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魔法の属性が分かり自分なりに特訓するして行こう思う。
だが、どうやって訓練して行こう。
 とりあえず、目の方に魔力を持っていこうとするけども途切れてしまう。
 シュティーアの場合彼女が作った空間にいててプラス眼球のどこがどう魔力が流れていないのかを知った上で僕に魔力を流したんだろうな。
 本当に彼女には感服するばかりだ。

 丁度、シャーフが用事が終わって帰ってきた。僕が帰って来たのをすぐにわかるように腰に鈴を付けている。
「ねえ、シャーフは何属性なの?」

「私ですか。私は地でございます。」
 地か。僕も他属性を使えるかもしれないからコツを聞いておこうかな。

「魔法を使うのに何かコツはある?」 

「コツですか。まず、大雑把でいいので使ってみること。あとは精密に扱えるように鍛錬するのみじゃないですかね。」

「そっか。大変そうだね。」

「ですから、魔法師の金の卵達は学園で学び鍛錬するのですよ。きっとシュティーア様もお勉強なさっている頃ですよ。」

「そうだね。とりあえず僕に出来ることからしようかな。シャーフ悪いけどこの本の文章を読み上げてくれない?」

「ええ、喜んでしますよ。」

 いつも本を読み上げてくれるシャーフは本当に頼りになる。
 嫌な声ひとつ出さずに。僕に給金の権限があるのなら本当にボーナスをあげたいくらい。

 そんなことを考えていると外から爆発音が聞こえた。
 シャーフに窓を見てもらうと少し呆れた声で
「ゲーゼン皇太子様ですね。」

 ゲーゼンは僕の2個下の弟で第1妃の息子だ。健康にそして母親の傾いた愛情により育った結果わがまま王子の完成したのである。

 そして、自分の子供が皇太子に選ばれると母への嫌がらせは無くなり、最近では母もよく笑っているそうだ。とても良い方向に向いて来て大変喜ばしい。

 しかし、最近ではゲーゼンの属性が炎だと分かるとすぐに火の球を飛ばしていて庭を焼き払っているらしい。
幸いなことに怪我人は出ておらずゲーセンがやってくると皆僕の住む離宮に退避しているようだ。絶対ここには入らないように第1妃から言われているようで会ったこともない。

 たった2個しか変わらないのだからもう少し大人になってと思う。
「ヒンメル殿下眉間に皺が寄っておりますよ。」

シャーフにそう言われて気づいた。知らないうちに力んでいたのだろう。

「気を取り直して本を続けて読みますか?それとも一旦紅茶でも淹れますか?」

「紅茶を淹れてもらいたいかな。」

「承知いたしました。すぐにご用意いたしますのでお待ちください。」

シャーフは鈴を鳴らしながら部屋を出ていった。
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