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ライバルと答え
9 ☆
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「で、なんでこの体勢なんですか……?」
「説教モード」
「はい?」
足元に湯たんぽが入ってて、温かいのは有難い。
けど、横には腕枕をした先輩がいて。
強制的に横を向かされて、布団の中で抱き締められている。
「清水がさっき言ってたろ?
人肌は温まるって」
「確かに、そのようなことを言ってましたけど……」
正直、ドキドキの方が強い。
「……唇の血色、戻ってきたな」
「えっ……ん………」
顎を上げられたと思えば、唇に先輩の指が触れる。
「何感じてんの?」
「ち、ちがっ……!
触られたこと、無いから……」
「へぇー…じゃあ、キスもまだ?」
「そ、そりゃ……そうですよ………」
「ふーん」
「な、なんですか…!?」
目を細める先輩に、ドキドキして俯く。
「……今期待してるだろ」
「な、何をですか!」
「キス」
「ば、バカですか!?」
「バカとはなんだ」
先輩の顔が近づいた。
思わず、目を背ける。
「で………さっきの、男は、誰?」
「へ……あ………矢部くんです……」
急にトーンが静かになって、ドキッとする。
「知り合い?」
「同じクラスです……ん………」
湿った髪の毛が弄ばれる。
神経がそっちに集中してしまい、声が漏れてしまう。
「ふーん……あんた、そいつに触られても平気なんだ?」
「え……いや………恐かった……です………」
「それだけ?」
「えと………顔も、見れないです……ん………」
先輩の指が、首筋をなぞる。
なんでだろ、唇が這うときと同じくらい、神経がピリピリと反応する。
「へぇ……でも、抱き上げられて、気を失ったりはしなかったんだ……」
「ん……だ、だって……あの時は……なんというか………っ」
「だって、何?」
顔を上げると、先輩の目が冷たくこちらを見ていた。
少し恐いのに、声音はなんだか、スゴく………。
「命の危機というか……気を失う場合じゃなかったというか………っ……あ………」
先輩の手が、離れたかと思えば突然背中からシャツの中に入ってきた。
逃れようと前に出るも、先輩の体があって逃げられない。
腕枕された手で、頭を押さえられてしまった。
先輩の胸元に、顔がくっつく。
「……そういう状況なら、男嫌いもなんとかなるんだ?」
「わ、わっかんないです………んっ!」
背骨を先輩の指がなぞる。
ゾクゾクと、電気が走る。
「分かんないじゃ、困る。
あんたの体なんだから」
「あ………」
一瞬で、ブラのホックが外されてしまった。
「せんぱ………っ!」
顔を上げるも、先輩の首筋に口を付けるような体勢に押し込まれてしまう。
「例えば、俺みたいに触れたりするヤツが、ホントは何人かいて、こういうことされても、こうやって感じて……」
「ん……んんっ………あっ……やっ……」
また、背中をゆっくり撫でられる。
肩甲骨の間から、ずっと下の方まで。
「ホントは、誰でもいいんじゃねーの?
たまたま初めて見つけたのが俺なだけで、ホントは、誰でも………」
「はぁ…はぁ………あっ」
先輩の指が止まったかと思えば、また滑るように上がってくる。
「なんかムカつく。
利用されてるみたいで」
「そんな……っ……私は……っ………」
ふるふると手が震える。
先輩の胸元に触れると、スゴくドクドクしていた。
「咲來……」
甘い声が頭から降ってくる。
それと同時に、今まで動いていた腕も、私の肩を抱くように、抱き締めた。
恐い………。
けど、胸がキュッと切なくなる。
「私……この前言ったこと、後悔して……先輩を、避けてたんです………」
「うん」
「でも……私……先輩だから………先輩だから、ああ言えたんだと、思うんです………何て言うか……その……言いたいこと、分かりますか……?」
「…………」
「先輩だったら、いいなって……何て言うか……嫌じゃないというか……先輩なら……っていうか………」
「もういい。
黙ってろ」
「は、はい………」
しばらくそのまま動かなくて、ふと、だんだん心地よくなって、意識がフワフワしてくる。
「あー、俺も、余裕ないな」
ふと呟き出す先輩に、意識がハッとする。
「そ、そうですか?
いつも余裕そうですけど……」
「ここまでしといて自分でおあずけ食らわすとか、超Sじゃね?」
「お預けって……?」
「さっきからずっと立ちっぱなし」
「立ちっぱなし……って、何が………?」
「咲來にはまだ早いか。
てか、意外と胸でかいよな?
何カップ?」
「なっ……/////」
会話を割くようにチャイムが鳴った。
「体温上がったな。
まぁ、もう少し休んどけば?」
「ん…………」
先輩が両手でブラのホックを直す。
「あんまエロい顔すんな」
「してない……!」
「してるんだよ、自覚持て」
「いたっ」
おでこをぐっと押されて、思わず声が出る。
「そんな顔ばっかしてると、また襲われるぞ。
俺に」
「襲わないでください」
「この前は襲って欲しがってたくせに」
「だから………この前は………」
「分かってるから、冗談だ」
「……シャレにならないっす」
「ククッ…咲來もそんな言い方出来るんだな」
頭をクシャクシャと撫でると、先輩は出ていってしまった。
「説教モード」
「はい?」
足元に湯たんぽが入ってて、温かいのは有難い。
けど、横には腕枕をした先輩がいて。
強制的に横を向かされて、布団の中で抱き締められている。
「清水がさっき言ってたろ?
人肌は温まるって」
「確かに、そのようなことを言ってましたけど……」
正直、ドキドキの方が強い。
「……唇の血色、戻ってきたな」
「えっ……ん………」
顎を上げられたと思えば、唇に先輩の指が触れる。
「何感じてんの?」
「ち、ちがっ……!
触られたこと、無いから……」
「へぇー…じゃあ、キスもまだ?」
「そ、そりゃ……そうですよ………」
「ふーん」
「な、なんですか…!?」
目を細める先輩に、ドキドキして俯く。
「……今期待してるだろ」
「な、何をですか!」
「キス」
「ば、バカですか!?」
「バカとはなんだ」
先輩の顔が近づいた。
思わず、目を背ける。
「で………さっきの、男は、誰?」
「へ……あ………矢部くんです……」
急にトーンが静かになって、ドキッとする。
「知り合い?」
「同じクラスです……ん………」
湿った髪の毛が弄ばれる。
神経がそっちに集中してしまい、声が漏れてしまう。
「ふーん……あんた、そいつに触られても平気なんだ?」
「え……いや………恐かった……です………」
「それだけ?」
「えと………顔も、見れないです……ん………」
先輩の指が、首筋をなぞる。
なんでだろ、唇が這うときと同じくらい、神経がピリピリと反応する。
「へぇ……でも、抱き上げられて、気を失ったりはしなかったんだ……」
「ん……だ、だって……あの時は……なんというか………っ」
「だって、何?」
顔を上げると、先輩の目が冷たくこちらを見ていた。
少し恐いのに、声音はなんだか、スゴく………。
「命の危機というか……気を失う場合じゃなかったというか………っ……あ………」
先輩の手が、離れたかと思えば突然背中からシャツの中に入ってきた。
逃れようと前に出るも、先輩の体があって逃げられない。
腕枕された手で、頭を押さえられてしまった。
先輩の胸元に、顔がくっつく。
「……そういう状況なら、男嫌いもなんとかなるんだ?」
「わ、わっかんないです………んっ!」
背骨を先輩の指がなぞる。
ゾクゾクと、電気が走る。
「分かんないじゃ、困る。
あんたの体なんだから」
「あ………」
一瞬で、ブラのホックが外されてしまった。
「せんぱ………っ!」
顔を上げるも、先輩の首筋に口を付けるような体勢に押し込まれてしまう。
「例えば、俺みたいに触れたりするヤツが、ホントは何人かいて、こういうことされても、こうやって感じて……」
「ん……んんっ………あっ……やっ……」
また、背中をゆっくり撫でられる。
肩甲骨の間から、ずっと下の方まで。
「ホントは、誰でもいいんじゃねーの?
たまたま初めて見つけたのが俺なだけで、ホントは、誰でも………」
「はぁ…はぁ………あっ」
先輩の指が止まったかと思えば、また滑るように上がってくる。
「なんかムカつく。
利用されてるみたいで」
「そんな……っ……私は……っ………」
ふるふると手が震える。
先輩の胸元に触れると、スゴくドクドクしていた。
「咲來……」
甘い声が頭から降ってくる。
それと同時に、今まで動いていた腕も、私の肩を抱くように、抱き締めた。
恐い………。
けど、胸がキュッと切なくなる。
「私……この前言ったこと、後悔して……先輩を、避けてたんです………」
「うん」
「でも……私……先輩だから………先輩だから、ああ言えたんだと、思うんです………何て言うか……その……言いたいこと、分かりますか……?」
「…………」
「先輩だったら、いいなって……何て言うか……嫌じゃないというか……先輩なら……っていうか………」
「もういい。
黙ってろ」
「は、はい………」
しばらくそのまま動かなくて、ふと、だんだん心地よくなって、意識がフワフワしてくる。
「あー、俺も、余裕ないな」
ふと呟き出す先輩に、意識がハッとする。
「そ、そうですか?
いつも余裕そうですけど……」
「ここまでしといて自分でおあずけ食らわすとか、超Sじゃね?」
「お預けって……?」
「さっきからずっと立ちっぱなし」
「立ちっぱなし……って、何が………?」
「咲來にはまだ早いか。
てか、意外と胸でかいよな?
何カップ?」
「なっ……/////」
会話を割くようにチャイムが鳴った。
「体温上がったな。
まぁ、もう少し休んどけば?」
「ん…………」
先輩が両手でブラのホックを直す。
「あんまエロい顔すんな」
「してない……!」
「してるんだよ、自覚持て」
「いたっ」
おでこをぐっと押されて、思わず声が出る。
「そんな顔ばっかしてると、また襲われるぞ。
俺に」
「襲わないでください」
「この前は襲って欲しがってたくせに」
「だから………この前は………」
「分かってるから、冗談だ」
「……シャレにならないっす」
「ククッ…咲來もそんな言い方出来るんだな」
頭をクシャクシャと撫でると、先輩は出ていってしまった。
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