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第3章 ディオーネとの出会い

第5話 王女と第2王子

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「瑠依、魔術師が着ている服に着替える?」
 ディオーネは、クルッと回って瑠依に自分の衣服を見せた。

「またいつか現世に戻った時の為に、高校のブレザーのままでいいです。このブレザーお気に入りだし、、、ブレザー姿の魔術師補佐も格好いいでしょ」
 そう言いながら、瑠依もクルッと回る。

「瑠依ねぇ、スカート短いからパンツがチラチラ見えてるし~」
 勇治はニタニタ笑いながら言った。

「バーカ、だから可愛いんでしょうが!」

(さっきまで放心状態だったのに、もう復活したんだ。どんだけ打たれ強いのさ、、、)瑠依は、ポジティブも突き抜ければある意味最強だなって思った。

「お父さんは、あんまり短いスカートは賛成じゃなかったな…」

「お母さんは、瑠依に合ってて前から可愛いと思ってたわよ!」

 いきなり家族会議が始まった。

 すると
「ディオーネ~~」
 宮廷の建物から、中庭に歩いてくる若い男女がいた。
 その女性の方がこちらに手を振っている。

 二人はディオーネの方にやってきた。
「ソフィ様、宮廷の方に何か御用でしょうか?」
 ソフィと呼ばれた美しい女性は、頭にティアラをしている。
 もう一人の若い男性は、剣士の格好をしていた。
「エクシリアに用事があって来たの…その方達は?」

「瑠依と勇治という転生者です。あの唯の妹と弟です。後程王宮に連れて行き、皆様方にお目通りをしてもらおうと思っておりました」
 ディオーネは二人に紹介した。

「あの唯の…そう…わたくしはソフィ。この国の王女です。隣にいるのはこの国の第2王子のラインハルトよ。二人ともよろしくお願いね」
 と言いながらソフィは微笑んだ。

「私は、桜井健一。この二人の父です」

「はい、こちらこそ…………ん?声は聞こえるけれど、姿が見えないのですが…」
 ソフィはキョロキョロしている。
 ラインハルトは
「お姉さま、お姉さま、どうも少年が持っている剣から声がしていたようです…」
 と剣に指を指した。

「ラインハルト、何を言っているの?そんな訳あるはずない…」
 すると
「私は桜井絵理。この二人の母です」
 と聞こえた。

「ほら、剣の方から声がしなかったわよ」
 ソフィはラインハルトに言った。
「お姉さま、お姉さま、今度は女性が持っている杖から声がしたようです」
 ラインハルトは、杖を見ながら言った。

「わたくし、今日疲れてるみたい…一度部屋に戻って休んだ方が良さそうですわ」
 と言い二人は立ち去った。


「お父さん、お母さん、いきなり話したらダメでしょ!もう!」
 瑠依がプンプン怒っている。

「すまん…」
「ごめんなさい…」

「後で二人には詳しく説明しておきますね。あの二人はあなた達にとっても頼りになる二人だから…」
 ディオーネは苦笑いしながら話した。

(あんな漫才みたいな二人、ほんとに頼りになるのかな~)
 と失礼な事を思った瑠依だった。
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