セラフィムの羽

瀬楽英津子

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終わらない悪夢

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「見ろよ、アレ。さすが不動のナンバーワンホステスと謳われただけあってすんげぇ美人……」

 パーティー会場の末席。
 真新しい礼服を窮屈そうに着込んだ若者が、周囲の目を気にしながら隣に座る仲間に興奮気味に耳打ちする。
 視線の先にいるのは赤いドレスの女だった。ボディラインを強調した露出度の高いドレスを身にまとい、大きく開いた胸元からたわわな乳房をこぼれ落ちそうなほど溢れさせている。
 しかし今夜の主役はドレスの女ではなく、その隣に座る恐ろしく威圧感のある男だ。
 指定暴力団七代目山崎組組長、仰木伝介おうぎでんすけ
 還暦を超えてもなお衰えを失わない鋭い眼力と、周りを引き込む強烈なカリスマ性で国内最大勢力の暴力団である山崎組を十年近くも牽引し、今なお精力的に組織拡大を推し進めるまさに山崎組の顔である。
 その仰木伝介おうぎでんすけの六十三回目の誕生日を祝うパーティーが、山崎組のシマである三宮の高級クラブ〈イヴ〉で盛大に催されていた。

「ああいうのを“絶世の美女”って言うんだろうな。あんなイイ女をモノに出来るなんてさすが親分だぜ。俺も一度で良いからあんな美人とヤッてみてぇよ」

 休みらしい休みも与えられない、自由の利かない召使い同然の生活を強いられる、“部屋住み”と呼ばれるヤクザ見習いの若者にとっての唯一の楽しみは、事務所当番の兄貴分にたまに連れて行ってもらう風俗店と、兄貴分のお下がりのエロ本をオカズにした自慰行為だ。血気盛んな年頃の若者にとって、性欲処理ほど手っ取り早いストレス解消法はない。そんな部屋住み衆にとって、久しぶりに見る生身の女はそれだけで性欲を刺激した。

「あんまジロジロ見てっと兄貴にボコられるぞ……」

「大丈夫だって。今晩のオカズにするためにしっかり目に焼き付けとかなきゃ。お前だってムラムラきてんだろ?」

 若者の言葉に、隣に座る部屋住み仲間の若者が一重まぶたの切れ長の目を鋭く細める。

「誰がくるか。……あの程度で“絶世の美女”だなんて言うヤツは、本当に綺麗な人間を見たことが無ぇのさ」

「そういうお前は見たことあるのかよ」

「あるよ」と、仲間の若者は視線をフッと弛めた。

「あんな女なんか比べ物にならないくらい綺麗な奴……」

「へえ~、誰よ、それ」

 怪訝そうな問い掛けに、仲間の若者は、まるで遠い記憶に思いを馳せるように、普通にしていても睨み付けているように見える眉と目の間隔の狭い目を伏せて呟いた。

「俺の恋人……。今、悪いヤツに捕まっちまってるんだ。早く連れ戻しに行ってやんねぇと……」
 
 静かだが、強い意志のこもったはっきりとした声だった。
 その、堂々たる雰囲気とも言える言葉の余韻と、伏せられた睫毛の奥の闘志を秘めた瞳に圧倒され、若者は口が聞けなくなってしまったように押し黙った。
 

 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 
 最後のロウソクを吹き消すと、「おめでとおぉぉぉっ!」という掛け声とともに、一斉にクラッカーが鳴り響いた。
 
「亜也ちゃん、お誕生日おめでとう!」

 けたたましい破裂音に眉を顰める亜也人あやとに構いもせず、紀伊田きいだが、缶酎ハイを片手に亜也人の肩に腕を回す。
 口を挟んだのは佐伯さえきだった。
 
「ちょっと、お酒はダメですよ、紀伊田さん」

「は? 堅いこと言うなよ。十九も二十歳も同じだろうが。俺なんか中坊ン時から飲んでるぜ?」

「それはあなたがどうかしてるんです。亜也人くんはまだ未成年なんだから。社会のルールはちゃんと守らないと!」

「だってさ! 相変わらず頭が堅いね、佐伯センセーは。見てみろこのアルコール度数、こんなんジュースとおんなじだ、っての!」

 年甲斐もなく不貞腐れる紀伊田に、佐伯がやれやれと肩を竦める。
 相変わらずの夫婦漫才のようなやり取りに、亜也人が薄紅色の唇をにんまりと曲げて笑う。
 ツンと尖ったMの字を描く口先に、キューピッドの持つ弓のような口角の上がった上唇。下唇は上唇よりやや厚めで、緩やかに口角を上げながら上唇に寄り添っている。
 昨夜、ベッドの中で泣きながら「好き」と繰り返した唇を目の前に、松岡まつおかは、抱き寄せてキスしたい衝動を追いやるように、ケーキの上のロウソクを外した。

「これは何等分にカットすればいいんだ?」

「ああ、僕がやりますから松岡さんは座ってて下さい」

 佐伯に言われ、再び亜也人の隣の席につく。
 紀伊田がデコレーションのイチゴを摘んで佐伯に叱られ、亜也人がそれを見てまた笑う。
 亜也人の、クスクスと笑う口元と伏せられた長い睫毛を見詰めながら、松岡は、亜也人がこうして無事に誕生日を迎え、楽しそうに笑っていることに胸を震わせた。
 
 王静ワンシンの人身売買騒動から約四ヶ月後の八月二十九日。
 いつもは静かな食卓が、亜也人の十九歳の誕生日を祝う賑やかな笑顔に包まれていた。
 言い出しっぺは紀伊田だった。
 亜也人は、お祝いなんてしなくて良いと乗り気では無かったが、紀伊田と佐伯が照明を落とした暗闇の中をロウソクを灯したバースデーケーキを持って登場すると、「何これ! 嘘でしょ?」と子供のように目をまん丸にしてはしゃいだ声を上げた。
 そこに松岡が加わって三人でバースデーソングを歌い始めると、今度は、「恥ずかしい!」と、自分で自分を抱き締めるように二の腕を掴んで足をバタつかせ、名前のパートで「ヤダヤダ」と耳を塞いで歌声を掻き消す。
 分かりやすい照れ隠しに、紀伊田が、「可愛いっ!」と、からかうように背後から亜也人に抱き付くと、佐伯が、「セクハラだ」と慌てて引き離す。そこから紀伊田と佐伯のお決まりの痴話喧嘩が始まり、巻き込まれた亜也人が困ったように笑う。
 子猫がじゃれ合うような微笑ましい光景に、松岡は、鼻の奥にツンとした熱い痛みを覚え、慌てて席を立った。
 亜也人がはしゃいでいる姿を見ていると、松岡は、嬉しい反面、一瞬で消えて無くなる幻を見ているような、儚い夢を見ているような、どうしようもなく切ない気持ちになることがあった。
 亜也人が楽しそうに笑っている顔を見ると泣きたくなる。
 亜也人のこれまでの過酷な人生を知っているせいだろう。幸せすぎて涙が出るというのとはまた違う、むしろ、幸せとかけ離れすぎていて、今こうして笑っている瞬間さえも夢なのではないかと疑ってしまうほど不確かなもののように思えてくる。
 亜也人が幸せの中にいる気がしない。
 幸せにしてやりたいと願いながら、そう願う自分自身が亜也人をどんどん幸せから遠ざけているような気がする。それは、亜也人を過酷な運命へと引きずり込んでしまったと思う松岡自身の自責の念が起こすマイナスの感情に過ぎなかったが、松岡は、その苦しみを自分自身に対する戒めとして重く受け止めていた。
 しかし、それを表に出すことは亜也人を苦しめることになる。
 心根が優しく、人の気持ちや周りの空気にも敏感に反応する亜也人のことだ。松岡の感情の変化もいち早く察知して心配するに違いない。それが解っているだけに、松岡は、わざと何でもないふうを装い、最初からそのつもりだったとばかり部屋の照明をつけ、テーブルに飲み物を運んだ。

「名前のプレートは亜也ちゃんにあげてよ」

「わかってますよ。そんなことより、紀伊田さんはグラスを用意して下さい」

「へい、へーい」

 佐伯がケーキを取り分けると、松岡が乾杯の音頭を取り、賑やかな会食が始まった。
 一段落したところで、紀伊田と佐伯が亜也人にプレゼントを手渡し、「開けてみて」とせがむ。
 包み紙から顔を出したのはお揃いのシルクのパジャマで、途端に亜也人が、「げぇ~っ」と大袈裟に口を歪めた。

「なにこれ、まさか、吉祥きっしょうとオソロってこと? ないない。四十路のオッサンとペアとか絶対に無いっ!」

 しかも純白。
 滑らかで光沢のある白のパジャマは、どこかウエディングドレスを思わせ、松岡の心を揺さぶった。

「オッサンとはずいぶんだな。白なら、色白もやしのお前より、日に焼けた俺の方が断然似合うと思うがな」

 動揺を悟られないよう言い返すと、亜也人が、「よく言うよ、この、若作り!」とトドメを刺し、紀伊田が大声を上げて笑った。
 ケーキとオードブルでお腹が満たされると、亜也人が、「対戦ゲームしよう」と佐伯をソファーに引っ張り、松岡は、紀伊田と二人きりになった。
 紀伊田は、テーブルに頬杖をついて亜也人と佐伯を眺めていたが、二人がゲームに興じ始めると、足元に置いたカバンから小さな袋を取り出し、松岡に手渡した。

「これは?」

 なんてことのない紙袋だ。袋に入れただけで封はしていない。怪訝に思いながら、松岡は袋の口から中を覗いた。

「シャボン玉?」

 紀伊田は、心なしか寂しそうに、「ああ」と、頷いた。

「亜也ちゃんの母親からの誕生日プレゼント。昨日、カウンセラーの加山かやまさんから預かった」

 亜也人の母親は、亜也人にまつわる度重なる心労が原因で精神のバランスを崩し、定期的に心療内科のカウンセリングを受けている。
 加山はそこの臨床心理士で、今はケースワーカーという社会福祉的な仕事をしているが、最初に亜也人の母親のカウンセリングを担当したのが縁で今も心療内科と母親の橋渡し役をしてくれている。
 もとは紀伊田が知り合いの精神科医に無茶振りをした依頼が巡り巡って加山に流れ着いただけの縁だったが、加山の誠実な仕事ぶりに、松岡は、加山に担当してもらえた事を感謝していた。

「生活面は問題無いみたいなんだけど、亜也ちゃんのことは、相変わらず、六歳の頃のまんま止まってるみたい。『口に入れても安全なシャボン玉だから』って、得意げに加山さんに預けたんだって」

 亜也人の母親が、成長した亜也人を受け入れられないでいるという事は加山から聞いて知っていた。
 止むに止まれぬ事情があったにせよ、亜也人の実の父親である自分の夫が亜也人を児童ポルノに出演させていたという事実は、母親の心に重大な傷痕を残した。加えて、その後に続いた第三者からの亜也人に対する度重なる性的暴力が母親の弱った心に更に追い討ちをかけた。
 被害者である亜也人には酷な話しだが、母親が辛い現実から目を背けるために、根源である亜也人を記憶から抹消したいと願うのも無理は無かった。
 母親が悪いわけでも、ましてや亜也人が悪いわけでも無い。それだけに、今は二人を温かく包む落ち着ける場所を作ることが先決だと加山は言った。松岡の胸の中には加山の言葉がいつもあった。

「亜也ちゃんへの誕生日プレゼントらしいけど、渡すかどうかは松岡さんに任せようと思って……。誕生日を覚えていたとは言え、それは今の亜也ちゃんへのプレゼントじゃないわけだし……」

「誕生日を覚えて貰えていたのを喜んだのも束の間、その直後に自分を忘れ去られた悲しみを知る、というわけか……」

 やるせない、としか言いようのない状況に、松岡は静かに溜め息をついた。
 亜也人にとっては可哀想な話しでも、それが母親にとって落ち着ける場所ならばそれを壊すことは出来ない。
 自分に出来ることは、亜也人にも同じように落ち付ける場所を作ってやることだ。
 たとえこの先亜也人がずっと母親に受け入れられなかったとしても、亜也人がそれを全く気にしないぐらい、これさえあれば他には何もいらないと思えるぐらい居心地の良い場所を作ってやることが、亜也人を救う唯一の方法だと松岡は思った。
 母親のプレゼントは、松岡の思いを更に強固なものにした。
 松岡は、まるで自分のことのように落ち込んだ様子で項垂れる紀伊田に軽く微笑み、受け取ったプレゼントを自分の部屋のクローゼットの中に仕舞った。
 亜也人は、松岡と紀伊田のやり取りを知らず、無邪気に佐伯とゲームに興じている。
 十九歳にしては大人びた、長い睫毛となだらかなS字を描く鼻筋の美しい横顔が、松岡の視線に気付いて振り返った。

「なに?」

 何度見ても見慣れることの無い、目が合うたびに、胸の奥に甘美な疼きを湧き立たせる魅惑的な瞳に、松岡は思わず息を飲んだ。
 自分は、亜也人によって一瞬にして幸福に包まれる。これと同じだけの幸福を、自分も亜也人に与えてやりたいと思った。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「いっ……こんなの……や……もっと普通にッ……」

「誕生日なんだから普通じゃつまらないだろ?」

「だからそこは……あっ……あ、いっ、いやっ……」

 亜也人を顔の上に中腰に跨がらせ、頭を起こして、硬くなったペニスを口に含む。
 パジャマの上着を着せたままにしたのは、紀伊田からプレゼントされた純白のパジャマが想像以上に亜也人に良く似合っていたからだった。
 ウエディングドレスを思わせるそのパジャマは、亜也人の白い肌をよりいっそう白く輝かせ、純真無垢な花嫁のような雰囲気を纏わせた。
 顔の真ん前にペニスがくるように跨がれという松岡の提案に、亜也人は最初、「恥ずかしい」と頑なに拒否していたが、松岡にしつこくせがまれ、やがてパジャマの裾をたくし上げてしぶしぶ跨った。
 泣き出しそうな顔で裾を掴む亜也人がたまらなく欲情をそそり、松岡は、待ちきれないとばかり目の前のペニスにむしゃぶりついた。
 しかしそれも束の間、いつもとは違う体勢での愛撫に、恥ずかしくて耐えられないとばかり亜也人が腰を引き、せっかく咥えたペニスが松岡の口からこぼれ落ちた。

「あんま動くなって……」

「だってこんなッ……んあッ……」

 逃げられないようお尻を掴むと、「イヤ、イヤッ!」と松岡の手を剥がそうと上から手を重ね、その慌てふためいた顔がなんとも悩ましく、松岡の欲情を煽り立てた。

「ーーんだよ。いつも押し潰してばっかだからたまには上にしてやろうと思ったのに……」

「変な気つかわなくて良いからぁッ!」

 困ったように下がる眉と泣き出しそうに歪む唇が、亜也人が、口先だけではなく本気で嫌がっていることを物語る。
 もう何度もこういった行為をしているというのに、亜也人は、恥辱的な体位や言葉責めに弱く、その度に照れて身体をよじったり、顔を隠そうとしたりする。
 その初々しさが男の支配欲を刺激し、より濃厚な愛撫へと駆り立てていることにいい加減気付いても良さそうなものを、亜也人は気付く様子もなく、相変わらず子供が愚図り泣くような甘えた声を上げながら抵抗する。
 この、計算の無い自然な恥じらいが、亜也人の生まれ持った透明感を際立たせ、亜也人を、まだ誰にも汚されていない処女のような清純さで押し包む。
 亜也人の性接待を受けた男たちがこぞって二度目を求めるのは、亜也人の外見の美しさよりも、むしろこうした内に秘めた永遠の処女性に惹かれているのかも知れなかった。
 その、誰もが焦がれる亜也人を手元に置いているという事実が、松岡に甘美な悦びと恐怖を同時に与える。甘すぎるからこそ、無くした時の喪失感に恐怖を覚える。亜也人を必要以上に求めてしまうのは、松岡の中にある、亜也人を失うことを恐れる気持ちが強烈な渇望となって表れているのかも知れなかった。

「じっとしてないと怪我するぞ……」

 亜也人の手を払い退け、膝立ちでお尻を両手で掴んで頭を起こして再びペニスを咥えた。
 本来なら、上になった亜也人が前方に手をついて四つん這いの姿勢で口の中にグーッと腰を沈めるのだが、恥ずかしがり屋の亜也人が自らそんな真似をするわけがなく、松岡がお尻を支えに頭を浮かせてペニスを咥えた。

「あっ、あっ、だっ、だめっ……」

 起立したペニスが舌先でビクビク跳ねる。
 根元まで咥えてゆっくり頭を動かして味わうようにしゃぶると、熱を帯びた先端から早くも甘じょっぱい蜜がしたたり始める。
 それを舐め取り、それでも次から次へと溢れてくる蜜を入り口に唇をつけてチュウチュウと吸うと、亜也人が、「あぁんッ!」と叫んで腰をギュッと硬らせた。

「あぁっ、あ、やばっ……それ、やばいっ、からぁッ……」

 叫ぶそばから蜜が溢れて舌の先を流れ、それを唾液と絡めながらペニスに擦り付けるようにして口で扱くと、ものの数秒と経たずに亜也人がガクガクと腰を震わす。

「ダメッ、ダメ、離して! 出ちゃうっ!」

「このまま出せ……」

「やあっ! あああっ、イクッ、出る、出ちゃう、あっ! 離し……ああーー」

 間髪入れずに熱い精液が松岡の口の中に広がり、亜也人と目を合わせながら飲み込むと、亜也人が何とも言えない表情を浮かべて松岡を見返した。

「バカバカ。ヤダって言ったのに!」

「俺が、良い、って言ってんのに嫌がる理由が解らん……」
 
「デリカシーの問題だよっ!」

「普通は喜ぶもんだろ? あ、解った。飲まれるとすぐにキス出来ねぇから嫌なんだろ?」

「違うよ、バカっ!」

 離れようとする亜也人の腰を抱いてお腹の上に座らせ、後頭部をたぐり寄せながら亜也人の顔を自分の肩に埋めるように抱え込んだ。
 ふいを突かれた亜也人は、お尻を突き出した格好で松岡の身体に覆い被さった。

「ちょっと何すんだよ」

「こら、逃げるな」

「あっ、バカ、バカ!」

 ジタバタと騒ぐ背中を腕を回して押さえ付け、腰の横に転がしたローションのキャップを片手で器用に外し、指先にすくって、突き出したお尻の割れ目にそっと忍ばせた。
 
「あっ、やぁっ!」

 後孔の表面とその少し内側を入念に揉み解し、入り口を拡げてから少しづつ奥へと指を入れていく。
  弱いポイントを指の腹で押さえるように撫で、「んあっ」と身体をビクつかせる亜也人を畳み掛けるように執拗に責め立てる。

「や、あ……まだっ、さっきイッたばっかなのに……ぁうっ」

「まだまだイケるだろ?」

「はっ、やめっ……もっ、もうっ……あっ」

 ここまで来たら亜也人はもう抵抗出来ない。
 肩先に鼻を擦り付けて喘ぐ亜也人の熱い吐息を感じながら、背中を押さえていた手を離して後孔へ忍ばせ、両側から指で掻き回した。

「あ……あ、あぁっ……ううっ……あ、だめっ」
 
 二本の指を上下左右にひねりながら押し広げ、肉壁がふんわりと柔らかくなったところで片方の指を抜き、自分の男根を握って亜也人のお尻の溝にくっ付けた。

「ひぁッ……やぁ……硬ッ……」

 既にガチガチに硬くなった男根に後孔の周辺をこすられ、亜也人が、突き出したお尻を揺らして身悶える。
 恥じらいながらも快楽に従順な亜也人をからかうように、松岡は、先走りとローションでヌルヌルになった後孔周辺に男根をわざとじれったく何度もこすりつけた後、おもむろに亜也人の上半身を起こした。
 腰を支えて膝立ちにさせると、何をするのか察した亜也人が、パジャマの裾を片手でたくし上げ、もう片方の手を後ろに回して松岡の男根を自ら握って後孔に押し当てる。
 亜也人の白い指とは対照的な赤黒い男根の先端が後孔にめり込むと、そのまま背中を軽く仰け反らせ、眉間を切なそうに歪めながらゆっくり腰を沈めた。

「あああ……っ、んはぁぁぁっ……ぅあぁっ」

 この細くて薄い身体のどこにそんな熱があるのだろうと思ってしまうほど、亜也人の身体の中は焼けるように熱く、松岡の男根を奥深くへと咥え込んで行く。
 亜也人の慎重なペースがもどかしく、松岡は、亜也人の腰を掴んだ手をズッと引き下げ、亜也人を自分の股間に引き付けて残りの男根を無理やり根元まで押し込んだ。

「あぁぁっ、ダメッ! ダメぇッ!」

 衝撃で、胸の前にたくし上げたパジャマの上着がハラリと落ちる。構わず、亜也人の感じるポイントにカリ首を叩き付けるように突き上げると、亜也人がお尻を密着させて腰を前後させる。

「あぁ、あぁぁん、あっ、やっ、も、そこっ、ダメッ!」

 まるで、松岡のお腹にペニスをこすりつけているかのような悩ましい動きだ。
 亜也人が腰を前後に揺らすたび、反動で白い光沢のあるシルクのパジャマが押し上げられ、亜也人の赤みを帯びたペニスがチラチラと顔を出す。
 純白のイメージとはうらはらな卑猥なよがり方に、身体の奥がジュワッと熱くなり、松岡は堪らず、「ううっ」と呻いた。

「あ、亜也人……ちょっと待て……」

「んあっ、そな……こと、言われてもッ……そこ、当たってるからッ……」

「だから、勝手に動くな。持たなくなる……」

「んっんん、ハッ、ハッ、やぁ、はっ」

「コイツ……」

 このままでは自分の方が先に果ててしまう。
 そうなる事態を避けるため、松岡は、亜也人の動きを制御しようと、亜也人の手を取り指の間に指を絡ませた。

「吉祥……なに……」

 そのまま肘を立て、亜也人の身体を後ろに仰け反らせた状態で、両手を握り合うように支え合って腰を突き上げる。
 亜也人の身体が縦に激しく揺さぶられ、硬く反り勃ったペニスがシルクの生地を押し上げながら弾んだ。

「亜也人……イカせてやるから先にイケ……」

「あっ……ぁああ、あんっ! ひっ……イくぅ、イッちゃ……うッ……」

 ほんのりと赤みの挿す唇をわななかせ、堅く閉じた目蓋から伸びる睫毛を震わせて、亜也人が絶頂に向かって背中をしならせる。
 身震いするほどの色香に、松岡は、魅入られたように、一心不乱に腰を突き上げ、亜也人を絶頂に至らしめた。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




 七代目山崎組組長、仰木伝介おうぎでんすけが襲撃されたという一報が松岡の元へ入ったのは、亜也人の誕生日パーティーの翌朝のことだった。
 鳴り止まない着信音に根負けして枕元のスマホを取ると、開口一番、紀伊田が、「大変ですっ!」と声を荒げた。
 紀伊田によると、今日未明、七代目山崎組組長の仰木伝介おうぎでんすけが、愛人宅のマンションのエントランスで何者かに狙撃され重傷を負ったとの事だった。
 悲劇は伝介だけに止まらず、同行していた山崎組ナンバー2の加藤高嗣かとうたかつぐが急所を撃たれて即死、流れ弾に当たった愛人とボディガードも病院へ搬送されたものの、その後死亡が確認されたという。
 松岡は、それを、ベッドの中で亜也人を腕枕した状態のまま聞いていた。

「おそらく敵対してた関東建仁会かんとうけんじんかいの仕業でしょう。前からいざこざはあったらしいんすけど、ここ最近、緊張が高まってたらしいすから」

関東建仁会かんとうけんじんかい関東建仁会……郷田暦彦ごうだれきひこか。それより加藤さんとこは大丈夫なのか」

 殺された、ナンバー2の加藤高嗣かとうたかつぐは、山崎組の若頭であると同時に、山崎組最有力傘下組織である竜星会りゅうせいかいの会長で、事実上、山崎組を牛耳る男とも言われていた。そんな闇社会の“陰のドン”である加藤高嗣かとうたかつぐを亡き者にされ、直参組織である竜星会が黙っているとは思えなかった。
 
「竜星会は郷田側のヒットマンを血眼になって探してます。それと、内藤も……」

「内藤か……野心家のアイツがこの機会を逃すわけはないわな……」

 三代目組長の菊地の跡目を継いで石破組の四代目となった内藤は、親団体である山崎組の幹部に名を連ねてはいたものの、執行部と呼ばれる役職には就いていなかった。
 もっとも、もとは竜星会の二次団体、つまり本家の山崎組から見れば三次団体でしかなかった石破組を、並外れた経済力で直参の二次団体の地位にまで押し上げただけでも異例の昇進であったが、上昇志向の強い内藤がこれで満足するわけが無い。山崎組組長の仰木伝介おうぎでんすけを襲った真犯人を血祭りに上げ、更に上のポジションを狙うつもりであることは容易に想像出来た。

「内藤は、竜星会の連中よりも先に犯人を見つけようと躍起になってます。ひょっとしたら、加藤さんの後釜として本家の若頭の座を狙っているのかも知れません」

「そんなことをして竜星会の奴らが黙ってるわけが無ぇだろ」
 
「ええ。でも、表向きには組長襲撃の仇討ちですから竜星会も無闇に阻止は出来ません。……それと、これは俺の勝手な憶測なんすけど、実は積川せきかわが……」

 言い掛けた紀伊田の言葉を、松岡は咄嗟に、「待て」と遮っていた。
 積川の名前を聞いた途端、心臓が跳ね上がった。
 隣で穏やかに眠る亜也人にその名前を聞かせたく無かった。

「すまん。その話は後で聞く……」

 一方的に電話を切り、腕の中で背中を丸めて眠る亜也人を抱き寄せた。
 とうに目覚めていたのだろう。松岡が髪を撫でながらおでこにキスをすると、亜也人はすぐに目を開いた。

「悪い話し?」

 松岡は静かに首を振った。

「違うよ。お前は何も心配しなくて良い……」

 不安げな瞳を塞ぐように瞼に口付けし、何か言いたげな唇を指先で開き、舌を入れながら唇を重ねた。

「あぅんんっ……」

 熱く粘つく口内を舐め回し、亜也人の舌を唇で引き抜いて吸い、自分の舌を絡めてがむしゃらに舐めしゃぶる。
 積川の名前に激しく動揺している自分に、松岡は自分自身、戸惑っていた。
 積川を思い出すと、どうしても亜也人を奪われてしまうのではないかという不安に駆られる。
 その不安と焦りが、亜也人を激しく欲する衝動となって松岡に襲い掛かっていた。

「心配いらない。何も心配しなくていいから、俺のそばにいろ」

「ちょっ……待って、こんな朝っぱらからダメだって……」

 鼻先を胸元にこすり付けながら、パジャマの上着を捲り上げて乳首を撫でた。口ではダメと言いながら、亜也人の乳首は、松岡が指先でほんの少しコリコリと弾くだけで早くも硬く充血し始める。

「もう、こんないやらしく勃ってる……」

「バカっ……」

 赤く尖ってしまった乳首に吸い付き舌先で転がすと、まるで、もっと舐めてくれ、と言わんばかりに、亜也人が背中を反らせて胸を突き出す。
 恥じらいながらも貪欲に受け入れる姿に、松岡は、たまらない愛おしさを覚えると同時に、この愛おしいく幸せな現実が夢と消える恐ろしさを覚える。そうしてまた、その恐ろしさが亜也人を激しく欲する衝動となり、結局、亜也人をとことんまで追い詰め、悶え泣かせるのだった。

「亜也人……俺のそばから離れるな。ずっと俺のそばにいろ……」

「あ……ふぁ……やぁっ……」

 眠っていた快楽が目を覚まし、松岡と亜也人を再び官能の渦へと飲み込んで行く。
 求めているのは松岡だけでは無かった。亜也人もまた、松岡の愛撫に甘く喘ぎ、自ら脚を開いて松岡を誘った。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 松岡が紀伊田の元を訪れたのはその日の午後だった。
 昼食を終えた後、松岡は亜也人を部屋に残し、一人だけで紀伊田のマンションを訪ねた。
 亜也人を信用していないわけでは無かったが、亜也人のいる場所で積川の話をする気にはなれなかった。
 勘の良い亜也人が何かを感じ取る前に、松岡は、得意先から呼び出しが掛かったと嘘をつき、そそくさとマンションを出た。
 
 普段の話ぶりから、紀伊田が、亜也人の母校の教師であり家庭教師でもある佐伯と半同棲中であることは知っていたが、部屋に入ると、佐伯の存在を匂わせる物がいくつも目に入り、二人が仲睦まじく暮らす様子を否応なしに連想させた。

「しばらく来ないうちにずいぶん感じが変わったんだな」

「悪趣味でしょ? 嫌だっつってんのに、やたらペアのもんばっか買ってくるんで参ってますよ……」

 この部屋に訪れる男に対しての佐伯なりの牽制なのだろう。色違いのクッションやカップ、スリッパ等、明らかに特別な人間がいると思わせる分かりやすいアピールに、松岡は、失笑を通り越して怖さすら覚えた。

「凄まじい執念を感じるな」

「バカにしてます?」

「褒めてるんだよ。こんなに想われてるなんてお前さんは幸せ者だ」

 松岡の言葉に、紀伊田が、どこかしんみりとした顔で笑う。
 
「ホントに、俺なんかのどこがいいんだか……」

「妙に弱気じゃねぇか」

「弱気? しおらしいと言ってくださいよ」

 コーヒーをテーブルに置きながら答えると、紀伊田は、「そんなことより」と、松岡の向かい側のソファーに座り、本題を切り出した。

「仰木組長の狙撃犯ですが、どうやら内藤が積川に探りを入れさせているようです。証拠に、盆暮れでもないのに積川は今日から一週間休みをもらってます。事務所待機必至の緊急事態に休暇なんて、犯人探しに乗り出したとしか思えません」

「積川が休暇を?」

「本家からの情報なんで間違いありません。あ、言っときますけどセフレじゃ無いっすよ? 昔の知り合いがたまたま本家の若中で、そいつから情報もらっただけっすから……」

 佐伯と付き合い出したのをきっかけに、紀伊田は、それまで関係を持っていたセフレと全て手を切ったと言っていた。セフレの中には大切な情報筋も含まれており、果たして紀伊田がどこまでをセフレとみなし、どこまでを切ったのかは定かでは無かったが、松岡にとっては紀伊田の持ってくる情報が全てであり、出処を詮索する気は毛頭無かった。紀伊田の情報はどれも信憑性が高く、それなりのコネクションを持つ松岡ですら一目置くほど有力な情報ばかりだった。
 その紀伊田から、積川が休暇を取ったと聞かされたことは、当然、松岡を激しく動揺させた。

「本家を出るってことは、こっちに来る可能性もあるってことか!」

「現場は神戸ですが、関東建仁会かんとうけんじんかいの拠点は東京です。指揮した張本人を狙うならこちらに来るでしょうね」

 松岡は真っ先に亜也人の顔を思い浮かべた。
 積川は、仰木組長を狙った犯人を探しに来るのであって、亜也人を奪いに来るわけではない。
 しかし、松岡の心の奥深くにこびりついた、亜也人を奪われるかも知れないという恐怖が松岡の平常心を奪った。

 ーー亜也人を避難させなければならない。

 いても立ってもいられず、車のキーをズボンのポケットから毟り取って慌ててソファーから立ち上がった。歩き出したところをすぐに腕を掴まれて引き止められる。振り向むと、紀伊田の真剣な眼差しと目が合い、松岡は思わず立ち止まった。

「少し落ち着きなよ、松岡さん」

 これが落ち着いていられるか。思ったが、喉の奥が熱くネバつくだけで松岡は何も言葉にすることが出来なかった。
 紀伊田は松岡を止めると、普段の紀伊田からは想像もつかないような力で松岡の腕を引っ張り、再びソファーに座らせた。

「亜也ちゃんのことが心配なのは解るけど、焦って行動するのは良くないよ」

「焦る? 俺が?」

 呆気に取られる松岡を咎めるように、紀伊田は言った。

「亜也ちゃんをどこかに閉じ込めるつもりなんでしょ?」

「人聞きの悪いことを言うな。俺はただ亜也人をあいつから守るために……」

「守る? 亜也ちゃんの気持ちも考えないで一方的に閉じ込めることが守ることになんの?」

 紀伊田の芯の強そうな瞳に、松岡は言葉を詰まらせた。
 紀伊田は、無言のまま挑むように睨み付ける松岡を、瞬きもしないで真っ直ぐに見返した。

「松岡さんが亜也ちゃんの事を本気で心配してるのは良く解る。でも、亜也ちゃんに何も言わないまま、独断で決めるのは賛成できないよ。何の説明もなく訳も解らないままどこかへ連れて行かれる亜也ちゃんの気持ちも考えてあげなよ」

「考えてるさ! 全て亜也人のためを思ってのことなんだ。説明しろだと? 説明して何になる! そんなことしたところで返ってあいつを不安にするだけだ!」

「そうかな。何も聞かされないでいる方がよっぽど不安だと思うけど。それに、俺には、松岡さんの方が不安がってるように見える」

 紀伊田の言葉は優しく丁寧だったが、松岡の内面に無遠慮にえぐり込んだ。

「もう、いい加減、積川に過剰に反応するのはやめようよ、松岡さん」」

「それ以上言うな……」

 松岡は言い返したが、ハッキリとした言葉にはならなかった。胸に押し寄せてくる苛立ちや怒りの感情が、松岡の言葉を噛み潰した。
 松岡の内心に揺さぶりをかけるように、紀伊田は、ゆっくり丁寧に言葉を続けた。

「お願いだからもう少し亜也ちゃんを信用してあげてよ。積川のことを聞いたからって、亜也ちゃんはもう積川に心を動かされたりはしないよ」

「何を根拠に……」

「俺も同じだから解るんだ」

 穏やかだが凛とした口調で紀伊田は言った。

「いくら終わったこととは言え、一度は真剣に愛した相手をそう簡単に忘れることは出来ないよ。もちろん、今もその時と同じ気持ちなわけじゃ無いし、未練があるわけでも無い。今は、今の自分の気持ちが一番大切だし、今、一緒にいる相手が一番大事だよ。でもだからといって、過去は無かったことにはならないし、思い出が消えて無くなるわけじゃない。いっそ綺麗さっぱり消えてくれたらどんなに良いかと思うけど、こればっかりは、ゆっくり時間をかけて押し流して行くしかないんだ……」

 消えて無くなればいいと願う時点でまだ相手を想っているということに紀伊田は気付いていないのだろうか。
 思いながらも、それを口にすることで、更なる不安を間接的に知ってしまうような気がして、松岡は敢えて口を噤んだ。

「……だから、亜也ちゃんを信用して、ちゃんと説明してあげて。何も知らされないことがどれだけ不安で心細いかぐらい松岡さんだって解るだろ? 訳も解らないまま閉じ込められるのと、解ったうえで監禁されるのとでは、気持ちの面で全然違うんだから」

 まるで自分のことのように懇願する紀伊田の真っ直ぐな瞳に、松岡は、亜也人に事情を説明することをしぶしぶ承諾した。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 七代目山崎組組長、仰木伝介おうぎでんすけの襲撃から数時間と経たない八月三十日の早朝。山崎組組事務所の使用人部屋の前で、二つの大きな影が向かい合わせに立っていた。

「ここで男を上げりゃあ誰にも文句は言わせ無ぇ。どうだ、やれるか」

 細い眼鏡のフレームの奥で、一重瞼の吊り上がった目が鋭く光っていた。
 骨と皮だけの尖った顔、切れ長の冷たい目。およそヤクザには見えないインテリ風な佇まいでありながら、全身から立ち篭める圧倒的な威圧感は、武闘派にも引け劣らぬ物々しさに満ちている。
 それと似た雰囲気を持った若者が、向かい合った男を見て薄い唇を挑発的に吊り上げた。

「男を上げるとか、そんなんどうでもいい。それよりも、上手くやったら亜也人を返して欲しい……」

「お前……」

「亜也人を返してくれたら、そんな奴、すぐに見つけてここへ連れてきてやる。だから亜也人を俺に返して欲しい……」

 瞬間、空気がピリリと張り詰める。
 息が詰まるような緊張感の後で、感情のない抑揚の無い声が、静かに、「いいだろう」と呟いた。
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