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ミルク伍長とマーちゃん中尉
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エキシビションマッチが目玉になってしまったとはいえ、本来の目的である新入隊員を見極めるための試験は当然行われている。一か月近くも行われているので多少は飽きられていたという面もあったのだろうが、栗鳥院松之助がゲスト解説で好きかって言い放題なところも謎に受けていることもあり一般観光客の減少に歯止めがかかった状態になっていた。
「そもそも、十九番隊の副隊長であるマーちゃん中尉が我々一番隊と三番隊の連合軍に勝負を挑むこと自体が間違いなのだよ。始める前から分かっている事ではあるけれど、今回の勝負でマーちゃん中尉が一勝でもすることが出来たら、三番隊副隊長補佐である栗鳥院松之助と一番隊隊員である栗鳥院竹千代が貴様らのために何かしてやろう」
「随分と自信満々なようだけど、そんな気軽に約束しちゃっていいのかな。あとで吠え面かいても知らないよ」
栗鳥院松之助と妖精マリモ子の掛け合いも人気を保つ要因と思われるのだが、それ以上に視聴者の目を釘付けにしていたのはイザー二等兵と栗鳥院竹千代によるサウナ耐久戦なのだ。もちろん、二人とも水着を着ているのでそれなりの配慮はされているのだが、サウナに入って水風呂に入って外気浴をしてまたサウナに入るというのを繰り返しているだけの映像がサブチャンネルで放送されてから問い合わせが急増していたのだ。
新入隊員募集試験は阿寒湖温泉にやってこないとみることが出来ないのだが、エキシビジョンは世界中どこにいてもネット環境が整っていれば無料で見ることが出来るのだ。もちろん、サブチャンネルも無料で見ることが出来るのは当然の話である。
「なんか、こっちがメインなのにサブチャンネルの方が視聴者数が多いのが気になるんだけど」
「それは仕方ないだろ。向こうは昨日から二人がサウナに入ってる映像を流すって告知してるからな。竹千代姉さんは普段はゆったりした服装で動きを悟られないようにしてるからわかりにくいけれど、見て分かる通りスタイルが物凄くいいからな。出てるところはそれなりに出てるし、キュッとしているところは凄く引き締まっているからな。弟の俺が言うのもなんだが、あれほど均整の取れた体はなかなかいないと思うぞ」
「何言ってんだか。イザーちゃんだって負けてないんですけど。ほら、胸もお尻もイザーちゃんの方が張りがあって汗も弾いちゃってるじゃない。若さは一つの武器になるかもしれないけど、あまりにも年齢差があり過ぎるからそれだけでも同じ土俵で勝負することが出来ないかもね。それに、今はいないけどうまなちゃんが戻ってきたら美女二人とオバサン一人の勝負になっちゃうかな。そうなったら、勝負すること自体がナンセンスってことになっちゃうんじゃないかしら。それに、二人だけじゃなく私も参加したっていいんだからね」
「さすがにお前はまずいだろ。その身長でその旨の大きさは絶対に画面に映しちゃダメな奴だからな。お前みたいに顔と身長から判断できないような胸を持ってるやつは薄着になっちゃダメなんだよ。水着姿だって絶対に許可されないからな。視聴者の中には見たいってやつもたくさんいるだろうけど、お前のその見た目は完全に倫理違反なんだよ。お前のせいじゃないとは思うけど、お前はそれ以上肌を露出したらダメな人間なんだからな」
カメラが映しているのはマリモ子の顔のアップであることが多い。顔だけ見ればどこにでもいるような子供なのだが、鎖骨から下を映すと顔と身長に対する胸の大きさが違和感でしかないのだ。妖精なので体をいじっているという事もなく天然の状態でこれなのだが、どのメディアも扱いに困っているようだ。妖精なので完全に合法的な感じにはなると思うのだけれど、あまりにも幼すぎるその顔と小さな身長と全く馴染まない胸とお尻は全ての者の倫理観を問う形になっていた。
マーちゃん中尉が最初に戦う相手は疾風迅雷・電光石火などと呼ばれるミルク伍長である。
彼は一番隊から四番隊に所属する隊員の中で一番早く動くことが出来る男なのだ。速さだけを追求した結果、攻撃に全く重みがない勢いだけの人間と言われてしまっていた。しかし、絶対的なそのスピードについていくことが出来ないものは攻撃をくらい続けることになってしまうのだった。いくら軽い攻撃でダメージがほとんどないと言っても、同じ場所に何度も何度も打ち込まれる攻撃は徐々に体にダメージを蓄積させていき、ある時を境にその痛みが一気に押し寄せてくるのだ。
「ほら見ろ、マーちゃん中尉はミルク伍長の攻撃を完全に見失っているぞ。俺にも全くミルク伍長の動きは見えないが、そんな事なんてどうでもいい。今はミルク伍長がマーちゃん中尉を倒すことだけわかればそれでいいんだ。過程なんてどうでもいいんで、とにかくマーちゃん中尉を沈めてしまえ」
「そんなこと言ったってダメだよ。ほら、マーちゃん中尉だって反撃しようとしてるんだからね。今にマーちゃん中尉の反撃がミルク伍長に当たっちゃうんだから。ほらほら、マーちゃん中尉の攻撃も少しずつ早くなってるじゃない」
ゲスト解説のマリモ子と栗鳥院松之助が興奮してしゃべり続けていることもあって実況の水城アナウンサーと解説の宇藤さんはなかなか割り込むことが出来ないのだった。次回からゲスト解説の二人は副音声で好きなだけ喋ることが出来るように配慮されることとなったのだが、それはサブチャンネルのサブチャンネルで放送されることになったので再生数は意外と伸びなかったのである。
試合開始から五分になろうとしているところでマーちゃん中尉が膝から崩れ落ちて意識を失ってしまっていた。
エキシビジョンマッチ初戦は栗鳥院軍団の勝利で幕を閉じたのであった。
「そもそも、十九番隊の副隊長であるマーちゃん中尉が我々一番隊と三番隊の連合軍に勝負を挑むこと自体が間違いなのだよ。始める前から分かっている事ではあるけれど、今回の勝負でマーちゃん中尉が一勝でもすることが出来たら、三番隊副隊長補佐である栗鳥院松之助と一番隊隊員である栗鳥院竹千代が貴様らのために何かしてやろう」
「随分と自信満々なようだけど、そんな気軽に約束しちゃっていいのかな。あとで吠え面かいても知らないよ」
栗鳥院松之助と妖精マリモ子の掛け合いも人気を保つ要因と思われるのだが、それ以上に視聴者の目を釘付けにしていたのはイザー二等兵と栗鳥院竹千代によるサウナ耐久戦なのだ。もちろん、二人とも水着を着ているのでそれなりの配慮はされているのだが、サウナに入って水風呂に入って外気浴をしてまたサウナに入るというのを繰り返しているだけの映像がサブチャンネルで放送されてから問い合わせが急増していたのだ。
新入隊員募集試験は阿寒湖温泉にやってこないとみることが出来ないのだが、エキシビジョンは世界中どこにいてもネット環境が整っていれば無料で見ることが出来るのだ。もちろん、サブチャンネルも無料で見ることが出来るのは当然の話である。
「なんか、こっちがメインなのにサブチャンネルの方が視聴者数が多いのが気になるんだけど」
「それは仕方ないだろ。向こうは昨日から二人がサウナに入ってる映像を流すって告知してるからな。竹千代姉さんは普段はゆったりした服装で動きを悟られないようにしてるからわかりにくいけれど、見て分かる通りスタイルが物凄くいいからな。出てるところはそれなりに出てるし、キュッとしているところは凄く引き締まっているからな。弟の俺が言うのもなんだが、あれほど均整の取れた体はなかなかいないと思うぞ」
「何言ってんだか。イザーちゃんだって負けてないんですけど。ほら、胸もお尻もイザーちゃんの方が張りがあって汗も弾いちゃってるじゃない。若さは一つの武器になるかもしれないけど、あまりにも年齢差があり過ぎるからそれだけでも同じ土俵で勝負することが出来ないかもね。それに、今はいないけどうまなちゃんが戻ってきたら美女二人とオバサン一人の勝負になっちゃうかな。そうなったら、勝負すること自体がナンセンスってことになっちゃうんじゃないかしら。それに、二人だけじゃなく私も参加したっていいんだからね」
「さすがにお前はまずいだろ。その身長でその旨の大きさは絶対に画面に映しちゃダメな奴だからな。お前みたいに顔と身長から判断できないような胸を持ってるやつは薄着になっちゃダメなんだよ。水着姿だって絶対に許可されないからな。視聴者の中には見たいってやつもたくさんいるだろうけど、お前のその見た目は完全に倫理違反なんだよ。お前のせいじゃないとは思うけど、お前はそれ以上肌を露出したらダメな人間なんだからな」
カメラが映しているのはマリモ子の顔のアップであることが多い。顔だけ見ればどこにでもいるような子供なのだが、鎖骨から下を映すと顔と身長に対する胸の大きさが違和感でしかないのだ。妖精なので体をいじっているという事もなく天然の状態でこれなのだが、どのメディアも扱いに困っているようだ。妖精なので完全に合法的な感じにはなると思うのだけれど、あまりにも幼すぎるその顔と小さな身長と全く馴染まない胸とお尻は全ての者の倫理観を問う形になっていた。
マーちゃん中尉が最初に戦う相手は疾風迅雷・電光石火などと呼ばれるミルク伍長である。
彼は一番隊から四番隊に所属する隊員の中で一番早く動くことが出来る男なのだ。速さだけを追求した結果、攻撃に全く重みがない勢いだけの人間と言われてしまっていた。しかし、絶対的なそのスピードについていくことが出来ないものは攻撃をくらい続けることになってしまうのだった。いくら軽い攻撃でダメージがほとんどないと言っても、同じ場所に何度も何度も打ち込まれる攻撃は徐々に体にダメージを蓄積させていき、ある時を境にその痛みが一気に押し寄せてくるのだ。
「ほら見ろ、マーちゃん中尉はミルク伍長の攻撃を完全に見失っているぞ。俺にも全くミルク伍長の動きは見えないが、そんな事なんてどうでもいい。今はミルク伍長がマーちゃん中尉を倒すことだけわかればそれでいいんだ。過程なんてどうでもいいんで、とにかくマーちゃん中尉を沈めてしまえ」
「そんなこと言ったってダメだよ。ほら、マーちゃん中尉だって反撃しようとしてるんだからね。今にマーちゃん中尉の反撃がミルク伍長に当たっちゃうんだから。ほらほら、マーちゃん中尉の攻撃も少しずつ早くなってるじゃない」
ゲスト解説のマリモ子と栗鳥院松之助が興奮してしゃべり続けていることもあって実況の水城アナウンサーと解説の宇藤さんはなかなか割り込むことが出来ないのだった。次回からゲスト解説の二人は副音声で好きなだけ喋ることが出来るように配慮されることとなったのだが、それはサブチャンネルのサブチャンネルで放送されることになったので再生数は意外と伸びなかったのである。
試合開始から五分になろうとしているところでマーちゃん中尉が膝から崩れ落ちて意識を失ってしまっていた。
エキシビジョンマッチ初戦は栗鳥院軍団の勝利で幕を閉じたのであった。
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