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恋愛インスピレーション
第三話
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私が教室に入るといつも先にいる宮崎の姿が見当たらなかった。そう言えば、西森と話している時に宮崎もいたような気がしていたけれど、西森たちと一緒に宮崎も公園に行っていたりして。宮崎って他の女子と一緒にいないとダメっぽいし、案外そういうのに首を突っ込んで当事者になりたがるタイプなのかもしれないな。
そんな事を考えていると、私の考えを肯定するように西森と一緒に宮崎も教室に入ってきた。入ってきたのだけれど、そのまま私の席を取り囲んでつばが飛びそうな勢いで私に怒鳴ってきた。
「朝の公園なら大丈夫だって言ったのはお前なのになんで来ないわけ?」
「私は一言もお前らに会いに行くなんて言ってないんだけど、お前らの中では勝手に私が行くことになってたってだけの話だろ。私が朝からお前らに会いに行って何の得があるって言うんだよ。どうせ、奥谷と仲良くするなとかそういう話がしたいだけなんだろうけど、私は最初から奥谷に対して恋愛感情なんか持ってないし、小さい時から一緒にいるから家族とか兄妹としか見えてないんだよ。いい加減説明するのもうざいから少しは理解しろよな。そんなんだからお前らは勉強も出来ないで男ばっか追っかけてんだろ」
こいつはバカなんだろうと思っていたけれど、私が言った事を素直に信じるなんて本物のバカなんだろうな。バカな女だと思ったけれど、素直なところもあるんだろうなって思っていたら面白くなって笑ってしまったら、いきなり顔を叩かれてしまった。
叩かれた瞬間に担任の早坂先生が教室に入ってきたんだけれど、これってタイミング的に私が計算して叩かせたみたいにも見えるんじゃないかと思ってしまったが、私が早坂先生の行動をコントロールすることなんて出来ないだろう。
「ちょっと、西森さんやめなさい。何があったかわからないけれど、暴力は良くないわ。みんなも早く席について。誰か、この状況を説明出来る人はいますか?」
先生は状況を正確に把握しているわけではないし、実の事を言うと私もなぜ叩かれたのかはわかっていない。きっと西森達も宮崎もバカだからうまく説明して誤魔化すことなんて出来ないんだろうな。ちょっとからかい過ぎてしまった面もあるから私が何とかしてあげようかな。
「誰もこの状況を説明出来る人はいないんですか。何があったかはわかりませんが、どんな理由があっても暴力はいけないことだと思います。このままでは理由もわからずに西森さんに対して何らかの処分を下さないといけないことになるのですが、先生も人間ですので理由によっては他の先生たちに対する報告も変わってくると思います。もう一度聞きますが、何があったか説明出来る人はいないんですか?」
私が西森を普通に助けるのは何となく癪に障るし、叩かれたお礼もしないといけないって思うから少しだけ意地悪してみようかな。あんまりうまく行くとは思えないけど、早坂先生もバカっぽいし何とかなりそうだと思うんだ。
「あの、先生は誤解しているみたいなんですけど、西森さんが私を叩いたのは私には見えないけど西森さんには見える悪魔みたいなのが私に憑いててそれを祓うためだって言ってました。私はそれを信じていなかったけど西森さんに叩かれてから頭痛と肩凝りが治ったような気がしています。私も先生も見えないかもしれませんが、西森さんはそういうのが見える人らしいです。そんなの子供っぽいなとか漫画みたいだなって思ってたんですけど、西森さんにお祓いしてもらったら体調も良くなってきたし、今日は一日頑張って勉強できそうな気がしてきました。先生も西森さんに見てもらったらどうですか?」
「ちょっと山口さん。あなたはいったい何を言っているのかしら。廊下まで二人が言い争っている声が聞こえてきていたんだけど、それはいったい何だったっていうの?」
「私もよくわからないんですが、言い争う事で西森さんの霊的な力を高めているそうです。お互いに全力でぶつかることによって霊的な波動を強くすることが出来て、それが最高潮になった時に一気に相手にエネルギーをぶつけることで効果が最大限に発揮されるって聞いてました」
「先生には理解できないんだけど、それは本当なの?」
「本当ですよ。叩かれた私が言うんだから間違いありません。もしも、私が西森さんにいじめられていて日常的に暴力を振るわれていたのだとしたら学校に来ていないと思いますし、とてもじゃないと同じクラスで授業なんて受けていられないと思います。私には霊的な力は無いですけど、西森さんはそんな素晴らしい力を持っている素敵な女性なんですよ。私は叩かれたことは何とも思ってないですから、先生もあんまり気にしないでくださいね」
「西森さん。山口さんが言っていることは本当なの?」
早坂先生は私の言っていることを信じてはいないみたいだったけれど私も自分で何を言っているんだろうと思ってはいた。ただ、その説明を納得はしていないものの一定の理解はしてくれたみたいで何とか丸く収まったみたいだった。
それと、西森は一部の生徒の間で能力者として有名になったみたいだった。私のお陰で退学にならなくてすんだんだし、それくらいは許してくれるだろうな。
そんな事を考えていると、私の考えを肯定するように西森と一緒に宮崎も教室に入ってきた。入ってきたのだけれど、そのまま私の席を取り囲んでつばが飛びそうな勢いで私に怒鳴ってきた。
「朝の公園なら大丈夫だって言ったのはお前なのになんで来ないわけ?」
「私は一言もお前らに会いに行くなんて言ってないんだけど、お前らの中では勝手に私が行くことになってたってだけの話だろ。私が朝からお前らに会いに行って何の得があるって言うんだよ。どうせ、奥谷と仲良くするなとかそういう話がしたいだけなんだろうけど、私は最初から奥谷に対して恋愛感情なんか持ってないし、小さい時から一緒にいるから家族とか兄妹としか見えてないんだよ。いい加減説明するのもうざいから少しは理解しろよな。そんなんだからお前らは勉強も出来ないで男ばっか追っかけてんだろ」
こいつはバカなんだろうと思っていたけれど、私が言った事を素直に信じるなんて本物のバカなんだろうな。バカな女だと思ったけれど、素直なところもあるんだろうなって思っていたら面白くなって笑ってしまったら、いきなり顔を叩かれてしまった。
叩かれた瞬間に担任の早坂先生が教室に入ってきたんだけれど、これってタイミング的に私が計算して叩かせたみたいにも見えるんじゃないかと思ってしまったが、私が早坂先生の行動をコントロールすることなんて出来ないだろう。
「ちょっと、西森さんやめなさい。何があったかわからないけれど、暴力は良くないわ。みんなも早く席について。誰か、この状況を説明出来る人はいますか?」
先生は状況を正確に把握しているわけではないし、実の事を言うと私もなぜ叩かれたのかはわかっていない。きっと西森達も宮崎もバカだからうまく説明して誤魔化すことなんて出来ないんだろうな。ちょっとからかい過ぎてしまった面もあるから私が何とかしてあげようかな。
「誰もこの状況を説明出来る人はいないんですか。何があったかはわかりませんが、どんな理由があっても暴力はいけないことだと思います。このままでは理由もわからずに西森さんに対して何らかの処分を下さないといけないことになるのですが、先生も人間ですので理由によっては他の先生たちに対する報告も変わってくると思います。もう一度聞きますが、何があったか説明出来る人はいないんですか?」
私が西森を普通に助けるのは何となく癪に障るし、叩かれたお礼もしないといけないって思うから少しだけ意地悪してみようかな。あんまりうまく行くとは思えないけど、早坂先生もバカっぽいし何とかなりそうだと思うんだ。
「あの、先生は誤解しているみたいなんですけど、西森さんが私を叩いたのは私には見えないけど西森さんには見える悪魔みたいなのが私に憑いててそれを祓うためだって言ってました。私はそれを信じていなかったけど西森さんに叩かれてから頭痛と肩凝りが治ったような気がしています。私も先生も見えないかもしれませんが、西森さんはそういうのが見える人らしいです。そんなの子供っぽいなとか漫画みたいだなって思ってたんですけど、西森さんにお祓いしてもらったら体調も良くなってきたし、今日は一日頑張って勉強できそうな気がしてきました。先生も西森さんに見てもらったらどうですか?」
「ちょっと山口さん。あなたはいったい何を言っているのかしら。廊下まで二人が言い争っている声が聞こえてきていたんだけど、それはいったい何だったっていうの?」
「私もよくわからないんですが、言い争う事で西森さんの霊的な力を高めているそうです。お互いに全力でぶつかることによって霊的な波動を強くすることが出来て、それが最高潮になった時に一気に相手にエネルギーをぶつけることで効果が最大限に発揮されるって聞いてました」
「先生には理解できないんだけど、それは本当なの?」
「本当ですよ。叩かれた私が言うんだから間違いありません。もしも、私が西森さんにいじめられていて日常的に暴力を振るわれていたのだとしたら学校に来ていないと思いますし、とてもじゃないと同じクラスで授業なんて受けていられないと思います。私には霊的な力は無いですけど、西森さんはそんな素晴らしい力を持っている素敵な女性なんですよ。私は叩かれたことは何とも思ってないですから、先生もあんまり気にしないでくださいね」
「西森さん。山口さんが言っていることは本当なの?」
早坂先生は私の言っていることを信じてはいないみたいだったけれど私も自分で何を言っているんだろうと思ってはいた。ただ、その説明を納得はしていないものの一定の理解はしてくれたみたいで何とか丸く収まったみたいだった。
それと、西森は一部の生徒の間で能力者として有名になったみたいだった。私のお陰で退学にならなくてすんだんだし、それくらいは許してくれるだろうな。
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