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バイセクシャルな後輩は俺の事を何とも思っていない
第三話
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シチューを食べた松本舞は驚いていたのだが、このシチューを気に入ったのか一口目を食べた後にお酒を飲んでいたことを忘れているかのように一気に食べ終えてお代わりまで要求してきた。
「河崎さんのシチューっておばあちゃんが作ってくれたシチューと同じ味なんですけど、何か隠し味に入れてます?」
「いや、何も入れてないよ。普通にパッケージに書かれてる分量で作ってるよ。何にも変なものも入れてないし」
「本当ですか?」
「本当だよ。料理の中にも変ったの入ってないでしょ。君は何かアレンジして作ってるの?」
「いや、僕も分量正確に測って作ってますよ。でも、この味にはならないんです。いったいどうやったらこの味になるんですか?」
「どうやったらって言われてもな。普通にこの箱の分量通りに作ってるだけだし」
俺の使っているシチューの箱を松本舞に渡したのだけれどそれを受け取った松本舞はシチューを食べた時と同じくらい驚いていた。松本舞は箱を食い入るように見ていたのだが、その箱を俺に向けて何やら怒っていた。
「ちょっと待ってくださいよ。これって僕が良く買ってるメーカーと違うんですけど。おばあちゃんと買い物に行った時もこれと違うの買ってたんですけど。なんでこのメーカーのシチューなんですか?」
「なんでって言われてもな。俺の親もこれを使ってるってだけの話だけど。それ以外に理由なんて特に無いよ」
「そうですよね。別に理由なんて無いのが普通ですよね。僕もなんで違うメーカーのやつだと思ってたんだろう。これって結構高いやつですか?」
「そんなに高くないと思うよ。特売になること多いし」
「マジですか。僕は高い方が美味しいのかと思って使ってたんですけど、最初からおばあちゃんに何を使ってるか聞いてみれば良かったな。ちなみになんですけど、明日は何を作るつもりなんですか?」
「明日か。明日の昼はお好み焼きでも作ろうかと思ってるよ。食材も揃ってるし簡単に作れるからな」
「へえ、お好み焼きですか。お好み焼き美味しいですよね。僕ってお好み焼きも好きなんですよね。河崎さんの作ったお好み焼きも食べてみたいな。ね、いいですよね?」
「いいですよねって言われてもな。明日の昼に食べるって言ってるだろ。今作るつもりなんて無いって」
「それは分かってますって、だから、今日はこのまま泊っていってもいいですか?」
「え、普通に嫌だけど」
俺は松本舞が泊まりたいと言ったことに対して即お断りを入れたのだが、シチューを食べつくした松本舞はお腹をポンポンと叩きながら更に俺にお願いをしてきたのだ。
「ほら、何もしないって約束するから大丈夫ですって。僕は絶対に何もしないから安心してくれていいですよ。あ、河崎さんから手を出すってのは無しですけどね」
「いや、普通に手は出さないけど。それに、泊めないって言ってるだろ」
「そんな事言わないでくださいよ。僕はもうお腹いっぱいで動けないですし、これからタクシーに乗って帰ったとしても吐いちゃいそうだし、そうなると運転手さんにも迷惑かけることになっちゃいますよね。河崎さんが僕の事を帰しちゃったらタクシーの運転手さんに迷惑をかけることになるし、これ以上飲んでしまったら僕の家の階段を上れなくて転げ落ちてしまうと思いますよ。そうなったら、お店の人達には河崎さんにお酒をたくさん飲まされて記憶が無かったって言っちゃおうかな。余計な事も必要なことも言わないでみんなに心配してもらっちゃおうかな。日野さんがどんな風にそれを聞いてくれるんだろうな」
松本舞は俺を脅しながらも新しい酎ハイをあけていた。お腹がいっぱいで食べれないようなことを言っておいてさらに飲んでいる事に驚いていたけれど、さすがにストロングではないところは松本舞も自分の限界を知っているようだ。
「そもそもさ、泊まるって言っても寝る場所ないぞ」
「え、河崎さんは普段どこで寝てるんですか?」
「どこでって、普通にベッドで寝てるけど」
「何だ、寝るとこあるじゃないですか。僕も河崎さんと一緒のベッドでいいですよ。一緒の布団に入ったとしても何もしないから安心してくれていいですよ」
「いやいや、一緒に寝るのはダメでしょ」
「まあ、ダメだとは思うんですけど、僕って抱き枕が無いと寝られないんですよね。抱き枕の代わりになるものって無いですよね?」
「無いね。そもそもだけどさ、男の一人暮らしの部屋にあるような抱き枕は使っちゃダメだと思うよ。持ち主も他人に使われたくないと思うし」
「そう言われたらそうですね。ちょっと男の人が使ってる抱き枕ってのは抵抗あるかもしれないですよ。でも、河崎さんだったら別に何とも思わなさそうだし気にしなくてもよさそうですよね」
俺を抱き枕代わりにしようかと思っているのが本気なのかわからないが、松本舞のとろんとした目を見る限り本気か冗談が判断がつかないのだけれど、松本舞の飲み終わった空き缶が増えると同時に俺との距離を少しずつ近くなっているのだ。俺は松本舞が近付いてきた距離の分だけ離れて見たのだ。しかし、松本舞は俺が離れた距離以上につめてきたのだ。
「何で逃げようとするんですか。僕は別に何もしないって言ってるじゃないですか。そんなに僕の事が嫌いだったら好きになってもらえるような事しちゃいますよ。そうなったら、河崎さんは他の人にどんな風に思われるんですかね。特に、日野さんは河崎さんの事をどう思うか楽しみですね」
「それって、君を泊めても泊めなくても詰んでるような気がするんだけど」
「そんな事ないですよ。河崎さんが僕に何もしなければ誰にも言わないですからね」
何もしないと言いつつも俺と手を組みながらお酒を飲み続けている松本舞はこんなに甘える酔い方をする人ではないと思いながらも俺はアルコール分の少ないお酒を飲むのであった。
「河崎さんのシチューっておばあちゃんが作ってくれたシチューと同じ味なんですけど、何か隠し味に入れてます?」
「いや、何も入れてないよ。普通にパッケージに書かれてる分量で作ってるよ。何にも変なものも入れてないし」
「本当ですか?」
「本当だよ。料理の中にも変ったの入ってないでしょ。君は何かアレンジして作ってるの?」
「いや、僕も分量正確に測って作ってますよ。でも、この味にはならないんです。いったいどうやったらこの味になるんですか?」
「どうやったらって言われてもな。普通にこの箱の分量通りに作ってるだけだし」
俺の使っているシチューの箱を松本舞に渡したのだけれどそれを受け取った松本舞はシチューを食べた時と同じくらい驚いていた。松本舞は箱を食い入るように見ていたのだが、その箱を俺に向けて何やら怒っていた。
「ちょっと待ってくださいよ。これって僕が良く買ってるメーカーと違うんですけど。おばあちゃんと買い物に行った時もこれと違うの買ってたんですけど。なんでこのメーカーのシチューなんですか?」
「なんでって言われてもな。俺の親もこれを使ってるってだけの話だけど。それ以外に理由なんて特に無いよ」
「そうですよね。別に理由なんて無いのが普通ですよね。僕もなんで違うメーカーのやつだと思ってたんだろう。これって結構高いやつですか?」
「そんなに高くないと思うよ。特売になること多いし」
「マジですか。僕は高い方が美味しいのかと思って使ってたんですけど、最初からおばあちゃんに何を使ってるか聞いてみれば良かったな。ちなみになんですけど、明日は何を作るつもりなんですか?」
「明日か。明日の昼はお好み焼きでも作ろうかと思ってるよ。食材も揃ってるし簡単に作れるからな」
「へえ、お好み焼きですか。お好み焼き美味しいですよね。僕ってお好み焼きも好きなんですよね。河崎さんの作ったお好み焼きも食べてみたいな。ね、いいですよね?」
「いいですよねって言われてもな。明日の昼に食べるって言ってるだろ。今作るつもりなんて無いって」
「それは分かってますって、だから、今日はこのまま泊っていってもいいですか?」
「え、普通に嫌だけど」
俺は松本舞が泊まりたいと言ったことに対して即お断りを入れたのだが、シチューを食べつくした松本舞はお腹をポンポンと叩きながら更に俺にお願いをしてきたのだ。
「ほら、何もしないって約束するから大丈夫ですって。僕は絶対に何もしないから安心してくれていいですよ。あ、河崎さんから手を出すってのは無しですけどね」
「いや、普通に手は出さないけど。それに、泊めないって言ってるだろ」
「そんな事言わないでくださいよ。僕はもうお腹いっぱいで動けないですし、これからタクシーに乗って帰ったとしても吐いちゃいそうだし、そうなると運転手さんにも迷惑かけることになっちゃいますよね。河崎さんが僕の事を帰しちゃったらタクシーの運転手さんに迷惑をかけることになるし、これ以上飲んでしまったら僕の家の階段を上れなくて転げ落ちてしまうと思いますよ。そうなったら、お店の人達には河崎さんにお酒をたくさん飲まされて記憶が無かったって言っちゃおうかな。余計な事も必要なことも言わないでみんなに心配してもらっちゃおうかな。日野さんがどんな風にそれを聞いてくれるんだろうな」
松本舞は俺を脅しながらも新しい酎ハイをあけていた。お腹がいっぱいで食べれないようなことを言っておいてさらに飲んでいる事に驚いていたけれど、さすがにストロングではないところは松本舞も自分の限界を知っているようだ。
「そもそもさ、泊まるって言っても寝る場所ないぞ」
「え、河崎さんは普段どこで寝てるんですか?」
「どこでって、普通にベッドで寝てるけど」
「何だ、寝るとこあるじゃないですか。僕も河崎さんと一緒のベッドでいいですよ。一緒の布団に入ったとしても何もしないから安心してくれていいですよ」
「いやいや、一緒に寝るのはダメでしょ」
「まあ、ダメだとは思うんですけど、僕って抱き枕が無いと寝られないんですよね。抱き枕の代わりになるものって無いですよね?」
「無いね。そもそもだけどさ、男の一人暮らしの部屋にあるような抱き枕は使っちゃダメだと思うよ。持ち主も他人に使われたくないと思うし」
「そう言われたらそうですね。ちょっと男の人が使ってる抱き枕ってのは抵抗あるかもしれないですよ。でも、河崎さんだったら別に何とも思わなさそうだし気にしなくてもよさそうですよね」
俺を抱き枕代わりにしようかと思っているのが本気なのかわからないが、松本舞のとろんとした目を見る限り本気か冗談が判断がつかないのだけれど、松本舞の飲み終わった空き缶が増えると同時に俺との距離を少しずつ近くなっているのだ。俺は松本舞が近付いてきた距離の分だけ離れて見たのだ。しかし、松本舞は俺が離れた距離以上につめてきたのだ。
「何で逃げようとするんですか。僕は別に何もしないって言ってるじゃないですか。そんなに僕の事が嫌いだったら好きになってもらえるような事しちゃいますよ。そうなったら、河崎さんは他の人にどんな風に思われるんですかね。特に、日野さんは河崎さんの事をどう思うか楽しみですね」
「それって、君を泊めても泊めなくても詰んでるような気がするんだけど」
「そんな事ないですよ。河崎さんが僕に何もしなければ誰にも言わないですからね」
何もしないと言いつつも俺と手を組みながらお酒を飲み続けている松本舞はこんなに甘える酔い方をする人ではないと思いながらも俺はアルコール分の少ないお酒を飲むのであった。
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