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23.気持ち良すぎてイクッ…!

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  考える余裕は、律動によってどんどんかき消されていく。
  さっきよりも、彼の動きが早まっているのだ。

  やだ……

「っ…シン…!
あん…だめ…っ…!」

  彼は観察するように、しかし少し息を荒げながら、私を見下ろしている。

「はぁ…何がダメ…?
言ってみて」

  律動を止めず意地悪そうにそうほんの少し口角を上げる彼の腕に、必死にしがみつく。

  気持ち良すぎて…!

「おかしく…なっちゃうっ…んっ!あっ!」

  彼はまた一層強く奥へ奥へと貫こうとする。
  それがまた、快感になる。

「いいよ。
ただ感じてれば」

「あ、あ、あ、あ、ああぁ…!」

  彼はフッとまた笑みをこぼして、更に深くに律動を送り込む。

  もっともっと、シて欲しい…!

「シン…っ…シン!!」

  言葉に出来ないからか、無意識に彼の名前を呼ぶ。
  見下ろしている彼の手を必死に引くと、彼は律動を止めることなく身体を下ろし、頭を撫でるようにギュッと抱きしめてくれた。

  この人がくれるのは、快感だけではない。 
  人肌が、こんなにも安心させるものとは。

  無意識に涙が滲んで、ギュッと彼に抱きついた。
  
「はっ…はっ…」
  
  肩越しに聞こえる彼の短い呼吸と、身体にほんのり張り付く汗と。
  大きな胸の早い鼓動が、彼も自分となのかもしれないと思わせた。

  彼も気持ちいいと感じているのだろうか?

「んん…シン…ぁむ」
「っ……!」

  彼にされたように、顔をズラして彼の耳をそっとしゃぶると、私の中の彼が少し震えて停止したのち、大きくなった気がした。

「はぁっ…そういうの、反則」
「へ……?
やぁ…あっ!あっ!!…!」

  パンパンパン…!!!!
  グチュグチュグチュ…!

  身体のナカを勢いよく掻き回されるかのよう。

  快感が止まらない!

  まさかずっと手を抜いていたのだろうか?

  さっきよりもまた少し早い…!

「あぁ…クセになりそう」

「んぁっ!」

  彼の顔が胸元へ降りたと思えば、律動を止めずに胸の先をチュパチュパと吸い始めた。

  ジュルジュル…

「あああんっ!あっ!」

  彼の舌が器用に私の乳房を舐め回す度、その刺激が頭にまで響いてくる。

  身体中にまた更なる電気が加わり、彼に突かれている子宮がキューッとなる。
  それと同時に、何かが急速に込み上げてくるのを感じて、また恐くなった。

「シン!もうっ…無理…あんっ!シン!シンッ!ああああっあっ!!」

  パンパンパンパン…!

  肌と肌がぶつかる音が部屋に響く。

  奥の1点を狙うように、深いところで細かく前後されて、胸に刺激を加える彼に助けを求めるように頬を挟んだ。
  
「っ…すげぇ締め付け…俺もイきそう」

「シン…っあ!あっ!あぁ…ぁん!」

  声にならない。
  言葉にならない。

  ただこの人の名前を呼ぶことしか。

  息が乱れて、何も考えられない。

  ただこの人のことしか。

  頬に手を添える彼は、やはり同じように息を乱していて。
  今まで見た中で、一番色っぽく、感情が濃く見えて。
  それがまた、酷く、感じさせる。

  彼は私の肩甲骨を抱くように肩へ手を伸ばし、ギュッと私を抱き締めた。
  同じように私も、彼の背中に手を回し、ギュッと密着した。

「はっ…イくよ、結奈」

  首筋に鼻を押し当てるように、彼の声が私を撫でる。

「シン…んっ!」

  そっと首筋にキスをされているのが分かる。
  まるで愛されてるのではと錯覚してしまうほど優しく。

  さっきから使われてるイク、がどんな意味かよく分かってない。

  けど、もう、このまま身を委ねたい、そう思った。

  この人になら…!

「っ…………!」
「あぁぁぁああああっ!!」
  
  これでもかというほど、彼の律動がまた早くなった。
  押し寄せる快感の波に、自然と身体が仰け反って、ギュッと彼を締め付けた。
  声が勝手に、溢れてくる。

  ビクッ!

 「ああっっ!!!!」

  グンッと、強く一度、大きく押し込まれる。
  何かが更に奥へとぶつかるのを感じたが、それが数回続くと、次第に弱まっていく。

  私のナカが、ビクビクと震えるのと同時に、私の中の彼も、脈を打つのを感じた。

  これが、セックス…?
  イクというのは、射精のこと…?

  私のナカに、彼の精子が…?

  これで、妊娠しちゃう…?
  こんなに、気持ちいいことをして…?


「はっ…はぁ…はぁ…結奈…?」
「はっ…はぁ……んん……はぁ……」

  彼は乱れた呼吸のまま私の顔色を伺い、少し優しい表情をすると、一度だけ額へキスを落とした。

  唇に、キスして欲しいのに…

  その代わりなのか、また彼は優しく私を抱き締めて、優しい首筋にキスを落としていく。

  ナカの快感はもう終わったと思ったのに、またキュンキュンと締め付けた。

「し…ん……」

  あれ?

  そっと彼の髪に手を触れるも、目を開けていられなくて。

  段々と、視界が霞んでいく。

  彼にお礼が言いたい。
  彼の顔を見たい。
  彼にまたキスをしたい。

  そう思うのに。

  瞼を上げていられず、ソッと閉じた時には、もう、起きていられなかった。

  最後に感じた、唇に重なる熱が、夢のものかどうかなんて、分からなかった。
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