上 下
7 / 7

〇〇〇はランクアップ?した

しおりを挟む


「…それにしても、コレは、一体…」


私が勿体ないオバケと化して身悶えて(まぁ最も身悶えれる身は無いのだが。オバケ幽霊なだけに!と1人ツッコミして)いる間にルアーナちゃんパパさんがママさんを抱き締めたまま部屋の惨状を改めて観察し、ぽつりと一言。


「それが、気付けばこの状態で…
良く、わからなくて…」


目尻を下げ、困惑の表情を醸し出す美人ママさん。
混乱困惑意味不明必須の現状だ、それも当たり前だろう。

混迷を極めに極めたルアーナちゃんママさんのお言葉と表情に私は土下座する勢いで謝罪の言葉を考え付く限り思うも、当然土下座(幽霊の土下座ってどんな⁈ってツッコミは受け付けないよ!)も出来ないし、思いも伝わらなくて。

ど、どうにかしなきゃ!

…と思ったら、かちゃかちゃと割れた花瓶の欠片が文字を描き始めるでは無いか。


「こ、これは…⁈」


ルアーナちゃんパパさんが驚愕しつつ、目の前で繰り広がる光景を見つめる。


“ ごめんなさい”

“ 守る為とはいえ、やり過ぎました…”


割れた花瓶の欠片での謝罪の言葉。

どうやら私はいつの間にかポルターガイスト現象の精密なコントロールが出来るようになっていたようだ。
理由は言わずもがな、だけど。

…ところでこの謝罪の言葉…というか、文字。
日本語じゃ、ない。
恐らく、この世界での、文字。

けど、どうして私はそれがわかる理解出来るのだろう…?

…もしかして異世界転生チートとか?

って!
今気付いたけど、私、背後だから転…してないよ⁈

という事は、異世界転移?
それのチート、なのかなぁ…?

でも言語チートは有り難いよね。

本当、今更だけどルアーナちゃんママさん達の言葉も日本語では無かったや。

うん、気付くの遅過ぎだね。
あっはっはー。

…と、まぁそんな些細な事はさておき、ルアーナちゃんパパもママも、後始末してた数名の騎士団員さん達も、乳母さんや怪我をされた侍女さんとは別の侍女さんに恐らく執事さんかな?も、綴られた花瓶の欠片文字に驚愕の視線。

ぅん?
何か変だった?


「ま、まさか…ッ」


戸惑いと驚愕に目を彷徨わせながらルアーナちゃんパパは赤ちゃんなルアーナちゃんを見やり。


「守護神…様⁈」


っと、とんでもない事を宣った。


ほぇ⁈


「まぁ!」
「まさか⁈」
「ッ⁈」


ルアーナちゃんママや騎士団員さん達、侍女さん執事さん達はそれぞれに息を飲んだり、驚愕の声を上げたり、感嘆の声を口にしたりする。


「で、でも、確かに家具達は奥様を…ルアーナお嬢様を守るような動きをされておりました‼︎」


そこに乳母さんからの証言が打ち込まれ。



「ルアーナを、守護して下さった…神、守護神様…」


ルアーナちゃんパパは感極まったのか、若干涙目になってしまった。

いやいや、待って待って!
私、背後霊!背後霊だから!
神様じゃないよ⁉︎
こんな神様いたら嫌だよ⁈

…などと焦る私の気持ちを知らず(そもそもわかる訳は無いけれども)、ルアーナちゃんパパにママ、その他の方々もルアーナちゃんを拝み倒さんばかりの表情を向けて。


“ 神ではありません“


と、いっぱいいっぱいになりながら伝えても、謙虚に生きるべき。とのお言葉ですね?などとまるでわかっていますよ。と言わんばかりにうんうんと頷かれながら言われてしまって。
わかって貰えなくて。

実は私、背後霊じゃ無くて守護霊なのかな…?

と、密かに霊としてランクアップ?してみたのであった。



しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

もち子
2023.10.17 もち子

面白いです。これは展開が楽しみ。

しかし主人公テンパりすぎ(笑)。

解除

あなたにおすすめの小説

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

私の以外の誰かを愛してしまった、って本当ですか?

樋口紗夕
恋愛
「すまない、エリザベス。どうか俺との婚約を解消して欲しい」 エリザベスは婚約者であるギルベルトから別れを切り出された。 他に好きな女ができた、と彼は言う。 でも、それって本当ですか? エリザベス一筋なはずのギルベルトが愛した女性とは、いったい何者なのか?

婚約者が浮気をしていたので失踪したら、冷酷なはずの公爵様に溺愛されました。

櫻井みこと
恋愛
伯爵令嬢のミラベルは、婚約者のニースが庭園で他の女性を愛を囁く場面に遭遇してしまう。 悲恋に酔っているふたりを見て、このままでは自分が悪役にされてしまうと危惧する。 ミラベルは友人達の助力を得て、失踪することにした。 けれど冷酷だと噂の友人の兄が、なぜかミラベルにだけ優しくて。 短編【婚約者が浮気をしていたので、置き手紙を残して失踪してみました。】(現在非公開)の長編版です。かなり加筆していて、結末も変わっています。 不定期更新になりますが、なるべく毎日更新できるように頑張ります!

(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。 なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと? 婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。 ※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。 ※ゆるふわ設定のご都合主義です。 ※元サヤはありません。

探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?

雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。 最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。 ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。 もう限界です。 探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。

ブチ切れ公爵令嬢

Ryo-k
恋愛
突然の婚約破棄宣言に、公爵令嬢アレクサンドラ・ベルナールは、画面の限界に達した。 「うっさいな!! 少し黙れ! アホ王子!」 ※完結まで執筆済み

愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。

石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。 ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。 それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。 愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。 この作品は他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。

婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?

珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。 だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。 全2話。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。