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第74話 舞踏会の行方
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この回抜けていました。申し訳ございません。
教えてくださった方、どうもありがとうございます……
__________________________
「ポーシャ嬢、ダンスをお願いできませんか?」
ものすごく平板な声で申し出があり、三人の男性はサッとそちらを振り返った。
殿下だった。
殿下の目にギラツキはなかった。
彼は疲れたような表情をしていた。
「お願いします」
エネルギー切れを感じていた私は即応した。大丈夫。この殿下は抜け殻だ。
エネルギーに満ち溢れる三人の男性のお相手は、私には無理。
三人の男性が互いにけん制し合いながら、突然私に話を振って来るので、ひやひやしながら、どうやってうまく断るか口実を考えるだなんて、なかなか心臓に悪かった。しかも誰ひとり引こうとしないのだもの。
ここから逃げ出すには、殿下からのダンスのお誘いは、渡りに船。殿下からのダンスのお申し込みは断れないと決まっている。あの三人も文句は言えないだろう。
私たちはフロアへ出て行った。
毎日二時間受けた令嬢教育のおかげで、背筋はピンとしていたけれど、内心はヘロヘロだった。
「僕が送っていくから、ダンスが終わったら、この場を離れて公爵邸に帰ったらどうかな」
「そうします。男性怖い」
殿下が微妙に笑った。
「僕は女性が怖い」
なるほど。そうだよね。
「あなたと踊りたいと言ったけど、しぶとく喰い下がるどこぞの令嬢たちをかわすのに必死になってしまって」
「私は初めてお会いした三人の男性から、ダンスを迫られてしまって、困惑しました」
殿下が弱々しく微笑んだ。
「あの三人が近付くなオーラを出しまくっていて。怖くて、僕でさえ近づくのをためらってしまった」
「殿下がですか?」
殿下がうなずいた。
「関係ない人だったら救出をためらう程だったよ。でも、君が困っていることはわかったし」
ダンスが始まったので、それ以上の会話はなかった。
殿下はダンスは上手だった。それはそうだろう。最早、商売のようなものなんだろう。
私の仕事がポーション作りなら、殿下の仕事は社交。
今夜の殿下のダンスには、公爵邸で踊る練習の時とちょっとだけ違っていた。
殿下は疲れた様子だったけど、体が密接していて、目付きが何か真剣だった。なんだか恥ずかしくて見ていられなくて、目を逸らすと手をキュッと握られる。ちゃんと視線を合わせて!のダンスの基本の教育的指導の合図だとわかる。わかるけど、いつもと同じダンスなのに、何かが違う。
それでも、ダンスは楽しかった。殿下のリードで楽に踊れたし、自分の付け焼刃のダンスの技術もカバーしてもらえた。人目があるところで踊るのって、気を遣うよね。
でも、体を動かすことって、楽しいことだ。単純で。
自然と笑みになり、終わった時は「ありがとうございます、ルーカス殿下」と思わずお礼を言ってしまったくらいだ。殿下も疲れた笑顔を返してくれた。
だが、ダンスが終わると、おかしなことが起きた。
周りから、盛大な拍手が起きたのだ。
さっきから何曲もダンスの曲が流れて、大勢が踊っていたが、拍手なんて一度も起きなかった。
訳が分からなくなって、思わず殿下の顔を見たが、一瞬だけ殿下の口元がゆがんだ。
何? 何の笑い?
「さっ、皆さまにお礼をしてっ」
え? 何のお礼?
「拍手へのお礼さ」
皆様にお辞儀をすると、拍手はより一層盛大になった。ニコニコしている人が多い。ちょっと悔しそうにしている人もいた。
もう、訳が分からない。みんな、どうして拍手しているの?
殿下がちょっとこずるいような表情を浮かべて言った。
「じゃー、僕がエスコートしていくから、あなたはもう帰りなさい。でないとさっきの三人が押し掛けて来るよ。それだけじゃない。もっと大勢来ると思うな」
「そ、そうかしら?」
殿下は流れるように出口に向かって私を誘って行きながら、保証した。
「あなたは、もう少し、社交界について勉強した方がいい。今回は助けられたけど、同じ会に出席していないときは、僕だって助けようがないからね」
そう言うと、殿下は振り返りもせず会場へ戻って行ってしまった。
何か怒っているの? 殿下。
その後、学校が再開した頃には私はすっかり悩み多き乙女になっていた。
あの真夏の大舞踏会では、それまでさんざん好きだとか冗談みたいなことばっかり言っていた殿下が急に冷たくなって、もう迷惑は掛けないでくれと言わんばかりの態度だった。
確かに、あの厄介な三人組から、見事なくらいあっさりと助けてもらった。
それは助かったけど、あの時私の面倒を見るのは殿下としては、面倒くさかったのかもしれない。
「アデル嬢が撒いた例の悪獣用媚薬がばっちり効いて、アデル嬢に心を奪われてしまっていたのかも」
私は夏の大舞踏会を、早い段階で抜けてしまった。
だから、あの後、どんな展開があったのか知らない。
夏の大舞踏会は深夜まで続くと言う。
私は社交界の噂なんか、本当にどうでもよかったので一度も積極的に話に加わったことがなかったのだけど、舞踏会でのアデル嬢と殿下のその後だけは気になって、クラスが同じの子爵令嬢のグループの話に耳を傾けた。
だが、肝心のところが聞こえない。みんな、声をひそめて話しているから。
「もう決まったも同然ね」
「夏の大舞踏会よね?」
「リーマン侯爵令嬢が、群がる令嬢たちを追い払って……」
「毒だって言ったそうじゃないの! 本当は媚薬だったって」
「氷の殿下が途中から笑顔に豹変したって、姉が言ってましたわ」
「すごいわー。あの氷を解かす人がいるなんて。舞踏会の後半は、ずっと満足そうにニコニコしていたそうじゃない」
私と一緒の時、殿下はニコニコなんてしてない。微妙に疲れた微笑みを浮かべて、義務的にダンスを踊っただけだ。
王宮の公式行事で、たまににっこりしているところを見かけるだけで、それ以外は、部屋でぐんなりしていたり、一緒に毒ポーションを仕掛けて歩いたり、呼ばれてもいないのに、私の部屋でだらだら朝食を食べていたり、そんな所しか知らない。
私は黙って、教科書と文房具をしまった。
そして教室を出て行った。
私は、ポーションは作れるけれど、本当にそれだけ。
それから、今は美人だけれど、だから何って感じだし。
社交界に詳しくなれと殿下は言っていた。でないと、いかにもモテそうなイケメンに引っかかるって。
大きなお世話ではない。親切だ。
まあ、あの人たち、浮気しそうだしな。
あれは最後の親切……いや、殿下はいつも親切だった。おばあさまと言うご縁があったからなんだとようやく気が回った。
ファーストダンスをあの三人のうちの誰かとと踊るのは、やっぱり具合が悪かった。
殿下は、その意味では本当に好適な人材だった。
ああいう会に出た以上、誰かと踊らないわけにはいかないし、遠縁の男性と言うのは、こういった儀礼的なダンスにはもってこいだ。
色々冷たく当たって、申し訳なかったな。
「アランソン様!」
急に元気な声がして、振り返ったら、バスター君だった。
「あ、どうかしたのですか?」
バスター君が私の顔を見て、なんだかあわてたように言った。
「ううん。何もないよ。バスター君、何か用?」
「あ、いえ。特に急ぎと言うわけでは。ハウエル商会に卸しているポーションのことで。例の毒肉ポーションの件で父がお話を決めさせていただけませんかと」
そう言えば、ハウエル商会は毒肉ポーションを手掛けたいと言っていたっけ。
殿下が契約書を見せろと言っていたが、バスター君が家令を務めるようになってから、私はそんなことは忘れていた。バスター君は忠実に私の利益を守ってくれていた。
それに、ハウエル商会はだんだん私の代理店みたいになってきた。
「アランソン公爵のポーションは、すばらしいものです」
いつだったか真顔でハウエル商会の会長が言って来た。
「世の中を変えていくほどのものです」
ハゲ治療薬なんかは、現在のところ、ハウエル商会の専売特許になっている。確かに喜ばれるし高値で売れる。これで相当儲けているはずだ。
他のポーション店に絶対にとられたくないだろうと思う。
けど、私が売りたいのは、毒肉ポーションの方だった。
毒肉ポーションを辺境の町や村に安く卸したいのだ。
それが出来れば、悪獣が出たと言って騒ぎになることは格段に減るだろう。貧しい村でも、魔術師を呼ばなくても対抗できることになる。被害者も減るだろう。
私は思いに沈んだ。
私は、自分に出来ることをする。
「バスター君、私、毒肉ポーションの値段は安く売りたいの。田舎の村でも買えて、悪獣の被害を受けないで済むようにしたいの」
教えてくださった方、どうもありがとうございます……
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「ポーシャ嬢、ダンスをお願いできませんか?」
ものすごく平板な声で申し出があり、三人の男性はサッとそちらを振り返った。
殿下だった。
殿下の目にギラツキはなかった。
彼は疲れたような表情をしていた。
「お願いします」
エネルギー切れを感じていた私は即応した。大丈夫。この殿下は抜け殻だ。
エネルギーに満ち溢れる三人の男性のお相手は、私には無理。
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ここから逃げ出すには、殿下からのダンスのお誘いは、渡りに船。殿下からのダンスのお申し込みは断れないと決まっている。あの三人も文句は言えないだろう。
私たちはフロアへ出て行った。
毎日二時間受けた令嬢教育のおかげで、背筋はピンとしていたけれど、内心はヘロヘロだった。
「僕が送っていくから、ダンスが終わったら、この場を離れて公爵邸に帰ったらどうかな」
「そうします。男性怖い」
殿下が微妙に笑った。
「僕は女性が怖い」
なるほど。そうだよね。
「あなたと踊りたいと言ったけど、しぶとく喰い下がるどこぞの令嬢たちをかわすのに必死になってしまって」
「私は初めてお会いした三人の男性から、ダンスを迫られてしまって、困惑しました」
殿下が弱々しく微笑んだ。
「あの三人が近付くなオーラを出しまくっていて。怖くて、僕でさえ近づくのをためらってしまった」
「殿下がですか?」
殿下がうなずいた。
「関係ない人だったら救出をためらう程だったよ。でも、君が困っていることはわかったし」
ダンスが始まったので、それ以上の会話はなかった。
殿下はダンスは上手だった。それはそうだろう。最早、商売のようなものなんだろう。
私の仕事がポーション作りなら、殿下の仕事は社交。
今夜の殿下のダンスには、公爵邸で踊る練習の時とちょっとだけ違っていた。
殿下は疲れた様子だったけど、体が密接していて、目付きが何か真剣だった。なんだか恥ずかしくて見ていられなくて、目を逸らすと手をキュッと握られる。ちゃんと視線を合わせて!のダンスの基本の教育的指導の合図だとわかる。わかるけど、いつもと同じダンスなのに、何かが違う。
それでも、ダンスは楽しかった。殿下のリードで楽に踊れたし、自分の付け焼刃のダンスの技術もカバーしてもらえた。人目があるところで踊るのって、気を遣うよね。
でも、体を動かすことって、楽しいことだ。単純で。
自然と笑みになり、終わった時は「ありがとうございます、ルーカス殿下」と思わずお礼を言ってしまったくらいだ。殿下も疲れた笑顔を返してくれた。
だが、ダンスが終わると、おかしなことが起きた。
周りから、盛大な拍手が起きたのだ。
さっきから何曲もダンスの曲が流れて、大勢が踊っていたが、拍手なんて一度も起きなかった。
訳が分からなくなって、思わず殿下の顔を見たが、一瞬だけ殿下の口元がゆがんだ。
何? 何の笑い?
「さっ、皆さまにお礼をしてっ」
え? 何のお礼?
「拍手へのお礼さ」
皆様にお辞儀をすると、拍手はより一層盛大になった。ニコニコしている人が多い。ちょっと悔しそうにしている人もいた。
もう、訳が分からない。みんな、どうして拍手しているの?
殿下がちょっとこずるいような表情を浮かべて言った。
「じゃー、僕がエスコートしていくから、あなたはもう帰りなさい。でないとさっきの三人が押し掛けて来るよ。それだけじゃない。もっと大勢来ると思うな」
「そ、そうかしら?」
殿下は流れるように出口に向かって私を誘って行きながら、保証した。
「あなたは、もう少し、社交界について勉強した方がいい。今回は助けられたけど、同じ会に出席していないときは、僕だって助けようがないからね」
そう言うと、殿下は振り返りもせず会場へ戻って行ってしまった。
何か怒っているの? 殿下。
その後、学校が再開した頃には私はすっかり悩み多き乙女になっていた。
あの真夏の大舞踏会では、それまでさんざん好きだとか冗談みたいなことばっかり言っていた殿下が急に冷たくなって、もう迷惑は掛けないでくれと言わんばかりの態度だった。
確かに、あの厄介な三人組から、見事なくらいあっさりと助けてもらった。
それは助かったけど、あの時私の面倒を見るのは殿下としては、面倒くさかったのかもしれない。
「アデル嬢が撒いた例の悪獣用媚薬がばっちり効いて、アデル嬢に心を奪われてしまっていたのかも」
私は夏の大舞踏会を、早い段階で抜けてしまった。
だから、あの後、どんな展開があったのか知らない。
夏の大舞踏会は深夜まで続くと言う。
私は社交界の噂なんか、本当にどうでもよかったので一度も積極的に話に加わったことがなかったのだけど、舞踏会でのアデル嬢と殿下のその後だけは気になって、クラスが同じの子爵令嬢のグループの話に耳を傾けた。
だが、肝心のところが聞こえない。みんな、声をひそめて話しているから。
「もう決まったも同然ね」
「夏の大舞踏会よね?」
「リーマン侯爵令嬢が、群がる令嬢たちを追い払って……」
「毒だって言ったそうじゃないの! 本当は媚薬だったって」
「氷の殿下が途中から笑顔に豹変したって、姉が言ってましたわ」
「すごいわー。あの氷を解かす人がいるなんて。舞踏会の後半は、ずっと満足そうにニコニコしていたそうじゃない」
私と一緒の時、殿下はニコニコなんてしてない。微妙に疲れた微笑みを浮かべて、義務的にダンスを踊っただけだ。
王宮の公式行事で、たまににっこりしているところを見かけるだけで、それ以外は、部屋でぐんなりしていたり、一緒に毒ポーションを仕掛けて歩いたり、呼ばれてもいないのに、私の部屋でだらだら朝食を食べていたり、そんな所しか知らない。
私は黙って、教科書と文房具をしまった。
そして教室を出て行った。
私は、ポーションは作れるけれど、本当にそれだけ。
それから、今は美人だけれど、だから何って感じだし。
社交界に詳しくなれと殿下は言っていた。でないと、いかにもモテそうなイケメンに引っかかるって。
大きなお世話ではない。親切だ。
まあ、あの人たち、浮気しそうだしな。
あれは最後の親切……いや、殿下はいつも親切だった。おばあさまと言うご縁があったからなんだとようやく気が回った。
ファーストダンスをあの三人のうちの誰かとと踊るのは、やっぱり具合が悪かった。
殿下は、その意味では本当に好適な人材だった。
ああいう会に出た以上、誰かと踊らないわけにはいかないし、遠縁の男性と言うのは、こういった儀礼的なダンスにはもってこいだ。
色々冷たく当たって、申し訳なかったな。
「アランソン様!」
急に元気な声がして、振り返ったら、バスター君だった。
「あ、どうかしたのですか?」
バスター君が私の顔を見て、なんだかあわてたように言った。
「ううん。何もないよ。バスター君、何か用?」
「あ、いえ。特に急ぎと言うわけでは。ハウエル商会に卸しているポーションのことで。例の毒肉ポーションの件で父がお話を決めさせていただけませんかと」
そう言えば、ハウエル商会は毒肉ポーションを手掛けたいと言っていたっけ。
殿下が契約書を見せろと言っていたが、バスター君が家令を務めるようになってから、私はそんなことは忘れていた。バスター君は忠実に私の利益を守ってくれていた。
それに、ハウエル商会はだんだん私の代理店みたいになってきた。
「アランソン公爵のポーションは、すばらしいものです」
いつだったか真顔でハウエル商会の会長が言って来た。
「世の中を変えていくほどのものです」
ハゲ治療薬なんかは、現在のところ、ハウエル商会の専売特許になっている。確かに喜ばれるし高値で売れる。これで相当儲けているはずだ。
他のポーション店に絶対にとられたくないだろうと思う。
けど、私が売りたいのは、毒肉ポーションの方だった。
毒肉ポーションを辺境の町や村に安く卸したいのだ。
それが出来れば、悪獣が出たと言って騒ぎになることは格段に減るだろう。貧しい村でも、魔術師を呼ばなくても対抗できることになる。被害者も減るだろう。
私は思いに沈んだ。
私は、自分に出来ることをする。
「バスター君、私、毒肉ポーションの値段は安く売りたいの。田舎の村でも買えて、悪獣の被害を受けないで済むようにしたいの」
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