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第3話 アダムス先生
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いくら本が好きでも、私は朝はちゃんと起きて、授業に行っている。非の打ちどころがないと思う。
それにまったく目立たないと思うのだ。
しかし、文法の先生、ミス・アダムスはそう考えないらしかった。彼女は、どう考えても不公平な女教師だと私は思う。
「ウッドハウス嬢! 発音が悪い。もう一度!」
私は赤面した。文法なんだから、発音なんかどうでもいいではないか。それに私の発音がそこまでおかしいとは思えない。だが、先生は憎々し気にこちらをにらむ。
次に引っかかったのはポール・ギアと言う商人の息子だった。丸みを帯びた体格に瓶底メガネ。美男子とはとても言えない。
彼は確かに文法の間違いはしていた。だからって満座であげつらうことはないと思う。
「多分、私のことは服装が平民っぽいのに顔が派手過ぎて気に入らなくて、ポール・ギアのことは、悪い人じゃなさそうだけど、もたもたした感じが気に入らないんだな」
彼女の趣味はなんとなく理解できた。もちろん、気に入らなかったが。
とは言え、文法の時間の度に叱られるのは参った。
文法の小テストも決して点が悪いわけではない。
だが、決して満点にならない。ものすごく細かい点、例えばインクの染みなどが減点の対象になった。
こっそり聞いていると、ポール・ギアも似たような羽目に陥っているらしい。彼が友達にひそひそ囁いているところを洩れ聞くと、ここへ入学前に家庭教師にみっちり教えられたらしく、おそらく八十点台は取れているらしかった。些細なことで点を引かれ悔しい思いをしているらしい。
そして、逆にアンドレア嬢は「おまけの」満点の時が多かった。
間違っていても、何らかの理由で加点されるのである。字が丁寧だとか、姿勢がいいとか、そう言う理由だ。
ここまで来ると完全なえこひいきである。
腹が立ったが、抗議する良い方法が思いつかなかった。いつも灰色の制服を着ているのがまずいのだろうか。
アンドレア嬢は、相当派手な、校則ぎりぎりのドレスをこれでもかとばかりに着飾っていた。あっちの方が気に入られるのなら、やってみてもいいのだが、ただでさえ派手な顔立ちの私がやったら、アダムス先生を余計刺激するような気がする。
アダムス先生自身、どこかの爵位付きの家の生まれで貴族びいきだと聞いたことがある。私だって、アンドレア嬢程ではないが、立派な貴族、伯爵家の令嬢なのだが、全然効力がなかった。
そして、もう一人アダムス先生の逆鱗に触る人物がいた。
例のマデリーン・フェアマス嬢である。
ただし、彼女の場合は仕方がない部分があった。アダムス先生のえこひいきのせいばかりではない。
マデリーン嬢は、平民ご用達の灰色の制服なんか、もちろん着なかった。
手に入る範囲で出来る限り派手な衣装で授業に出ていた。
とは言え、アンドレア嬢の隣では、服もアクセサリも安っぽくてみじめなだけである。逆に目立つ。悪い方の意味でだけれど。
「同じ方向性を目指さなきゃいいのに……」
面倒くさいので伯爵令嬢のくせに平民同様灰色の地味な制服を着ている私が人のことを言えた義理ではないのだが、気になるものは気になる。余計なお世話だけど。
マデリーン嬢は、可憐だとか愛らしいだとか、そっちを目指せばいいのに。小柄だし、愛らしい容貌だ。その上、何しろ、ご身分がややこしいのだから、同情系をめざすべきだろう。それを豪華で華麗系目指して真っ向勝負するから、ああなる。
「ミス・フェアマス!」
私に対するより、さらにキンキンする声で、アダムス先生が呼ばわった。
「この小テストは何ですか?」
そして、クラスの全員に見えるように小テストの紙を持ち上げた。
全員が思わず目を見張った。
確かにこれはひどい。ほぼ×だらけだ。
本人はうつむいて震えていた。
養女だと言っていたが、おそらくあまり教育を受けてこなかったのだろう。読み書きに不自由はなくても、文法を体系的にと言われると、それは学習する機会がなければできない。ある意味、潔癖なアダムス先生には、準備ができていないくせに入学してきた彼女が許せなかったのだろう。
更に気負ったその衣装だ。勉強に励むつもりはまるでなさそう。
そして態度はツンケンしている。高飛車だ。
ここへ通う貴族の令嬢たちは、あまり表情を出さない。あのアンドレア嬢だって、少なくとも表面上はしとやかに見えるように振舞う。その取り繕いが、彼女にはない。思ったままを口に出す。アダムス先生が非難したくなる気持ちはわかる。
それにしても、クラス全員に彼女のテストを公開するだなんて屈辱的だ。
かわいそうだ。
アンドレア嬢一味は笑いをこらえきれないようだったし、「バカ令嬢」とささやくのも聞こえた。部屋は失笑のひそかな声であふれた。
後味の悪い授業だった。
食堂でエクスター殿下と会ってしまって以来、私は昼を食堂で食べることは遠慮してサンドイッチなどを買って、居心地がよさそうな校庭のすみっこで食べることにしていた。
学園は王都にあるとはいえ、市街地のはずれにあった。庭も広く、頃合いのベンチや丸太などもあった。天気さえよければ気分がいい。
一人で食べていても、変わり者か、身分が低い平民出身が食堂を遠慮して、一人でいるのだろうと思われるのがオチだろう。
特に私は、平民の娘が好んでと言うより、仕方なしに着ている灰色の制服をよく着ていた。
「ダメよ、フロレンス。ドレスに不自由してるわけじゃないでしょ!」
ジュディスからよく怒られたが、面倒くさい。ドレスは着るのに時間がかかるし、髪も結わねばならなくなるもの。
「フロレンス! あなたは地味で目立たない方がいいとか口では言っているけど、ただ単に努力を怠っているだけよね」
ジュディスのきらきら光る栗色の目が光る。
「もっとおしゃれを楽しみなさいよ。埋もれてどこが楽しいの? ちゃんとした格好をしていれば、あのマデリーン・フェアマアス嬢に偉そうなことを言われなかったと思うわ。それにアンドレア嬢にも! エクスター殿下に近づくチャンスをみすみす潰してしまって! 自分から絶対に近づきませんて約束するだなんて」
そっちか。美人になる営業努力を怠っている方を怒っているのかと思った。令嬢の至上命題が結婚なのは心得ている。一応。努力はしていない。
「……殿下なんか無理よ」
私は弱々しく言い返してみたが、ジュディスの方は本気で残念がっていた。なにか、千載一遇のチャンスを逃したと思っているらしい。
「とにかく、もっと普通になさいよ。普通に」
ええ……。その普通が難しいんですってば。どうやったら、私、普通になれるんですか?
夕食の時会ったジュディスに、私はアダムス先生のことを聞いてみた。
ジュディスは要領がいいので、特に嫌われるでもなく授業を切り抜けたらしい。
だが、マデリーン・フェアマス嬢の悲劇を聞いたジュディスは、目を見張った。
「それは……ちょっとひどいわね。アダムス先生はえこひいきが強いので有名よ。でも、彼女、入学試験はどうやったのかしら?」
それは私にも不思議だった。
この学園にも一応入学試験はある。特に難しいものではないが、落ちる者も一定数いる。ある程度の学力がなければ、授業についていけなくなるから当然だ。
「文法は試験科目に含まれているわ。ほかの科目もあやしいわよね。だって、引き取られたのは半年前って聞いたのよ? 家で教育を受ける時間はなかったんじゃないかしら?」
「どんな境遇から引き取られたのかで、事情は変わると思うけど」
ジュディスは誰も聞いていないことを確かめるように周りを見回した。あまり言ってはいけない話らしい。
「だって、聞いたところによると、ほんとに平民の娘だったって。洗濯女の娘だって話よ?」
「いくらなんでも、それはないでしょ?」
私は思わずささやき返した。
ここへ入学してくる平民は、一部の特待生をのぞけば、名だたる富豪の子弟が多い。幼いうちから家庭教師を付けられていて、それなりに勉強はできて当然だった。
ジュディスがどこからそんな情報を仕入れてきたのか知らないが、信じられない気持ちだった。
「でも、ウッドハウスの名前なんか全然知らなかったみたいだったわ。ほんとに礼儀も何も知らないのかもしれないわね」
ジュディスが鼻の頭にしわを寄せながら意見を述べた。
「そして、あのアダムス先生はそう言うのに敏感だから、あっという間に嗅ぎつけたのかも」
「何を嗅ぎつけたの?」
「平民臭よ。それなのに、お高くとまった態度ね。鼻をへし折りたくなったに違いないわ」
「へし折り過ぎじゃないかしら」
私は心配になった。ジュディスは、私をチロリと見ると意見した。
「ダメよ、フロレンス。そんな格好してちゃ。平民の貧乏娘と間違えられるわ。あなたは伯爵家の令嬢なのよ? 我が一族の宗家の娘なのよ。アダムス先生のようなタイプは多いわ。好んで叱られる危険を冒す必要はないんじゃなくて?」
それにまったく目立たないと思うのだ。
しかし、文法の先生、ミス・アダムスはそう考えないらしかった。彼女は、どう考えても不公平な女教師だと私は思う。
「ウッドハウス嬢! 発音が悪い。もう一度!」
私は赤面した。文法なんだから、発音なんかどうでもいいではないか。それに私の発音がそこまでおかしいとは思えない。だが、先生は憎々し気にこちらをにらむ。
次に引っかかったのはポール・ギアと言う商人の息子だった。丸みを帯びた体格に瓶底メガネ。美男子とはとても言えない。
彼は確かに文法の間違いはしていた。だからって満座であげつらうことはないと思う。
「多分、私のことは服装が平民っぽいのに顔が派手過ぎて気に入らなくて、ポール・ギアのことは、悪い人じゃなさそうだけど、もたもたした感じが気に入らないんだな」
彼女の趣味はなんとなく理解できた。もちろん、気に入らなかったが。
とは言え、文法の時間の度に叱られるのは参った。
文法の小テストも決して点が悪いわけではない。
だが、決して満点にならない。ものすごく細かい点、例えばインクの染みなどが減点の対象になった。
こっそり聞いていると、ポール・ギアも似たような羽目に陥っているらしい。彼が友達にひそひそ囁いているところを洩れ聞くと、ここへ入学前に家庭教師にみっちり教えられたらしく、おそらく八十点台は取れているらしかった。些細なことで点を引かれ悔しい思いをしているらしい。
そして、逆にアンドレア嬢は「おまけの」満点の時が多かった。
間違っていても、何らかの理由で加点されるのである。字が丁寧だとか、姿勢がいいとか、そう言う理由だ。
ここまで来ると完全なえこひいきである。
腹が立ったが、抗議する良い方法が思いつかなかった。いつも灰色の制服を着ているのがまずいのだろうか。
アンドレア嬢は、相当派手な、校則ぎりぎりのドレスをこれでもかとばかりに着飾っていた。あっちの方が気に入られるのなら、やってみてもいいのだが、ただでさえ派手な顔立ちの私がやったら、アダムス先生を余計刺激するような気がする。
アダムス先生自身、どこかの爵位付きの家の生まれで貴族びいきだと聞いたことがある。私だって、アンドレア嬢程ではないが、立派な貴族、伯爵家の令嬢なのだが、全然効力がなかった。
そして、もう一人アダムス先生の逆鱗に触る人物がいた。
例のマデリーン・フェアマス嬢である。
ただし、彼女の場合は仕方がない部分があった。アダムス先生のえこひいきのせいばかりではない。
マデリーン嬢は、平民ご用達の灰色の制服なんか、もちろん着なかった。
手に入る範囲で出来る限り派手な衣装で授業に出ていた。
とは言え、アンドレア嬢の隣では、服もアクセサリも安っぽくてみじめなだけである。逆に目立つ。悪い方の意味でだけれど。
「同じ方向性を目指さなきゃいいのに……」
面倒くさいので伯爵令嬢のくせに平民同様灰色の地味な制服を着ている私が人のことを言えた義理ではないのだが、気になるものは気になる。余計なお世話だけど。
マデリーン嬢は、可憐だとか愛らしいだとか、そっちを目指せばいいのに。小柄だし、愛らしい容貌だ。その上、何しろ、ご身分がややこしいのだから、同情系をめざすべきだろう。それを豪華で華麗系目指して真っ向勝負するから、ああなる。
「ミス・フェアマス!」
私に対するより、さらにキンキンする声で、アダムス先生が呼ばわった。
「この小テストは何ですか?」
そして、クラスの全員に見えるように小テストの紙を持ち上げた。
全員が思わず目を見張った。
確かにこれはひどい。ほぼ×だらけだ。
本人はうつむいて震えていた。
養女だと言っていたが、おそらくあまり教育を受けてこなかったのだろう。読み書きに不自由はなくても、文法を体系的にと言われると、それは学習する機会がなければできない。ある意味、潔癖なアダムス先生には、準備ができていないくせに入学してきた彼女が許せなかったのだろう。
更に気負ったその衣装だ。勉強に励むつもりはまるでなさそう。
そして態度はツンケンしている。高飛車だ。
ここへ通う貴族の令嬢たちは、あまり表情を出さない。あのアンドレア嬢だって、少なくとも表面上はしとやかに見えるように振舞う。その取り繕いが、彼女にはない。思ったままを口に出す。アダムス先生が非難したくなる気持ちはわかる。
それにしても、クラス全員に彼女のテストを公開するだなんて屈辱的だ。
かわいそうだ。
アンドレア嬢一味は笑いをこらえきれないようだったし、「バカ令嬢」とささやくのも聞こえた。部屋は失笑のひそかな声であふれた。
後味の悪い授業だった。
食堂でエクスター殿下と会ってしまって以来、私は昼を食堂で食べることは遠慮してサンドイッチなどを買って、居心地がよさそうな校庭のすみっこで食べることにしていた。
学園は王都にあるとはいえ、市街地のはずれにあった。庭も広く、頃合いのベンチや丸太などもあった。天気さえよければ気分がいい。
一人で食べていても、変わり者か、身分が低い平民出身が食堂を遠慮して、一人でいるのだろうと思われるのがオチだろう。
特に私は、平民の娘が好んでと言うより、仕方なしに着ている灰色の制服をよく着ていた。
「ダメよ、フロレンス。ドレスに不自由してるわけじゃないでしょ!」
ジュディスからよく怒られたが、面倒くさい。ドレスは着るのに時間がかかるし、髪も結わねばならなくなるもの。
「フロレンス! あなたは地味で目立たない方がいいとか口では言っているけど、ただ単に努力を怠っているだけよね」
ジュディスのきらきら光る栗色の目が光る。
「もっとおしゃれを楽しみなさいよ。埋もれてどこが楽しいの? ちゃんとした格好をしていれば、あのマデリーン・フェアマアス嬢に偉そうなことを言われなかったと思うわ。それにアンドレア嬢にも! エクスター殿下に近づくチャンスをみすみす潰してしまって! 自分から絶対に近づきませんて約束するだなんて」
そっちか。美人になる営業努力を怠っている方を怒っているのかと思った。令嬢の至上命題が結婚なのは心得ている。一応。努力はしていない。
「……殿下なんか無理よ」
私は弱々しく言い返してみたが、ジュディスの方は本気で残念がっていた。なにか、千載一遇のチャンスを逃したと思っているらしい。
「とにかく、もっと普通になさいよ。普通に」
ええ……。その普通が難しいんですってば。どうやったら、私、普通になれるんですか?
夕食の時会ったジュディスに、私はアダムス先生のことを聞いてみた。
ジュディスは要領がいいので、特に嫌われるでもなく授業を切り抜けたらしい。
だが、マデリーン・フェアマス嬢の悲劇を聞いたジュディスは、目を見張った。
「それは……ちょっとひどいわね。アダムス先生はえこひいきが強いので有名よ。でも、彼女、入学試験はどうやったのかしら?」
それは私にも不思議だった。
この学園にも一応入学試験はある。特に難しいものではないが、落ちる者も一定数いる。ある程度の学力がなければ、授業についていけなくなるから当然だ。
「文法は試験科目に含まれているわ。ほかの科目もあやしいわよね。だって、引き取られたのは半年前って聞いたのよ? 家で教育を受ける時間はなかったんじゃないかしら?」
「どんな境遇から引き取られたのかで、事情は変わると思うけど」
ジュディスは誰も聞いていないことを確かめるように周りを見回した。あまり言ってはいけない話らしい。
「だって、聞いたところによると、ほんとに平民の娘だったって。洗濯女の娘だって話よ?」
「いくらなんでも、それはないでしょ?」
私は思わずささやき返した。
ここへ入学してくる平民は、一部の特待生をのぞけば、名だたる富豪の子弟が多い。幼いうちから家庭教師を付けられていて、それなりに勉強はできて当然だった。
ジュディスがどこからそんな情報を仕入れてきたのか知らないが、信じられない気持ちだった。
「でも、ウッドハウスの名前なんか全然知らなかったみたいだったわ。ほんとに礼儀も何も知らないのかもしれないわね」
ジュディスが鼻の頭にしわを寄せながら意見を述べた。
「そして、あのアダムス先生はそう言うのに敏感だから、あっという間に嗅ぎつけたのかも」
「何を嗅ぎつけたの?」
「平民臭よ。それなのに、お高くとまった態度ね。鼻をへし折りたくなったに違いないわ」
「へし折り過ぎじゃないかしら」
私は心配になった。ジュディスは、私をチロリと見ると意見した。
「ダメよ、フロレンス。そんな格好してちゃ。平民の貧乏娘と間違えられるわ。あなたは伯爵家の令嬢なのよ? 我が一族の宗家の娘なのよ。アダムス先生のようなタイプは多いわ。好んで叱られる危険を冒す必要はないんじゃなくて?」
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