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第三章・凶器という名の愛
6 深海の淵6
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「はいはい」
おざなりに返す口調に、近しい匂いを感じ葵はなんだか胸の辺りがモヤモヤする。
「暁斗、口の聞き方を教えてあげようか?」
ピシャリと返す冷たい返事におーこわっと小さな独り言を言った暁斗は、スルスルと服を脱ぎ東條の足元にひざまずいた。
「今日は新しいオモチャを開発中なんだ。反応が見たいからスペシャルマックスで行くよ。構わないかい?」
東條は暁斗を天井から吊るされている手枷に嵌め、脚を折り畳み、暁斗の返事も待たずに足枷を手枷に固定した。
「鬼畜なやつ……」
「お前はわざと怒らせているのか?」
東條の冷淡な声は普段葵の聞いている声とは温度が何度も違う。
葵のペニスは縮こまり体が恐怖を感じた。
それなのに自分以外に向かう特別な声に腹の中の嫉妬って魔物はどんどん大きくなっていく。
――俺以外に触らないでよ!
思っているのに、もう声にはならなかった。
「暁斗、お前の憎まれ口を聞く気分ではない。折角の葵の声が消されてしまうだろう」
そういうと暁斗の口にはボールが咥えられた。
「ん――」
「今日は先ずは鞭からだね。仕方がないからきちんと数を数えられたら3回で勘弁してあげよう。ただし、数えられたらな」
東條の鞭が床をピシャリと叩いた。
暁斗は首をふり、ん、ーんん――。きちんとなんか数えられるわけないだろう。明らかな抗議の目だった、
「先ずは一回目」
背中を斜めに鞭が走った。
「んん――――――――」
「残念だね、でももう一回チャンスを上げよう」
背中に鞭が走る。真っ赤にただれた背中をのけぞらせ喘ぎ声だけが部屋の中をつんざいた。
「言えないのか? あぁわざとなのだな。そんなに欲しいならくれてやるのだよ」
葵は東條が振り下ろす鞭を見て、空唾が何度も喉を通り過ぎていく。葵の中心ではペニスがゆらゆらと勃っていた。
この人は大和さんの事が好きだ。絶対にそう! 同じだから匂いで分かる。大和さんはプレイ仲間位の軽い位置取りだ。でもいつかこの人は大和さんの愛を掴むかもしれない。この人の献身的な思いが、いつかこの意固地な人を、溶かしてしまうかもしれない。
僕は叫んでいた。
「別れるから! その人に特別な事したら僕は絶対にいやだ――」
葵の泣き叫ぶ声に東條は鞭をしならせる手を止めた。
「葵?」
東條はオロオロするばかりだった。
「葵、待ってくれよ。別れたくない」
東條の葵に触れる手はこの世の誰よりも優しくて温かい。
――大和さんはきっと僕を好きだ、本気で。
そう葵は思っていたからこれは一種の賭けだ。
自信はある。絶対相思相愛だ。でもあの見た目に反して何故か僕には遠慮をする。
「だから別れないよ、でもそれは僕以外に特別な人がいるのは嫌ってことだよ」
「俺は変態なんだぞ、尿道だって……弄るんだ。鞭だって。いままでずっとそれで振られているんだぞ? どこまでなら許してくれるのか、心配にもなるだろう」
――尿道、まじか。でもしたきゃあしろよ。
葵は一言一句間違えないように言った。
「一つ約束して。もし僕が、僕の精神が……肉体が……壊れてしまっても、絶対に捨てないで。愛せなくなってもそばに居て、それなら何をしてもいいから」
吊るされ揺れている葵を何度も抱き締めた。
「愛せなくなるわけ無いだろう」
おざなりに返す口調に、近しい匂いを感じ葵はなんだか胸の辺りがモヤモヤする。
「暁斗、口の聞き方を教えてあげようか?」
ピシャリと返す冷たい返事におーこわっと小さな独り言を言った暁斗は、スルスルと服を脱ぎ東條の足元にひざまずいた。
「今日は新しいオモチャを開発中なんだ。反応が見たいからスペシャルマックスで行くよ。構わないかい?」
東條は暁斗を天井から吊るされている手枷に嵌め、脚を折り畳み、暁斗の返事も待たずに足枷を手枷に固定した。
「鬼畜なやつ……」
「お前はわざと怒らせているのか?」
東條の冷淡な声は普段葵の聞いている声とは温度が何度も違う。
葵のペニスは縮こまり体が恐怖を感じた。
それなのに自分以外に向かう特別な声に腹の中の嫉妬って魔物はどんどん大きくなっていく。
――俺以外に触らないでよ!
思っているのに、もう声にはならなかった。
「暁斗、お前の憎まれ口を聞く気分ではない。折角の葵の声が消されてしまうだろう」
そういうと暁斗の口にはボールが咥えられた。
「ん――」
「今日は先ずは鞭からだね。仕方がないからきちんと数を数えられたら3回で勘弁してあげよう。ただし、数えられたらな」
東條の鞭が床をピシャリと叩いた。
暁斗は首をふり、ん、ーんん――。きちんとなんか数えられるわけないだろう。明らかな抗議の目だった、
「先ずは一回目」
背中を斜めに鞭が走った。
「んん――――――――」
「残念だね、でももう一回チャンスを上げよう」
背中に鞭が走る。真っ赤にただれた背中をのけぞらせ喘ぎ声だけが部屋の中をつんざいた。
「言えないのか? あぁわざとなのだな。そんなに欲しいならくれてやるのだよ」
葵は東條が振り下ろす鞭を見て、空唾が何度も喉を通り過ぎていく。葵の中心ではペニスがゆらゆらと勃っていた。
この人は大和さんの事が好きだ。絶対にそう! 同じだから匂いで分かる。大和さんはプレイ仲間位の軽い位置取りだ。でもいつかこの人は大和さんの愛を掴むかもしれない。この人の献身的な思いが、いつかこの意固地な人を、溶かしてしまうかもしれない。
僕は叫んでいた。
「別れるから! その人に特別な事したら僕は絶対にいやだ――」
葵の泣き叫ぶ声に東條は鞭をしならせる手を止めた。
「葵?」
東條はオロオロするばかりだった。
「葵、待ってくれよ。別れたくない」
東條の葵に触れる手はこの世の誰よりも優しくて温かい。
――大和さんはきっと僕を好きだ、本気で。
そう葵は思っていたからこれは一種の賭けだ。
自信はある。絶対相思相愛だ。でもあの見た目に反して何故か僕には遠慮をする。
「だから別れないよ、でもそれは僕以外に特別な人がいるのは嫌ってことだよ」
「俺は変態なんだぞ、尿道だって……弄るんだ。鞭だって。いままでずっとそれで振られているんだぞ? どこまでなら許してくれるのか、心配にもなるだろう」
――尿道、まじか。でもしたきゃあしろよ。
葵は一言一句間違えないように言った。
「一つ約束して。もし僕が、僕の精神が……肉体が……壊れてしまっても、絶対に捨てないで。愛せなくなってもそばに居て、それなら何をしてもいいから」
吊るされ揺れている葵を何度も抱き締めた。
「愛せなくなるわけ無いだろう」
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