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悪魔狩り
悪魔狩り 第十二話
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グラニュー糖をかけたアメリカンドックは見た目通りの味ではあるが、癖になる味わいでケチャップにはない良さが感じられた。
もう一度この味を楽しみたいかと言われると即答は出来ないが、五回に一回くらいならこの味も楽しみたいなと思うような感じだった。
その後に口の中をさっぱりさせるという目的でかき氷を食べていたのだが、その時にはもうすでに腹八分目を超えて満腹に近くなっていた。
「結構食べ過ぎたかも。愛華ちゃんはフランクフルトを五本くらい食べてたし、イザーちゃんは凄く綺麗な綿あめを作ってたね。柘榴ちゃんはアメリカンドックのケチャップ味とグラニュー糖味を交互に食べてたよね」
「そういうお兄さんは残った焼きそばを食べてたじゃない。そんなに食べてうまなちゃんとお姉ちゃんの作ったたこ焼きを食べることできるのかな?」
すっかり忘れていたのだが、今まで食べていたのは二人が作ったたこ焼きが出来上がるまでの繋ぎだったのだ。
あまりにも美味しかったからと言って焼きそばを食べ過ぎたのは完全に失敗だったのだが、あそこまで美味しい焼きそばを作る方にも問題がある。味変アイテムもふんだんに用意されてたし、あそこまで種類があるなら全部試さないといけないような感じだったのも全部愛華ちゃんが悪いと思う。
ただ、たこ焼きの事を忘れてしまっていた俺が一番悪いというのは理解していた。
「それにしても、たこ焼きを焼くのって結構時間かかるんだね。ここに来てからもう二時間くらい経ってると思うんだけど、うまなちゃんもお姉ちゃんもどれだけ作ってるんだろうね」
「うまなさんも瑠璃さんもだいぶ前に完成はしてたみたいですよ。ただ、納得のいく形になっていなかったのか何度も作り直してましたね。そこまで変ではないと思うのですが、気に入らなかったって事なんでしょうか」
「何人か先生たちが来てたけどみんな美味しそうにたこ焼きを食べてたよね。瑠璃先生は先生たちに恐縮しながら配ってたけど、うまなさんは形が綺麗じゃないからって謝りながら渡してたようですよ。たこ焼きなんて形にこだわる必要ないと思うんだけど、うまなちゃんも瑠璃先生もこだわりが強いんだろうね」
何人か出入りしているなと思っていたけれど、あの人たちはみんな瑠璃とうまなちゃんが作ったたこ焼きを貰いに来てたのか。
一言言ってくれれば焼きそばもアメリカンドックもフランクフルトもあったのにな。
「そう言えば、午彪さんと奈緒美さんに私のお母様がお願いしてこの屋台を週末に開放することになったみたいですよ。うまなさんや瑠璃さんが毎回作るという事ではなく、先生方や生徒さんで作りたい人がいれば立候補してほしいという事らしいです。愛華さんの作った焼きそばがとても美味しかったので、今度私の家族にも作っていただきたいくらいです」
「材料さえあればいくらでも作りますよ。作り方を知りたいんだったら教えますし、柘榴さんも綿あめ以外に作りたいものあれば立候補してみたらいいんじゃないですかね」
「私も色々と作ってみたいんですが、私が作ると他の生徒さんに迷惑がかかっちゃうと思いますので遠慮させていただきますわ」
細かいことはわからないが、この学校の生徒たちは柘榴ちゃんの事を露骨に避けている。カフェに通い始めてくれていた時は柘榴ちゃんの姿を見ただけで店を後にする人が多かったけど、今では柘榴ちゃんがいても帰る人はほとんどいなくなっていた。
ただ、柘榴ちゃんとコミュニケーションをとろうとする人は俺以外いないようだけど。
「みんな噂を信じちゃってるんですよ。私も他のクラスの子から聞いた話なんで信じてないんで気を悪くしてほしくないんですけど、柘榴さんが野城圭重さんが入院する事になった原因だって言ってたんですよ。私は全然そんなこと信じてないんですけど、みんなそれを信じているみたいで柘榴さんに関わらないようにしようってしてるみたいです」
「その話は私も聞いたことあるかも。野城が入院した理由ってのが精神的な病気だって聞いてたけど、柘榴ちゃんがそこまで彼を追い詰めたって事なのかな?」
「どうなんでしょうね。私は野城君と関わりなんてほとんどなかったと思うんですよ。同じクラスでもなかったし、寮も男女だったし食堂でもほとんど会ったことが無かったと思うんです。でも、なんでそんな噂が広がってるんですかね」
野城圭重が一年近く入院していたのは紛れもない事実である。
一年近くも入院する原因になったのは彼が悪魔を呼び出してしまったからと言っていたが、それがどうして柘榴ちゃんのせいになるのだろう。
彼が自分で悪魔を呼び出したという話なのに、全く関係のない柘榴ちゃんが原因になるというのは俺の知らない理由があるとでも言うのだろうか。
もしかしたら、クラスメートともあまり話さないそのミステリアスさと、うまなちゃんと親戚だという事で妬まれているという事も関係あるのかもしれない。
良いところのお嬢様でスタイルも顔も性格も良い女子が他の女子から嫉妬されているという可能性も無きにしも非ずだし、彼女の事を好きになった男子が柘榴ちゃんの事を孤立させるためにそんな噂を流しているという可能性だってあるだろう。
いや、後者はほとんど可能性もないだろうな。
もう一度この味を楽しみたいかと言われると即答は出来ないが、五回に一回くらいならこの味も楽しみたいなと思うような感じだった。
その後に口の中をさっぱりさせるという目的でかき氷を食べていたのだが、その時にはもうすでに腹八分目を超えて満腹に近くなっていた。
「結構食べ過ぎたかも。愛華ちゃんはフランクフルトを五本くらい食べてたし、イザーちゃんは凄く綺麗な綿あめを作ってたね。柘榴ちゃんはアメリカンドックのケチャップ味とグラニュー糖味を交互に食べてたよね」
「そういうお兄さんは残った焼きそばを食べてたじゃない。そんなに食べてうまなちゃんとお姉ちゃんの作ったたこ焼きを食べることできるのかな?」
すっかり忘れていたのだが、今まで食べていたのは二人が作ったたこ焼きが出来上がるまでの繋ぎだったのだ。
あまりにも美味しかったからと言って焼きそばを食べ過ぎたのは完全に失敗だったのだが、あそこまで美味しい焼きそばを作る方にも問題がある。味変アイテムもふんだんに用意されてたし、あそこまで種類があるなら全部試さないといけないような感じだったのも全部愛華ちゃんが悪いと思う。
ただ、たこ焼きの事を忘れてしまっていた俺が一番悪いというのは理解していた。
「それにしても、たこ焼きを焼くのって結構時間かかるんだね。ここに来てからもう二時間くらい経ってると思うんだけど、うまなちゃんもお姉ちゃんもどれだけ作ってるんだろうね」
「うまなさんも瑠璃さんもだいぶ前に完成はしてたみたいですよ。ただ、納得のいく形になっていなかったのか何度も作り直してましたね。そこまで変ではないと思うのですが、気に入らなかったって事なんでしょうか」
「何人か先生たちが来てたけどみんな美味しそうにたこ焼きを食べてたよね。瑠璃先生は先生たちに恐縮しながら配ってたけど、うまなさんは形が綺麗じゃないからって謝りながら渡してたようですよ。たこ焼きなんて形にこだわる必要ないと思うんだけど、うまなちゃんも瑠璃先生もこだわりが強いんだろうね」
何人か出入りしているなと思っていたけれど、あの人たちはみんな瑠璃とうまなちゃんが作ったたこ焼きを貰いに来てたのか。
一言言ってくれれば焼きそばもアメリカンドックもフランクフルトもあったのにな。
「そう言えば、午彪さんと奈緒美さんに私のお母様がお願いしてこの屋台を週末に開放することになったみたいですよ。うまなさんや瑠璃さんが毎回作るという事ではなく、先生方や生徒さんで作りたい人がいれば立候補してほしいという事らしいです。愛華さんの作った焼きそばがとても美味しかったので、今度私の家族にも作っていただきたいくらいです」
「材料さえあればいくらでも作りますよ。作り方を知りたいんだったら教えますし、柘榴さんも綿あめ以外に作りたいものあれば立候補してみたらいいんじゃないですかね」
「私も色々と作ってみたいんですが、私が作ると他の生徒さんに迷惑がかかっちゃうと思いますので遠慮させていただきますわ」
細かいことはわからないが、この学校の生徒たちは柘榴ちゃんの事を露骨に避けている。カフェに通い始めてくれていた時は柘榴ちゃんの姿を見ただけで店を後にする人が多かったけど、今では柘榴ちゃんがいても帰る人はほとんどいなくなっていた。
ただ、柘榴ちゃんとコミュニケーションをとろうとする人は俺以外いないようだけど。
「みんな噂を信じちゃってるんですよ。私も他のクラスの子から聞いた話なんで信じてないんで気を悪くしてほしくないんですけど、柘榴さんが野城圭重さんが入院する事になった原因だって言ってたんですよ。私は全然そんなこと信じてないんですけど、みんなそれを信じているみたいで柘榴さんに関わらないようにしようってしてるみたいです」
「その話は私も聞いたことあるかも。野城が入院した理由ってのが精神的な病気だって聞いてたけど、柘榴ちゃんがそこまで彼を追い詰めたって事なのかな?」
「どうなんでしょうね。私は野城君と関わりなんてほとんどなかったと思うんですよ。同じクラスでもなかったし、寮も男女だったし食堂でもほとんど会ったことが無かったと思うんです。でも、なんでそんな噂が広がってるんですかね」
野城圭重が一年近く入院していたのは紛れもない事実である。
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彼が自分で悪魔を呼び出したという話なのに、全く関係のない柘榴ちゃんが原因になるというのは俺の知らない理由があるとでも言うのだろうか。
もしかしたら、クラスメートともあまり話さないそのミステリアスさと、うまなちゃんと親戚だという事で妬まれているという事も関係あるのかもしれない。
良いところのお嬢様でスタイルも顔も性格も良い女子が他の女子から嫉妬されているという可能性も無きにしも非ずだし、彼女の事を好きになった男子が柘榴ちゃんの事を孤立させるためにそんな噂を流しているという可能性だってあるだろう。
いや、後者はほとんど可能性もないだろうな。
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