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第二十四話
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本番前最後の通し稽古も終わった。色々と考えているうちに私達の稽古は終わって本番を迎えるだけになったのだが、部員しか見ていないこの状況でも私はとても緊張してしまい言葉を発することもその場から動くことも出来なかった。
愛莉ちゃんと若井先生は私を励ましてくれて入るのだけれど、少しだけ落胆の表情が見えていた。もしかしたら、二人は私が生まれ変わっているだろうと期待をしてくれていたのかもしれない。練習ではその期待に応えることは出来なかったのだが、明日の本番ではその期待にちゃんと応えようと思う。
だが、私は本番が近づけば近付くほど緊張が強くなり、手足の指先がだんだんと冷たくなっていってるのを感じていた。それだけではなく、極度の緊張からなのか集中し過ぎなのかはわからないが、視界が極端に狭くなってしまっていた。視野が狭いと言われていた時よりも見えている範囲が狭いんじゃないかと思えるくらいには目の前が白く濁っていた。
今日の通し稽古前には上手く行くとシミュレーションをすることが出来たのだけれど、いざ始まってみるといつも通りの全く動けず微笑んでいるだけの私がいるだけだった。それでも、私なりには頑張ろうと思っていたし、言おうと思っている事は色々と考えてはいたのだ。ただ、色々と考えすぎて何を選べばいいのだろうと考えているうちに練習も終わっていただけなのだ。
他の部員からしてみれば、私はいつもと変わらない感じだったと思うのだけれど、愛莉ちゃんは私が頑張ろうとしていたところをわかってくれて、若井先生と一緒に励ましてくれていたのだ。
私は帰り路ではいつも通りにしていたと思っていたのだけれど、信寛君はそんな私の変化にどことなく気がついてくれていたようだ。
「明日からの本番は全部俺に任せてくれていいからさ。泉は俺の一番近くで俺を見ててくれればいいからね」
いつもの優しい表情でいつものように温かい言葉を私に向けてくれる信寛君。私はその気持ちにちゃんと答えることが出来ているのか不安になっていたのだけれど、私は自分に出来ることを精一杯やることにしようと心に誓っていた。今日だって誓っていたはずなんだけど、何も出来なかったなと思ってはいたけれど、明日からはちゃんと自分の気持ちを伝えられるようにしよう。
いつも通りの道ではなく、今日は信寛君の家の前を経由して私の家に向かっていた。いつも曲がる場所をまっすぐ進んでいくと信寛君の家の方へ行けるのだけれど、私の家に行くことを考えると少しだけ遠回りになってしまう。
私が勇気を出すことが出来ないから今日は信寛君の家の前でお別れかなとか考えていると、信寛君の家の方から美春ちゃんが小走りで近付いてくるのが見えた。
「美春、無理して走っちゃ駄目じゃないか」
「美春は走ってないよ。小走りだから平気だもん。それにさ、二人とも何かあったのかってくらい暗いけどどうしたの?」
「どうもしてないけど、暗いのはもう夜だからじゃないか」
「もう、お兄ちゃんって本当にダメな人だよね。そんなお兄ちゃんの事は無視して、泉ちゃんにちょっと言いたいことがあるから聞いてもらってもいいかな」
「うん、何かな?」
「あのね、美春は泉ちゃんだけに言いたいことがあるんで、お兄ちゃんはどっか声が聞こえないところに行っててもらってもいいかな。そうだな、あのジャングルジムの上で待っててよ。合図するまでこっちに来たらダメだからね。泉ちゃんは美春と一緒にあっちのベンチに座ってお話しましょ」
信寛君は美春ちゃんに向かって文句は言っていたのだけれど、ブツブツと文句は言いながらも言われた通りにジャングルジムに上っているのが面白くて可愛らしかった。
私は美春ちゃんに手を引かれて一緒にベンチに座ったのだが、信寛君に何となく似ている美春ちゃんが手を繋いでくれたのは少しだけドキドキしてしまっていた。
「お兄ちゃんから聞いたんだけどさ、今年って四回も公演があるんだね。美春は残念だけど四回もあるのに見に行けないんだ。だからさ、その分も今のうちに応援しておきたいなって思ったんだ。美春はね、お兄ちゃんに彼女が出来るんなら泉ちゃんが言いなって思ってたのは本当なんだよ。愛莉ちゃんでもいいなって思ったってのは嘘なんだ。愛莉ちゃんもいい人だとは思うけど、美春のお姉ちゃんってよりはお友達に近い感覚かな。毎日一緒に過ごすってよりも、時々楽しく遊んでくれる相手って感じかも。その点、泉ちゃんは毎日一緒に居ても楽しそうだなって思ったんだよ。優しいだけじゃなくてお兄ちゃんの事も好きでいてくれているしね。もちろん、お兄ちゃんが泉ちゃんの事を好きなのも重要だけどさ。そんな好き同士で優しい二人の舞台を見に行けないのは残念だけど、美春は会場の誰よりも二人の事を応援してるし、二人の事が好きだからね。だからさ、泉ちゃんは美春の代わりにお兄ちゃんの一番カッコいい姿を一番近くで見ててほしいな。お兄ちゃんには泉ちゃんの一番綺麗で輝いている姿を見てもらうように頼んであるし、二人がお互いをちゃんと見ているとしたら、美春はこれ以上に無い幸せを感じると思うよ。だからね、二人はいつも通り自然体でいてくれたらいいと思うんだ。美春のパパは日曜日にしか行けないって言ってたんで美春がすぐに見ることが出来るのは日曜日の公演だけなんだけど、絶対に土曜日の分も誰かに見せてもらうからさ、失敗しても気にしないでやり遂げてね」
「失敗なんてしないよ。私は信寛君の隣に立ってるだけだからね」
「そうかもしれないけどさ、もしかしたら転んじゃうかもしれないし、くしゃみが出ちゃうかもしれないじゃない。そんな時でも泉ちゃんは泉ちゃんらしくしていればいいと思うんだ」
私は美春ちゃんに考えを見透かされているのではないかと思っていた。もしかしたら、愛莉ちゃんが美春ちゃんに私の考えを教えて、勇気を出せるように言葉をかけてくれたのかもしれない。そうだったとしても、そうじゃなかったとしても、私は美春ちゃんの言葉に勇気をもらったし、明日はきっとやり遂げられると心に誓ったのだった。
愛莉ちゃんと若井先生は私を励ましてくれて入るのだけれど、少しだけ落胆の表情が見えていた。もしかしたら、二人は私が生まれ変わっているだろうと期待をしてくれていたのかもしれない。練習ではその期待に応えることは出来なかったのだが、明日の本番ではその期待にちゃんと応えようと思う。
だが、私は本番が近づけば近付くほど緊張が強くなり、手足の指先がだんだんと冷たくなっていってるのを感じていた。それだけではなく、極度の緊張からなのか集中し過ぎなのかはわからないが、視界が極端に狭くなってしまっていた。視野が狭いと言われていた時よりも見えている範囲が狭いんじゃないかと思えるくらいには目の前が白く濁っていた。
今日の通し稽古前には上手く行くとシミュレーションをすることが出来たのだけれど、いざ始まってみるといつも通りの全く動けず微笑んでいるだけの私がいるだけだった。それでも、私なりには頑張ろうと思っていたし、言おうと思っている事は色々と考えてはいたのだ。ただ、色々と考えすぎて何を選べばいいのだろうと考えているうちに練習も終わっていただけなのだ。
他の部員からしてみれば、私はいつもと変わらない感じだったと思うのだけれど、愛莉ちゃんは私が頑張ろうとしていたところをわかってくれて、若井先生と一緒に励ましてくれていたのだ。
私は帰り路ではいつも通りにしていたと思っていたのだけれど、信寛君はそんな私の変化にどことなく気がついてくれていたようだ。
「明日からの本番は全部俺に任せてくれていいからさ。泉は俺の一番近くで俺を見ててくれればいいからね」
いつもの優しい表情でいつものように温かい言葉を私に向けてくれる信寛君。私はその気持ちにちゃんと答えることが出来ているのか不安になっていたのだけれど、私は自分に出来ることを精一杯やることにしようと心に誓っていた。今日だって誓っていたはずなんだけど、何も出来なかったなと思ってはいたけれど、明日からはちゃんと自分の気持ちを伝えられるようにしよう。
いつも通りの道ではなく、今日は信寛君の家の前を経由して私の家に向かっていた。いつも曲がる場所をまっすぐ進んでいくと信寛君の家の方へ行けるのだけれど、私の家に行くことを考えると少しだけ遠回りになってしまう。
私が勇気を出すことが出来ないから今日は信寛君の家の前でお別れかなとか考えていると、信寛君の家の方から美春ちゃんが小走りで近付いてくるのが見えた。
「美春、無理して走っちゃ駄目じゃないか」
「美春は走ってないよ。小走りだから平気だもん。それにさ、二人とも何かあったのかってくらい暗いけどどうしたの?」
「どうもしてないけど、暗いのはもう夜だからじゃないか」
「もう、お兄ちゃんって本当にダメな人だよね。そんなお兄ちゃんの事は無視して、泉ちゃんにちょっと言いたいことがあるから聞いてもらってもいいかな」
「うん、何かな?」
「あのね、美春は泉ちゃんだけに言いたいことがあるんで、お兄ちゃんはどっか声が聞こえないところに行っててもらってもいいかな。そうだな、あのジャングルジムの上で待っててよ。合図するまでこっちに来たらダメだからね。泉ちゃんは美春と一緒にあっちのベンチに座ってお話しましょ」
信寛君は美春ちゃんに向かって文句は言っていたのだけれど、ブツブツと文句は言いながらも言われた通りにジャングルジムに上っているのが面白くて可愛らしかった。
私は美春ちゃんに手を引かれて一緒にベンチに座ったのだが、信寛君に何となく似ている美春ちゃんが手を繋いでくれたのは少しだけドキドキしてしまっていた。
「お兄ちゃんから聞いたんだけどさ、今年って四回も公演があるんだね。美春は残念だけど四回もあるのに見に行けないんだ。だからさ、その分も今のうちに応援しておきたいなって思ったんだ。美春はね、お兄ちゃんに彼女が出来るんなら泉ちゃんが言いなって思ってたのは本当なんだよ。愛莉ちゃんでもいいなって思ったってのは嘘なんだ。愛莉ちゃんもいい人だとは思うけど、美春のお姉ちゃんってよりはお友達に近い感覚かな。毎日一緒に過ごすってよりも、時々楽しく遊んでくれる相手って感じかも。その点、泉ちゃんは毎日一緒に居ても楽しそうだなって思ったんだよ。優しいだけじゃなくてお兄ちゃんの事も好きでいてくれているしね。もちろん、お兄ちゃんが泉ちゃんの事を好きなのも重要だけどさ。そんな好き同士で優しい二人の舞台を見に行けないのは残念だけど、美春は会場の誰よりも二人の事を応援してるし、二人の事が好きだからね。だからさ、泉ちゃんは美春の代わりにお兄ちゃんの一番カッコいい姿を一番近くで見ててほしいな。お兄ちゃんには泉ちゃんの一番綺麗で輝いている姿を見てもらうように頼んであるし、二人がお互いをちゃんと見ているとしたら、美春はこれ以上に無い幸せを感じると思うよ。だからね、二人はいつも通り自然体でいてくれたらいいと思うんだ。美春のパパは日曜日にしか行けないって言ってたんで美春がすぐに見ることが出来るのは日曜日の公演だけなんだけど、絶対に土曜日の分も誰かに見せてもらうからさ、失敗しても気にしないでやり遂げてね」
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「そうかもしれないけどさ、もしかしたら転んじゃうかもしれないし、くしゃみが出ちゃうかもしれないじゃない。そんな時でも泉ちゃんは泉ちゃんらしくしていればいいと思うんだ」
私は美春ちゃんに考えを見透かされているのではないかと思っていた。もしかしたら、愛莉ちゃんが美春ちゃんに私の考えを教えて、勇気を出せるように言葉をかけてくれたのかもしれない。そうだったとしても、そうじゃなかったとしても、私は美春ちゃんの言葉に勇気をもらったし、明日はきっとやり遂げられると心に誓ったのだった。
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