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第三章・凶器という名の愛
11 新開の底5
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「葵、ちょっとお尻を挙げてごらん」
んっ、葵の喉から出る声はミツバチを引き寄せる花の蜜のように甘い。
「その声、その顔……反則だろう……」
東條は眉根を寄せて苦しそうな顔をして肩で息を吸っていた。
――大和さんが僕に欲情してる?
素直にうれしいと思ってしまう。そしてもっと見たくなるんだ。
「僕に充てられてもっと苦しそうな、気持ちよさそうなあなたが見たい」
「ならもっと俺を煽って見せろ。実験参加者は沢山応募はあるんだが? お前だけではデーターが足らないのだよ」
「何日も僕ですればいいでしょう……新しい玩具は、どれ?」
はぁ……はぁ……はぁ……はぁ、息が続かない。葵はアナルボールと東條でギッチギチのアナルを自分の指で開く。
「誰がそんなところ触っていいといった。指を放せ。奥だけで感じるのだよ、ほら、擦ってあげるから」
激しく律動を繰り返す東條は猛った己のものと球体をこすり合わせ葵を絶頂まで引き上げた。
「イヤ、ダメ、ダメダメ……変になる。中がおかしいんだよ、止めてくれって……ハァァァァ、ハァ頼んでるだろ」
はぁはぁとすでに声は出せない。口は半開きで物欲しそうに涎を垂らす。
「頼んでる? 俺にはもっとひどくしてとしか聞こえないのだよ」
ンンン――。
「そこ、そこ、それ以上入らない――」
「今はここにあるのだよ」
東條は葵の腹に手を置き、自分のペニスの先端部分を腹の上から壊れ物でも扱うように優しく撫でた。
「逝きそう、そのまま突いて――――――」
しがみついた葵は次の瞬間の奥に来る刺激を待った。
ずるん。
音にしたらそんな感じだろうか、ぎゅうぎゅうに張ったお腹に手をやると、そこにはもう東條のものは無く、蜜壺の穴だけがパックリと開いていた。
「なんで?」
葵は東條のペニスを探すように一生懸命下に手を伸ばした。
「待て」
耳元で囁く命令は声で反応する葵には、麻薬と同じような毒性がある。
既にこの声の毒は皮膚から染み込み、葵にはなす術はない。低音で辺りが揺れるように話す東條が、あえて少しだけ語気を強める。
「ホールドアップ」
びくっと震えた葵は、ペニスから手を放しおずおずと上にあげた。
「いきんで中のボールを出せるか? 産んでみろ」
ん――ん――、何度いきんでもボールは動く気配すら感じなかった。
「かわいそうに、その体制では流石に無理か。こっちに来て犬の様にお座りしてごらん」
いやいやと首を振る葵に、なら他の奴でやるまでだと言い放つ。
今の葵にそれ以上の脅しは無かった。
葵は言われたままゆっくりとしゃがみ込み、犬の様にお座りをした。
「いい子だね、見ていてあげるからそのままお尻に力入れて、ほら、いい子だ」
壁にもたれて足を交差しながら見下ろす東條の視線を感じながら、葵は顔が真っ赤になるほど力を入れた。
中から黒いボールが顔を出しそのままボトっと落ちた。連鎖的に4つまでは出てきたものの最後の1個がどうにも出てこない。
「大和さん、出ないよう」
その瞬間の東條の目が、情欲に染まる。それを見た葵は背中にぞくっとするものが走るのを感じた。この人に虐められたい、この声で愛されたい、酷くされたい、僕だけのあなたが欲しい――。
「仰向けになって自分で足を抱え、俺にすべてを見せて」
綺麗なビブラートのかかった声は、葵にとってはご馳走だった。天にも昇る気持ちとはこういうことを言うのだろう。
言われるがまま、葵は大きくそこをさらした。
自分が今迄誰とも続かなかったのは、この声に守られたかったからかもしれないと、足を抱えながら、目を閉じた。
目を閉じると感覚が鋭敏になる。皺を触って時折舌先が中心を舐めた。葵は自分が思っているより、その球はずっと入り口近くにあるのだと分かった。
「葵、聞こえる?」
「うん、聞こえるよ」
「目を開けて、俺の顔を見て」
ゆっくりと目を開ける。
頬や額に幾度もキスの雨が降った。
「どうした、葵。何を考えているのだ?」
「何にも。これ……きつい、指で掻きだして……」
「背中にこの枕を置くだろう」
抱えるとそれを背もたれにするように体制を変えられ、その真ん中に東條が体を割り込ませた。
「出してあげるよ」
葵の体中にキスをした。愛しても足りない、その感覚に東條は自分では無いような気がした。
今までの遊びとは明らかに違う。
守りたくて壊したい、相反する思いが怖いくらいに絡みついた。
尻をむんずと掴まれ指が2本、中に入れられた。東條の指は相当長い。それなのにわざとなのか、最後の一つはまだ体内に埋まったままだった。
「指を入れてとってやるからお前も協力しろ。力めよ」
クスクス笑ういやらしい東條の口元から真っ赤な舌がチラリと見えた。
心臓がドキッとする。あの星空に照らされながら、あの舌に乳首やアナルを舐められたい。
細く尖った舌が感じやすい秘部をねぶるように吸い上げる様を想像するだけで、葵は自身の穴からはまるで女の様にラブジュースが溢れてくるのを感じた。
「吸い付いて放してくれないのは凄く可愛いんだが、葵、最後の一個を出さないと今度は俺より指の長い奴を探さなきゃならなくなるぞ?」
下からすがるように見上げてくる可愛い恋人は全然素直じゃないくせに、行動や表情はほんとにわかりやすい。
「あなたがそうしたいなら、したらいいだろ! 蚊に刺されるようなもんだ」
口では可愛くないことを言うくせに、すごい力一杯イキンデくる。
「可愛いよ、葵」
真っ赤な顔して目を伏せた。
「バカなの? 別に、可愛くない……目わるいんじゃないのか?」
「視力か? 4.0だったはずなのだがな」
「透視能力かよ、妖怪か? エスパーか? サバンナのトラかよ!」
「サバンナはライオンなのだよ」
「煩いなぁ、細かいんだよ」
天の邪鬼な台詞を言いながらも、穴を執拗に広げる東條の動きに合わせるようにして力む葵は、偶然出ちゃいましたってのを狙っているのだろう。
少しずつ玉の位置が下がってくる。
最後の力を振り絞り顔を真っ赤にして頑張ってるこの男が東條には天使に見えた。
「もう少しだよ。ん、ほら、あとちょっとだ」
「んんんんーー」
東條の指がボールをひっかけた。ぐいぐいっと指の中に収め、そのままスポンと中から抜いた。
全身の毛穴がぶわっと開き、汗がすごい勢いで吹き出てくる。
「大和さん、僕頑張ったよ」
「ああ、いい子だね」
こんなにも自分をさらけ出したのは何年ぶりだろう。
「大好き……」
葵は呪文のように言い続けた。
「ああ、俺もだよ」
――それなのに、俺はまた大切なものを壊してしまうのか。
苦痛で眉根を寄せる。
その時、頭に強烈な痛みが走った。
「っっ……」
「どうしたの? 大和さん」
んっ、葵の喉から出る声はミツバチを引き寄せる花の蜜のように甘い。
「その声、その顔……反則だろう……」
東條は眉根を寄せて苦しそうな顔をして肩で息を吸っていた。
――大和さんが僕に欲情してる?
素直にうれしいと思ってしまう。そしてもっと見たくなるんだ。
「僕に充てられてもっと苦しそうな、気持ちよさそうなあなたが見たい」
「ならもっと俺を煽って見せろ。実験参加者は沢山応募はあるんだが? お前だけではデーターが足らないのだよ」
「何日も僕ですればいいでしょう……新しい玩具は、どれ?」
はぁ……はぁ……はぁ……はぁ、息が続かない。葵はアナルボールと東條でギッチギチのアナルを自分の指で開く。
「誰がそんなところ触っていいといった。指を放せ。奥だけで感じるのだよ、ほら、擦ってあげるから」
激しく律動を繰り返す東條は猛った己のものと球体をこすり合わせ葵を絶頂まで引き上げた。
「イヤ、ダメ、ダメダメ……変になる。中がおかしいんだよ、止めてくれって……ハァァァァ、ハァ頼んでるだろ」
はぁはぁとすでに声は出せない。口は半開きで物欲しそうに涎を垂らす。
「頼んでる? 俺にはもっとひどくしてとしか聞こえないのだよ」
ンンン――。
「そこ、そこ、それ以上入らない――」
「今はここにあるのだよ」
東條は葵の腹に手を置き、自分のペニスの先端部分を腹の上から壊れ物でも扱うように優しく撫でた。
「逝きそう、そのまま突いて――――――」
しがみついた葵は次の瞬間の奥に来る刺激を待った。
ずるん。
音にしたらそんな感じだろうか、ぎゅうぎゅうに張ったお腹に手をやると、そこにはもう東條のものは無く、蜜壺の穴だけがパックリと開いていた。
「なんで?」
葵は東條のペニスを探すように一生懸命下に手を伸ばした。
「待て」
耳元で囁く命令は声で反応する葵には、麻薬と同じような毒性がある。
既にこの声の毒は皮膚から染み込み、葵にはなす術はない。低音で辺りが揺れるように話す東條が、あえて少しだけ語気を強める。
「ホールドアップ」
びくっと震えた葵は、ペニスから手を放しおずおずと上にあげた。
「いきんで中のボールを出せるか? 産んでみろ」
ん――ん――、何度いきんでもボールは動く気配すら感じなかった。
「かわいそうに、その体制では流石に無理か。こっちに来て犬の様にお座りしてごらん」
いやいやと首を振る葵に、なら他の奴でやるまでだと言い放つ。
今の葵にそれ以上の脅しは無かった。
葵は言われたままゆっくりとしゃがみ込み、犬の様にお座りをした。
「いい子だね、見ていてあげるからそのままお尻に力入れて、ほら、いい子だ」
壁にもたれて足を交差しながら見下ろす東條の視線を感じながら、葵は顔が真っ赤になるほど力を入れた。
中から黒いボールが顔を出しそのままボトっと落ちた。連鎖的に4つまでは出てきたものの最後の1個がどうにも出てこない。
「大和さん、出ないよう」
その瞬間の東條の目が、情欲に染まる。それを見た葵は背中にぞくっとするものが走るのを感じた。この人に虐められたい、この声で愛されたい、酷くされたい、僕だけのあなたが欲しい――。
「仰向けになって自分で足を抱え、俺にすべてを見せて」
綺麗なビブラートのかかった声は、葵にとってはご馳走だった。天にも昇る気持ちとはこういうことを言うのだろう。
言われるがまま、葵は大きくそこをさらした。
自分が今迄誰とも続かなかったのは、この声に守られたかったからかもしれないと、足を抱えながら、目を閉じた。
目を閉じると感覚が鋭敏になる。皺を触って時折舌先が中心を舐めた。葵は自分が思っているより、その球はずっと入り口近くにあるのだと分かった。
「葵、聞こえる?」
「うん、聞こえるよ」
「目を開けて、俺の顔を見て」
ゆっくりと目を開ける。
頬や額に幾度もキスの雨が降った。
「どうした、葵。何を考えているのだ?」
「何にも。これ……きつい、指で掻きだして……」
「背中にこの枕を置くだろう」
抱えるとそれを背もたれにするように体制を変えられ、その真ん中に東條が体を割り込ませた。
「出してあげるよ」
葵の体中にキスをした。愛しても足りない、その感覚に東條は自分では無いような気がした。
今までの遊びとは明らかに違う。
守りたくて壊したい、相反する思いが怖いくらいに絡みついた。
尻をむんずと掴まれ指が2本、中に入れられた。東條の指は相当長い。それなのにわざとなのか、最後の一つはまだ体内に埋まったままだった。
「指を入れてとってやるからお前も協力しろ。力めよ」
クスクス笑ういやらしい東條の口元から真っ赤な舌がチラリと見えた。
心臓がドキッとする。あの星空に照らされながら、あの舌に乳首やアナルを舐められたい。
細く尖った舌が感じやすい秘部をねぶるように吸い上げる様を想像するだけで、葵は自身の穴からはまるで女の様にラブジュースが溢れてくるのを感じた。
「吸い付いて放してくれないのは凄く可愛いんだが、葵、最後の一個を出さないと今度は俺より指の長い奴を探さなきゃならなくなるぞ?」
下からすがるように見上げてくる可愛い恋人は全然素直じゃないくせに、行動や表情はほんとにわかりやすい。
「あなたがそうしたいなら、したらいいだろ! 蚊に刺されるようなもんだ」
口では可愛くないことを言うくせに、すごい力一杯イキンデくる。
「可愛いよ、葵」
真っ赤な顔して目を伏せた。
「バカなの? 別に、可愛くない……目わるいんじゃないのか?」
「視力か? 4.0だったはずなのだがな」
「透視能力かよ、妖怪か? エスパーか? サバンナのトラかよ!」
「サバンナはライオンなのだよ」
「煩いなぁ、細かいんだよ」
天の邪鬼な台詞を言いながらも、穴を執拗に広げる東條の動きに合わせるようにして力む葵は、偶然出ちゃいましたってのを狙っているのだろう。
少しずつ玉の位置が下がってくる。
最後の力を振り絞り顔を真っ赤にして頑張ってるこの男が東條には天使に見えた。
「もう少しだよ。ん、ほら、あとちょっとだ」
「んんんんーー」
東條の指がボールをひっかけた。ぐいぐいっと指の中に収め、そのままスポンと中から抜いた。
全身の毛穴がぶわっと開き、汗がすごい勢いで吹き出てくる。
「大和さん、僕頑張ったよ」
「ああ、いい子だね」
こんなにも自分をさらけ出したのは何年ぶりだろう。
「大好き……」
葵は呪文のように言い続けた。
「ああ、俺もだよ」
――それなのに、俺はまた大切なものを壊してしまうのか。
苦痛で眉根を寄せる。
その時、頭に強烈な痛みが走った。
「っっ……」
「どうしたの? 大和さん」
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