が乱れて落ち着かなくなったのを三巳は見逃しませんでした。
(リリの魔力が安定しないの、やっぱり心の傷が原因っぽいなー)
三巳はリリの心を慮りますが、無遠慮に聞いて心の傷を開いてしまってはいけません。
「まあ、酷い奴は誰だって論外だと思うぞー。
ドM位じゃないか?良いって言う奴」
リリの心の乱れを気にしつつ、肩を竦めて戯けて言うに留めました。
リリは明らかにホッとした様なので、やはり今は深く聞かない方が良いと改めて思うのでした。
(でも、少しは好きなタイプが判ったし。
ロダならリリには良いかもな。
良し、ロダには粉骨砕身努力して貰おう。
リリの為に!)
10
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる