13 / 25
夢か現か
しおりを挟む
「爪痕くらい、平気」
「……あ、ごめんなさい」
「ううん。あの、それよりも……俺も触り、たい」
火を噴きそうなほどに顔を赤くして、大牙は言った。六花はその反応になぜかきゅんとしてしまい、小声で「うん」と返事をする。この部屋の中だけが非日常の世界に感じながら、六花は次なる快感を待つ。未だ、身体の奥の疼きは、解消されていない。
「六花、挿れるよ?」
「あっ」
着物をくつろげて準備を終えた鬼灯が、自身の屹立したそれを六花の秘所に擦りつけた。六花の想像以上に太く大きなそれは、今にも弾けそうなほどに膨らんでいる。普段がどうなのかは知らないが、興奮するとそうなるということくらいは、六花も知識を持っていた。
しかし、こんな太いものが自分の中に入るのか。すぐには信じられない。先端が蜜口に潜ったところで、鈍い痛みが六花を襲った。
「っ……たいっ」
「痛い? ごめん……もう少し、ゆっくりする」
「はいっ……ひゃっ!」
両足に力を入れて待っていると、羽琉が六花の左耳に息を吹き込んだ。そのくすぐったさに力が抜け、反対側からは大牙が六花の胸を触り始めている。感触がいいのか、指が食い込んで形を変える様を、大牙は夢中になって観察していた。
「六花は力を抜いて。大牙は優しく触ってあげてね」
「分かった、兄さん」
ふたりのおかげで六花の気が逸れたからか、鬼灯は少しずつ腰を進められているようだ。圧迫感があるが、先程のような痛みが減ってきた。
「……あ、きつ……」
「鬼灯、さん……だいじょうぶ、ですか?」
「ん? うん。気持ちいいよ?」
彼も、蜜壺の狭さに痛い思いをしているのかと六花は心配したのだが、顔を快感に歪めながら、笑って見せた。羽琉のそれとは少し系統が別の、男らしい色気。六花のために、彼が初めてを守ってきたことも相まって、六花の胸が騒ぐ。
「ぅあ……なんか、急に締まっ……」
鬼灯は額に汗を浮かべ、吐息を漏らす。彼の熱杭は既に六花の中に収まり、六花は無意識のうちに彼のそれを締めつけた。鬼灯が耐えるように動きを止めている間、六花の左右からは、羽琉と大牙の手が双丘を愛撫している。大牙は羽琉の言いつけを守って、先端を優しく引っ張ったり、指で押しつぶしてみたりと、弾力を楽しんでいた。
「あんっ、あっ、あっ、ふぅっ……ぅんっ、あっ」
鬼灯がゆっくりと、律動を始めた。初めは小さく、それが徐々に大きなものへと変化していく。規則正しく肌を打ちつけられると、ぱちゅっぱちゅっと水音と肌のぶつかる音が混ざって聞こえてくる。
不意に、六花はこの状況のことを、どこか他人事のように感じた。客観的に説明すると、夫の候補となる三兄弟と、本来ひとりの相手とすべきことをしているのだ。さっきから六花の最奥を何度も突いているのが鬼灯、時折口づけをしながら左胸を愛撫しているのが羽琉、その反対側で初体験に没頭しているのが大牙。
自分は淫乱なのではないかと、六花は思った。彼らにこれほどの恍惚を与えてもらいながら、まだ、もっとと貪欲になっているもうひとりの自分がいるのだ。それを認識した途端、鬼灯が奥をぐりぐりと刺激した。
「ん、ひゃあぁっ!」
「はっ……俺も、いきそ……」
その言葉を合図に、羽琉が左の頂を口で愛撫し始めた。最初の絶頂の時と、同じ動きだ。それを見た大牙は、羽琉の真似をするように右の頂を舌で舐める。鬼灯の動きは激しくなり、六花を高みへと追い詰めていった。
「あっ、だめっ……きちゃ、きちゃうっ……! あっ、あぁぁぁっ!」
いいようのない程の悦びに腰を震えさせ、六花は三回目の絶頂を迎えた。鬼灯が薄い膜の向こうで、熱いものを吐き出しているのを感じる。それが引き抜かれ、余韻に浸りながら六花が身を震わせていると、大牙がなぜか、六花の肩口に噛みついた。
「つっ……」
「大牙! 六花が痛がってる!」
「……はっ! ごめん、六花! つい……!」
羽琉の叱責に、大牙はすぐに口を離したが、既に赤い歯形がくっきりと肩についていた。理由のよく分からない行動だったが、六花の身体を巡る余韻の方が強く、聞き出すような力が残っていない。
それどころか、大牙の頭にふたつ、獣の耳のような、黒い突起が現れていた。六花は、意識が朦朧とするあまり、幻影を見ているのだろうと思ったが――鬼灯にも同じような茶褐色の耳が、そして羽琉の背中には一対の黒い羽根が生えている。人間に、獣の一部分が追加されたような、そんな姿。
「ひえっ……」
なにもかもがごちゃまぜになってしまい、六花には、これが現実かどうかの区別がつかない。香料による作用は収まりかけていたのだが、今度は六花の目の前がぐるぐると回り始める。意識を混濁させたまま、六花は気絶するように目を閉じた。
「……あ、ごめんなさい」
「ううん。あの、それよりも……俺も触り、たい」
火を噴きそうなほどに顔を赤くして、大牙は言った。六花はその反応になぜかきゅんとしてしまい、小声で「うん」と返事をする。この部屋の中だけが非日常の世界に感じながら、六花は次なる快感を待つ。未だ、身体の奥の疼きは、解消されていない。
「六花、挿れるよ?」
「あっ」
着物をくつろげて準備を終えた鬼灯が、自身の屹立したそれを六花の秘所に擦りつけた。六花の想像以上に太く大きなそれは、今にも弾けそうなほどに膨らんでいる。普段がどうなのかは知らないが、興奮するとそうなるということくらいは、六花も知識を持っていた。
しかし、こんな太いものが自分の中に入るのか。すぐには信じられない。先端が蜜口に潜ったところで、鈍い痛みが六花を襲った。
「っ……たいっ」
「痛い? ごめん……もう少し、ゆっくりする」
「はいっ……ひゃっ!」
両足に力を入れて待っていると、羽琉が六花の左耳に息を吹き込んだ。そのくすぐったさに力が抜け、反対側からは大牙が六花の胸を触り始めている。感触がいいのか、指が食い込んで形を変える様を、大牙は夢中になって観察していた。
「六花は力を抜いて。大牙は優しく触ってあげてね」
「分かった、兄さん」
ふたりのおかげで六花の気が逸れたからか、鬼灯は少しずつ腰を進められているようだ。圧迫感があるが、先程のような痛みが減ってきた。
「……あ、きつ……」
「鬼灯、さん……だいじょうぶ、ですか?」
「ん? うん。気持ちいいよ?」
彼も、蜜壺の狭さに痛い思いをしているのかと六花は心配したのだが、顔を快感に歪めながら、笑って見せた。羽琉のそれとは少し系統が別の、男らしい色気。六花のために、彼が初めてを守ってきたことも相まって、六花の胸が騒ぐ。
「ぅあ……なんか、急に締まっ……」
鬼灯は額に汗を浮かべ、吐息を漏らす。彼の熱杭は既に六花の中に収まり、六花は無意識のうちに彼のそれを締めつけた。鬼灯が耐えるように動きを止めている間、六花の左右からは、羽琉と大牙の手が双丘を愛撫している。大牙は羽琉の言いつけを守って、先端を優しく引っ張ったり、指で押しつぶしてみたりと、弾力を楽しんでいた。
「あんっ、あっ、あっ、ふぅっ……ぅんっ、あっ」
鬼灯がゆっくりと、律動を始めた。初めは小さく、それが徐々に大きなものへと変化していく。規則正しく肌を打ちつけられると、ぱちゅっぱちゅっと水音と肌のぶつかる音が混ざって聞こえてくる。
不意に、六花はこの状況のことを、どこか他人事のように感じた。客観的に説明すると、夫の候補となる三兄弟と、本来ひとりの相手とすべきことをしているのだ。さっきから六花の最奥を何度も突いているのが鬼灯、時折口づけをしながら左胸を愛撫しているのが羽琉、その反対側で初体験に没頭しているのが大牙。
自分は淫乱なのではないかと、六花は思った。彼らにこれほどの恍惚を与えてもらいながら、まだ、もっとと貪欲になっているもうひとりの自分がいるのだ。それを認識した途端、鬼灯が奥をぐりぐりと刺激した。
「ん、ひゃあぁっ!」
「はっ……俺も、いきそ……」
その言葉を合図に、羽琉が左の頂を口で愛撫し始めた。最初の絶頂の時と、同じ動きだ。それを見た大牙は、羽琉の真似をするように右の頂を舌で舐める。鬼灯の動きは激しくなり、六花を高みへと追い詰めていった。
「あっ、だめっ……きちゃ、きちゃうっ……! あっ、あぁぁぁっ!」
いいようのない程の悦びに腰を震えさせ、六花は三回目の絶頂を迎えた。鬼灯が薄い膜の向こうで、熱いものを吐き出しているのを感じる。それが引き抜かれ、余韻に浸りながら六花が身を震わせていると、大牙がなぜか、六花の肩口に噛みついた。
「つっ……」
「大牙! 六花が痛がってる!」
「……はっ! ごめん、六花! つい……!」
羽琉の叱責に、大牙はすぐに口を離したが、既に赤い歯形がくっきりと肩についていた。理由のよく分からない行動だったが、六花の身体を巡る余韻の方が強く、聞き出すような力が残っていない。
それどころか、大牙の頭にふたつ、獣の耳のような、黒い突起が現れていた。六花は、意識が朦朧とするあまり、幻影を見ているのだろうと思ったが――鬼灯にも同じような茶褐色の耳が、そして羽琉の背中には一対の黒い羽根が生えている。人間に、獣の一部分が追加されたような、そんな姿。
「ひえっ……」
なにもかもがごちゃまぜになってしまい、六花には、これが現実かどうかの区別がつかない。香料による作用は収まりかけていたのだが、今度は六花の目の前がぐるぐると回り始める。意識を混濁させたまま、六花は気絶するように目を閉じた。
10
お気に入りに追加
363
あなたにおすすめの小説
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
女教師こずえとテニス部少年静也
龍賀ツルギ
恋愛
夫と死に別れ一人になった浪川こずえは28歳の美人教師。教職員免許を持つ事からまた再び働く事にして弥里高校「弥里高校」に赴任してきた。
テニス少年で学年一の美少年遠山静也と知り合い恋に落ち関係を持ってしまう。
しかしこずえには静也にも言えない淫らで哀しい過去があった。
こずえの過去を知る義弟の矢田宏明がこずえの前に現れて…!
美人教師と男子生徒のSM小説。
もし自分がフランス書院やマドンナメイト風の作品を書いたら、どんな風になるかな?と思い書いてみました。
あまり捻りがないよく有るアダルト小説風ですが、たまにはこんな正統派もいいかな?と😅
☆静也がハイソックス裸になるのは、僕がハイソックスフェチなのでご容赦下さい。
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
【完結】父さん、僕は母さんにはなれません 〜息子を母へと変えていく父、歪んだ愛が至る結末〜
あかん子をセッ法
ホラー
母さんが死んだ日、家族は終わった。
なら、僕が母さんにされた日には、どうなるのだろう?
才有る立場に甘んじ、感情を拗らせ家庭を蔑ろにしながらも確かに彼女を愛していた偏屈な父親と、この世でたった一人、自身に無償の愛を注ぎ、成長を見守ってくれていた母親とまだ共に在りたかった息子。お互い唯一の支えを失って、残された二人の人生は大きく狂いだす。
過去を引き摺る親子が織り成す、歪なドメスティックラブストーリー。行き着く先は、果たして何処か。
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
縦ロール悪女は黒髪ボブ令嬢になって愛される
瀬名 翠
恋愛
そこにいるだけで『悪女』と怖がられる公爵令嬢・エルフリーデ。
とある夜会で、婚約者たちが自分の容姿をバカにしているのを聞く。悲しみのあまり逃げたバルコニーで、「君は肩上くらいの髪の長さが似合うと思っていたんだ」と言ってくる不思議な青年と出会った。しかし、風が吹いた拍子にバルコニーから落ちてしまう。
死を覚悟したが、次に目が覚めるとその夜会の朝に戻っていた。彼女は思いきって髪を切ると、とんでもない美女になってしまう。
そんなエルフリーデが、いろんな人から愛されるようになるお話。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる