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第3章 ディオーネとの出会い
第7話 宰相バーデン
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王族がいなくなると、宰相のバーデンが瑠依達の元にやってきた。
「お主らが持っている剣と杖を見せてみろ」
瑠依から杖を取ろうとする。
するとディオーネは
「触るな!」
と、自ら持っている杖でバーデンの手を叩いた。
「うおっ!このハーフエルフの分際で…」
バーデンは怒りで顔が真っ赤になっている。
「えっ?えっ?えっ?」
瑠依は、オロオロしだした。
「お主が触れて良いものではないわ!」
ディオーネの口調が、別人のようになっている。
「ふん!ここで貴様と決着をつけてやる!!」
バーデンは、杖を掲げて呪文を唱えだした。
「お止めなさい!!」
王女ソフィだった。
「神聖なる王宮の間で何をしようとしているのですか!」
「申し訳ありません、ソフィ様」
バーデンは片膝を着きソフィに謝罪した。
「古の書物と同じ剣と杖なのか、確かめたかったのです」
「バーデン、この子らの剣と杖に触れてはなりません。いいですね!?決して触れてはなりません」
昨日見た優しそうなソフィと違い、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
後ろから、ラインハルトもやってくる。
バーデンは、ディオーネを恨めしそうに見ながら去って行った。
「ほんとバーデンとあなたは犬猿の仲ですわね…」
ソフィはため息をついた。
「あの者はハーフエルフが嫌い…というか獣人や妖精族が嫌いだから致し方ありません、ソフィ様」
ディオーネは、まだ怒りが収まっていない様子である。
「それはそうと瑠依、ディオーネから聞きましたよ。その剣が父親で杖が母親だと。早く言ってくれれば、昨日あんなに考え込まなくても良かったのに」
先ほどと違い、昨日と同じ優しい雰囲気のソフィに戻っていた。
「スミマセン!まさか、父と母が武器だなんて言っても信用してもらえないだろうと思って」
瑠依はソフィに何度も頭を下げている。
「ふふっ…私は僧侶でもあり、封印の力もあるから、何か困った事があったら言ってちょうだいね」
頭にあるティアラを指で指した。
「ソフィ様の頭にあるティアラは封印のティアラと呼ばれてて、先ほど陛下に話した魔石も、このティアラの力で封印されているの。そして解放するにはルシアン様が所持している解放の指輪の力が必要なの。ティアラも指輪も、英雄達が持っていたものを陛下の祖先である魔術師がこの国に持ち帰ったのよ」
ディオーネは瑠依達に説明した。
「お父さん、私達伝説の武器ですって!凄いわね~」
「お母さん、やっぱり自分ってそうじゃないかなって思ってたんだ」
「ほんとお父さんたら調子いいんだから、ウフフッ」
周りがその話を聞いて笑ってる。
瑠依は
(勇治の性格って父親譲りだったんだ…)
と、一人冷静になってる瑠依であった。
「お主らが持っている剣と杖を見せてみろ」
瑠依から杖を取ろうとする。
するとディオーネは
「触るな!」
と、自ら持っている杖でバーデンの手を叩いた。
「うおっ!このハーフエルフの分際で…」
バーデンは怒りで顔が真っ赤になっている。
「えっ?えっ?えっ?」
瑠依は、オロオロしだした。
「お主が触れて良いものではないわ!」
ディオーネの口調が、別人のようになっている。
「ふん!ここで貴様と決着をつけてやる!!」
バーデンは、杖を掲げて呪文を唱えだした。
「お止めなさい!!」
王女ソフィだった。
「神聖なる王宮の間で何をしようとしているのですか!」
「申し訳ありません、ソフィ様」
バーデンは片膝を着きソフィに謝罪した。
「古の書物と同じ剣と杖なのか、確かめたかったのです」
「バーデン、この子らの剣と杖に触れてはなりません。いいですね!?決して触れてはなりません」
昨日見た優しそうなソフィと違い、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
後ろから、ラインハルトもやってくる。
バーデンは、ディオーネを恨めしそうに見ながら去って行った。
「ほんとバーデンとあなたは犬猿の仲ですわね…」
ソフィはため息をついた。
「あの者はハーフエルフが嫌い…というか獣人や妖精族が嫌いだから致し方ありません、ソフィ様」
ディオーネは、まだ怒りが収まっていない様子である。
「それはそうと瑠依、ディオーネから聞きましたよ。その剣が父親で杖が母親だと。早く言ってくれれば、昨日あんなに考え込まなくても良かったのに」
先ほどと違い、昨日と同じ優しい雰囲気のソフィに戻っていた。
「スミマセン!まさか、父と母が武器だなんて言っても信用してもらえないだろうと思って」
瑠依はソフィに何度も頭を下げている。
「ふふっ…私は僧侶でもあり、封印の力もあるから、何か困った事があったら言ってちょうだいね」
頭にあるティアラを指で指した。
「ソフィ様の頭にあるティアラは封印のティアラと呼ばれてて、先ほど陛下に話した魔石も、このティアラの力で封印されているの。そして解放するにはルシアン様が所持している解放の指輪の力が必要なの。ティアラも指輪も、英雄達が持っていたものを陛下の祖先である魔術師がこの国に持ち帰ったのよ」
ディオーネは瑠依達に説明した。
「お父さん、私達伝説の武器ですって!凄いわね~」
「お母さん、やっぱり自分ってそうじゃないかなって思ってたんだ」
「ほんとお父さんたら調子いいんだから、ウフフッ」
周りがその話を聞いて笑ってる。
瑠依は
(勇治の性格って父親譲りだったんだ…)
と、一人冷静になってる瑠依であった。
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