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とある女子社員(モブ)の考察
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今の会社に入って三年。正直毎日辞めたいと思ってる。
でも周りに言われて流されるまま、あとひと月。あと半年。頑張れあと一年!って言ってる内にもう三年目になってた。
同じ会社に三年もいると例えそこがブラックでも辞め辛くなるみたいで、今この会社辞めたらどうなるんだろうって。不安は不安を呼んで、結局胃をキリキリさせながら今日も部長のパワハラに耐える。
「は?ここはこうしろって言っただろうが!何を聞いていたんだ!」
バンって威圧も高く机を叩きつけなくても良いじゃん。
大体何をも何も、部長がこの前別のやり方で指示したんじゃん。
部長の声と威圧が怖くて委縮して泣きそうな状態じゃ反論も出来ないけど。
こんなの日常茶飯事。
だから今日も胃がキリキリ痛い。
あ。ヤバい。胃腸薬切らしてた。帰りに買って帰らないと。
そんな日常を繰り返してたら、私の前に天使が舞い降りた。
「そう言うと思ってこのやり方でもやっておきました。お好きな方を選んでください」
うわっ!あの新人言うなぁ!
鈴村さんって言ったっけ。部長の仏頂面も怖いけど、鈴村さんもなかなかの能面よね。二人とも笑うって事知らなそう。
「勝手に何をやっている!勤務時間を無駄に使うな!」
そりゃそうだよねー。
でもそうさせてるの部長。
「ご安心ください。こちらは全て休憩時間中に作成しています」
え?休憩時間に食堂で見かけた事無いと思ってたら、何やってんの?この人変。
因みに後で知った事だけど、この時の書類は休憩時間所か自宅で寝る間を惜しんで作成していたらしい。
ワーカーホリックにも程があるだろう。体を労われ。ていうか寝れ。
まあ、自分の時間で何をやった所で会社に痛手はない訳で、好きにやった行為に対して部長も大した事は言えなかった。
いやー、胸がスカッとするってこういう事かー。
それからもチョクチョク部長と鈴村さんの遣り取りは繰り返されて、次第に部長ってば鈴村さんの動向を気にする様になってさ。これには女子社員一同で笑っちゃったわよね。
「今は休憩時間中だ。その手を止めろ」
おいおい。つい最近まで出来ないなら休憩時間を削ってやるのが当たり前みたいな風潮作ってたの誰よ。
「仕事をしていた方が心も体も休まります」
「そんな訳あるか。少なくとも体は疲弊する。その手を止めて……ほら、女子社員同士の交流を図ったらどうだ」
「それは仕事ですか?」
「いや、仕事ってお前な。いやいい、わかった。もういい」
この会話の後、部長はやたらと鈴村さんに無理難題な量の仕事を回す様になった。
どうやら根を上げるか、私達に助けを求める事で交流させようとしたらしい。
今の所全部失敗に終わってるけど。
毎回確実に増えていく仕事に、この時ばかりは良い笑顔で受け取っていく鈴村さん。
彼女って、笑えたんだなー(遠目)。
うん。もう二人お似合いだから付き合っちゃえばいいよ(投げやり)。
そんなこんなしていたある時、流石に無茶をしていたんだろうな。鈴村さんの顔色が日に日に悪くなっていった。反比例するように笑顔は増えたけど。
「おい金子、お前昼休憩中に鈴村見た事あるか?」
何時もの仏頂面。でも視線はチラチラと鈴村さんを気にしていて。
因みに金子とは私の事です。はい。
「いいえ。一度も無いです」
「あ、俺見たっすよ。忘れ物取りに来たらずっとパソに齧り付いてたっす」
私が首を横に振ったら、隣のデスクで話を聞いていた男子社員の藤原さんが身を乗り出して話に混ざって来た。
「藤原。お前はその言葉遣いを直せと何度言えば」
「わわわっ、今は鈴村さんの事っすよね!?」
「ああ、そうだな。藤原とは今度みっちり話す。逃げるなよ」
「うぃ~っす……」
「で?鈴村は何を食べていた?まさか栄養ゼリーで済ませて無かったろうな」
「何も」
「「は?」」
藤原さんのあっけらかんとした顔と、言った言葉が上手く呑み込めなくて、珍しく部長と揃って間抜けな声を出した。
「だから何も食べて無かったすし、食べる用意も食べ終えた痕跡も何も無かったす」
流石にこの時ばかりは私も部長も頭を抱えた。
昼休憩を取らないどころか食事抜かすって何やってんの!?
「部長。鈴村さんはどうにかした方が良い気がします」
「奇遇だな。俺もアレはどうにかしたいと思っている」
そんな訳でこの次の日から部長の部長による部長の手作り弁当(日に日にバージョンアップする)で鈴村さんの栄養と健康管理が始まった……。
勤続三年目。最近職場が面白くて辞められません。
でも周りに言われて流されるまま、あとひと月。あと半年。頑張れあと一年!って言ってる内にもう三年目になってた。
同じ会社に三年もいると例えそこがブラックでも辞め辛くなるみたいで、今この会社辞めたらどうなるんだろうって。不安は不安を呼んで、結局胃をキリキリさせながら今日も部長のパワハラに耐える。
「は?ここはこうしろって言っただろうが!何を聞いていたんだ!」
バンって威圧も高く机を叩きつけなくても良いじゃん。
大体何をも何も、部長がこの前別のやり方で指示したんじゃん。
部長の声と威圧が怖くて委縮して泣きそうな状態じゃ反論も出来ないけど。
こんなの日常茶飯事。
だから今日も胃がキリキリ痛い。
あ。ヤバい。胃腸薬切らしてた。帰りに買って帰らないと。
そんな日常を繰り返してたら、私の前に天使が舞い降りた。
「そう言うと思ってこのやり方でもやっておきました。お好きな方を選んでください」
うわっ!あの新人言うなぁ!
鈴村さんって言ったっけ。部長の仏頂面も怖いけど、鈴村さんもなかなかの能面よね。二人とも笑うって事知らなそう。
「勝手に何をやっている!勤務時間を無駄に使うな!」
そりゃそうだよねー。
でもそうさせてるの部長。
「ご安心ください。こちらは全て休憩時間中に作成しています」
え?休憩時間に食堂で見かけた事無いと思ってたら、何やってんの?この人変。
因みに後で知った事だけど、この時の書類は休憩時間所か自宅で寝る間を惜しんで作成していたらしい。
ワーカーホリックにも程があるだろう。体を労われ。ていうか寝れ。
まあ、自分の時間で何をやった所で会社に痛手はない訳で、好きにやった行為に対して部長も大した事は言えなかった。
いやー、胸がスカッとするってこういう事かー。
それからもチョクチョク部長と鈴村さんの遣り取りは繰り返されて、次第に部長ってば鈴村さんの動向を気にする様になってさ。これには女子社員一同で笑っちゃったわよね。
「今は休憩時間中だ。その手を止めろ」
おいおい。つい最近まで出来ないなら休憩時間を削ってやるのが当たり前みたいな風潮作ってたの誰よ。
「仕事をしていた方が心も体も休まります」
「そんな訳あるか。少なくとも体は疲弊する。その手を止めて……ほら、女子社員同士の交流を図ったらどうだ」
「それは仕事ですか?」
「いや、仕事ってお前な。いやいい、わかった。もういい」
この会話の後、部長はやたらと鈴村さんに無理難題な量の仕事を回す様になった。
どうやら根を上げるか、私達に助けを求める事で交流させようとしたらしい。
今の所全部失敗に終わってるけど。
毎回確実に増えていく仕事に、この時ばかりは良い笑顔で受け取っていく鈴村さん。
彼女って、笑えたんだなー(遠目)。
うん。もう二人お似合いだから付き合っちゃえばいいよ(投げやり)。
そんなこんなしていたある時、流石に無茶をしていたんだろうな。鈴村さんの顔色が日に日に悪くなっていった。反比例するように笑顔は増えたけど。
「おい金子、お前昼休憩中に鈴村見た事あるか?」
何時もの仏頂面。でも視線はチラチラと鈴村さんを気にしていて。
因みに金子とは私の事です。はい。
「いいえ。一度も無いです」
「あ、俺見たっすよ。忘れ物取りに来たらずっとパソに齧り付いてたっす」
私が首を横に振ったら、隣のデスクで話を聞いていた男子社員の藤原さんが身を乗り出して話に混ざって来た。
「藤原。お前はその言葉遣いを直せと何度言えば」
「わわわっ、今は鈴村さんの事っすよね!?」
「ああ、そうだな。藤原とは今度みっちり話す。逃げるなよ」
「うぃ~っす……」
「で?鈴村は何を食べていた?まさか栄養ゼリーで済ませて無かったろうな」
「何も」
「「は?」」
藤原さんのあっけらかんとした顔と、言った言葉が上手く呑み込めなくて、珍しく部長と揃って間抜けな声を出した。
「だから何も食べて無かったすし、食べる用意も食べ終えた痕跡も何も無かったす」
流石にこの時ばかりは私も部長も頭を抱えた。
昼休憩を取らないどころか食事抜かすって何やってんの!?
「部長。鈴村さんはどうにかした方が良い気がします」
「奇遇だな。俺もアレはどうにかしたいと思っている」
そんな訳でこの次の日から部長の部長による部長の手作り弁当(日に日にバージョンアップする)で鈴村さんの栄養と健康管理が始まった……。
勤続三年目。最近職場が面白くて辞められません。
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