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第6話 肉まん

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「あれ?お父さん、お店じゃない?」
 村の中を探索している時に、絵里が指を指しながら言った。

 入り口に(唐揚げ出来ました)と書いてある。

「うん、お店みたいだな…よし、入ってみるか、、、瑠依!勇治の事を聞いてこい!」

「えー!私がー!?」

「その格好なら騒がれるかもしれないから、変身してから行ってくれ」

「聞いちゃいねぇし…チッ!」
 瑠依は舌打ちする。
「ん~~、おちゃーーー!」
 お局に変身した。

 3人はお店の中に入って行った。

「いらっしゃいませ~、本日は唐揚げが10%オフになっております~、いいかがでしょうか~」
 おっさんの店員が元気よく声を出していた。
 頭がバーコードになっている。

 瑠依はカウンターまで移動しながら
「あの~、14才ぐらいの男の子来なかったですか?」
 とバーコードに聞いた。

「わからないね~」
 バーコードは素っ気なく答えた。

 父親を見たら、カウンターの横のおでんを指で突っついている。
「ツンツン、、、ツンツンツン、、、ツンツンツンツンツンツン!」
 バーコードは、それを見て父親に注意した。

「お父さん!何やってるの!?」
 瑠依も注意した。
「おでんみたら、突っつきたくなった」
 まだ、ツンツンしたそうである。

 瑠依はカウンターに置いてある肉まんにそっくりな食べ物が目に入った。
「これって1個いくらですか?」

「肉まんこ?130ピーヤだよ。それは試食だから持って行っていいよ」

「肉まんこ?」
 瑠依は繰り返した。

「うん、肉まんこ」
 バーコードも繰り返した。

「…………………ありがとう…ねぇ、お父さん。肉まん…くれるって~」

「瑠依、、、肉まんこだろ?肉まんこ。ちゃんと言わなきゃダメじゃないか。肉まんこって!」
 父親は肉まんをガン見している。

「肉まんこ、肉まんこうるさいな~!お母さんもちょっとは注意してよ」
 瑠依は絵里を見た。

 絵里は、スカートを上げて自分のパンツを見ている。

「きゃーっ!お母さん!何やってるの!?」

「ん?肉まんこって言うから…」

「それじゃないからー!」
 瑠依は絵里のスカートを戻した。

「お客さん…うるさいんで外で話してもらっていい?」
 バーコードはムッとしている。

 瑠依は
「スミマセン…」と言いながら、健一、絵里と一緒に店を出た。

「お父さんとお母さんのせいで怒られたじゃん…」
 と言いながら、瑠依は変身が解けた。
 肉まんは落ちそうになるも、健一が受け止めた。

「さっ!食べるか!」
 と言いながら、健一は肉まんを半分にして、半分は絵里に渡して食べてしまった。

「あー!!私の分が!このくそ親父!!」
 と瑠依は口からチョロチョロ火を吹きながら、父親を追い回した。
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