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最終章 永遠
86文月 共に見る空の果て③
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「柊、じゃぁ……もう少しだけ、子宮の手前まで、ねぇそれならいいだろぉ」
「美月……」
懇願する可愛い恋人の上目遣いを我慢できる男が、この世界の一体どこにいるというのだろう。
「泣いても知らねぇぞ」
「柊、エッチの時、口悪いんだね」
「うっせぇ。黙って脚開いてろ」
威嚇したアルファのフェロモンに、紫苑の穴が反応し、どろどろに流れ出すアヌスの粘液に、えげつないほどの大きなペニスは、ニチャニチャと音をさせながら埋まっていった。
普通なら裂けてしまうのではという程の質量だったが、ヒートのオメガの穴はそれをどんどん飲み込み、離さないほどに吸い付いた。それこそがオメガであったし、紫苑の言うような出来損ないのオメガなんかそこには居なかった。
涎と涙でぐちょぐちょの紫苑の顔は、いやらしいほどに神々しく、神無月は自身を世界で一番幸せな男だと思っていた。
「ん、んん、んぁ――もう逝きたくない」
掠れるほどに叫び続ける紫苑の喉が、擦られるアヌスに反応するように、幾度となく上下に痙攣した。
神無月のペニスは休むことを知らず、かわいい恋人の穴の中を擦り続けた。紫苑のペニスからは何度も白濁としたものが飛び出し、半分意識をもっていかれそうになりながら、懸命に腰を振り続けた。
「無意識に腰振るとか、すっげぇエロくて可愛いよ。ほら、もっと逝って」
煽るだけ煽り、飛びそうになる紫苑を覚醒させながら、尻の穴の中に精子を注ぎ込んだ。
入りきらない精液が、ペニスの隙間から漏れ、部屋中に神無月の臭いが充満し、それに反応するようにヒートの香りは強くなっていった。
「すげぇ精液くせぇのに、お前のフェロモンのがもっと強烈な匂いだよ」
「すげぇ甘い。百合って言ったっけ?……この匂い嗅いだだけでいっちまいそう……」
「……」
「おい美月」
「……」
「飛んだのかよ」
意識のとんだ紫苑のアヌスを擦りながら、休憩する様にサイドチェストに手をかけた。
意識のない恋人に舌を絡めるようにキスをし、口から引いた糸が、神無月の口から紫苑の腹に滴った。
おいしそうな獲物を見つけた獣のように、上唇をべろりと舐めた。
「起こしてやるよ」
ペニスをつかむと、尿道口にカテーテルをあてがい、そのまま一気にぶすぶすと差し込んだ。
ビクンと体が反応し、大きく目が見開かれた。
「んはぁ」
まだペニスの先端から20㎝は出ている細めのそれを見て、紫苑は手を伸ばした。
「おっと、なにするの?」
「痛い、痛い、抜いて」
「お願いしなきゃ駄目だろう」
言葉の冷たさとは裏腹に、優しく見下ろす神無月の顔に安心したように、抜いてください……と紫苑は小さな声で言った。
「そんな安心した顔をされると、心が痛むんだが」
片手で紫苑のペニスをむんずと掴み「聞こえない」と呟くと、そのまま直径3ミリほどの細い管を全て差し込んだ。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
部屋に反響する絶叫に、神無月は、「まるで最高のクラシックのBGMの様だ」とうっとりしながら紫苑を見下ろした。
「柊……」
「俺の愛し方だけ……感じて。俺のオメガだ、俺だけの。痛みも快感も、白城さんがお前に与えた全てを、俺は上書きしたい。二度と二度と誰にもやらない。あの人が触っただろう所全て、俺のペニスで指で唇で、俺の全てで、お願い。愛しているんだ……美月」
耳元で繰り返し囁く、懺悔のような神無月の言葉に、紫苑は黙って頭を撫でた。
「ごめん、ごめん美月」
顔の横にベッドに手をつくように伸びていた神無月の腕には、自分で嚙んだであろう無数の歯形が鮮血の薔薇の様に散らばっていた。
「大丈夫、柊の好きにして。貴方のすることなら、僕は何でも受け入れる事が出来るから」
血の滲む歯型に優しくキスをし、そう言った紫苑の指は、自身のプロテクターをカチリと外した。
「嚙んで――」
露わになった首筋に、紫苑の口から紡がれた三文字……。
「み……つ……」
神無月の目からは大粒の涙がとめどなく溢れ、呼吸さえ詰まるような緊張と興奮に、ただひたすら空唾を飲み、歯を立て、そしてゆっくりと項に歯を埋めた。
「俺のオメガ……」
次回 最終話 エピローグ
「美月……」
懇願する可愛い恋人の上目遣いを我慢できる男が、この世界の一体どこにいるというのだろう。
「泣いても知らねぇぞ」
「柊、エッチの時、口悪いんだね」
「うっせぇ。黙って脚開いてろ」
威嚇したアルファのフェロモンに、紫苑の穴が反応し、どろどろに流れ出すアヌスの粘液に、えげつないほどの大きなペニスは、ニチャニチャと音をさせながら埋まっていった。
普通なら裂けてしまうのではという程の質量だったが、ヒートのオメガの穴はそれをどんどん飲み込み、離さないほどに吸い付いた。それこそがオメガであったし、紫苑の言うような出来損ないのオメガなんかそこには居なかった。
涎と涙でぐちょぐちょの紫苑の顔は、いやらしいほどに神々しく、神無月は自身を世界で一番幸せな男だと思っていた。
「ん、んん、んぁ――もう逝きたくない」
掠れるほどに叫び続ける紫苑の喉が、擦られるアヌスに反応するように、幾度となく上下に痙攣した。
神無月のペニスは休むことを知らず、かわいい恋人の穴の中を擦り続けた。紫苑のペニスからは何度も白濁としたものが飛び出し、半分意識をもっていかれそうになりながら、懸命に腰を振り続けた。
「無意識に腰振るとか、すっげぇエロくて可愛いよ。ほら、もっと逝って」
煽るだけ煽り、飛びそうになる紫苑を覚醒させながら、尻の穴の中に精子を注ぎ込んだ。
入りきらない精液が、ペニスの隙間から漏れ、部屋中に神無月の臭いが充満し、それに反応するようにヒートの香りは強くなっていった。
「すげぇ精液くせぇのに、お前のフェロモンのがもっと強烈な匂いだよ」
「すげぇ甘い。百合って言ったっけ?……この匂い嗅いだだけでいっちまいそう……」
「……」
「おい美月」
「……」
「飛んだのかよ」
意識のとんだ紫苑のアヌスを擦りながら、休憩する様にサイドチェストに手をかけた。
意識のない恋人に舌を絡めるようにキスをし、口から引いた糸が、神無月の口から紫苑の腹に滴った。
おいしそうな獲物を見つけた獣のように、上唇をべろりと舐めた。
「起こしてやるよ」
ペニスをつかむと、尿道口にカテーテルをあてがい、そのまま一気にぶすぶすと差し込んだ。
ビクンと体が反応し、大きく目が見開かれた。
「んはぁ」
まだペニスの先端から20㎝は出ている細めのそれを見て、紫苑は手を伸ばした。
「おっと、なにするの?」
「痛い、痛い、抜いて」
「お願いしなきゃ駄目だろう」
言葉の冷たさとは裏腹に、優しく見下ろす神無月の顔に安心したように、抜いてください……と紫苑は小さな声で言った。
「そんな安心した顔をされると、心が痛むんだが」
片手で紫苑のペニスをむんずと掴み「聞こえない」と呟くと、そのまま直径3ミリほどの細い管を全て差し込んだ。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
部屋に反響する絶叫に、神無月は、「まるで最高のクラシックのBGMの様だ」とうっとりしながら紫苑を見下ろした。
「柊……」
「俺の愛し方だけ……感じて。俺のオメガだ、俺だけの。痛みも快感も、白城さんがお前に与えた全てを、俺は上書きしたい。二度と二度と誰にもやらない。あの人が触っただろう所全て、俺のペニスで指で唇で、俺の全てで、お願い。愛しているんだ……美月」
耳元で繰り返し囁く、懺悔のような神無月の言葉に、紫苑は黙って頭を撫でた。
「ごめん、ごめん美月」
顔の横にベッドに手をつくように伸びていた神無月の腕には、自分で嚙んだであろう無数の歯形が鮮血の薔薇の様に散らばっていた。
「大丈夫、柊の好きにして。貴方のすることなら、僕は何でも受け入れる事が出来るから」
血の滲む歯型に優しくキスをし、そう言った紫苑の指は、自身のプロテクターをカチリと外した。
「嚙んで――」
露わになった首筋に、紫苑の口から紡がれた三文字……。
「み……つ……」
神無月の目からは大粒の涙がとめどなく溢れ、呼吸さえ詰まるような緊張と興奮に、ただひたすら空唾を飲み、歯を立て、そしてゆっくりと項に歯を埋めた。
「俺のオメガ……」
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