13 / 106
12.俺様系イケメンなはずの部長が中二病全開なんですが
しおりを挟む
「バカ……」
「す、すみません……でも、おかしいでしょう!?
だって部長、私ですよ!? 三谷ですよ!?
なんでキスするんですか!!」
目を細める部長に対して、威圧感を受けながらも、流石に引くわけにはいかない。
だって、部長がキスしようとしているのは、他の誰でもなく私なのだ。
私は部長の想い人との関係を壊してしまったやもしれぬ、いわば部長の敵であり、私にとっても越えなければ社会人として生きてはいけない一番の壁であり天敵なのだ。
それがどうして、キスに結びつくのだ!?
「いいからリモコン降ろせよ」
「よ、良くないです! ちゃんと質問に答えていただくまでは……」
「お前はリモコン大好き人間か」
「なんですかそのストレートな呼び方は!!
メガネリモコンの方がまだ愛嬌が……」
「あ?」
「ひっ! なんでもないです! とにかく!」
リモコンの奪い合いの最中、またもや自分の失態を晒そうとして話を戻す。
「ちゃんと説明してください!」
「なんで」
「だ、だって、部長は……城島さんのことが好きですよね!?」
「……は?」
なんとかリモコンをこちらに引き戻したところで、リモコンの背後に隠れるようにして叫んだ。
こちらも勇気を出した結果顔が真っ赤な為、恥ずかしくて目を向けられない、が。
リモコンを引き剥がそうとしていた手が止まったことに気付いて、恐る恐る部長の顔を覗き込む。
あ……。
一瞬、ほんの一瞬だけ、部長の漆黒の瞳が、寂しそうに細められていた。
その目はすぐに逸らされて、空を見つめる。
それが肯定なのだと、普段理解力が無い私でもなんとなく察した。
ん……黒?
「部長、なんで瞳が黒いんですか? さっきまで、金色だったような……」
リモコンに隠れるように、警戒しつつも近寄ると、部長はパッとこちらに向き直り、ビクッと反応した私の手から素早くリモコンを抜き取った。
「あ……! 私のリモコーー!」
「刻印の相手だからだ」
唐突に聞こえて来た、聞きなれないワードに、ポカンと部長を見上げる。
「コクイン……?」
刻印の、相手……?
何その、運命の人、みたいなノリは……と突っ込みたくなったが、杉村部長はあくまで真剣な眼差しで、真っ直ぐ私を見つめて言った。
「お前には俺と結婚して子供を産んでもらう」
「は……はぃ!?」
実家にいるお父さん、お母さん。
私、どうやらかなりイかれた上司を持ったようです。
「す、すみません……でも、おかしいでしょう!?
だって部長、私ですよ!? 三谷ですよ!?
なんでキスするんですか!!」
目を細める部長に対して、威圧感を受けながらも、流石に引くわけにはいかない。
だって、部長がキスしようとしているのは、他の誰でもなく私なのだ。
私は部長の想い人との関係を壊してしまったやもしれぬ、いわば部長の敵であり、私にとっても越えなければ社会人として生きてはいけない一番の壁であり天敵なのだ。
それがどうして、キスに結びつくのだ!?
「いいからリモコン降ろせよ」
「よ、良くないです! ちゃんと質問に答えていただくまでは……」
「お前はリモコン大好き人間か」
「なんですかそのストレートな呼び方は!!
メガネリモコンの方がまだ愛嬌が……」
「あ?」
「ひっ! なんでもないです! とにかく!」
リモコンの奪い合いの最中、またもや自分の失態を晒そうとして話を戻す。
「ちゃんと説明してください!」
「なんで」
「だ、だって、部長は……城島さんのことが好きですよね!?」
「……は?」
なんとかリモコンをこちらに引き戻したところで、リモコンの背後に隠れるようにして叫んだ。
こちらも勇気を出した結果顔が真っ赤な為、恥ずかしくて目を向けられない、が。
リモコンを引き剥がそうとしていた手が止まったことに気付いて、恐る恐る部長の顔を覗き込む。
あ……。
一瞬、ほんの一瞬だけ、部長の漆黒の瞳が、寂しそうに細められていた。
その目はすぐに逸らされて、空を見つめる。
それが肯定なのだと、普段理解力が無い私でもなんとなく察した。
ん……黒?
「部長、なんで瞳が黒いんですか? さっきまで、金色だったような……」
リモコンに隠れるように、警戒しつつも近寄ると、部長はパッとこちらに向き直り、ビクッと反応した私の手から素早くリモコンを抜き取った。
「あ……! 私のリモコーー!」
「刻印の相手だからだ」
唐突に聞こえて来た、聞きなれないワードに、ポカンと部長を見上げる。
「コクイン……?」
刻印の、相手……?
何その、運命の人、みたいなノリは……と突っ込みたくなったが、杉村部長はあくまで真剣な眼差しで、真っ直ぐ私を見つめて言った。
「お前には俺と結婚して子供を産んでもらう」
「は……はぃ!?」
実家にいるお父さん、お母さん。
私、どうやらかなりイかれた上司を持ったようです。
0
お気に入りに追加
691
あなたにおすすめの小説
【R18】カッコウは夜、羽ばたく 〜従姉と従弟の托卵秘事〜
船橋ひろみ
恋愛
【エロシーンには※印がついています】
お急ぎの方や濃厚なエロシーンが見たい方はタイトルに「※」がついている話をどうぞ。読者の皆様のお気に入りのお楽しみシーンを見つけてくださいね。
表紙、挿絵はAIイラストをベースに私が加工しています。著作権は私に帰属します。
【ストーリー】
見覚えのあるレインコート。鎌ヶ谷翔太の胸が高鳴る。
会社を半休で抜け出した平日午後。雨がそぼ降る駅で待ち合わせたのは、従姉の人妻、藤沢あかねだった。
手をつないで歩きだす二人には、翔太は恋人と、あかねは夫との、それぞれ愛の暮らしと違う『もう一つの愛の暮らし』がある。
親族同士の結ばれないが離れがたい、二人だけのひそやかな関係。そして、会うたびにさらけだす『むき出しの欲望』は、お互いをますます離れがたくする。
いつまで二人だけの関係を続けられるか、という不安と、従姉への抑えきれない愛情を抱えながら、翔太はあかねを抱き寄せる……
托卵人妻と従弟の青年の、抜け出すことができない愛の関係を描いた物語。
◆登場人物
・ 鎌ヶ谷翔太(26) パルサーソリューションズ勤務の営業マン
・ 藤沢あかね(29) 三和ケミカル勤務の経営企画員
・ 八幡栞 (28) パルサーソリューションズ勤務の業務管理部員。翔太の彼女
・ 藤沢茂 (34) シャインメディカル医療機器勤務の経理マン。あかねの夫。
エッチな下着屋さんで、〇〇を苛められちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
『色気がない』と浮気された女の子が、見返したくて大人っぽい下着を買いに来たら、売っているのはエッチな下着で。店員さんにいっぱい気持ち良くされちゃうお話です。
【完結】【R18百合】女子寮ルームメイトに夜な夜なおっぱいを吸われています。
千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。
風月学園女子寮。
私――舞鶴ミサが夜中に目を覚ますと、ルームメイトの藤咲ひなたが私の胸を…!
R-18ですが、いわゆる本番行為はなく、ひたすらおっぱいばかり攻めるガールズラブ小説です。
おすすめする人
・百合/GL/ガールズラブが好きな人
・ひたすらおっぱいを攻める描写が好きな人
・起きないように寝込みを襲うドキドキが好きな人
※タイトル画像はAI生成ですが、キャラクターデザインのイメージは合っています。
※私の小説に関しては誤字等あったら指摘してもらえると嬉しいです。(他の方の場合はわからないですが)
クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た
pelonsan
恋愛
ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。
僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。
昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。
去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日……
※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
【R18百合】会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています
千鶴田ルト
恋愛
桜庭ハルナは、会社の先輩社員である月岡美波と付き合っている。
問題なく仲良く過ごしていたが、四月になり美波が異動して、色々と状況が変わってきた。
ハルナと美波の関係性はどうなっていくのか。
「会社のゆるふわ後輩女子に抱かれました」https://www.alphapolis.co.jp/novel/759377035/4808951
の続編です。
同じ二人の物語ではありますが、少し仕事の面が増えてきて毛色が変わるかもしれません。
前作よりも性的シーンは減るので、性的シーンありの話数には「※」をつけます。
※タイトル画像はAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる