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素っ気ない先輩とモヤモヤ
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「………はぁ…………」
先輩が、深くため息をついた。
「す、すみません先輩……わざわざこんなとこまで……」
「いや、問題ない」
手は繋いだまま。
公園内のベンチに座っている。
それもまた、ドキドキする。
先輩の手が、スゴく熱い。
でも、目は合わせない。
会話が続かない。
「どうして、私の番号……」
「……ああ、あんたが倒れたときに、ケータイから調べといた。
せっかくマネージャーになるって言って、逃げられても嫌だからな」
そう言う先輩は、なんだかめんどくさそう。
さっきまであんなに心配してくれてたのに……。
てか、さっき、私の名前………
「私の名前、知ってたんですね」
「…………まぁ、一応」
「どちらかといえば、あんたより名前で呼んでもらえた方が良いんですけど……」
「……………」
「…………先輩?」
「……うるさい」
先輩が、繋いだ手をグッと引き寄せる。
バランスを崩して先輩の方を向くと、先輩の顔が目と鼻の先にあった。
ドキッとする。
なんだか先輩の目が、スッゴく色っぽい。
「せん……ぱ………っ!」
コツン、と額が重なる。
先輩は目を閉じると、また小さく息をついた。
「あんた鈍いだろうから言うけど、俺ここ最近ずっと体調悪いの。
今日がピーク」
「えっ……そうなんですか!?」
じゃあ、昨日変だと感じたのも、そういうこと!?
「そ……だから、もう少しここで休まして」
そう言うと、先輩は私の肩に額を乗せた。
よく見れば、肩で息をしてる。
ホントに、苦しそう。
そんな体で、来てくれたんだ…………。
少し目に涙が浮かぶ。
空いている方の手で、彼の頭に触れた。
思ったより、髪の毛が硬い。
「先輩……ありがとうございます」
「…………」
「こんな体調で、走ってきてくれるなんて……」
「……咲來が無事で、よかった……」
「っ………//////」
こんなタイミングで、名前呼びなんて…ちょっと反則。
先輩の呼吸が深くなってきた。
眠ったのかも?
私は彼の頭を撫で、自分の頭を寄せた。
なんだか、さっきまでの恐怖が嘘のようだ。
ずっとこのままでいたいと、思った。
先輩が、深くため息をついた。
「す、すみません先輩……わざわざこんなとこまで……」
「いや、問題ない」
手は繋いだまま。
公園内のベンチに座っている。
それもまた、ドキドキする。
先輩の手が、スゴく熱い。
でも、目は合わせない。
会話が続かない。
「どうして、私の番号……」
「……ああ、あんたが倒れたときに、ケータイから調べといた。
せっかくマネージャーになるって言って、逃げられても嫌だからな」
そう言う先輩は、なんだかめんどくさそう。
さっきまであんなに心配してくれてたのに……。
てか、さっき、私の名前………
「私の名前、知ってたんですね」
「…………まぁ、一応」
「どちらかといえば、あんたより名前で呼んでもらえた方が良いんですけど……」
「……………」
「…………先輩?」
「……うるさい」
先輩が、繋いだ手をグッと引き寄せる。
バランスを崩して先輩の方を向くと、先輩の顔が目と鼻の先にあった。
ドキッとする。
なんだか先輩の目が、スッゴく色っぽい。
「せん……ぱ………っ!」
コツン、と額が重なる。
先輩は目を閉じると、また小さく息をついた。
「あんた鈍いだろうから言うけど、俺ここ最近ずっと体調悪いの。
今日がピーク」
「えっ……そうなんですか!?」
じゃあ、昨日変だと感じたのも、そういうこと!?
「そ……だから、もう少しここで休まして」
そう言うと、先輩は私の肩に額を乗せた。
よく見れば、肩で息をしてる。
ホントに、苦しそう。
そんな体で、来てくれたんだ…………。
少し目に涙が浮かぶ。
空いている方の手で、彼の頭に触れた。
思ったより、髪の毛が硬い。
「先輩……ありがとうございます」
「…………」
「こんな体調で、走ってきてくれるなんて……」
「……咲來が無事で、よかった……」
「っ………//////」
こんなタイミングで、名前呼びなんて…ちょっと反則。
先輩の呼吸が深くなってきた。
眠ったのかも?
私は彼の頭を撫で、自分の頭を寄せた。
なんだか、さっきまでの恐怖が嘘のようだ。
ずっとこのままでいたいと、思った。
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