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不思議な屋敷編
魔女狩り
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屋敷から金髪の女性を外へと連れだしたのだが、僕たちの姿を見つけた集落の人達は各々が好きなように叫んでいて、僕には何を叫んでいるのか一つも理解することが出いなかった。
怒号にも似た歓声が収まるまでにかかった時間は長かったと思うのだけれど、僕はどうしたらいいのかわからないままだったので立ち尽くすことしか出来なかった。人混みをかき分けて一人の青年が僕たちの目の前までやってきたのだが、僕たちを含めてその場にいる全員がこの青年の行動に注目していた。
「ありがとうございます。あなたのお陰で我々は再び平和な日常を取り戻し、昼は仕事に精を出して、夜はゆっくりと休むことが出来るようになります。どのような言葉をもってしてもあなたたちに感謝を伝えきることは出来ませんが、本当にありがとうございます」
「あ、はい。ところで、この女性は本当に魔女なんですか?」
「ええ、その女は我々の記憶にしっかりと焼き付けられている魔女で間違いございません。顔形は変わっていてもそのおぞましき魔力は忘れることが出来ませんので。我々は季節が変わるたびにあの忌々しい記憶を思い出していたのです。さあ、我々の手でその魔女に引導を渡したいと思うのですが、皆さんはよろしいでしょうか?」
「よろしいでしょうかと言われても、僕にはこの女性が本当に魔女なのか判断が出来ないからな。ミカエルはどう思うかな?」
「自分は何とも思わないっスね。その女の人が魔女かと聞かれたらそうかもしれないと答えると思うっス。でも、魔女じゃないよねって言われてもそうだろうねと答えると思うっスね」
「そうか、マヤさんはどう思うかな?」
「私はさっぱりわからないわ。マサキみたいにその女の人と一緒に過ごしたことも無いし、今が初対面なわけだからどんな人なのかもわかってないしね。私はどっちかわからないってのが本音かな」
「じゃあ、最後に一応みさきにも聞いておこうかな。みさきは魔女だと思う?」
「あたしもこの女が魔女かどうかなんて判断できないけど、まー君と何か良くないことをしたかもしれないし、してないかもしれないんだけど、一晩一緒に過ごした事実は変わらないし、許されることならその辺をしっかりと問い詰めてから処刑してやりたいと思うな。もちろん、その時は鉄の男にも手伝ってもらうけどね」
僕はみさきにも聞いてしまったのは悪手だったかなと思ってしまった。良くも悪くもみさきは僕の事を何よりも優先して考えてくれてはいるのだ。それが強すぎるがゆえにこの女性に極刑を望んでいるのだろう。そんなことであの女性が死刑にでもなってしまったときには、みさきは精神を病んでしまうのではないかと心配になってしまった。
そんな心配は無さそうなんだけど、万が一ということもあるので用心し過ぎることは問題ないだろう。
僕はこの女性は魔女ではないと思っているのだけれど、周りの空気とみさきの圧がそれをいとも簡単にはねのけている感じだった。実際に何かをしているわけでもないのだけれど、門をかこっている人だけでも相当な敵意が向けられているようには見えた。
そんな風に監視をするようになってから少し面倒くさがりになっているように思える。本当の事は本人にしかわからないと思うけれど、僕が女性の立場だったらとても正気を保っていられないんじゃないかと思うくらいの敵意は感じていた。僕に向けられているわけではない敵意を一点に集めてしまうのも凄い事なのではないだろうかと思ってしまった。
「その女をこちらに渡していただけないでしょうかね?」
「魔女だなんだと騒いでいるのはわかったのですが、魔女が一体何をしたのですか?」
「それほど遠い昔の話ではございません。そちらの魔女一行がふらっと立ち寄った王都でちょっとした事件を起こすのですが、それを合図にしたかのように全国各地で似たような事件が起こるようになったのです」
「それって、どんな事件なんですか?」
「この魔女の仲間が我々の仲間を斬ったのですが、まるでそれを模倣するかのように我々の仲間同士で斬りあいが始まってしまったのです。私はまだ小さかったのでそれに参加することは無かったのですが、我々を襲い始めた者の目は何を見ているのかわからないような状態で、一人で何かをじっくりと見ているようでした」
「その仲間を襲っていた人って最終的にはどうなったのかな?」
「お恥ずかしい話ではありますが、元に戻す手段を持っていない我々でしたので、味方を襲っていた仲間は処分してしまいました。私が手を下したというわけではないのですが、我々全員の総意でそうしたとご理解いただければ幸いです」
「それとこの女性が何か関係あるんですか?」
「ええ、それからしばらくしてリーダー格の男を捕まえて話を聞いたのですが、この女は他者の行動をある程度操ることが出来るらしいです。私もその場面をこの目で見ているわけではないのですが、国のあちらこちらで刃物を振り回している人が多く現れたのは想定外でした。どうやってもその人たちにかけられている魔法を解くことは出来ず、ただただ借金と不安が残るのでした」
「君たちの考えはわかったけれど、島の住人とも話をさせてもらってもいいかな?」
「もちろん、ですが、あまり時間をかけないようお願いいたします」
どれくらい時間がかかるのか全く想定はしていないのだけれど、とにかく近くにいる集まっている人たちにも聞いてみることにしよう。僕だけじゃとてもじゃないけれど話を聞ききれないのでみさきたちにも手伝ってもらうことになるのだ。もちろん、集落の人たちだけではなく最後にはあの女性にもその事を聞く必要はあるのだ。
結局のところ、どの人に聞いても青年が話してくれた以上の事はわからなかった。それどころか、あの女性に対する憎しみの度合いの強度に違いはあれども、全く憎んでいないという人は子供を含めても見つけられなかった。
一通り話を聞き終わってみんなのもとへ戻ろうとしたと同時に僕の周りにいる人たちが一斉に拍手をし始めた。僕は何が起こっているのか全く分からなかったのだが、みんなのもとへと戻った時には何が起こったのか理解することが出来た。
僕がみんなの元へ戻ると、そこには頭を切り落とされているあの女性の遺体が横たわっていたのだ。
僕たちに話をしてくれていた青年が左手で女性の頭部を持ち、右手には日本刀のような鋭い切れ味を備えているような刃物を持っていた。
「これで忌々しい勇者一行の最後の一人を片付けることが出来ました。皆さんにはなんとお礼を述べればいいのかわかりませんが、あなた方もこの瞬間を一緒に祝って楽しみましょう。そして、勇者一行の死体を贄にして我々の神を呼び出すのです。そうすればこの世界もこの星も我々が支配することになるのですよ」
「ちょっと待ってくれないかな。それってどういうことなのかな?」
「どういうことも何もありませんよ。我々の邪魔をしていた勇者一行の最後の一人を見付けていただいたのでその命をいただいたまでです。おっと、何か言いたそうではありますが、ここは我々の世界であるのですから、外野であるあなたたちは黙って見守っていてください」
「そう言われてもな。そろそろ元の世界に戻りたいんだけど、どうしたらいいと思うかな?」
「元の世界に戻る方法か。私は知らないんだけどさ、こういう時ってやってないことを片っ端からやって方法を探るもんじゃないかな」
「ええ、そんなに長い時間黙々と探すことなんてできないと思うのだけれどね」
そうこうしているうちに屋敷の庭に大きな魔法陣が出現していた。その魔法陣の中心に向かって放射状に勇者様御一行の遺体を乗せいているのですが、誰一人としてこの事態に疑問を抱いてはいないようなのだが、正直に言って胡散臭いと思ってしまった。
勇者一行がどれくらい強かったのかわからないけれど、我々にとってはもう過去の人達なので比べることはもう一生無理なのだろう。
僕らはこの場で彼らの神が降臨する様子を見ている必要はないのだけれど、他にやることも無かったし、せっかくだからという理由で最後まで見守ることにした。
集落の人々が手をつないで魔法陣を取り囲むと、中にいる鳥たちはいっせいにどこかへと飛び立ってしまった。それでも集落の人達は気にせずに何度でもどの時間帯でも延々と神様降臨の神楽を舞っているのだった。
結構な時間が経っているとは思うのだけれど、何か変わったことが起きているようには思えなかった。そう思っていたのもつかの間、空はだんだんと厚く黒い雲に覆われてしまっていた。
そして、世界が漆黒の闇に包まれたとき、魔法陣の中央に何かうすぼんやりと浮かんでいるように見えた。その姿は悪魔と呼ぶには神々しく、天使と呼ぶには禍々しい存在であった。
背中に十三枚の羽根を生やしているのだが、その羽一枚一枚はとても丁寧に手入されているようで、僕はその姿に思わず見とれてしまうのだった。
彼らの神がその姿を現したとき、僕らはこの世界に来て一番ショッキングな光景を目の当たりにすることになるのだった。
怒号にも似た歓声が収まるまでにかかった時間は長かったと思うのだけれど、僕はどうしたらいいのかわからないままだったので立ち尽くすことしか出来なかった。人混みをかき分けて一人の青年が僕たちの目の前までやってきたのだが、僕たちを含めてその場にいる全員がこの青年の行動に注目していた。
「ありがとうございます。あなたのお陰で我々は再び平和な日常を取り戻し、昼は仕事に精を出して、夜はゆっくりと休むことが出来るようになります。どのような言葉をもってしてもあなたたちに感謝を伝えきることは出来ませんが、本当にありがとうございます」
「あ、はい。ところで、この女性は本当に魔女なんですか?」
「ええ、その女は我々の記憶にしっかりと焼き付けられている魔女で間違いございません。顔形は変わっていてもそのおぞましき魔力は忘れることが出来ませんので。我々は季節が変わるたびにあの忌々しい記憶を思い出していたのです。さあ、我々の手でその魔女に引導を渡したいと思うのですが、皆さんはよろしいでしょうか?」
「よろしいでしょうかと言われても、僕にはこの女性が本当に魔女なのか判断が出来ないからな。ミカエルはどう思うかな?」
「自分は何とも思わないっスね。その女の人が魔女かと聞かれたらそうかもしれないと答えると思うっス。でも、魔女じゃないよねって言われてもそうだろうねと答えると思うっスね」
「そうか、マヤさんはどう思うかな?」
「私はさっぱりわからないわ。マサキみたいにその女の人と一緒に過ごしたことも無いし、今が初対面なわけだからどんな人なのかもわかってないしね。私はどっちかわからないってのが本音かな」
「じゃあ、最後に一応みさきにも聞いておこうかな。みさきは魔女だと思う?」
「あたしもこの女が魔女かどうかなんて判断できないけど、まー君と何か良くないことをしたかもしれないし、してないかもしれないんだけど、一晩一緒に過ごした事実は変わらないし、許されることならその辺をしっかりと問い詰めてから処刑してやりたいと思うな。もちろん、その時は鉄の男にも手伝ってもらうけどね」
僕はみさきにも聞いてしまったのは悪手だったかなと思ってしまった。良くも悪くもみさきは僕の事を何よりも優先して考えてくれてはいるのだ。それが強すぎるがゆえにこの女性に極刑を望んでいるのだろう。そんなことであの女性が死刑にでもなってしまったときには、みさきは精神を病んでしまうのではないかと心配になってしまった。
そんな心配は無さそうなんだけど、万が一ということもあるので用心し過ぎることは問題ないだろう。
僕はこの女性は魔女ではないと思っているのだけれど、周りの空気とみさきの圧がそれをいとも簡単にはねのけている感じだった。実際に何かをしているわけでもないのだけれど、門をかこっている人だけでも相当な敵意が向けられているようには見えた。
そんな風に監視をするようになってから少し面倒くさがりになっているように思える。本当の事は本人にしかわからないと思うけれど、僕が女性の立場だったらとても正気を保っていられないんじゃないかと思うくらいの敵意は感じていた。僕に向けられているわけではない敵意を一点に集めてしまうのも凄い事なのではないだろうかと思ってしまった。
「その女をこちらに渡していただけないでしょうかね?」
「魔女だなんだと騒いでいるのはわかったのですが、魔女が一体何をしたのですか?」
「それほど遠い昔の話ではございません。そちらの魔女一行がふらっと立ち寄った王都でちょっとした事件を起こすのですが、それを合図にしたかのように全国各地で似たような事件が起こるようになったのです」
「それって、どんな事件なんですか?」
「この魔女の仲間が我々の仲間を斬ったのですが、まるでそれを模倣するかのように我々の仲間同士で斬りあいが始まってしまったのです。私はまだ小さかったのでそれに参加することは無かったのですが、我々を襲い始めた者の目は何を見ているのかわからないような状態で、一人で何かをじっくりと見ているようでした」
「その仲間を襲っていた人って最終的にはどうなったのかな?」
「お恥ずかしい話ではありますが、元に戻す手段を持っていない我々でしたので、味方を襲っていた仲間は処分してしまいました。私が手を下したというわけではないのですが、我々全員の総意でそうしたとご理解いただければ幸いです」
「それとこの女性が何か関係あるんですか?」
「ええ、それからしばらくしてリーダー格の男を捕まえて話を聞いたのですが、この女は他者の行動をある程度操ることが出来るらしいです。私もその場面をこの目で見ているわけではないのですが、国のあちらこちらで刃物を振り回している人が多く現れたのは想定外でした。どうやってもその人たちにかけられている魔法を解くことは出来ず、ただただ借金と不安が残るのでした」
「君たちの考えはわかったけれど、島の住人とも話をさせてもらってもいいかな?」
「もちろん、ですが、あまり時間をかけないようお願いいたします」
どれくらい時間がかかるのか全く想定はしていないのだけれど、とにかく近くにいる集まっている人たちにも聞いてみることにしよう。僕だけじゃとてもじゃないけれど話を聞ききれないのでみさきたちにも手伝ってもらうことになるのだ。もちろん、集落の人たちだけではなく最後にはあの女性にもその事を聞く必要はあるのだ。
結局のところ、どの人に聞いても青年が話してくれた以上の事はわからなかった。それどころか、あの女性に対する憎しみの度合いの強度に違いはあれども、全く憎んでいないという人は子供を含めても見つけられなかった。
一通り話を聞き終わってみんなのもとへ戻ろうとしたと同時に僕の周りにいる人たちが一斉に拍手をし始めた。僕は何が起こっているのか全く分からなかったのだが、みんなのもとへと戻った時には何が起こったのか理解することが出来た。
僕がみんなの元へ戻ると、そこには頭を切り落とされているあの女性の遺体が横たわっていたのだ。
僕たちに話をしてくれていた青年が左手で女性の頭部を持ち、右手には日本刀のような鋭い切れ味を備えているような刃物を持っていた。
「これで忌々しい勇者一行の最後の一人を片付けることが出来ました。皆さんにはなんとお礼を述べればいいのかわかりませんが、あなた方もこの瞬間を一緒に祝って楽しみましょう。そして、勇者一行の死体を贄にして我々の神を呼び出すのです。そうすればこの世界もこの星も我々が支配することになるのですよ」
「ちょっと待ってくれないかな。それってどういうことなのかな?」
「どういうことも何もありませんよ。我々の邪魔をしていた勇者一行の最後の一人を見付けていただいたのでその命をいただいたまでです。おっと、何か言いたそうではありますが、ここは我々の世界であるのですから、外野であるあなたたちは黙って見守っていてください」
「そう言われてもな。そろそろ元の世界に戻りたいんだけど、どうしたらいいと思うかな?」
「元の世界に戻る方法か。私は知らないんだけどさ、こういう時ってやってないことを片っ端からやって方法を探るもんじゃないかな」
「ええ、そんなに長い時間黙々と探すことなんてできないと思うのだけれどね」
そうこうしているうちに屋敷の庭に大きな魔法陣が出現していた。その魔法陣の中心に向かって放射状に勇者様御一行の遺体を乗せいているのですが、誰一人としてこの事態に疑問を抱いてはいないようなのだが、正直に言って胡散臭いと思ってしまった。
勇者一行がどれくらい強かったのかわからないけれど、我々にとってはもう過去の人達なので比べることはもう一生無理なのだろう。
僕らはこの場で彼らの神が降臨する様子を見ている必要はないのだけれど、他にやることも無かったし、せっかくだからという理由で最後まで見守ることにした。
集落の人々が手をつないで魔法陣を取り囲むと、中にいる鳥たちはいっせいにどこかへと飛び立ってしまった。それでも集落の人達は気にせずに何度でもどの時間帯でも延々と神様降臨の神楽を舞っているのだった。
結構な時間が経っているとは思うのだけれど、何か変わったことが起きているようには思えなかった。そう思っていたのもつかの間、空はだんだんと厚く黒い雲に覆われてしまっていた。
そして、世界が漆黒の闇に包まれたとき、魔法陣の中央に何かうすぼんやりと浮かんでいるように見えた。その姿は悪魔と呼ぶには神々しく、天使と呼ぶには禍々しい存在であった。
背中に十三枚の羽根を生やしているのだが、その羽一枚一枚はとても丁寧に手入されているようで、僕はその姿に思わず見とれてしまうのだった。
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