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97.部長はおたんこなす
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ま、まずい…これは止める気無い奴だ…!
直感的にも本能的にも、今更ながら私の全女性の部分が危険信号を発している。
一体いつから、この雰囲気になったんだ!?
部屋の匂いを嗅いだ時?
それとも、私が距離を取って部長を無視した時から決めていた!?
とにかく、これは、まずい。
「っ………!」
シャツを捲られ、ブラのすぐ上にわざとらしくキスして来て、ゾクッと肌が震えた。
この前脱がされたのとは、感覚が違う。
強引なのは変わらないはずなのに…。
あの時は、抵抗しようとは思わなかった。
今は……止めてほしい。
ただのエサに思えて、嫌だ。
でも、止める気無いこの部長を、どうやって止めればいい?
「ぶ、部長…のっ!」
なんとか押し返そうとして、ビクともしないコンクリートのような腕に手を押し当てた。
こんなの、やけくそだ!
「馬鹿! 阿呆! 間抜け! 変態! おたんこなす! ちんちくりん!
水鉄砲! 豆鉄砲! 鳩ぽっぽー!!」
大声が震えてひっくり返るも、必死に叫ぶ。
「……おい」
よ、よし食いついた!
「変人吸血鬼ー!! ペペロンチーノー!! コーヒー人間ー!!」
部長のワックスのついた硬い髪をなんとか押さえつけるように必死に揺らすと、流石の石頭にも少しは響いたようで細めた金色の瞳を不満げに上げた。
「おい……」
「鬼部長ー!! 強姦部長ー!! 吸血鬼部長ー!! 悪魔部長ー!! 変態鬼強姦魔部長ー!!」
「おいって! あることない事……」
食いつきが強くなった所で僅かに出来た隙間から慌てて身体を逃がそうとするも、反応速度の早い部長には何の効果もなく結局手首を掴まれて逃げ道が塞がれた。
「やめろよ」
「い、嫌です!」
「いや黙れ。
お前にはムードってものが…」
「何がムードですか!
こ、こんな、有無を言わさず犯すような…黙ってやられてろって、なんでそんなことが言えるんですか!
私の了承も何も、聞く気もないくせに!
私の気持ちも無視して、どうしてこんなこと出来るんですか!!」
一気に捲し立てると、息が上がった。
同時に数分前まで強張っていた身体の緊張が解れて、筋肉痛になったなのではと思えるようにガクガク震え始める。
自分の身体を支えるように腕を抑えるのを見てか、私の言葉が多少響いたのか。
部長は黒に戻った瞳で驚いたように私を見た。
緩んだ拍子に滲んだ涙が頬を伝って降りていく。
「それは、お前が……」
「私が隠し事している風に見えたからですか!?
聞きたくないって言ったのは部長ですよね!?
私が悪いって言いたいんですか!?
私のこと何も理解しようとしてないくせに!」
怒鳴るように言い放って、ギュッと手を握り締めた。
皮肉を言いたいだけなのに、余計な言葉が、溢れてしまう。
おたんこなすな部長の、せいにしたいだけ、なの。
直感的にも本能的にも、今更ながら私の全女性の部分が危険信号を発している。
一体いつから、この雰囲気になったんだ!?
部屋の匂いを嗅いだ時?
それとも、私が距離を取って部長を無視した時から決めていた!?
とにかく、これは、まずい。
「っ………!」
シャツを捲られ、ブラのすぐ上にわざとらしくキスして来て、ゾクッと肌が震えた。
この前脱がされたのとは、感覚が違う。
強引なのは変わらないはずなのに…。
あの時は、抵抗しようとは思わなかった。
今は……止めてほしい。
ただのエサに思えて、嫌だ。
でも、止める気無いこの部長を、どうやって止めればいい?
「ぶ、部長…のっ!」
なんとか押し返そうとして、ビクともしないコンクリートのような腕に手を押し当てた。
こんなの、やけくそだ!
「馬鹿! 阿呆! 間抜け! 変態! おたんこなす! ちんちくりん!
水鉄砲! 豆鉄砲! 鳩ぽっぽー!!」
大声が震えてひっくり返るも、必死に叫ぶ。
「……おい」
よ、よし食いついた!
「変人吸血鬼ー!! ペペロンチーノー!! コーヒー人間ー!!」
部長のワックスのついた硬い髪をなんとか押さえつけるように必死に揺らすと、流石の石頭にも少しは響いたようで細めた金色の瞳を不満げに上げた。
「おい……」
「鬼部長ー!! 強姦部長ー!! 吸血鬼部長ー!! 悪魔部長ー!! 変態鬼強姦魔部長ー!!」
「おいって! あることない事……」
食いつきが強くなった所で僅かに出来た隙間から慌てて身体を逃がそうとするも、反応速度の早い部長には何の効果もなく結局手首を掴まれて逃げ道が塞がれた。
「やめろよ」
「い、嫌です!」
「いや黙れ。
お前にはムードってものが…」
「何がムードですか!
こ、こんな、有無を言わさず犯すような…黙ってやられてろって、なんでそんなことが言えるんですか!
私の了承も何も、聞く気もないくせに!
私の気持ちも無視して、どうしてこんなこと出来るんですか!!」
一気に捲し立てると、息が上がった。
同時に数分前まで強張っていた身体の緊張が解れて、筋肉痛になったなのではと思えるようにガクガク震え始める。
自分の身体を支えるように腕を抑えるのを見てか、私の言葉が多少響いたのか。
部長は黒に戻った瞳で驚いたように私を見た。
緩んだ拍子に滲んだ涙が頬を伝って降りていく。
「それは、お前が……」
「私が隠し事している風に見えたからですか!?
聞きたくないって言ったのは部長ですよね!?
私が悪いって言いたいんですか!?
私のこと何も理解しようとしてないくせに!」
怒鳴るように言い放って、ギュッと手を握り締めた。
皮肉を言いたいだけなのに、余計な言葉が、溢れてしまう。
おたんこなすな部長の、せいにしたいだけ、なの。
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