10 / 16
マーガレット②
しおりを挟む
♦︎♦︎♦︎
「まだ、お姉様は見つかっていないのっ!」
「そう、叫ぶな。マーガレットよ。」
「お父様は何もこの状況を分かっていない。」
「だが、アーサー様が兵を出してさがしているのだろう? 」
「でも、結婚式から1ヶ月過ぎているのよ。そろそろ、教会へ行かなくちゃいけないのに。私の信用はガタ落ちよ。」
「大丈夫だ。国中に捜索願いのビラが出されている。皆お前の心配をしているそうじゃないか。」
「でも、でも、ずっとこのままじゃステファン様に捨てられちゃう。そんなの耐えられない。」
私はこの先の未来が真っ暗で一寸先も見えない賭けに乗っているの。
だから、お姉様というランプを持って聖女を演じてアーサー様という光を手に入れた途端にランプが消えてしまった。
ランプがなければ私は一人で歩くことすら出来ないのに……。
お父様が帰った後も最近夜も眠れない。
「マーガレット大丈夫かい? 」
「はい。アーサー様。でも、お姉様がとても心配で……。」
「ああ、僕が必ず見つけてあげるからね。安心してお眠り。」
「はい。良き夢を」
「良き夢を。」
でも、次の日に情報が舞い込んできた。
お姉様らしき人が結婚式の日に森の方へ走って行った。
たったこれだけの情報。
でも、大きな進歩だわ。
森の方へだから、もうこの国にはいてないわね。
海へ渡った? いいえお姉様にそんなお金はないわ。
じゃあ、陸続きの隣国は? あそこなら馬車で着くし友好国だけあって保護はしてもらえるだろう。
会ったことのない祖母の親戚に匿って貰っているかもしれない。
一旦アーサー様にこの仮説を言って探してもらわなくちゃ。
早く会いたいわお姉様。
「まだ、お姉様は見つかっていないのっ!」
「そう、叫ぶな。マーガレットよ。」
「お父様は何もこの状況を分かっていない。」
「だが、アーサー様が兵を出してさがしているのだろう? 」
「でも、結婚式から1ヶ月過ぎているのよ。そろそろ、教会へ行かなくちゃいけないのに。私の信用はガタ落ちよ。」
「大丈夫だ。国中に捜索願いのビラが出されている。皆お前の心配をしているそうじゃないか。」
「でも、でも、ずっとこのままじゃステファン様に捨てられちゃう。そんなの耐えられない。」
私はこの先の未来が真っ暗で一寸先も見えない賭けに乗っているの。
だから、お姉様というランプを持って聖女を演じてアーサー様という光を手に入れた途端にランプが消えてしまった。
ランプがなければ私は一人で歩くことすら出来ないのに……。
お父様が帰った後も最近夜も眠れない。
「マーガレット大丈夫かい? 」
「はい。アーサー様。でも、お姉様がとても心配で……。」
「ああ、僕が必ず見つけてあげるからね。安心してお眠り。」
「はい。良き夢を」
「良き夢を。」
でも、次の日に情報が舞い込んできた。
お姉様らしき人が結婚式の日に森の方へ走って行った。
たったこれだけの情報。
でも、大きな進歩だわ。
森の方へだから、もうこの国にはいてないわね。
海へ渡った? いいえお姉様にそんなお金はないわ。
じゃあ、陸続きの隣国は? あそこなら馬車で着くし友好国だけあって保護はしてもらえるだろう。
会ったことのない祖母の親戚に匿って貰っているかもしれない。
一旦アーサー様にこの仮説を言って探してもらわなくちゃ。
早く会いたいわお姉様。
31
お気に入りに追加
223
あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。
※諸事情により3月いっぱいまで更新停止中です。すみません。

妹がいるからお前は用済みだ、と婚約破棄されたので、婚約の見直しをさせていただきます。
あお
恋愛
「やっと来たか、リリア。お前との婚約は破棄する。エリーゼがいれば、お前などいらない」
セシル・ベイリー侯爵令息は、リリアの家に居候しているエリーゼを片手に抱きながらそう告げた。
え? その子、うちの子じゃないけど大丈夫?
いや。私が心配する事じゃないけど。
多分、ご愁傷様なことになるけど、頑張ってね。
伯爵令嬢のリリアはそんな風には思わなかったが、オーガス家に利はないとして婚約を破棄する事にした。
リリアに新しい恋は訪れるのか?!
※内容とテイストが違います

リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します
青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。
キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。
結界が消えた王国はいかに?

溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるレフティアの日常は、父親の再婚によって大きく変わることになった。
妾だった継母やその娘である妹は、レフティアのことを疎んでおり、父親はそんな二人を贔屓していた。故にレフティアは、苦しい生活を送ることになったのである。
しかし彼女は、ある時とある事実を知ることになった。
父親が溺愛している妹が、彼と血が繋がっていなかったのである。
レフティアは、その事実を父親に密告した。すると調査が行われて、それが事実であることが判明したのである。
その結果、父親は継母と妹を排斥して、レフティアに愛情を注ぐようになった。
だが、レフティアにとってそんなものは必要なかった。継母や妹ともに自分を虐げていた父親も、彼女にとっては排除するべき対象だったのである。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

彼と婚約破棄しろと言われましても困ります。なぜなら、彼は婚約者ではありませんから
水上
恋愛
「私は彼のことを心から愛しているの! 彼と婚約破棄して!」
「……はい?」
子爵令嬢である私、カトリー・ロンズデールは困惑していた。
だって、私と彼は婚約なんてしていないのだから。
「エリオット様と別れろって言っているの!」
彼女は下品に怒鳴りながら、ポケットから出したものを私に投げてきた。
そのせいで、私は怪我をしてしまった。
いきなり彼と別れろと言われても、それは無理な相談である。
だって、彼は──。
そして勘違いした彼女は、自身を破滅へと導く、とんでもない騒動を起こすのだった……。
※この作品は、旧作を加筆、修正して再掲載したものです。

【本編完結】実の家族よりも、そんなに従姉妹(いとこ)が可愛いですか?
のんのこ
恋愛
侯爵令嬢セイラは、両親を亡くした従姉妹(いとこ)であるミレイユと暮らしている。
両親や兄はミレイユばかりを溺愛し、実の家族であるセイラのことは意にも介さない。
そんなセイラを救ってくれたのは兄の友人でもある公爵令息キースだった…
本垢執筆のためのリハビリ作品です(;;)
本垢では『婚約者が同僚の女騎士に〜』とか、『兄が私を愛していると〜』とか、『最愛の勇者が〜』とか書いてます。
ちょっとタイトル曖昧で間違ってるかも?

聖女の妹によって家を追い出された私が真の聖女でした
天宮有
恋愛
グーリサ伯爵家から聖女が選ばれることになり、長女の私エステルより妹ザリカの方が優秀だった。
聖女がザリカに決まり、私は家から追い出されてしまう。
その後、追い出された私の元に、他国の王子マグリスがやって来る。
マグリスの話を聞くと私が真の聖女で、これからザリカの力は消えていくようだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる