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第27話 覚醒め
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殿下は私を見つめ続けた。
彼は目をキラキラさせて、口元が少し微笑んでいた。
「ポーシャ。とうとう目醒めの時が来たね」
だが、周りは凍り付いていた。
薄い花びらのようなものが、ハラハラと私の体から食堂の床に落ちて散らばり、一瞬だけ光を放つと消えていった。
すぐそばにいた者たちは、顔をこわばらせていた。
目の前に見る奇跡。
奇跡?
「僕の最愛だ」
そう言ってから、殿下は、なんだか誇らしげに、挑戦するようにアランソン公爵姉妹を見つめた。
アランソン公爵令嬢のベアトリス嬢は、床に散らばった光を放つカケラを見て言った。
「フケですか? これは?」
「保護膜のカケラですね。ついに覚醒したのです」
いつの間にかやって来ていたセス様がおっしゃった。
誰かが知らせに行ったのだろうか。それとも覚醒めの時が近いとわかっていたので、近くに来てくれていたのだろうか。
「こんな平民の娘の覚醒?」
眉の間のしわを深くしながら、ベアトリス様が尋ねた。
「魔力でもついたと言うの? 突然?」
「そうですね。これまで、保護膜に相当魔力を食われていましたから、これがなくなったと言うことは、使える魔力がグンと増えたと思います」
セス様が含み笑いをしながら、ベアトリスとカザリンの姉妹に答えた。
アランソン姉妹だけが、その場にいたのではない。
ここは食堂。他にも大勢の生徒がいた。
私は姉妹以外からの視線に気がついて、つい下を向いてしまった。
今の私は、多分、以前に殿下が示した鏡の中の姿をしているのだろう。
細く繊細な美しい人。
まわりは、姿が変わったから、驚いてるだけではないみたい。
聞きたくなくても、そばからそばから、小さな驚きの声が聞こえてくる。
「これは……上品で美しい」
「これぞ貴族の令嬢だ。なんと可憐な……」
「なんとも形容し難いな。つつしまやかで、守ってさしあげたい……」
どこの殿下のセリフですか。守ってなんかいらないんですけど。
ど、どうしたものか。……中身は全然変わっていないのに。いや、本当に。
「ポーシャ」
殿下が呼びかけた。
「僕が今、君を愛していると言ったところで、誰も非難する者はいない」
今度こそ、アランソン姉妹がキッと柳眉を逆立てた。
「婚約者を差し置いて。不実ですわ」
「違うよ」
殿下は答えた。
「見てわからないかい? 君の父上ならすぐわかるだろう。彼女が亡くなられたマーシャ・アランソン公爵夫人に瓜二つだということに」
「え?」
彼女達は虚を衝かれたようだった。
「彼女こそ、八年前、流行病で亡くなったアランソン公爵夫妻の忘れ形見さ」
彼女達は私の顔を、蔑むように見つめた。
「これは何の整形魔法なの?」
「整形なんかじゃない。強いて言えば、今までの姿が仮の姿だったのだ」
殿下が強い調子で、アランソン姉妹に言い返した。
「その昔、僕はアランソン公爵令嬢と婚約した。それがこのポーシャだ。あなた方のことではない」
「でも、一体どこにそんな証拠があるというのですか?」
姉のそばに控えていたカザリン嬢が殿下に尋ねた。
「外見がアランソン家の誰かに似ていると言われても、似ている人間なんか大勢いると思いますわ。ポーシャとやら、あなたと違って、私たちはれっきとしたアランソン家の者です。アランソン家を名乗る偽者とわかれば容赦はありませんよ」
「あなた方は、八年前まではスターリン男爵令嬢と名乗っていましたよね」
突然、セス様が言った。
「確かに、三、四代前にアランソン家とご縁はあったようですが、宗家を名乗るのは問題があるのではありませんか」
二人の令嬢は、目を光らせるとジロリとセス様をにらみつけた。
これは言ってはならない情報だったのかもしれない。食堂には生徒がたくさんいた。みんな、スターリン男爵令嬢なんて言う名前は初めて聞いたのではないか。
「では、そのフケ娘が、アランソン家と一体何の関係があるのか、証明できるとでもいうの?」
証明?
証明って私がするのよね? どうやってしたらいいのかしら。
全然考えていなかった。
殿下も引かないし、自称アランソン家はもっと引かないだろう。元が男爵家なら、公爵家とは、雲泥の差。
今まで、贅沢三昧してきたなら、絶対手放したくないだろう。
「おかわいそうな殿下。そのような下賤な者に騙されてはなりません。この件は父が預かると思いますわ」
姉のベアトリス嬢よりひとまわり小さなカザリン嬢が言い出した。
もしかして妹のカザリン嬢の方が、頭脳派なの?
カザリン嬢、多分、私と同じくらいの歳だと思うけど。
「さあ、ポーシャ嬢、こちらへ。私どもの屋敷へ一度いらっしゃい。あなたの言い分も一度聞きましょう」
私は、カザリン嬢のにっこり笑った顔に恐怖を覚えた。
これ、行っちゃダメなヤツだ。
多分、私、連れてかれたら、そのまま殺されちゃうんじゃ。
「このような下賤な平民がアランソン公爵家に迎え入れられるなんて、名誉なことです。さあ、いらっしゃい」
「下賤な平民とはずいぶんな言いようだな。平民が全員、下賤ではあるまい」
「それが……殿下はご存じないでしょうけれど、この者は殿下の前だけは、せいぜい上品に見せかけているのかもしれませんが……」
そう言うとカザリン嬢は、周りに集まっていた者のうちの一人を手招きした。
私はびっくりした。それは、例のポーションの先生だった。青い顔をしていた。
「とても残念ですわ。でも、真実はこの通りですのよ。さあ、先生、授業中の態度を殿下にお伝えして」
「ええ。授業中、いつも私語をしています。態度は下品で見ていられません。話の内容も男の話ばかりで。本当に残念な娘です」
次は、アンナさんがしゃしゃり出てきた。
「お許しを得まして……私はポーシャさんの寮の管理をしております者で、アンナと申します。ポーシャさんの寮での普段の様子をよく存じています」
殿下がピクリと動いた。
「この女は、とても人使いの荒い下品な女です。私は朝から晩まで散々こき使われました。口の利き方もなっていないし、くちゃくちゃ音を立てて食事をしている様子を見ると、身の毛がよだちます。朝食は寮の食堂から、運べと言うのですよ。毎朝、毎朝、大変でした」
ベアトリス嬢が得たりとばかりに頷いた。
「平民のくせに自室で朝食だなんて、なんてわがままな。身の程知らず。ほかには?」
次は、見たことのない食堂勤務だという赤ら顔の太った男が出てきた。
「アンナさんの言う通りです。特に言葉遣いですね、恐れながら殿下はこの者と親しくお話などされたことがないと聞いています。貴族に対する言葉遣いがなっていません。無知で厚かましく聞くに耐えない話し方です。ひどい環境で育ったのだと思います。親の顔が見たいですよ、全く」
確かに! だんだん殿下には敬語を使わなくなってしまった。
会ったことないけど、よく知ってるな! この人。
「他には?」
この後、数人が私の悪口、主に態度が下品だとか、口の利き方が下流階級独特だとか意見を述べた。
「殿下、申し上げにくいことながら、騙されていらっしゃるのですわ」
「殿下は慈悲深くおやさしいから」
ベアトリス嬢がそう言い、次にカザリン嬢が、いかにも上品に、物憂げに、ため息をついた。
「それで全部かな?」
最後に殿下は、後ろを振り返った。
その頃にはもう、殿下付きらしい騎士たちが何人か集まってきていた。
「記録は取ったな?」
一人がうなずき、殿下は私の悪口を言った連中を見回した。
「諸君の意見はとても参考になったよ」
全員が妙な具合に黙った。
殿下はゆっくりと、その場に集まった食堂の使用人や生徒たちに向かって、言った。
「言った言葉には責任を取らねばならない。誰がアランソン公爵令嬢なのか、はっきりとした証拠はある」
私は殿下が氷の殿下と言われてたことを思い出した。
私に接する時は、いつでも殿下は変なので、完全に事実と違う評価だと気に留めたこともなかったのだけど、今日の殿下の視線の冷たさには、なんだかヒヤリとした。
憎しみがあるわけでもない、落ち着き払った普通の話し方だったが、相手のことはまるで切って捨てたかのような、死体に向かってしゃべっているかのような言い方だった。
たぶん、彼らもそれは感じ取ったらしい。
彼らは殿下におもねるつもりだったのだと思う。
殿下だって、大勢が口をそろえて同じ内容をしゃべればそうかなと思うだろうし、何より絶大な勢力を誇るアランソン公爵家の庇護を得られると。
だが、真っ青になったアランソン公爵令嬢姉妹の様子や、取り付く島もないような殿下の様子は想像と違っていた。
「では、行こう」
「ど、どこへ? 殿下」
カザリン嬢が叫んだ。
「王宮だ」
「では、私どもはポーシャ嬢を公爵家へお連れします」
カザリン嬢が素早く合図すると、公爵家の者らしい男が私に近づいたが、サッと殿下の騎士が割り込んだ。
「何をなさるおつもりですか」
悲鳴っぽく聞こえるカザリン嬢の声が響く。
周りに人が増えてゆく。
公爵家の者もいたが、殿下の騎士の数の方がずっと多かった。
そして、騎士たちのおかげで、私は殿下の馬車に、ベアトリス嬢とカザリン嬢は別の馬車に、あっという間に詰め込まれ、走り出した。
彼は目をキラキラさせて、口元が少し微笑んでいた。
「ポーシャ。とうとう目醒めの時が来たね」
だが、周りは凍り付いていた。
薄い花びらのようなものが、ハラハラと私の体から食堂の床に落ちて散らばり、一瞬だけ光を放つと消えていった。
すぐそばにいた者たちは、顔をこわばらせていた。
目の前に見る奇跡。
奇跡?
「僕の最愛だ」
そう言ってから、殿下は、なんだか誇らしげに、挑戦するようにアランソン公爵姉妹を見つめた。
アランソン公爵令嬢のベアトリス嬢は、床に散らばった光を放つカケラを見て言った。
「フケですか? これは?」
「保護膜のカケラですね。ついに覚醒したのです」
いつの間にかやって来ていたセス様がおっしゃった。
誰かが知らせに行ったのだろうか。それとも覚醒めの時が近いとわかっていたので、近くに来てくれていたのだろうか。
「こんな平民の娘の覚醒?」
眉の間のしわを深くしながら、ベアトリス様が尋ねた。
「魔力でもついたと言うの? 突然?」
「そうですね。これまで、保護膜に相当魔力を食われていましたから、これがなくなったと言うことは、使える魔力がグンと増えたと思います」
セス様が含み笑いをしながら、ベアトリスとカザリンの姉妹に答えた。
アランソン姉妹だけが、その場にいたのではない。
ここは食堂。他にも大勢の生徒がいた。
私は姉妹以外からの視線に気がついて、つい下を向いてしまった。
今の私は、多分、以前に殿下が示した鏡の中の姿をしているのだろう。
細く繊細な美しい人。
まわりは、姿が変わったから、驚いてるだけではないみたい。
聞きたくなくても、そばからそばから、小さな驚きの声が聞こえてくる。
「これは……上品で美しい」
「これぞ貴族の令嬢だ。なんと可憐な……」
「なんとも形容し難いな。つつしまやかで、守ってさしあげたい……」
どこの殿下のセリフですか。守ってなんかいらないんですけど。
ど、どうしたものか。……中身は全然変わっていないのに。いや、本当に。
「ポーシャ」
殿下が呼びかけた。
「僕が今、君を愛していると言ったところで、誰も非難する者はいない」
今度こそ、アランソン姉妹がキッと柳眉を逆立てた。
「婚約者を差し置いて。不実ですわ」
「違うよ」
殿下は答えた。
「見てわからないかい? 君の父上ならすぐわかるだろう。彼女が亡くなられたマーシャ・アランソン公爵夫人に瓜二つだということに」
「え?」
彼女達は虚を衝かれたようだった。
「彼女こそ、八年前、流行病で亡くなったアランソン公爵夫妻の忘れ形見さ」
彼女達は私の顔を、蔑むように見つめた。
「これは何の整形魔法なの?」
「整形なんかじゃない。強いて言えば、今までの姿が仮の姿だったのだ」
殿下が強い調子で、アランソン姉妹に言い返した。
「その昔、僕はアランソン公爵令嬢と婚約した。それがこのポーシャだ。あなた方のことではない」
「でも、一体どこにそんな証拠があるというのですか?」
姉のそばに控えていたカザリン嬢が殿下に尋ねた。
「外見がアランソン家の誰かに似ていると言われても、似ている人間なんか大勢いると思いますわ。ポーシャとやら、あなたと違って、私たちはれっきとしたアランソン家の者です。アランソン家を名乗る偽者とわかれば容赦はありませんよ」
「あなた方は、八年前まではスターリン男爵令嬢と名乗っていましたよね」
突然、セス様が言った。
「確かに、三、四代前にアランソン家とご縁はあったようですが、宗家を名乗るのは問題があるのではありませんか」
二人の令嬢は、目を光らせるとジロリとセス様をにらみつけた。
これは言ってはならない情報だったのかもしれない。食堂には生徒がたくさんいた。みんな、スターリン男爵令嬢なんて言う名前は初めて聞いたのではないか。
「では、そのフケ娘が、アランソン家と一体何の関係があるのか、証明できるとでもいうの?」
証明?
証明って私がするのよね? どうやってしたらいいのかしら。
全然考えていなかった。
殿下も引かないし、自称アランソン家はもっと引かないだろう。元が男爵家なら、公爵家とは、雲泥の差。
今まで、贅沢三昧してきたなら、絶対手放したくないだろう。
「おかわいそうな殿下。そのような下賤な者に騙されてはなりません。この件は父が預かると思いますわ」
姉のベアトリス嬢よりひとまわり小さなカザリン嬢が言い出した。
もしかして妹のカザリン嬢の方が、頭脳派なの?
カザリン嬢、多分、私と同じくらいの歳だと思うけど。
「さあ、ポーシャ嬢、こちらへ。私どもの屋敷へ一度いらっしゃい。あなたの言い分も一度聞きましょう」
私は、カザリン嬢のにっこり笑った顔に恐怖を覚えた。
これ、行っちゃダメなヤツだ。
多分、私、連れてかれたら、そのまま殺されちゃうんじゃ。
「このような下賤な平民がアランソン公爵家に迎え入れられるなんて、名誉なことです。さあ、いらっしゃい」
「下賤な平民とはずいぶんな言いようだな。平民が全員、下賤ではあるまい」
「それが……殿下はご存じないでしょうけれど、この者は殿下の前だけは、せいぜい上品に見せかけているのかもしれませんが……」
そう言うとカザリン嬢は、周りに集まっていた者のうちの一人を手招きした。
私はびっくりした。それは、例のポーションの先生だった。青い顔をしていた。
「とても残念ですわ。でも、真実はこの通りですのよ。さあ、先生、授業中の態度を殿下にお伝えして」
「ええ。授業中、いつも私語をしています。態度は下品で見ていられません。話の内容も男の話ばかりで。本当に残念な娘です」
次は、アンナさんがしゃしゃり出てきた。
「お許しを得まして……私はポーシャさんの寮の管理をしております者で、アンナと申します。ポーシャさんの寮での普段の様子をよく存じています」
殿下がピクリと動いた。
「この女は、とても人使いの荒い下品な女です。私は朝から晩まで散々こき使われました。口の利き方もなっていないし、くちゃくちゃ音を立てて食事をしている様子を見ると、身の毛がよだちます。朝食は寮の食堂から、運べと言うのですよ。毎朝、毎朝、大変でした」
ベアトリス嬢が得たりとばかりに頷いた。
「平民のくせに自室で朝食だなんて、なんてわがままな。身の程知らず。ほかには?」
次は、見たことのない食堂勤務だという赤ら顔の太った男が出てきた。
「アンナさんの言う通りです。特に言葉遣いですね、恐れながら殿下はこの者と親しくお話などされたことがないと聞いています。貴族に対する言葉遣いがなっていません。無知で厚かましく聞くに耐えない話し方です。ひどい環境で育ったのだと思います。親の顔が見たいですよ、全く」
確かに! だんだん殿下には敬語を使わなくなってしまった。
会ったことないけど、よく知ってるな! この人。
「他には?」
この後、数人が私の悪口、主に態度が下品だとか、口の利き方が下流階級独特だとか意見を述べた。
「殿下、申し上げにくいことながら、騙されていらっしゃるのですわ」
「殿下は慈悲深くおやさしいから」
ベアトリス嬢がそう言い、次にカザリン嬢が、いかにも上品に、物憂げに、ため息をついた。
「それで全部かな?」
最後に殿下は、後ろを振り返った。
その頃にはもう、殿下付きらしい騎士たちが何人か集まってきていた。
「記録は取ったな?」
一人がうなずき、殿下は私の悪口を言った連中を見回した。
「諸君の意見はとても参考になったよ」
全員が妙な具合に黙った。
殿下はゆっくりと、その場に集まった食堂の使用人や生徒たちに向かって、言った。
「言った言葉には責任を取らねばならない。誰がアランソン公爵令嬢なのか、はっきりとした証拠はある」
私は殿下が氷の殿下と言われてたことを思い出した。
私に接する時は、いつでも殿下は変なので、完全に事実と違う評価だと気に留めたこともなかったのだけど、今日の殿下の視線の冷たさには、なんだかヒヤリとした。
憎しみがあるわけでもない、落ち着き払った普通の話し方だったが、相手のことはまるで切って捨てたかのような、死体に向かってしゃべっているかのような言い方だった。
たぶん、彼らもそれは感じ取ったらしい。
彼らは殿下におもねるつもりだったのだと思う。
殿下だって、大勢が口をそろえて同じ内容をしゃべればそうかなと思うだろうし、何より絶大な勢力を誇るアランソン公爵家の庇護を得られると。
だが、真っ青になったアランソン公爵令嬢姉妹の様子や、取り付く島もないような殿下の様子は想像と違っていた。
「では、行こう」
「ど、どこへ? 殿下」
カザリン嬢が叫んだ。
「王宮だ」
「では、私どもはポーシャ嬢を公爵家へお連れします」
カザリン嬢が素早く合図すると、公爵家の者らしい男が私に近づいたが、サッと殿下の騎士が割り込んだ。
「何をなさるおつもりですか」
悲鳴っぽく聞こえるカザリン嬢の声が響く。
周りに人が増えてゆく。
公爵家の者もいたが、殿下の騎士の数の方がずっと多かった。
そして、騎士たちのおかげで、私は殿下の馬車に、ベアトリス嬢とカザリン嬢は別の馬車に、あっという間に詰め込まれ、走り出した。
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