上 下
19 / 44

19宝塚大劇場への花の道 それぞれの覚悟②

しおりを挟む
 さくらは空を見上げるサツキに言った。
「私達は夢を語る資格ってあるのかな」
 頑張ってるんだろうか。四回しかないチャンスわかっているんだろうか……。

「資格ってなんだろね」
 サツキは花の道を歩きなながら小さなベンチをみつけると腰かけた。
「資格なんか皆が持ってて、皆が持ってないって思うものじゃない?」


「皆が持ってて、皆が持ってない?」
 さくらはサツキの不思議な答えを聞いていた。
「うん、そう。例えばさ面接にはテンプレがあるよね」
「うん」
「でも、それが受かるとは限らない」
 サツキは何か答えがあるんだ。さくらはサツキを見て、思うことがあった。
「サツキ、最近苦手なバレエ……うまくなったよね」
 ずっと疑問に思っていたことだ。なんであんな突然うまくなるのか……
「あぁ、あれね。気がついたんだ!なら少しは効果あったわけだ」
 サツキは嬉しそうに笑って言った。
「雨情先生のバレエスクールについていけなくて、バレエスクールについていくためのバレエスクールに通ってんだよね」

 確かに雨情先生のバレエスクールはグレードが高い、それだけ本気の人間が多い。
「先生のバレエスクールはさ、レベル分けが3つじゃん。さくらがいる一番上のクラス、桜華のいる真ん中、で私のいる一番下のクラス」
 次のテストで1クラスUPが雨情先生から出された条件……


 条件……?

 
 
 
 
しおりを挟む

処理中です...