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再会…
しおりを挟む佳文は、東京の大学卒業し地元に戻り就職した。
東京に本社を置く企業に就職も考えたが、
地元に帰る事にした。
それは、大学に通ってる頃、両親が事故で亡くなり
実家が空き家状態だったのもある
「ただいま…」
玄関のドアの鍵を開けドアを開き家に入った。
「メシメシ~今夜は、何にしようかな…」
冷蔵庫のドアを開けて中を見る
「あちゃ~なんも無いよ…そうだった…帰りに買い物をするつもりだったんだ…」
台所を見回し
「ラーメン…あったっけ?」
収納箱の蓋を開けて袋ラーメンを見つけた。
「あった!!あった~、今夜は、みそ卵ラーメンと卵チャーハンでいいか!!」
佳文は、冷蔵庫から冷凍ご飯を取り出し、電子レンジで温め解凍した。
「卵をご飯に混ぜて、卵ご飯を作って~フライパンへGO」
佳文は、ささっとチャーハンを作りながら、みそ卵ラーメンも作った。
テーブルへ運んで、食べ終わった。
「あぁ…」
佳文は、自分のお腹を見た。
「二十代で…このお腹は…まずいよな…今夜から歩くか…」
そう言い、ラフな格好に着替え外に出た。
「初日は、30分くらい歩く、東京歩きなら3㎞くらい楽勝だろ」
佳文は、せっかちで早歩きのほうだった。
子供の頃の通学路を歩きながら、なんとなく懐かしんだ。
「ここにあった駄菓子屋…なんて名前だったっけ…忘れたな…
駄菓子屋のおっちゃん、これいくら?って聞くと
10円を、ずぅまんえ~ん、50円を、ごずぅまんえ~んって
言ってたな」
駄菓子屋は、駐車場になっていた。
その道を先へ進み、右に曲がると直ぐに、子供の佳文が、
よく遊んだ公園の一つがあった。
「おっ!!公園は、まだあるんじゃん!! 懐かしいなぁ~」
そのまま、公園の中へ入って行った。
「あれ?遊具の位置が変わってる…タコの滑り台って…あんなに奥だったっけ…」
公園の奥に進み
「弓の練習場は、もう無いのか…まぁ…弓の練習をしてるのなんて
見た事もなかったからな~」
公園の一番奥まで、進んだ佳文は
「思い出した!! ここに壊れたテレビ置いてあって
壊れたテレビからスピーカーを取り出して、中の磁石を抜き取ったっけ
電気屋の親父さんに見つかって、追いかけまわされたなぁ~」
「色々と変わるもんだ…」
佳文は、なんとなく寂しい気持ちになり、公園の外へ出て歩き出した、
時計を見ると予定の30分が過ぎていた。
「もう…30分経ったのか…予定の3割しか歩いてないよ…」
そのまま、歩こうかと思ったが、明日は休みだし翌日の明るい時間に歩く事にした。
翌朝、卵かけご飯を食べ、
題して、お腹引っ込め歩きを開始した。
「今日は、1時間歩く!!」
そう決め家を出た、昨日歩く予定だったコースを広げて歩く予定だ。
「あぁ…ここにあった駄菓子屋の呼び名は、あれだったな」
佳文は、駄菓子屋の名前を思い出した。
「確か…歳は知らないけど、男と女の兄弟が居たんだよな~」
思い出しながら、先へ進んだ。
佳文の地元の人には、何を急いで歩いているの?な歩きの速さだが、
東京に住んでいた頃の佳文には、普通に歩く速度だった。
昨夜、思い出に更けった。公園を過ぎ、左に曲がるか右に行くか悩んだ
右に曲がった。その先の曲がり角の家を見て、また思い出した。
小学生の時、土曜日の帰り道に、あの家のから吉本新喜劇の始まる
音楽が流れてきて、急いで家に帰ったのを思い出した。
右に進もうと思ったが、やっぱり戻り佳文は、左の道を選び進んだ。
この通りは、同級生や子供の頃遊んだ人達の家が点在していた。
「ここのヤツが、おまけカードを集めで、お菓子を買い占めて
買ったお菓子は、そこらに捨てて小学校で問題になったヤツの家だったな」
子供の頃の事を意外に覚えていて、驚いた佳文だった。
「ここは、アイツの家で踏切を渡ると、駅前に池のあった家があって…
家は壊され池は埋め立てられて、スーパーみたいな小さな百貨店が建てられたが
直ぐに潰れたんだっけ…
ここは、中学のクラスメイトの家で…ここも、ここも、ここも同級生の家
ほとんど変わってないな…しかし、この通りは、同級生の家まるけだな…
この先も、数軒あるし…」
そう思いながら、通りを歩き、以前は、小さな川が流れ、
今は、暗渠になった道を渡った。
そのまま進み、幹線道路手前の細い道を左に曲がって
小学生の頃、良く三角ベースで遊んだ公園が見えたきた。
公園の横を通り、公園の入口まで来た。
公園の中の地面には、草が生えて、ほとんど手入れがされてなかった。
「うわぁ~…草ボウボウじゃん!!」
そう言いながら、公園の中へ入った。
休日の午前中なのに、公園で遊ぶ子供は、一人もいなかった。
「これじゃあ、誰も遊びの来ないよな~」
佳文は、そう思った。
「おっ!!ベンチは、キレイじゃん!! ちょっと休憩~」
佳文は、ベンチに座り公園中を見回した。
シーンっと静まり返った公園に植えてあるアジサイが
目に入った。
何気に、アジサイを見つめていると、
一枚の葉っぱが、クルクルと周り始めた。
「ん?」
なんだろう、と佳文は、そのクルクルと動く、葉っぱを見つめた。
「風は吹いてないよな…なんで…葉っぱが動く?」
そう思った。
「他の葉っぱは、動いてないよな…他の木の葉っぱも…」
辺りの木の葉っぱを見てから、アジサイの動いてた葉っぱを見た。
「あれ?動いてない…見間違いか?」
そう思って、目線を足元近くの雑草を見た。
「えっ?雑草の葉っぱが、一枚だけクルクルと動いてる…」
眼鏡を外し、レンズを眼鏡拭きで拭いて、メガネを掛け直した。
「やっぱり…一枚だけ動いてる…」
他の雑草の葉っぱは、動いてないが、その雑草の葉っぱだけが
クルクルと動いていた。
「あれ…こんな事…前にあったな…」
以前遇った事を思い出した。
「やっと思い出したか」
佳文の直ぐ、となりから女性の声がした。
「誰っ?」
佳文は、声のする方を見た。
「君は、子供の頃と同じ言葉をだすのだな」
その女性は言った。
「あっ…」
佳文は、見た事があった。と言うより、この女性を思い出した。
子供の頃の佳文には、意味不明な存在で夢で見たんだろう的な存在だが
大人になった、佳文にも…意味不明な存在だが
自分とは、違う存在なのだけは、分かった気がした。
「君は…あなたは…何者ですか?」
佳文が女性に聞いた。
「私か?導くモノかな」
佳文は、その女性が答えた言葉で、思い出した。
それは、小学生の頃に見た事故の事だった。
「思い出したか…なら…話は早い…君も導き手になってもらいたい」
女性からの申し出に、佳文は訳が解らなかった。
「俺…そんな力ないですよ?無理ですって…」
佳文は、答えた。
「無理か…なら…君の両親は…そのままにしておこうか…」
女性が言う
「俺の…両親?」
佳文は、少し震えた。
「君の…両親は…事故で亡くなった場所から…帰るべき場所へ帰れないでいる
だがな…私の導きだけでは…今は帰せないでいるのだよ」
女性は、困った顔をした。
「息子の君が…私と…その場に行けば…君の両親は…帰るべき場所へ帰れるのだがな…」
佳文は、少し考えて
「どうしたらいいのですか?」答えた。
「君は…私の姿も見えるし…導かれるモノの姿も見られる
それに…一度…導きを見ている…その時の事を…思い出せ…
思い出せたら…また…私は…君の前に…現れる…」
そう言い、女性は「ふわっ」と消えた。
「導きって…なんだよ…事故の事…」
佳文は、小学生の時に、近所の線路で起きた事故現場へ向かった。
その場所は、佳文が所学生の頃とは違い
踏切があった道路は、拡張され往復4車線の幹線道路に変わり
私鉄の線路は、高架線化されていた。
様変わりしたが、あぜ道は残り舗装されて、空き地だった場所には
郵便局が建っていた。
あぜ道だった場所に立ち、線路だった場所をスマホで撮影して帰宅した。
パソコンに、画像を取り込み、大きな画面で見た。
「あぁ…思い出した。脳の肉片を臭玉って勘違いしたんだな…
それが脳ミソだと分かって…恐ろしくなって、あぜ道に戻って…
線路を眺めてたら…ワンピースを着た女の人が線路に座ってるのが見えて…
そうだ…となりに…あの女性が現れて…線路に座った女の人の…となりに座って
女性が…自分の髪の毛を…線路に座った女の人の髪の毛の中に入れて
女の人の手を取って…消えて行ったんだ…」
その時の状況を、全てを思い出した佳文のとなりに気配がして、
「良く…思い出せたな…君…そうだよ…あの動作が導くだよ…
自分の髪の毛を…導かれるモノの髪の毛や頭に着け…手を添えれば…
導くモノの思うままに…導かれるモノは動く…
まぁ…思うままにならないモノも…いるがな…それは…
その時にでも…教えよう…
明日…君の…両親が亡くなった場所で…待っているぞ…」
女性は、そう言い残し「ふわっ」と消えた。
「明日だって…親父と母さんが事故で亡くなった日じゃあないか…
その場所に…来いだって…」
佳文は、驚いたより恐ろしくなった。
翌朝、車に乗り込み、両親が事故に遭った現場へ車を走らせた。
両親の命日なので、この出来事がなくても事故現場へ花を供えに行くつもりだった。
駐車場に車を止めて、事故現場へ歩いた。
花と飲み物を供えた、ロウソクに火を灯し、ロウソクの火で、
お線香に火を着け、手を合わせ立ち上がった。
「なんだ…昨日の事は…夢だったのか…俺、疲れてるな」
そう呟き供えた花や飲み物とロウソクに、お線香を片付けようと
もう一度、しゃがみ込むと、となりに誰かが立った。
視線を上に向けると、昨日の女性が立っていた。
「君に…見せたいモノがある…私の…髪に手を触れなさい…」
佳文は、なぜか躊躇なく、言われたとおりに、女性の髪に手で触れた。
「前を見てみろ…」
女性は、佳文に言い、佳文は、視線を前に向けた。
そこには、佳文の父親と母親が、道路を走る車に向かって
なにかを叫んでいた。佳文には、両親が叫ぶ言葉は聞こえなかった。
「親父…母さん…」
佳文は、声を出しているつもりなのに、声にはならかった。
「あの夫婦は…毎日…同じ事を…繰り返している…君は…どう見る…」
佳文は、問われた。
「どう…って」
「どうにかして、やりたいと思う」
佳文は、今見えている両親行っいる事ではなく、終わりの無い行動を繰り返すモノに
対しての事を答えていた。不思議だが、そう答えていた。
「そうだな…それが…導き手だ…」
「見て…いなさい」
そう言葉を残し、佳文の両親の元へ近づき
自分の髪の毛を、2本抜き、佳文の父親と母親の髪に
それぞれに一本づつ、自分の髪の毛を付けた。
そして、父親と母親の手を握り、「ふわっ」と飛び上がった。
女性は、父親と母親に、目線を送ると
両親は、佳文に顔を向け、
消える瞬間「ありがとう」と口が動いた様に佳文には見えた。
「その時が…来たら…君にも…導いてもらいたい…」
ふわっと、となりに現れた女性が佳文に言い
ふわっと消えた。
「今のを…俺が?わからないよ!!」
そう叫んだが、その女性は戻って来なかった。
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