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〜第八章 ファーブラ最終章 ゲネシス〜

145話✡︎✡︎罪の始まりへ✡︎✡︎

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「未来がある?
あぁ、全てが無に帰り我しか存在しない未来がな!」
 ニヒルはそう言い、ユリナに襲いかかる!
パリィが消えた事は気にしてない様だった、ユリナさえ殺せば、ニヒルに対等する者が居なくなる、それに気付いていたのだがユリナは既に時の神の力を手にしていた。

 そこに凄まじ勢いで、エレナが走り込んで来てニヒルに竜の爪で襲いかかるが、もう三体目のニヒルが背後に現れ、エレナに剣で襲いかかる。
 エレナは何とか躱したがその剣を見た時、エレナは疑うしか無かった。
 それはアルベルトの剣だった、ルーメンを殺し剣を奪って来た様だ……

 エレナの瞳に怒りの炎が宿り、そのニヒルに襲いかかるがエレナは右肩をその剣で貫かれてしまい、殴り飛ばされ大地に叩きつけられる、

「ユリナ!逃げなさい!」
 エレナが必死に立ち上がりニヒルを睨みながら叫ぶ!
 そしてエレナにとどめを刺そうとそのニヒルが、凄まじい勢いでエレナに突進した時それは起こった。


 世界の全てが白黒になった様な感覚をエレナは覚えた。
時が止まったのだ、だか意識ははっきりしている……

「お母さん……もう……
私は逃げないよ……」

 ユリナがエレナの前に歩いて来た、その姿はふわっとした優しい輝きを放ち、神聖さが溢れ出している。

「さっきね……
お姉ちゃんが未来から来て助けてくれたんだ……
また叩かれちゃった……」
 ユリナは微笑みながら悲しみを言葉に乗せて言っている。

 ユリナは一瞬では無く長時間、時を止めている事にエレナが気付く、その力は強大で完全にニヒルも止めている。

「あなたまさか……」

 エレナが聞くがユリナは悲しみを浮かべ静かに顔を横に振る……
 言葉を交わせる程にユリナは完全に時を操っていた。

「私が逃げれば逃げるだけ……
誰かが死んでいく……

今度はお母さんが……

お母さん……
多分だけどお別れになっちゃうかな……

でも一つだけお願いがあるの」
「え……」
 偉大な存在になろうとするユリナに、そう言われてエレナは少し戸惑う、もうエレナに出来る事は何も無いからだ……

「必ず世界を変えて!

今の世界はたった一つの過ちからこんな世界になってしまったの……

だからお母さんは間違わないで‼︎
全てをお母さんの優しさで受け止めてあげて‼︎‼︎」
ユリナは必死になってエレナに叫ぶ。


「どう言う意味……
ユリナ何を考えてるの⁈」


ユリナは静かに瞳を閉じて涙を流した……


そのまま呟く……
「出来るか出来ないかなんて……
解らない……よね……」
 ユリナは一つだけ心配な事があった、だがその瞳を見開いて、エレナに襲い掛かろうとしたニヒルに向かい左手を開いて向ける。


「ニヒル!
あなたは自らの力を過信し過ぎた事を知りなさい!

貴方を止める存在がいないと……
それが奢りだと知りなさい‼︎

私は貴方を滅ぼす事は出来ない……
でも!
止める事は出来る‼︎

世界を戻す事は出来る‼︎‼︎」

 そう叫びながらユリナは力を解き放ちはじめる、その輝きは虹色に変わり輝きが増して行く。

「貴様何を!」

 ニヒルが叫び全力で抵抗する、その凄まじい全てを支配した力が、ユリナの力を上回ろうとしているがユリナは動じる事なくそれを押しとどめた。

 ユリナはこの世界で初めて無の神ニヒルと対等な存在になったのだ。

 そして時の逆行が始まった、ユリナは時を戻す事によって全てをやり直す事を考えていたのだ。

 ユリナの時の女神の力が完全に目覚めた、それはニヒルが奢り、傲慢な思い上がりで直ぐに世界を無に返さなかった為に、ユリナの力が目覚めるその時が訪れたのだ。

 黄金色の風が吹き始める、その風の中には銀色や水色、赤や緑、紫など無数の輝きが混じっている……
 時の流れだ、その風は全世界に広がり絶望に染まった世界全てを包み込んだ、ユリナの支配する時の流れに、絶望と言うたった一つの感情など抗う事は出来ない……

全てが輝き色づき始め……

そして静かに時が遡りはじめた。


 そのユリナの力に抵抗する者がいた……
 ムエルテだ……ムエルテは何故かユリナに導かれ、ユリナの元に現れた……

「これが……ユリナの力か……
ユリナ!何故妾だけを‼︎」
ムエルテが叫ぶ様に聞いた。

「ムエルテ様!
お願いがあります!

この世界に生まれた全ての命を!
預かって下さい‼︎

時をあのっ!
過ちの時まで戻します‼︎
そうなったら……存在さえ消えてしまう命を救って下さい!」
 ユリナははっきりとした意思をムエルテに伝えた……

「命を……

妾は死じゃ!

それを解っているのか‼︎」
 ムエルテが叫ぶ……時は逆行し続け既に多くの命がムエルテに流れ込んで行く、ムエルテはその命の温もりから死とは違う、心地よい感覚を覚え瞳を閉じた。

 そして死とは違う。

その暖かさ

優しさ

慈しみ

包み込むような

生み出す力によって

 オプスの死に傷つき悲しみが溢れた心が癒されて行くのを感じた。

ムエルテは悲しみを胸にしまう様に……
瞳を見開いてそっと言う。

「断れぬと言うことか……」

「えぇ……
ムエルテ様にしか頼めないんです!
あなたは!

悲しさを知っている

寂しさ、孤独を知っている

苦しみも辛さも……
あなたは……
みんな味わって来た……」

 ユリナがそう言い、その言われている間にムエルテは、心をユリナに見られている気がして微笑んだ……


(神の瞳じゃな……
妾を見透かすとは……
偉くなったものじゃな……)
ムエルテは微笑みそう思っていた。


ユリナはムエルテに伝える。

「だから!
あなたは命を知っている!

誰よりも命を知っているから‼︎

その大切さを

知っているから……

貴方にしか頼めないのです‼︎‼︎」


 ユリナが叫んでムエルテは微笑み全てを受け入れた。

 無数の命が光の玉となって、ムエルテに飛び込んで行く、そしてムエルテのまさに死神を思わせる様な黒いローブが光輝き、純白な神聖なローブに変わっていく。

 ムエルテは涙を流していた、死を与え死を力とした死の女神が、命の女神と言う役目を与えられた。

 ムエルテの悲しみの涙を、キラキラと時の流れが運んでいく、死の女神ムエルテの苦悩と悲嘆とも言える涙を拭い去ってくれる様に……
 ムエルテは心から誓う、ユリナが守る未来へ必ずこの全ての命を導くと、大切に守り抜くと……だがふと気づいた。


「まて!ユリナ!
過ちの時とは……まさか感情神の!

その時にそなたは存在しておらぬ!
まだエルフのそなたでは消えてしまうぞ!」

 既に時はユリナがカイナを斬った時に遡っていた……、カイナをユリナが斬った時をユリナは見た。

 そしてユリナは強く強く噛み締めカイナの想いを載せて言った!


「この世界は間違っている!

一つの過ちを隠して!
綺麗事ばかりを重ねて来た‼︎

そして隠す為に神々が……
罪を重ねて来た世界!

もうそうするしかないの‼︎‼︎」
 それは今までの全ての神々の行いを否定した、むしろ神々よりユリナの母エレナの方が正しさを知っている様にユリナは感じていた。

 その言葉をカイナは、ムエルテの闇の星の中で聞いていた、ユリナはカイナが天界に訴えたかったことを、ユリナの言葉で力強く言っていた。
 カイナは涙を流していた、解ってくれたんだと涙を流していた……


 ユリナが叫び時の逆行が加速して行く!

 凄まじい時の流れにムエルテも流されそうになるが、はなされない様に必死に抵抗しているが、なす術が無い。

「ユリナー‼︎」

ムエルテが叫んだ時、ユリナが背負う暗黒からうっすらと闇の女神オプスの姿を表した。

「オプス……そなた……」
「ムエルテありがとう、暗黒は私の半身……

ユリナさんは私が必ず守ります。
だから心配しないで下さい……
必ず守りますから……」

 オプスはそう言い、時の流れに抗う様に必死に耐えているムエルテに近づき、額にキスをした。
 ムエルテは目を大きく見開き驚く、ムエルテは何故ついさっき、漆黒の闇の中を彷徨いカイナの元に行き着いたのかが解った、闇の女神オプスによって導かれたと知った。

「ありがとうムエルテ……
神の役目を捨ててまでして、私の死を断ってくれて嬉しかったよ……

でも、もう少しだけ……

私が生きてる事を忘れて……」
オプスが優しくそう言った。

「嫌じゃ!嫌じゃ!妾は忘れぬ!
妾はお主が……
もう誰も失いたくない‼︎」
ムエルテが駄々を捏ねる様に嫌がるが、オプスはそっと微笑みながら言う。

「十万年も私を捕まえてた仕返しです。
それはまだ許してませんから」
 その微笑みはムエルテを安心させる様に、幼さに愛らしさに溢れ、誰もを引き寄せる様な可愛らしい笑顔をムエルテに送った。

「オプス、お主……」

 ムエルテは凄まじい脱力感と眠気に襲われ時の流れに流されてしまうが、それが必要な事だと知った。
 時に流されながらもムエルテに無限を思わせる程の命の光が飛び込んで行く……


「オプス様、本当にいいのですか?」
ユリナが聞いた。

「えぇ…ムエルテは強いから……私が居なくても役目を果たしてくれます。

それよりも、集中して下さいこの先はユリナさんの存在に関わります。

意識を失えば全てが無駄になります!」
 ユリナはオプスの言葉に、ムエルテとオプスの間に、ユリナとカナの姉妹の様なとても強い絆が生まれている事を知った。

 時は既にユリナの幼少時代にまで遡っていた、四百年前……ユリナが覚えてない記憶までもが流れ込んでくる。

 しだいに力が抜けて行くのを感じるが、ユリナはその脱力感を振り払って、時を遡り続ける。

(私にしか出来ない……)

 ユリナは心で呟く、そして更に加速してユリナが生まれた時を超えた。

 一瞬でエレナの喜びの感情がユリナに流れ込んでくる。

 ユリナはエレナとアルベルトの絶対的な愛の結晶として産まれた事を、ユリナは知った。
 そしてそれを何があっても守ると誓った、カナの気持ちさえも流れ込んできた。

 ユリナは瞳に涙を溜めているが流さない、解っていた感情が溢れ出す。
 ユリナは多くに支えられて来た、そして守られて来た、エレナにカナに守られ続けてきた、そして時を更に遡り、全ての生きとし生ける存在が必ず誰かに守られ、そして誰かを守り生きている事を知った。

 ユリナだけでは無い事を心から感じていた。


「今度は私が……」


 ユリナが言いかけた時、アルベルトとエレナの出会いも目の前に現れた。
 ユリナはアルベルトがエレナに湖に沈められるのを見て微笑み呟く。


「お父さん大変だったんだね」


 既にユリナの体が透け始めている……
 アルベルトとエレナの出会いを過ぎれば、ユリナの存在が危うくなる、まだ半神半人のユリナにはそれが限界かと思われた……

「ユリナさん!」

 オプスが叫ぶが、ユリナにはオプスの声が聞こえ無かった。
ユリナの意識が朦朧としはじめていた、既に立っているのもやっとだった時に、その声は聞こえて来た。


「出来るか解らない!出来るとは言えないが!出来なくはない‼


我らが行うは!奇跡そのものだ!


全ての兵と!民が!

力を合わせても!

勝てないかも知れない……


だが!何もしなければ!


滅びるだけだ‼︎」


 エレナの声が響き渡る、エレナが英雄になった戦いの時まで来たのだ。


「私はもう一度言おう!


出来るか解らない!出来るとは言えないが!出来なくはない‼

解るか!戦わなくては勝てない!
戦わなければ滅びる!
勝たなければ!我ら一族が滅びる!
皆よ!奇跡を摑み取れ‼︎‼︎」


 ユリナはその声を聞き背中を押された感覚を覚える。
 そして次に飛び込んできたのは、エレナが幼い泣きじゃくるカナを救う光景が目の前を過ぎって行った。
 全てが焼かれ、絶望し助けを求めるカナを馬を走らせ弓でカナをすくい上げ、カナを救い出した時だった。

「お母さん……お姉ちゃん……」
「ユリナさん!
カナさんも、何かに導かれたのです!
エレナさんにたった一人だけ、カナさんだけが救われたのも、まだ見ぬ未来にきっと役目があるのです!

全ては繋がっているのです!

諦めないで下さい‼︎」
 オプスがユリナに一生懸命伝えようとしている、オプスの心配にユリナが気付き、気を持ちなおした。

「えぇ……
私が……
未来へ繋げてみせます!」

 ユリナがその意志を時の流れの中で叫んだ!

 そして更に遡って行くエレナが生まれる前に遡り、ユリナの体が本当に消えそうになっていく。
 既にユリナの存在は確証のない物になり、いつ消えてもおかしく無い……でもユリナは消えなかった。
 闇の女神オプスがユリナの存在を信じ続けていた。


(トール……
あなたは私を愛してくれました

あなたが私の変わりに
守ってくれた世界……
終わらせる訳にはいきません)
オプスはそう強く思いユリナを信じ続けていた。


 神は信じる者が居なくなれば、本当の死を迎える、オプスも強大なユリナの時の流れに耐えていた。
 それはニヒルの瞳を持つ闇の女神オプスだからこそ耐える事が出来ることであった、オプスもこの時の為に自分が生まれた事を知る。


 あの無の神ニヒルが怒りに我を、全てを忘れた時の為に、闇の女神オプスに自らの瞳を与えたのだと知った。

 ユリナの力は時の力、その唯一耐える事が出来るニヒルの瞳を持つオプスが、ユリナを疑えばユリナの存在は瞬く間に消えてしまう。
 オプスも既にユリナの存在を感じる事が出来なくなっていたが、それでもユリナの存在を信じ続けた、そこにいると信じ続けユリナを必死に守っていた。


 だが限界をとうに超えていたユリナが、よろめき意識を失いかけた……
「ユリナさん!ユリナさん‼︎‼︎」
(いけないユリナさんが……
トールが守ってここまで繋げてくれた世界……
私は繋げられないの?私は……)
オプスがそう思いユリナに再び叫ぶ。

「ユリナさん!
トールへの気持ちはそんなものなのですか⁈
あなたの愛はそんなに弱いの⁈⁈

トールが繋いでくれたんです。
私じゃ未来に繋げられないんです‼︎

あなたしか……
あなたしか……

トールの守ろうとした未来へ!
繋げられないの‼︎

負けないで!
負けないで下さい‼︎」
 闇の女神オプスがユリナを支えて叫ぶ、自分がその想いを自らの手で、誰よりも繋げたいはずだ、だがそれを同じトールを愛していたユリナに託すしかない、非情な運命に思えるが、かつてのウィンディアの気持ちも同じだったはずだと……

闇の女神オプスは気付いた。

 風の女神ウィンディアもトールを愛していた、だが姉であるオプスに譲ってくれたのだ、そうするしかない状況であったが、どれ程苦しかったか初めてオプスはそれを知った。


 オプスが叫び続けユリナを必死になって呼ぶ、ユリナにはその声が微に聞こえていたが意識が遠のいていく……


 それはサラティアが命を落とした時まで遡った時だった。
 そして今にも閉じてしまいそうな朦朧とした瞳でサラティアの魂を見た時、驚きユリナは再び瞳を見開く。

 サラティアはエレナの前世であった……

 何故自分に瓜二つな程にそっくりなのか理解できた、それは母エレナであったからだ、エレナはなんと前世でも命をなげだし一族を守っていたのだ。

 そしてユリナはまるで、母エレナに今でも守られている様な気がして、意識を強く取り戻し倒れそうになったが踏み止まる。

「お母さんありがとう

私を産んでくれて

愛してくれて

ずっと守ってくれて……
本当にありがとう!」
 ユリナは心から今までの全てに、母に礼を言い更に時を遡って行く!



 そしてその時が訪れた。



「聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

闇の子らよ‼︎
我らの主オプス様は!
あの冥界に囚われた‼︎

我らが勝てるか⁈⁈


否ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎


だが抗う事は出来る!
そして喜べっ‼︎‼︎
我々の為に!
全ての王が集り共に死んでくれるぞ‼︎‼︎
それでも我々は滅びるだろう!


ならば……


最後まで足掻いてやれ!
最後まで戦い抜けぇぇ‼︎
最後まで剣を捨てるな‼︎‼︎
我らが背負うは世界そのものだ!
我らが背負うは‼︎

全ての命‼︎

全ての未来‼︎

我らの栄光はない‼︎‼︎

だが‼︎‼︎

この場にいる全て者が!

英雄だ‼︎‼︎

剣を抜けえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎‼︎‼︎」



 トールの号令だ、トールが死力を振り絞って世界を救った時の号令が、まるでユリナに言ってくれた様に聞こえユリナの背中を強く押した!

 オプスは見ていた、今までこの世界で生まれた英雄達が、まるでユリナを助ける様に号令を発しているのを、その声を聞いてユリナは支えられていたのだ!

 そしてユリナのトールへの愛が溢れ出す、その思いが強く強くユリナを支えた……

 そしてユリナの全身が眩い輝きを放ちはじめる、新しき女神が産まれたのだ。

ユリナは瞳を閉じて心で囁く……

(トール……愛してます。
心から……
貴方を愛しています。)

 そして瞳を見開き更に力強い輝きを放っていく。

 その瞳は現在も過去も、そして未来も見ていた、ユリナに今までの全ての記憶が流れ込む。

 全ての人々の想いが……

喜びや悲しみ
怒りや絶望
愛も勇気も
そして希望や憎悪……
ありとあらゆる想いがユリナに流れ込んだ。

 愛され愛する事を知り絶対的な女神へとユリナは生まれ変わった。

 ユリナは神でありながら母エレナに願った。
「お母さん絶対に間違えないでね!
全てが手と手を取り合う……
シュンパティア!
必ず作ってね‼︎」


 それからは走るように更に速く遡って行く!

 そしてその時を迎えた。
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