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第六章
7 愛しのライアー
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「葵……」
東條が助手席に手を伸ばすとビクッと身体を固くし、悪戯をした子供のようにおとなしかった。
「なぜ、あんな手紙書いたんだ?」
東條は努めて優しく言った。
「だってお金沢山もらった。手切れ金って言うの? ああ俺は用なしなんだって思ったから……」
――そういえばそんなこともあったな。
性癖とか関係ない。葵がどんなでもいい。ただ守りたい。一緒に居たい。無条件でそう思った。
「葵、俺達の関係を白紙に戻さないか?」
え? 葵の目は大きく見開かれ、そして暫く東條を見つめた後、諦めたように『わかった』と言った。
――やらかした。
東條は直感でそう思った。
「いやわかってない」
慌てて葵に訂正をいれるも時すでに遅し。
口元を震わせながらも頑張って口角をあげてただ、葵はただ、柔らかく笑うだけで、訂正を受け入れてはくれなかった。
「待って……」
「もういいよ。大丈夫だから、それに最初に白紙に戻そうとしたのは僕の方だよ」
葵は俺の手を握りしめギュっと力を入れた。
「だから違うんだって」
「東條さん、そんなムキにならな」
東條は葵の可愛くて憎い口を己の口で塞いでいた。
「東條さんとか、そんな呼び方するなよ。なんでそんな他人行儀なんだよ」
――んんん。
「お願い、口、空けて」
耳元で囁かれる東條のバリトンボイスは葵にとってはメガトン級の破壊力を持っている。
「狡い人。貴方の声で言われて、無視なんて出来るわけがないでしょう」
ゆっくりと口をあけ、東條の舌をまった。
侵入してきた舌は歯列の裏側から上顎にかけて舌先で触れるか触れないか位の繊細さでもって舐めた。
ゾクゾクする感覚に、東條に愛された身体は口の中もこんなにも性感帯なのかと悲しくなってくる。
別れたくない。
それなのに自分はこんなにも無力で、なんの魅力もない。
舌が蠢く度にお尻の穴がキュッとしまる。 なんども出し入れされた先程の男の肉棒ではなく、東條大和のあれを想像して葵のお腹は熱くなった。
「舌をだして、葵。可愛いよ」
別れようといった舌先で可愛いという。二重人格だとは知っているけれど、それでも葵は悲しくて泣きそうだった。
最後だ。二度と触れることのない大切な恋人にもう一度触れる機会をくれた奇跡に感謝した。
――襲われるのも悪くはないな。助けに来てくれるとか、どれだけ王子様なんだよ。
腕をまわし東條の愛撫を余すところなく受け入れた。
知らない男に無理矢理いれられたお尻の穴はまだ痛いけれど、それでも……もしかしたらもう一度だけでも東條さんの硬くて長いものが僕の中を満たしてくれるかもしれない……。
「んん」
舌を突き出し、東條に食いつかれ吸われる用に愛撫された。
「違うんだ」
「うん」
「本当だぞ? わかってるのか?」
「うん」
――わかっているよ。これが最後である事位。
――わかっているよ。あなたが優しさから僕をみすてられずに探した事位。
――わかっているよ。僕が未練がましい事位……。
「違うんだ……葵、そういう意味じゃ」
今度は葵が東條の口を塞いでいた。
「黙ってよ。大和さん……、あなたが呼んでと言ったこの名前をもっともっと沢山呼びたい……」
首筋から鎖骨に向かいキスを落とすと、葵は東條のシャツのボタンをゆっくりと外していった。
東條が助手席に手を伸ばすとビクッと身体を固くし、悪戯をした子供のようにおとなしかった。
「なぜ、あんな手紙書いたんだ?」
東條は努めて優しく言った。
「だってお金沢山もらった。手切れ金って言うの? ああ俺は用なしなんだって思ったから……」
――そういえばそんなこともあったな。
性癖とか関係ない。葵がどんなでもいい。ただ守りたい。一緒に居たい。無条件でそう思った。
「葵、俺達の関係を白紙に戻さないか?」
え? 葵の目は大きく見開かれ、そして暫く東條を見つめた後、諦めたように『わかった』と言った。
――やらかした。
東條は直感でそう思った。
「いやわかってない」
慌てて葵に訂正をいれるも時すでに遅し。
口元を震わせながらも頑張って口角をあげてただ、葵はただ、柔らかく笑うだけで、訂正を受け入れてはくれなかった。
「待って……」
「もういいよ。大丈夫だから、それに最初に白紙に戻そうとしたのは僕の方だよ」
葵は俺の手を握りしめギュっと力を入れた。
「だから違うんだって」
「東條さん、そんなムキにならな」
東條は葵の可愛くて憎い口を己の口で塞いでいた。
「東條さんとか、そんな呼び方するなよ。なんでそんな他人行儀なんだよ」
――んんん。
「お願い、口、空けて」
耳元で囁かれる東條のバリトンボイスは葵にとってはメガトン級の破壊力を持っている。
「狡い人。貴方の声で言われて、無視なんて出来るわけがないでしょう」
ゆっくりと口をあけ、東條の舌をまった。
侵入してきた舌は歯列の裏側から上顎にかけて舌先で触れるか触れないか位の繊細さでもって舐めた。
ゾクゾクする感覚に、東條に愛された身体は口の中もこんなにも性感帯なのかと悲しくなってくる。
別れたくない。
それなのに自分はこんなにも無力で、なんの魅力もない。
舌が蠢く度にお尻の穴がキュッとしまる。 なんども出し入れされた先程の男の肉棒ではなく、東條大和のあれを想像して葵のお腹は熱くなった。
「舌をだして、葵。可愛いよ」
別れようといった舌先で可愛いという。二重人格だとは知っているけれど、それでも葵は悲しくて泣きそうだった。
最後だ。二度と触れることのない大切な恋人にもう一度触れる機会をくれた奇跡に感謝した。
――襲われるのも悪くはないな。助けに来てくれるとか、どれだけ王子様なんだよ。
腕をまわし東條の愛撫を余すところなく受け入れた。
知らない男に無理矢理いれられたお尻の穴はまだ痛いけれど、それでも……もしかしたらもう一度だけでも東條さんの硬くて長いものが僕の中を満たしてくれるかもしれない……。
「んん」
舌を突き出し、東條に食いつかれ吸われる用に愛撫された。
「違うんだ」
「うん」
「本当だぞ? わかってるのか?」
「うん」
――わかっているよ。これが最後である事位。
――わかっているよ。あなたが優しさから僕をみすてられずに探した事位。
――わかっているよ。僕が未練がましい事位……。
「違うんだ……葵、そういう意味じゃ」
今度は葵が東條の口を塞いでいた。
「黙ってよ。大和さん……、あなたが呼んでと言ったこの名前をもっともっと沢山呼びたい……」
首筋から鎖骨に向かいキスを落とすと、葵は東條のシャツのボタンをゆっくりと外していった。
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