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第一部 日常生活編
妹の恋人
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私の可愛い妹には恋人がいる。それはいい事だと思うのだけれど、何でも報告してくれる妹の事が少しだけ面倒に感じることがある。それでも可愛い妹なので問題はないのだが。
私が妹にクラスメイトの男子を紹介したこともあったけれど、その時の反応を思い出すと、好きな男子がいたのは確実だと思うし、それが今の恋人なのも後から聞いてわかった事だけど、時々学校で見かける妹は家で見る時よりも幸せそうなのが嬉しかった。
クラスメイトの男子には妹じゃなくても良いから紹介してほしいと言われているけれど、そこまでホイホイと紹介できるような人もいないし、人に頼らずに自分の力でどうにかしろよとは思ってしまう。
友達のアリスも愛華ちゃんも男子には興味が無いみたいだし、私もそこまで興味は無いのだけれど、妹の話を聞いていると恋人がいるのもよさそうだなとは思ってしまう。思ってしまうだけで実際に相手を見つけようとは思わないのだけれど、妹の恋人と少し仲良くなってみたいとは思ってしまった。
「お姉ちゃんって美人なのに彼氏作らないの?」
妹は週に一度は私にそう聞いてくるのだけれど、彼氏が欲しいからと言ってすぐに作るつもりも無いし、妹のように一目惚れした相手にすぐにアプローチをかけるのも無理だろう。普段はそう見えない妹ではあるけれど、自分がそうだと決めたことは行動が早いのは昔から変わっていなかった。
「お姉ちゃんにまー君の話を一杯しちゃってるけど、お姉ちゃんはまー君の事を好きになったりしないよね?」
「大丈夫、お姉ちゃんはみさきの大事な人を取ったりしないからね」
「うん、それはわかっているけど、お姉ちゃんが好きになっても仕方ないって思うくらい素敵な人だからさ」
「そんなに素敵な人ならみさきは幸せだろうね」
「私は幸せだよ。私以外の女に興味ないってみんなの前で言ってくれたからね」
年頃の男の子が他の女子に興味が無いって言ったのは凄い事だと思う。私がその立場だとしても、その相手に嫌われることが怖くて断言なんて出来ないと思うし、そこまで一人の人の事を思えるかと言えば、自信はないと思う。
「愛ちゃん先輩にも言ってたんだよ」
「愛華は可愛いし胸も大きいから男子なら変な事考えそうなのにね」
「そんなことは無いと思うけど、変な事ってどんな事なの?」
みさきの顔が一瞬にしてこわばったような気がしているけど、もしかしたらまた地雷を踏んでしまったのかもしれない。
「変な事って、そうだね。愛華の大きい胸をボール代わりに叩くとかかな?」
「何それ、それは変過ぎるよ」
みさきはそう言って笑ってくれた。姉妹であんまりそういう話はしないし、私もあんまり得意ではないので避けてきた話題ではあるけれど、最近では漫画とかでもそう言うエロい展開が多かったりするし、興味が無いと言えばうそになってしまう。そんな相手もいないので私がそれを体験することは無いのだけれど、恋人がいるみさきはもしかしたら、どうなのだろう?
「みさきはもうキスとかしたの?」
「え、まだだけど」
「そうなんだ。私は相手がいないからどんな感じなのかなって思ったんだよね」
「お姉ちゃんはいっつも男子と居るからそういう経験してるのかと思ってたよ」
「こら、お姉ちゃんをそんな風に見ちゃダメだよ」
みさきはたまに私をからかう事があるんだけど、大体は笑って済ませられるような事だったのだけれど、今日はそうもいかなかった。
「ごちそうさまです」
私はみさきの行動に思わず固まってしまった。
「小さい時はふざけてした事もあったけれど、お姉ちゃんの唇って柔らかいんだね」
みさきの唇も柔らかかったけれど、その感触よりも驚きの方が強く印象に残ってしまった。
「彼氏とキスしてないのにお姉ちゃんとしちゃ駄目でしょ」
「ええ、家族なんだから挨拶みたいなもんだと思うな」
私は時々だけどみさきの事が理解できなくなることがある。今日みたいなことがこれからもあると思うと、私はみさきの彼氏に嫉妬してしまいそうだ。
私が妹にクラスメイトの男子を紹介したこともあったけれど、その時の反応を思い出すと、好きな男子がいたのは確実だと思うし、それが今の恋人なのも後から聞いてわかった事だけど、時々学校で見かける妹は家で見る時よりも幸せそうなのが嬉しかった。
クラスメイトの男子には妹じゃなくても良いから紹介してほしいと言われているけれど、そこまでホイホイと紹介できるような人もいないし、人に頼らずに自分の力でどうにかしろよとは思ってしまう。
友達のアリスも愛華ちゃんも男子には興味が無いみたいだし、私もそこまで興味は無いのだけれど、妹の話を聞いていると恋人がいるのもよさそうだなとは思ってしまう。思ってしまうだけで実際に相手を見つけようとは思わないのだけれど、妹の恋人と少し仲良くなってみたいとは思ってしまった。
「お姉ちゃんって美人なのに彼氏作らないの?」
妹は週に一度は私にそう聞いてくるのだけれど、彼氏が欲しいからと言ってすぐに作るつもりも無いし、妹のように一目惚れした相手にすぐにアプローチをかけるのも無理だろう。普段はそう見えない妹ではあるけれど、自分がそうだと決めたことは行動が早いのは昔から変わっていなかった。
「お姉ちゃんにまー君の話を一杯しちゃってるけど、お姉ちゃんはまー君の事を好きになったりしないよね?」
「大丈夫、お姉ちゃんはみさきの大事な人を取ったりしないからね」
「うん、それはわかっているけど、お姉ちゃんが好きになっても仕方ないって思うくらい素敵な人だからさ」
「そんなに素敵な人ならみさきは幸せだろうね」
「私は幸せだよ。私以外の女に興味ないってみんなの前で言ってくれたからね」
年頃の男の子が他の女子に興味が無いって言ったのは凄い事だと思う。私がその立場だとしても、その相手に嫌われることが怖くて断言なんて出来ないと思うし、そこまで一人の人の事を思えるかと言えば、自信はないと思う。
「愛ちゃん先輩にも言ってたんだよ」
「愛華は可愛いし胸も大きいから男子なら変な事考えそうなのにね」
「そんなことは無いと思うけど、変な事ってどんな事なの?」
みさきの顔が一瞬にしてこわばったような気がしているけど、もしかしたらまた地雷を踏んでしまったのかもしれない。
「変な事って、そうだね。愛華の大きい胸をボール代わりに叩くとかかな?」
「何それ、それは変過ぎるよ」
みさきはそう言って笑ってくれた。姉妹であんまりそういう話はしないし、私もあんまり得意ではないので避けてきた話題ではあるけれど、最近では漫画とかでもそう言うエロい展開が多かったりするし、興味が無いと言えばうそになってしまう。そんな相手もいないので私がそれを体験することは無いのだけれど、恋人がいるみさきはもしかしたら、どうなのだろう?
「みさきはもうキスとかしたの?」
「え、まだだけど」
「そうなんだ。私は相手がいないからどんな感じなのかなって思ったんだよね」
「お姉ちゃんはいっつも男子と居るからそういう経験してるのかと思ってたよ」
「こら、お姉ちゃんをそんな風に見ちゃダメだよ」
みさきはたまに私をからかう事があるんだけど、大体は笑って済ませられるような事だったのだけれど、今日はそうもいかなかった。
「ごちそうさまです」
私はみさきの行動に思わず固まってしまった。
「小さい時はふざけてした事もあったけれど、お姉ちゃんの唇って柔らかいんだね」
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「彼氏とキスしてないのにお姉ちゃんとしちゃ駄目でしょ」
「ええ、家族なんだから挨拶みたいなもんだと思うな」
私は時々だけどみさきの事が理解できなくなることがある。今日みたいなことがこれからもあると思うと、私はみさきの彼氏に嫉妬してしまいそうだ。
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