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第2章 転生したら父は剣、母は杖になった

第6話 ワイバーン

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 次の日の朝

「ん!んふっ!あんっ!」
 瑠依は、また少しいい気持ちで目が覚めた。

 勇治が肘で胸をいじってる。

「お前はほんとスケベだなっ!!」
 瑠依は勇治の頭を叩いた。

 瑠依は側にいたリクの顔を見つめた。
「どう見てもあんな魔物になるように見えないわよね、、、」

 リクは首を傾げた。

「番犬、ごくろうさま!」
 瑠依はリクの頭を撫でた。


 日が昇り、森の中は明るくなっている。

「お父さんも勇治のイタズラ注意してよ!こんなんじゃ、おちおち寝られやしないわ…」
 まだ不機嫌そうである。

「お父さんは、世界が全く見えないんだ…お母さんはどうだ?」

「私も見えないわよ…唯もせめて目を着けてくれたら良かったのに」

 瑠依は
(目が着いている杖と剣なら気持ち悪いし)
 と思った。
「勇者、さっさ準備して行くわよ!」

「はーい」
 勇治は立ちションしている。

 森の中を歩いていると、小さな鳥のような生き物が道で鳴いていた。
「かわいい!お母さんとはぐれたのかなぁ…」
 瑠依は辺りを見回す。
 しかし、それらしい鳥は見当たらない。

「連れて行ってあげたいけど、荷物がこれ以上増えたら大変だし…」
 瑠依は、ポツリと言った。

 勇治は
「荷物なんて何もないじゃん…」
 と小鳥を見ながら言ってる。

 瑠依は「そうだね…」と一言言った。


「母親鳥が来るかもしれないから、このままここに置いていくしかないよ…」
 瑠依がそう言って歩いたら、その後ろから小鳥がひょこひょこと付いてきた。
(仕方ない、連れていくしかないよね)
 と小鳥を抱きあげた。

「瑠依?その鳥ってどういう鳥だ?」
 健一が尋ねてきた。

「見た事ない鳥だよ…異世界だから、そりゃあ見た事ないだろうし」
 瑠依は小鳥をマジマジと観察している。

「ここは魔物の森だから、魔物なんじゃないの?」
 絵里は心配している。

「まさか~?こんなに小さくて大人しいのに?」
 瑠依は、小鳥に頬ずりしてる。
「リクが唸ってないから、大丈夫でしょ」
 小鳥をリクの背中に乗せ歩きだした。

 森の中を抜けしばらく歩くと、巨大な鳥が傷つき息絶えている。小鳥は、その巨大な鳥に近寄りピーピー鳴いている。

「もしかしてお母さんかお父さんかな~?」
 勇治は、瑠依に言った。

「もしかしなくてもそうでしょう…」
 瑠依はそう言って鳥の亡骸に近づいた。
 死んで1日は経っているんだろう、完全に冷たくなっている。
 小鳥が鳴き止むのを待ってから、抱き上げてまた歩きだした。

「瑠依ねぇ、やっぱりその小鳥…魔物じゃ…」
 珍しく勇治が心配している。
 スライムで懲りたようだ。

「だとしても、ここに置いていけないよ…こんなにチビだもん…いつ他の魔物に襲われるか…」
(やっぱり連れて行くしかないわね…)
 そう言って、一行は王都に向かった。
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