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第5章 三叉槍

第12話 女神の剣

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 ケルベロスが瑠依の元に来た。
「あやつ…やられたのか…」
 ケルベロスはアルタイルの無惨な姿を見て呟いた。

「勇治、来てた?」
 瑠依はケルベロスに聞いた。

「まだじゃ…」

「そっか……また来た!」
 ケンタウロスが三叉槍を手にして、向かってきた。

 ケルベロスは、ケンタウロスに強力な焔を放つ。
「ゴォーーー!」
 ケンタウロスは、焔を避けながら徐々に近づいてきた。瑠依も、雷の矢を放つがケンタウロスの動きが速すぎてかすりもしない。
 ケンタウロスは瑠依の前に来て止まる。
 そしてニヤリと笑った。

 瑠依の背筋に悪寒が走る。
 ケンタウロスは高く飛び上がり、瑠依達の頭上を飛び越え、門の方に向かう。
「瑠依!急いで戻るんだ!!」
 ラインハルトは、瑠依に叫ぶと全速力で追った。

「ケルベロス!早く入り口に戻って!」
 瑠依は走りながら、ケルベロスに命じた。
 ケルベロスはラインハルトを追い越し、門の入り口に向かう。

 ケンタウロスが門の直前で止まる。
 門の中からゴーレムが出てきた。

「よし!ゴーレム!!そいつをやっつけて!!」
 瑠依は走りながら、ゴーレムを応援した。

 ゴーレムはケンタウロスに殴りかかるも、あっさりと避けられる。
「ケンタウロスの動きを止めないと!どうすれば…」
 ラインハルトは走りながら考えた。

 ケルベロスも門の入り口に到着し、ケンタウロスをゴーレムと挟む。ケルベロスは、ケンタウロスの首元めがけて飛んだ。

「獣の分際で!!」
 そう言いながらケンタウロスは、ケルベロスに三叉槍を突き刺そうとしたが、ケンタウロスの顔面を7色の矢が通過した。
「ヒュィィーン!」

「我を怒らせたようだな…」
 ケンタウロスの頭から、大きな角が出てきた。
「我は魔神ぞ!この国を滅ぼしてやる!!」
 ケンタウロスは、三叉槍を高く掲げて回転させた。
「ヒュン、ヒュン、ヒュン」
 風を切る音がだんだん大きくなる。
 それと同時に門の入り口を、かまいたちの様に切り裂いていく。

「ぐはっ!」
 ケルベロスの体を空気の刃により切り刻まれ、ケルベロスはその場で横たわった。

「うおおーー!」
 ゴーレムの体も切り刻んでいく。

「ケルベロス!!ゴーレム!!」
 瑠依は叫んだ。

 途中でケンタウロスの動きが止まった。
 ケンタウロスの左腕が地面に落ちている。それと同時に勢いがついていたので、三叉槍も飛んで行った。
「えっ?えっ?何があったの??」
 瑠依は、現状を把握出来なかった。

「チェッ!ちょっと外れたか!」

(この声は……)
 瑠依は声がする方に目線をやる。

「勇治!!」

 勇治は、塀の上に立っていた。
「瑠依ねぇ!大丈夫!?」

「大丈夫!って、あんた遅いよー!」
 瑠依は、ケルベロスの側に行くと絵里は防御魔法を唱えた。
「フルバリアー!」

「ケルベロス!今、お母さんに回復させてもらうから…」
 ケルベロスは、口を動かしているが声が出ていない。

「……お前ら全員皆殺しだーー!!」
 叫びながら、ケンタウロスはラインハルトに向かって行った。

「三叉槍が無くなった今、どうやって…」
 ラインハルトが宝剣を構えると、ケンタウロスはラインハルトの頭上を飛び越えた。

「三叉槍を取りに行ったんだよ、ラインハルト様」
 いつの間にか勇治はラインハルトの横に立っていた。

「えっ!?いつの間に?」
 ラインハルトは驚いてる。

「瑠依ねぇ、ケルベロスを回復させたらゴーレムの元に行って!」
 勇治は腰に差してある鞘から、ゆっくりと神剣エクスカリバーを抜いた。

「あれ?エクスカリバーの色が変わった!?」
 エクスカリバーを見ると以前は銀色に輝いていたが、今は金色に輝いていた。

「勇治!あれは魔神だ、気を抜くなよ!」
 健一が勇治に言った。
 勇治はゆっくりと頷いた。
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