見切り教育

ラッキーセヴァン

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終わらせない

出陣

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9月5日 午前12時10分

私と原はメイド喫茶を離れ、いよいよ国会へ向かう事になった。

「原さん、あなたなら大丈夫だと思うけれど・・・もう心配で心配で眠れやしなかったよ。あと女子高生の君も!」

「ご心配どうも・・・。」

「まあ心配すんなって!サクッと終わらせてサクッと帰ってくるから!

国会、今どんな様子?」

「あっ・・・はい、ただいま!」

原に目的地の状況を聞かれユリさんはアセアセと自分のタブレットでネットのニュースのページを開いた。

「今・・・こんな状況です。」

「・・・うわっ。こりゃ酷い。」

私はニュースを見て絶句した。これからそこに向かう私達の目の前で支配人がこう呟くのは無理も無い。

ページ内の国会前の中継動画を見てみると、奇抜に髪を染めた中高生達が敷地の外を取り囲んで怒号を上げている様子が映し出されていた。

『見切り教育反対!!見切り教育反対!!国民の為!!国の為!!』

ヤンキーじみた彼らの見た目には似合わず、口からは明治後期から昭和初期の様な言葉がぽんぽんと出てきていた。気色悪い。

「い・・・行かなきゃ。」

どうしよう。震えが止まらない。

「大丈夫だって!俺達ならやれるだろ?」

あ・・・。

『大丈夫だって!』

これもあと何回聞けるのだろうか。私はしっかりと胸に刻み付けた。そして、

「分かったよ。行こう!」

「じゃ、行くか!!

支配人、百合、世話んなりました!」

「はい、どうかお気をつけて!」

「二人共、頑張って下さい。どうかお怪我をなさらずにでは、私も・・・

今日の接客がんばりまーちゅ!」

ユリさんの戯けた様子を見て、私と原は少しだけ和む事が出来た。

「へへっ、じゃあ行ってきます!!」

「お世話になりました!!」

そして私と原はいよいよ国会に向けて出発した。

「「「いってらっしゃいませ!!ご主人様!!」」」

ふと後ろを振り向くと、メイド喫茶の一同がしっかりと頭を下げていた。

いよいよこれで最後だな。いや、ここからが始まりなのかもしれない。どうなるかは分からないけれど、しっかりとやり遂げてみせる。




「・・・お父さん。私、今とっても幸せです。」

「・・・へへへっ、なら良かった!!」




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