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恋愛コミュニケーション
第十三話
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「山口さんってさ、亜梨沙ちゃんたちが学校休んだ理由って知ってるのかな?」
「なんで?」
「いや、なんとなく亜梨沙ちゃんとあの二人が休むのってそれくらいしか理由が無いんじゃないかなって思ってね」
「そんなことも無いんじゃないかな。最近はウチラよりも仲良いみたいだし、きっと夜遅くまで遊んでて起きれなかったとかそんな理由なんじゃないかな」
「そうかもしれないけどさ、山口さんに関わってから亜梨沙ちゃんってなんか変わったような気がするからね。前よりもなんか、きつくなったような気がしてさ」
「わかる。ウチもそう思ってたんだよね。ちょっと前までは亜梨沙ってなによりも泉が一番って感じだったけどさ、今じゃ山口の事ばっかりって感じだよね」
「梓ちゃんもそう思うんだね。でもさ、そんなに私の事ばっかりってわけでもなかったと思うんだけどな」
「そんな事ないって、亜梨沙はいっつも泉の話ばっかりしてたよ。ウチと二人の時も泉ちゃんが泉ちゃんがって話題の中心はいつも泉だったからね」
「私と二人の時は梓ちゃんとか亜紀ちゃんの話もしてたけど、それとは違うのかな?」
「さあ、それは亜梨沙にしかわからない話かもね。ところでさ、泉って亜紀と山口はどう思う?」
「どう思うってどういうこと?」
「正直に言ってさ、ウチってあんまり一人を悪者に仕立て上げるっていうのは好きじゃないんだよね。叩いた亜紀は悪いと思うよ、それに口でやり返した山口も悪いとは思うんだけどさ、今は山口一人が悪いって感じになっているような気がするんだよね。それってなんかさ、亜紀は何もしてないのに山口一人が悪者に見えるんだよね。噂だけを聞いてたらさ、山口が加害者で亜紀が被害者みたいに聞こえるんだけど、泉はそこをどう感じてるかな?」
「どうって言われてもね。山口さんが言った事はもう学校中で話題になっているし、そのせいで亜紀ちゃんが学校に居づらくなったのも事実なんだけど、それってやりすぎなんじゃないかなって思うこともあったよ。でもね、今はクラスの雰囲気も良くないし、もう少し何とかならないかなって思ってるんだよね」
「そうだよね。ウチもあんまし今の空気好きじゃないし、前みたいに戻らないかなって思ってるんだよね。でもさ、よくよく考えてみたら、今まで気にされてなかった山口がクラス中から気にかけられているって事でもあるんだよね。それって、山口にとってどっちがいいんだろうね?」
「あのさ、ちょっと二人に話があるんだけどいいかな?」
私と梓ちゃんが話しているところに奥谷君たちが話しかけてきた。今まで奥谷君に話しかけられたことなんて一度も無かったので私は少し舞い上がってしまった。
「別にいいけど、話って何?」
「宮崎ってさ、若林と西森と渡辺が山口に何かしようとしてるとか聞いてないかな?」
「聞いてないけど、何かあるの?」
「いや、俺の気のせいかもしれないんだけどさ、あいつらが吉原たちを使って山口に何かしようとしてるような感じなんだよね。俺は全然気にしてないんだけどさ、あいつらってバカだから何かとんでもないことをしでかさないかなって思っちゃったんだよ。河野は聞いてないよな?」
「ウチが何か知ってたらどうだって言うのさ」
「いや、何も知らないんならいいだ。悪いんだけどさ、何か良くないことをしているようだったら俺に教えてくれ」
「教えるのは良いんだけどさ、なんで山口じゃなくて奥谷に教えないといけないわけさ」
「俺は思うんだけどさ、山口に直接そんな事を言ったって気にしないと思うんだよ。俺が代わりに対処できることがあればやっときたいって思うんだよね」
「へえ、奥谷って山口の事をよく知ってるんだね」
「それなりに付き合い長いからな。小さい頃から見てればある程度の性格はわかるよ」
「だってさ、泉も割と付き合い長いって言ってたけど、そんな言い方して泉が協力してくれるのかな?」
「何言ってるんだよ。宮崎って正義の味方みたいに困っている奴の味方をしてくれるんだぜ。俺はそんな宮崎を知ってるからこうして頼んでるんだよ」
「だってさ、泉は亜梨沙たちから山口を助けることになっちゃうのかな?」
「どうだろうね。本当に山口さんが亜梨沙ちゃんたちから何かされるっていうんなら助けるよ。でもさ、それって梓ちゃんと奥谷君の気のせいかもしれないよね」
「まあな、今は何も起きてないし、何も起きないのが一番だよな。でもさ、何かありそうだなって思ったら教えてくれよ。何か起きてからじゃ遅いってこともあるからさ。それと、もう一つ聞いていいかな?」
「なに?」
「宮崎ってさ、好きなやつとかいるの?」
「……。いたとしてさ、それを奥谷君に教える必要ってあるのかな?」
「あれ、もしかして、奥谷って泉の事好きだったりするのか?」
「違うって、俺じゃなくて朋英が、って、何でもない。ごめん、この話は忘れてくれ」
「どうする。忘れてくれって言われたけど、そんな事出来ないよね。それにさ、そんな事を聞くって事は泉に気があるって事なんじゃないのかな?」
「待ってくれよ。宮崎のが好きな相手がいるのか知りたいのは俺なんじゃなくて、朋英なんだって。だからさ、それを聞きたかったのは俺じゃないんだよ」
「奥谷君は私に好きな人がいるか気にならないって事なのかな?」
「いや、気にはなるけどさ、そういうのは今じゃないっていうか、山口の事が片付いてからっていうか」
「おいおい、そんなんじゃ泉は奥谷に協力なんかしないんじゃないかな。じゃあさ、協力してもらうために奥谷が泉に飯でも奢ってやんなきゃな」
「待ってくれよ。それってどういうことだよ」
「奥谷は泉の気持ちを弄んじゃったからな。それを償うって意味でも、何かおごってやんなよ。次の日曜にケーキでも奢ってやれって。なあ、泉もそれくらいしてもらわないと手伝う気持ちがわかないよな」
「そうだね。私もいきなりそんな事を言われたからびっくりしちゃったもんね。ケーキをおごってくれるなら考え直してもいいかな」
「わかったよ。じゃあ、次の日曜に小学校近くの喫茶店でいいか?」
「私はそれで良いよ。梓ちゃんは大丈夫?」
「あ、ウチはその日どうしても外せない用事があるんだよ。代わりに山口を誘って行ってきなよ」
「え、梓ちゃんは来ないの?」
「ごめんね、三人で楽しんでおいで」
梓ちゃんが来れないのは寂しいけど、山口にも何か用事があるといいな。
そうすれば、奥谷君と二人で楽しい時間を過ごせそうだもんね。
「なんで?」
「いや、なんとなく亜梨沙ちゃんとあの二人が休むのってそれくらいしか理由が無いんじゃないかなって思ってね」
「そんなことも無いんじゃないかな。最近はウチラよりも仲良いみたいだし、きっと夜遅くまで遊んでて起きれなかったとかそんな理由なんじゃないかな」
「そうかもしれないけどさ、山口さんに関わってから亜梨沙ちゃんってなんか変わったような気がするからね。前よりもなんか、きつくなったような気がしてさ」
「わかる。ウチもそう思ってたんだよね。ちょっと前までは亜梨沙ってなによりも泉が一番って感じだったけどさ、今じゃ山口の事ばっかりって感じだよね」
「梓ちゃんもそう思うんだね。でもさ、そんなに私の事ばっかりってわけでもなかったと思うんだけどな」
「そんな事ないって、亜梨沙はいっつも泉の話ばっかりしてたよ。ウチと二人の時も泉ちゃんが泉ちゃんがって話題の中心はいつも泉だったからね」
「私と二人の時は梓ちゃんとか亜紀ちゃんの話もしてたけど、それとは違うのかな?」
「さあ、それは亜梨沙にしかわからない話かもね。ところでさ、泉って亜紀と山口はどう思う?」
「どう思うってどういうこと?」
「正直に言ってさ、ウチってあんまり一人を悪者に仕立て上げるっていうのは好きじゃないんだよね。叩いた亜紀は悪いと思うよ、それに口でやり返した山口も悪いとは思うんだけどさ、今は山口一人が悪いって感じになっているような気がするんだよね。それってなんかさ、亜紀は何もしてないのに山口一人が悪者に見えるんだよね。噂だけを聞いてたらさ、山口が加害者で亜紀が被害者みたいに聞こえるんだけど、泉はそこをどう感じてるかな?」
「どうって言われてもね。山口さんが言った事はもう学校中で話題になっているし、そのせいで亜紀ちゃんが学校に居づらくなったのも事実なんだけど、それってやりすぎなんじゃないかなって思うこともあったよ。でもね、今はクラスの雰囲気も良くないし、もう少し何とかならないかなって思ってるんだよね」
「そうだよね。ウチもあんまし今の空気好きじゃないし、前みたいに戻らないかなって思ってるんだよね。でもさ、よくよく考えてみたら、今まで気にされてなかった山口がクラス中から気にかけられているって事でもあるんだよね。それって、山口にとってどっちがいいんだろうね?」
「あのさ、ちょっと二人に話があるんだけどいいかな?」
私と梓ちゃんが話しているところに奥谷君たちが話しかけてきた。今まで奥谷君に話しかけられたことなんて一度も無かったので私は少し舞い上がってしまった。
「別にいいけど、話って何?」
「宮崎ってさ、若林と西森と渡辺が山口に何かしようとしてるとか聞いてないかな?」
「聞いてないけど、何かあるの?」
「いや、俺の気のせいかもしれないんだけどさ、あいつらが吉原たちを使って山口に何かしようとしてるような感じなんだよね。俺は全然気にしてないんだけどさ、あいつらってバカだから何かとんでもないことをしでかさないかなって思っちゃったんだよ。河野は聞いてないよな?」
「ウチが何か知ってたらどうだって言うのさ」
「いや、何も知らないんならいいだ。悪いんだけどさ、何か良くないことをしているようだったら俺に教えてくれ」
「教えるのは良いんだけどさ、なんで山口じゃなくて奥谷に教えないといけないわけさ」
「俺は思うんだけどさ、山口に直接そんな事を言ったって気にしないと思うんだよ。俺が代わりに対処できることがあればやっときたいって思うんだよね」
「へえ、奥谷って山口の事をよく知ってるんだね」
「それなりに付き合い長いからな。小さい頃から見てればある程度の性格はわかるよ」
「だってさ、泉も割と付き合い長いって言ってたけど、そんな言い方して泉が協力してくれるのかな?」
「何言ってるんだよ。宮崎って正義の味方みたいに困っている奴の味方をしてくれるんだぜ。俺はそんな宮崎を知ってるからこうして頼んでるんだよ」
「だってさ、泉は亜梨沙たちから山口を助けることになっちゃうのかな?」
「どうだろうね。本当に山口さんが亜梨沙ちゃんたちから何かされるっていうんなら助けるよ。でもさ、それって梓ちゃんと奥谷君の気のせいかもしれないよね」
「まあな、今は何も起きてないし、何も起きないのが一番だよな。でもさ、何かありそうだなって思ったら教えてくれよ。何か起きてからじゃ遅いってこともあるからさ。それと、もう一つ聞いていいかな?」
「なに?」
「宮崎ってさ、好きなやつとかいるの?」
「……。いたとしてさ、それを奥谷君に教える必要ってあるのかな?」
「あれ、もしかして、奥谷って泉の事好きだったりするのか?」
「違うって、俺じゃなくて朋英が、って、何でもない。ごめん、この話は忘れてくれ」
「どうする。忘れてくれって言われたけど、そんな事出来ないよね。それにさ、そんな事を聞くって事は泉に気があるって事なんじゃないのかな?」
「待ってくれよ。宮崎のが好きな相手がいるのか知りたいのは俺なんじゃなくて、朋英なんだって。だからさ、それを聞きたかったのは俺じゃないんだよ」
「奥谷君は私に好きな人がいるか気にならないって事なのかな?」
「いや、気にはなるけどさ、そういうのは今じゃないっていうか、山口の事が片付いてからっていうか」
「おいおい、そんなんじゃ泉は奥谷に協力なんかしないんじゃないかな。じゃあさ、協力してもらうために奥谷が泉に飯でも奢ってやんなきゃな」
「待ってくれよ。それってどういうことだよ」
「奥谷は泉の気持ちを弄んじゃったからな。それを償うって意味でも、何かおごってやんなよ。次の日曜にケーキでも奢ってやれって。なあ、泉もそれくらいしてもらわないと手伝う気持ちがわかないよな」
「そうだね。私もいきなりそんな事を言われたからびっくりしちゃったもんね。ケーキをおごってくれるなら考え直してもいいかな」
「わかったよ。じゃあ、次の日曜に小学校近くの喫茶店でいいか?」
「私はそれで良いよ。梓ちゃんは大丈夫?」
「あ、ウチはその日どうしても外せない用事があるんだよ。代わりに山口を誘って行ってきなよ」
「え、梓ちゃんは来ないの?」
「ごめんね、三人で楽しんでおいで」
梓ちゃんが来れないのは寂しいけど、山口にも何か用事があるといいな。
そうすれば、奥谷君と二人で楽しい時間を過ごせそうだもんね。
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