初恋のキミ

天野 奏

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ソフトテニス部の三ツ橋先輩

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先輩………一体どういうつもりなんだろう?

リボンをつけて、身支度を整える。

先輩の手……荒々しかったけど、でもどこか優しくて……
息づかいとか、体に響いてくるような感じで……
恐いけど、もっと触れてほしいと思ってしまって…… 

ふと、ドアップの彼の顔が頭に浮かんだ。

//////////っ!

両手で熱くなった頬を挟む。
確かにドキドキする。
でも、今までとはなんか、質が違うというか……

はっ!
これって、そもそも俗にいう“不純な男女関係”なんじゃ…!?

「失礼しっまーす!
咲來ちゃーん!!大丈夫ー!?」
「!!」

ノックが聞こえたかと思ったら、大きな声で和子ちゃんが入ってきた。

カーテン越しに、何人かの人影が見える。

ヤバイ!こんな顔じゃ、なんかあったと思われちゃう!

ガラッ……

「咲來ちゃん!起きてたんだ!!」

「うん…今さっき起きたぁ…!」

私は布団を目の下まで被り、額に手を当ててみんなを見た。

これで病人っぽい?

「大丈夫安藤さん?
頭ぶつけたらしいじゃん」

あ、そういえばそうだった……
すっかり忘れてた……。

「うん……ちょっとボーッとするかも。
でも、大丈夫そう」
「あ、ぶつかったのって硬式テニス部の先輩だったんでしょ!?
3年のデカい人!!」

そうだったんだ……
3年生かどうかは分かんなかったけど、確かに大きかった気がする……。

「た、たぶん……?」
「ちゃんと謝りに来た!?
あの人そういうのめんどくさがるからさー、なんつーか、優しくないの。
結構モテるのにねー」
「そうなんだ……」

和子ちゃんはため息を落とす。

「女の子も付き合ってすぐポイしちゃうし、 
なんか色々噂もあるし、
あんまし長く続かないみたいだよー。
咲來ちゃんも気を付けなねー」
「う、うん……わかった………」
「それよりさ、安藤さん、そんとき三ッ橋先輩にまたここまで運んでもらったんでしょ!?」

瑞希ちゃんが、珍しく目をキラキラさせて尋ねてきた。

ドキッ……

「た、たぶん……この前もそうだって、先生が……」
「そうなんだぁー!
やっぱ優しいよねあの先輩!」
「えー瑞希なんか知り合い?」
「三ッ橋先輩は結構人気あるもんねー、軟式だけど」

和子ちゃんが付け足した。

「前に、ちょっと話したことあってね。
あたしも助けてもらったんだ!
今回の安藤さんの件で聞いて納得!
やっぱりイケメンだ……!」
「イケメン……?」

そんな評価高いんだ、あの人……。

「えーイケメンで軟式って言ったら桐谷先輩の方がイケメンでしょ」
「桐谷先輩も知ってるけど、あっちはジャニーズの可愛い系っていうか…三ッ橋先輩はどちらかといえばクールな感じ?
あんまり表情に出さないし…でも口調はオラオラ系でツンツンしてて…でも優しいの!」

…………!
なんか、詳しい!
てか、確かにそんな感じだ!

「へぇー!
瑞希詳しいね!
その人のこと好きなの?」

ドキッ……

「ち、違うから!!
結構色んな人から話題に上がるから、詳しくなっただけ!」

ホッ………。
よかったぁ……。
もし瑞希の好きな人にあんなの付き合ってもらってるなんてことになったら……
って、また思い出してきた!!

「まぁ、顔良いもんねーあの人たち」
「そーそー。
硬式の人達の方が花があるけど、結構みんな整ってるよねー」
「そうなんだ……」

なんか、意外。
ソフトテニスって硬式より見られてないと思ってた。
ちょっと、嬉しい。

「まさか咲來ちゃんも、男狙い!?」
「ち、違うから………!」

予鈴1分前で、みんなが立ち上がった。

私も今ので少しまた戻ったが、だいぶ熱が取れたので教室に戻った。

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