本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜

桜町琴音

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マーガレット②

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♦︎♦︎♦︎
「まだ、お姉様は見つかっていないのっ!」

「そう、叫ぶな。マーガレットよ。」

「お父様は何もこの状況を分かっていない。」

「だが、アーサー様が兵を出してさがしているのだろう? 」

「でも、結婚式から1ヶ月過ぎているのよ。そろそろ、教会へ行かなくちゃいけないのに。私の信用はガタ落ちよ。」

「大丈夫だ。国中に捜索願いのビラが出されている。皆お前の心配をしているそうじゃないか。」

「でも、でも、ずっとこのままじゃステファン様に捨てられちゃう。そんなの耐えられない。」

私はこの先の未来が真っ暗で一寸先も見えない賭けに乗っているの。

だから、お姉様というランプを持って聖女を演じてアーサー様という光を手に入れた途端にランプが消えてしまった。

ランプがなければ私は一人で歩くことすら出来ないのに……。

お父様が帰った後も最近夜も眠れない。

「マーガレット大丈夫かい? 」

「はい。アーサー様。でも、お姉様がとても心配で……。」

「ああ、僕が必ず見つけてあげるからね。安心してお眠り。」

「はい。良き夢を」

「良き夢を。」

でも、次の日に情報が舞い込んできた。

お姉様らしき人が結婚式の日に森の方へ走って行った。
たったこれだけの情報。

でも、大きな進歩だわ。

森の方へだから、もうこの国にはいてないわね。

海へ渡った? いいえお姉様にそんなお金はないわ。

じゃあ、陸続きの隣国は? あそこなら馬車で着くし友好国だけあって保護はしてもらえるだろう。
会ったことのない祖母の親戚に匿って貰っているかもしれない。

一旦アーサー様にこの仮説を言って探してもらわなくちゃ。

早く会いたいわお姉様。
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