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第38話 ディアンナ嬢登場
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部屋に入って来ると、ディアンナはメガネがないので勝手が違うらしく、最初はヘレンに向かってシャーロットと話しかけた。
だが、近づけば顔の判別はつくらしく、彼女は余裕を持ってヘレン嬢に微笑みかけた。少々のミスなんかモノともしない。さすがだわ。
「あら。初めてお目にかかりますわね。お名前をうかがっても?」
自信たっぷりいけしゃあしゃあとディーことディアンナ嬢は尋ねた。
「ヘレン・オースティンと申します」
ヘレン嬢の方も勝手が違うらしかった。
用心しいしい答えた。
だが、そこへ計ったかのように来客があった。
前回と同じである。
「モリス様と言う方が、お約束があるとおっしゃってこちらに来られました」
慌てふためいているのはメアリ。
しまった。
来客があるときは前もって、必ず女主人から前の晩に知らせるからという注意事項を伝えるのを、また忘れていたわ。
だが、この場合、注意は注意として機能しないかもしれなかった。
と言うのはモリス氏の勢いときたら、すごいものがあったからだ。
「おおッ、いとしのシャーロット嬢よ! 約束通りきたよ。おやあ? お客様が来られていたのかね?」
堂々と入室した彼は、そう言いながら、少々不安そうな表情のヘレンを見つけると、ちょっと腑に落ちない顔をした。
「約束なんかございませんでしたわよね?」
私はとりあえず否定したが、そこへディアンナ嬢が割り込んだ。
「まあ、ヘレン嬢はモリス様とお知り合いですか?」
いかにも意外と言った声で、ディアンナ嬢が尋ねた。
モリス氏の顔が見ものだった。
ヘレンを見つけても、全く動じた様子がなかった。ちょっとは驚いてもいいと思うんだけど。むしろ、おかしいと感じたくらいだった。
それなのに、ディアンナ嬢に声をかけられた時は、正真正銘、ギクリとしていた。
こちらに背を向けて座っていたので、最初、モリス氏はディアンナに気が付かなかったらしい。
「おお? これは、ご友人とお茶会だったのですか?」
「ええ。そうですわ」
鋭いディアンナ嬢は、モリス氏の一瞬の狼狽とヘレン嬢の動揺に気づいたらしい。
私もだ。
これはおかしい。
この二人がわざわざ、この家でかちあうだなんて、もう偶然ではないだろう。
きっと、この二人の間でなにか手筈が決まっていたのだろう。
旦那様のいないこの家の中で。
私は、怖くなった。
ヘレン嬢がその押しの強さで、その場の雰囲気を支配し、二人で何かを成し遂げるつもりだったのだろう。
何を企んでいるのだろう?
「ですから、モリス氏とお約束というのは間違いだと思うんですけれど」
私もおっとりと口を挟んだ。
今の一瞬で、役割が決まった。
私はボケ、ディアンナはツッコミだ。
「お名前を伺っても? 私、シャーロットの遠縁でいとこに当たるディアンナ・ウィザスプーンと言いますの」
嘘ではない。また従姉妹だけど。
「これはウィザスプーン嬢」
モリス氏は、いささかまごつきながら答えた。
いくら彼の記憶を総動員しても、私の従姉妹にウィザスプーン嬢は見つからないと思う。社交界デビューなんかしていないからだ。
本当は姉のお付きで時々姿を見かけたことがあるはずだが、瓶底メガネの霊験はあらたかで、だれも顔を覚えていないはず。
「私はファーラー夫人のたってのお願いで、バラの庭を案内していただく約束で参ったのですよ」
モリス氏が『お友達』のディアンナに向かって説明する。
ファーラー夫人て、多分私のことですよね? でも、私、バラの庭の案内なんて初めて聞きましたわ。
そもそも当家にバラ園なんかないしね。
「まあ、素敵!」
ヘレン嬢が合いの手を打つ。
「私もお供したいですわ。今の季節、バラは花盛りですものね」
大抵の貴族の家にはバラの庭がある。少なくとも数本は植えてあると思う。
うちもバラそのものがない訳じゃないけど……
ヘレンが熱を込めて続けた。
「ですけど、恥ずかしながら、私、バラアレルギーでして。くしゃみが止まらなくなってしまいますの……」
「それはいけない。室内にいた方がいいでしょう。シャーロット夫人は私がお供するから」
モリス氏は、香水の匂いをプンと漂わせながら、身を乗り出し、ヘレン嬢に家の中に止まるよう説得をした。
「残念ですわ」
残念ではないだろう。計画通りという感じがあふれているような気がする。
うちの使用人や、塀や柵越しに近所の住人が、ファーラー夫人の浮気を見物すると言う算段かしら。
そして証人役にヘレン嬢とかじゃないわよね?
モリス氏とヘレン嬢が、妙に和気藹々と盛り上がっているところへ、今度はセバスがやってきた。
額に玉の汗をかいている。
「お客さまでございます」
「まああ、今日はまるでパーティのようね!」
これは私の発言ではない。ディアンナの叫びである。
「どなた様?」
聞かないわけにはいかない。この展開はなんなの?
「ヘンリー・バーティ様でございます。なんでも旦那様から用事を言いつかってこられたそうで」
「まあ、それでは少々失礼いたしますわ」
ディアンナを、モリス氏とヘレン嬢のところに、一人で取り残すことになるんだけど……
大丈夫かな。
どんなに厳しい雰囲気だったとしても、ディアンナなら耐えられる気がする。
「大丈夫でしたか? ファーラー夫人?」
客間が人でいっぱいなので、ヘンリーは食堂に通されていた。
彼は、私の姿を見た途端、立ち上がってテーブルを回って急いでやって来た。
「モリス氏のことですか?」
「え?」
ヘンリーは驚いた様子だった。
「モリス氏?」
そうか。うちの奇妙なお客さまたちのことは、知らないかもしれないわ。
「ええ。今、モリス氏が来ていますのよ」
ヘンリーは、またびっくりした顔になった。
「モリス氏ですか」
彼は端麗な顔に皺を寄せて言った。
「いや、僕はファーラー副団長に、街の警邏のふりをしてご自宅を訪問してくれって、頼まれたんです。騎士団の門のところに、昔、騎士団に勤めていた人の妹さんが来ていて、放っておけないので、自宅へ連れて行ったけれど、様子がおかしいので心配だからって。ヘレン嬢がそれとなくこの家へ連れて行って欲しそうだったそうで」
旦那様が私たちを捨て置いて、仕事に帰ってしまったので、私は途方に暮れたのだ。
「すまないと伝えてほしいと。それと、自分が家にいると余計まずい気がするとおっしゃるのです」
私は渋い顔をした。
わからなくはない。
ヘンリーは一生懸命言い訳するように言った。
「私が騎士団に入る前の出来事ですので、よく知らないのですが、騎士団は、そのケガをした元騎士に相当に負い目を感じているらしくて、その妹の方にも強く出れないらしいんですね」
「それは聞いていますわ」
彼は真剣に金色の頭を振り立てた。
「何か企んでいる気がすると、副団長はものすごく心配されていて……」
「大丈夫ですわ。実は今日は私一人ではございませんの。姉のアマンダとその敏腕侍女が一緒に来てくれていますの」
「ファーガソン伯爵夫人ですか!」
バーティ様の声が少し大きくなった。
「ご夫君といい腕利き一家ですね」
「でも、呼んでもないのにモリス氏まできてしまったのですよ。困ったわ」
「問題のモリス氏ですよね?」
ヘンリー・バーティ様は真剣に驚いて、更に不安そうな顔になった。
「それで、ヘレン嬢は?」
「お湯に浸かって着替えてから、自分の家にでもいるようなくつろぎっぷりですわ」
わんこ系イケメン騎士は肩をすくめた。
そこまでしなくてもいいじゃないかと、言わんばかりである。
「そして、帰ってくださいませんの。ご自宅にお戻りになられたらとお薦めしたのですが」
「帰らないのは、モリス氏も一緒でしょう」
ヘンリー様は、苦々し気に吐き捨てるように言った。わんこ系のくせに意外に頼もしい。
「男性が邸内にいるというなら、私がいた方がいいでしょう。私なら、ご夫君から遣わされたと言い訳が成り立ちますし、ヘレン嬢をお送りしましょうと言って、この家から追い出せます。実際、そのためにきたわけですし」
ヘンリー・バーティもろともに、客間に戻ると、イライラした様子でモリス氏は立ち上がった。
「待っていたよ。恋人を待たせるだなんて、あなたは鉄のような心を持っているに違いない」
私の後から、部屋に入ったヘンリー・バーティ様は、モリス氏にすかさず声をかけた。
「これはこれは、モリス氏ではありませんか!」
ヘンリー・バーティ様の若々しい、しかし厳しい声が客間に響いた。
だが、近づけば顔の判別はつくらしく、彼女は余裕を持ってヘレン嬢に微笑みかけた。少々のミスなんかモノともしない。さすがだわ。
「あら。初めてお目にかかりますわね。お名前をうかがっても?」
自信たっぷりいけしゃあしゃあとディーことディアンナ嬢は尋ねた。
「ヘレン・オースティンと申します」
ヘレン嬢の方も勝手が違うらしかった。
用心しいしい答えた。
だが、そこへ計ったかのように来客があった。
前回と同じである。
「モリス様と言う方が、お約束があるとおっしゃってこちらに来られました」
慌てふためいているのはメアリ。
しまった。
来客があるときは前もって、必ず女主人から前の晩に知らせるからという注意事項を伝えるのを、また忘れていたわ。
だが、この場合、注意は注意として機能しないかもしれなかった。
と言うのはモリス氏の勢いときたら、すごいものがあったからだ。
「おおッ、いとしのシャーロット嬢よ! 約束通りきたよ。おやあ? お客様が来られていたのかね?」
堂々と入室した彼は、そう言いながら、少々不安そうな表情のヘレンを見つけると、ちょっと腑に落ちない顔をした。
「約束なんかございませんでしたわよね?」
私はとりあえず否定したが、そこへディアンナ嬢が割り込んだ。
「まあ、ヘレン嬢はモリス様とお知り合いですか?」
いかにも意外と言った声で、ディアンナ嬢が尋ねた。
モリス氏の顔が見ものだった。
ヘレンを見つけても、全く動じた様子がなかった。ちょっとは驚いてもいいと思うんだけど。むしろ、おかしいと感じたくらいだった。
それなのに、ディアンナ嬢に声をかけられた時は、正真正銘、ギクリとしていた。
こちらに背を向けて座っていたので、最初、モリス氏はディアンナに気が付かなかったらしい。
「おお? これは、ご友人とお茶会だったのですか?」
「ええ。そうですわ」
鋭いディアンナ嬢は、モリス氏の一瞬の狼狽とヘレン嬢の動揺に気づいたらしい。
私もだ。
これはおかしい。
この二人がわざわざ、この家でかちあうだなんて、もう偶然ではないだろう。
きっと、この二人の間でなにか手筈が決まっていたのだろう。
旦那様のいないこの家の中で。
私は、怖くなった。
ヘレン嬢がその押しの強さで、その場の雰囲気を支配し、二人で何かを成し遂げるつもりだったのだろう。
何を企んでいるのだろう?
「ですから、モリス氏とお約束というのは間違いだと思うんですけれど」
私もおっとりと口を挟んだ。
今の一瞬で、役割が決まった。
私はボケ、ディアンナはツッコミだ。
「お名前を伺っても? 私、シャーロットの遠縁でいとこに当たるディアンナ・ウィザスプーンと言いますの」
嘘ではない。また従姉妹だけど。
「これはウィザスプーン嬢」
モリス氏は、いささかまごつきながら答えた。
いくら彼の記憶を総動員しても、私の従姉妹にウィザスプーン嬢は見つからないと思う。社交界デビューなんかしていないからだ。
本当は姉のお付きで時々姿を見かけたことがあるはずだが、瓶底メガネの霊験はあらたかで、だれも顔を覚えていないはず。
「私はファーラー夫人のたってのお願いで、バラの庭を案内していただく約束で参ったのですよ」
モリス氏が『お友達』のディアンナに向かって説明する。
ファーラー夫人て、多分私のことですよね? でも、私、バラの庭の案内なんて初めて聞きましたわ。
そもそも当家にバラ園なんかないしね。
「まあ、素敵!」
ヘレン嬢が合いの手を打つ。
「私もお供したいですわ。今の季節、バラは花盛りですものね」
大抵の貴族の家にはバラの庭がある。少なくとも数本は植えてあると思う。
うちもバラそのものがない訳じゃないけど……
ヘレンが熱を込めて続けた。
「ですけど、恥ずかしながら、私、バラアレルギーでして。くしゃみが止まらなくなってしまいますの……」
「それはいけない。室内にいた方がいいでしょう。シャーロット夫人は私がお供するから」
モリス氏は、香水の匂いをプンと漂わせながら、身を乗り出し、ヘレン嬢に家の中に止まるよう説得をした。
「残念ですわ」
残念ではないだろう。計画通りという感じがあふれているような気がする。
うちの使用人や、塀や柵越しに近所の住人が、ファーラー夫人の浮気を見物すると言う算段かしら。
そして証人役にヘレン嬢とかじゃないわよね?
モリス氏とヘレン嬢が、妙に和気藹々と盛り上がっているところへ、今度はセバスがやってきた。
額に玉の汗をかいている。
「お客さまでございます」
「まああ、今日はまるでパーティのようね!」
これは私の発言ではない。ディアンナの叫びである。
「どなた様?」
聞かないわけにはいかない。この展開はなんなの?
「ヘンリー・バーティ様でございます。なんでも旦那様から用事を言いつかってこられたそうで」
「まあ、それでは少々失礼いたしますわ」
ディアンナを、モリス氏とヘレン嬢のところに、一人で取り残すことになるんだけど……
大丈夫かな。
どんなに厳しい雰囲気だったとしても、ディアンナなら耐えられる気がする。
「大丈夫でしたか? ファーラー夫人?」
客間が人でいっぱいなので、ヘンリーは食堂に通されていた。
彼は、私の姿を見た途端、立ち上がってテーブルを回って急いでやって来た。
「モリス氏のことですか?」
「え?」
ヘンリーは驚いた様子だった。
「モリス氏?」
そうか。うちの奇妙なお客さまたちのことは、知らないかもしれないわ。
「ええ。今、モリス氏が来ていますのよ」
ヘンリーは、またびっくりした顔になった。
「モリス氏ですか」
彼は端麗な顔に皺を寄せて言った。
「いや、僕はファーラー副団長に、街の警邏のふりをしてご自宅を訪問してくれって、頼まれたんです。騎士団の門のところに、昔、騎士団に勤めていた人の妹さんが来ていて、放っておけないので、自宅へ連れて行ったけれど、様子がおかしいので心配だからって。ヘレン嬢がそれとなくこの家へ連れて行って欲しそうだったそうで」
旦那様が私たちを捨て置いて、仕事に帰ってしまったので、私は途方に暮れたのだ。
「すまないと伝えてほしいと。それと、自分が家にいると余計まずい気がするとおっしゃるのです」
私は渋い顔をした。
わからなくはない。
ヘンリーは一生懸命言い訳するように言った。
「私が騎士団に入る前の出来事ですので、よく知らないのですが、騎士団は、そのケガをした元騎士に相当に負い目を感じているらしくて、その妹の方にも強く出れないらしいんですね」
「それは聞いていますわ」
彼は真剣に金色の頭を振り立てた。
「何か企んでいる気がすると、副団長はものすごく心配されていて……」
「大丈夫ですわ。実は今日は私一人ではございませんの。姉のアマンダとその敏腕侍女が一緒に来てくれていますの」
「ファーガソン伯爵夫人ですか!」
バーティ様の声が少し大きくなった。
「ご夫君といい腕利き一家ですね」
「でも、呼んでもないのにモリス氏まできてしまったのですよ。困ったわ」
「問題のモリス氏ですよね?」
ヘンリー・バーティ様は真剣に驚いて、更に不安そうな顔になった。
「それで、ヘレン嬢は?」
「お湯に浸かって着替えてから、自分の家にでもいるようなくつろぎっぷりですわ」
わんこ系イケメン騎士は肩をすくめた。
そこまでしなくてもいいじゃないかと、言わんばかりである。
「そして、帰ってくださいませんの。ご自宅にお戻りになられたらとお薦めしたのですが」
「帰らないのは、モリス氏も一緒でしょう」
ヘンリー様は、苦々し気に吐き捨てるように言った。わんこ系のくせに意外に頼もしい。
「男性が邸内にいるというなら、私がいた方がいいでしょう。私なら、ご夫君から遣わされたと言い訳が成り立ちますし、ヘレン嬢をお送りしましょうと言って、この家から追い出せます。実際、そのためにきたわけですし」
ヘンリー・バーティもろともに、客間に戻ると、イライラした様子でモリス氏は立ち上がった。
「待っていたよ。恋人を待たせるだなんて、あなたは鉄のような心を持っているに違いない」
私の後から、部屋に入ったヘンリー・バーティ様は、モリス氏にすかさず声をかけた。
「これはこれは、モリス氏ではありませんか!」
ヘンリー・バーティ様の若々しい、しかし厳しい声が客間に響いた。
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