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魔法王国アルテナでの日々

ステラとミレア、まさかの茂みで生着替え!?

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 そして休日。ルーク達は朝早く集合した。今日はとても良い天気でバーベキュー日和としては最高だが、湖までは徒歩だ。炎天下の中汗だくになって歩かなければならない。これはお坊ちゃま育ち(と言うか王子様育ち)のルークとお嬢様育ち(と言うかお姫様育ち)のステラには厳しい道のりだ。いつぞやの野外授業の時みたいにシルフの力を借りて湖までひとっ飛びと洒落込みたいところだが、そんな芸当はルーク達どころか魔法をある程度使えるステラを以てしても不可能だ。

 まだ午前中だというのに溶けてしまいそうな程に暑い中を延々と歩き、湖に到着したのはお昼前だった。

「この辺で良いだろ」

 適当な場所を見繕ったデイブが荷物を下ろし、敷物を敷いて陣地を作った。

「ステ……メイティ、大丈夫?」

 ルークが疲れた顔のステラを気遣って声をかけた。

「うん、大丈夫よ。ありがとう」

 笑顔で答えるステラだが、実は疲労困憊で正直なところあまり大丈夫では無い。それに日陰が欲しいところだが、贅沢を言うわけにはいかない。なにしろバーベキューに使う道具や食材はデイブとエディが持ってくれて、ステラとミレア、そしてルークは自分の荷物しか持っていなかったのだから。

「それにしても、本当暑いわねー」

 ミレアが空を見上げて言った。
 青く晴れ渡った空に照りつける太陽、そして目の前には湖が広がっている。やるべき事は一つしか無い。デイブはミレアの声に応える様に言った。

「まったくだ。まず泳ごうぜ!」

 そして、言ったと思うとその場で服を脱ぎ出した。これに焦ったのはミレアだ。

「ちょ、ちょっとあんた! なにいきなり服脱いでんのよ!」

「服着たまんまじゃ水に入れないじゃねぇか」

『お前は何を言ってるんだ?』といった顔のデイブにミレアは顔を真っ赤にして罵る様に叫んだ。

「だからって、女の子の前で脱ぎ出す事は無いでしょ。この変態!」

「大丈夫。下にはちゃんと海パン履いてっからよ」

「小学生みたいな事してるんじゃ無いわよ。メイティは水着持って来たの?」

 ズボンを下げてアピールするデイブにミレアは呆れた様な、ほっとした様な顔で吐き捨てる様に言った後、ステラに尋ねた。

「ええ。でも、着替える場所が無いんですね」

 もちろんステラも水着は持って来ている。だが、着替える場所が無いとは思っていなかった。困った顔のステラにミレアはあっさりと言った。

「向こうの茂みで着替えるしか無いわね」

「えっ 茂みで……?」

「うん。行くわよ」

 ミレアがステラの手を取り、茂みへと引っ張った。どうやらミレアは茂みでの着替えに慣れている様だ。だが、ステラはそんなの初めてだ……と言うか、茂みで着替えるなんて考えた事も無い。しかも水着に着替えるという事は下着も脱がなければならない。おまけにルークを始めとしてデイブとエディ、男子が三人も一緒なのだ。

 恥ずかしそうに茂みに入るのを躊躇うステラ。するとミレアがドスの効いた声でルーク達に警告した。

「あんた達、覗いたら殺すからね」



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