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不思議な予感
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「立ち退き!? い、いや、ちょっと待ってください」
「これだけ暇ならもうこの先続けていけないでしょう。あんたの父親もいなくなったって話だし……」
「父ならすぐに帰って来ますから」
「でも連絡はないんでしょう? もうそろそろ潮どきだと思って諦めたら? 繁盛してないこの店も、父親も」
ええと……突然ですが、職を失いそうです。
「野田山様ぁ」
しんと静まり返る小さな神社の境内で、爽やかな朝の風と穏やかな木漏れ日を浴びながらそれらに似つかわしくない情けなく残念な声を漏らせば、くるりと振り返った野田山様が苦笑を零す。
そんな野田山様は朝のお掃除をしていたらしく、箒で地面をざりざりと掃いている。
「どうしたの?」
「昨日の夜なんですけど、お店、立ち退きだって言われました」
引き続き情けない声でそう言えば、野田山様ももう一度苦笑を零す。
「じゃあ、喫茶店は閉めるの?」
「まぁ……そういうことになりますね」
「そうかぁ」
お店が建っている土地はこの辺一帯の土地を所有している大地主さんのものであり、立ち退きを言い渡されてしまったら私にはどうすることも出来ない。
だから喫茶店を閉めるというか、閉めざるを得ないのだ。
「でも私、この仕事以外に出来ることってないし……」
「そうかな?」
「多分。……というか、やったことないし……」
「幽閉されてたもんねぇ」
「そうなんですよねぇ」
私が肩を落とすと、野田山様は己の腰あたりから生えたもふもふの尻尾で私の背をぽんぽんと叩いてくれる。優しく労わるように。
そう、御覧の通り野田山様は人間ではない。八尾の狐というあやかしである。なのでもっふもふの尻尾が八本生えているし、もっふもふの大きなお耳も生えている。
実年齢がおいくつなのかは知らないけれど、見た感じは柔和で穏やかなナイスミドル。この世界で一番の紳士だと言っても過言ではない。背が高くすらりとしていて、姿勢がいいからただ立っているだけでも美しい。
それから、狐の姿に戻った時は美しい銀色の狐だった。この世界で一番美しい生き物はきっとこの野田山様だと思う。
そしてそんな野田山様は、私の恩人且つ初恋の人である。人ではないけれど。
私、杉光泉美は生まれた時から人ならざる存在が見える赤い瞳を持っていた。その結果気味悪がられていじめられ、いつだって一人ぼっちだった。
そんな一人ぼっちだった私が珍しくかくれんぼに誘われた時、迷い込んだ先で出会ったたちの悪いあやかしに目を付けられて付け狙われて、危険だと判断されて一時的に幽閉されることとなった。
幽閉されてから幾度目かの新月の日、どういうわけか私はたちの悪いあやかしに見つかってしまった。その結果誘拐され、食われそうになったんだったか嫁にされそうになったんだったか、とにかく全てを諦めたそんな時、助けに来てくれたのが野田山様だったのだ。
私は助けに来てくれた野田山様を見て恋に落ち、そしてすぐにその恋は儚く散った。なぜなら野田山様が既婚者だったから。
告白する間もなく散ってしまった恋に、最初こそ落ち込んだりもしたけれど、今ではいい思い出となっている。こうして毎日お話しできる関係も続いていることだしね。それで充分。
勝手に好きでいるだけだし、迷惑はかけてないもの。……いや、まぁこうして泣きついているあたり迷惑かもしれないけれど。
……で、助け出されてからすぐに、私たち家族はこの地に辿り着いた。ここなら野田山様のような人の姿を持つあやかしも住んでいるし、人ならざる存在が見える私に対しても多少は寛大だから、と。
「それで、喫茶店はすぐに閉めなければいけないの?」
「いえ、一応父が二ヵ月先まで賃料を払ってるらしいので、猶予は二ヵ月……いや、二ヵ月弱くらいですかね」
「その間に今後のことを考えないといけないね。次の仕事を見付けるか、喫茶店を繁盛させるか?」
「……はい」
次の仕事を見付けるにも、こんな私がたった二ヵ月弱で見付けられる気がしない。
しかし喫茶店を繁盛させると言ったって、この数年間一度も繁盛したことのない喫茶店を今になって繁盛させるのも無理な話だ。
詰んでいる。これは完全に詰んでいる。淡い初恋の思い出なんか思い出してる場合ではない。
親切にも一緒に考えてくれている野田山様と同じように首を傾げていると、ばたばたと走り回る人が視界に入る。
あれはこの神社の宮司さんだ。代々この小さな神社とその最奥にある祠を守っている立派な人。最近代替わりしたところだからか見るたびにばたばたと忙しそうにしている。
お名前は鷹岩石英さん。歳は私よりも十ほど上なので、確か三十四歳くらいだったかな。大きな瞳は少しタレ目気味で、くせっ毛なのか寝ぐせなのか分からないふわっとした髪型がおちゃめで可愛いなと勝手に思っている。
三十代の男性に可愛いなんて、本人には口が裂けても言えないけれど。
そんな鷹岩さんがこちらに気が付く寸前で、野田山様が耳と尻尾をしゅるりと格納した。
「おはようございます! 野田山様に泉美ちゃん!」
両手に荷物を抱えた鷹岩さんがこちらに駆け寄ってくる。
「おはよう」
「おはようございます鷹岩さん。それはお供え物ですか?」
「そうそう。白蛇様の快気祝い」
白蛇様というと、野田山様のお知り合いのあやかしだったはずだ。最近見かけないと思っていたが、どうやら風邪をひいていたらしい。
野田山様が朗らかな笑顔で「人用の風邪薬で治ったみたいだね」と言っている。あやかしにも効くんだな、人間用の風邪薬。
「そういえば泉美ちゃん、さっき角森さんに聞いたけどお店立ち退きなんだって!?」
鷹岩さんが元から大きな瞳をまんまるにしてそう言った。
角森さんというのは昨夜私に立ち退きを切り出してきた大地主さんの名だ。
「そうなんですよねぇ」
「なんかコンビニにしたいって言ってたよぉ」
「コンビニぃ?」
私が思いっ切り首を傾げると、野田山様も一緒になって首を傾げている。「こんな辺鄙な場所にコンビニかぁ」なんて言いながら。
鷹岩さんまで首を傾げだしたので、私たち三人は揃えたように皆で傾いている。
「辺鄙っていうかなんていうか」
「人の寄り付かない場所だよね」
私の言葉に鷹岩さんが乗っかる。
ここは藍玉街という商店街の片隅の細い細い路地から少し入ったところにあって、なかなか人が寄り付かない。
まずこの場所を知らない人もいるし、そもそもここは評判が悪い。薄気味悪いという理由で。
実際ここには野田山様や白蛇様のように位が高く妖力も高い、人の姿を持つあやかしから、普通の人には見えない不思議な化け物だの悪霊だのが結構いる。そんな魑魅魍魎の気配が見えなくともひしひしと伝わってしまう……らしい。私は見えるから分かんないけど。気配とか。
そんな薄気味悪さから、この地についた通称はあやかし街だ。まぁこうして人々に気味悪がられているからこそあまり人が多くなくて私にとっては住み心地がいいのだけれど。
しかしコンビニなんて建ってしまえば、さすがのあやかし街も騒がしくなってしまうのだろうか?
「でもうちの喫茶店を潰しただけでコンビニが建つだけのスペースってありますかね?」
うちの喫茶店はそれほど広くはない。四人掛けのテーブル席が三つにカウンター席が六席だけのこじんまりとした喫茶店だから。
「あぁ、だから泉美ちゃんとこのお隣の骨董品店も畳んじゃうんだって」
鷹岩さんの言葉に、私も野田山様も同じように驚いた。私はそっちも立ち退き!? という意味での驚きだったのだが、野田山様がなぜ驚いたのかは知らない。
「今日から大売り出しやるって言ってましたよ」
と、鷹岩さんが野田山様に声をかけている。
「いいなと思ってた湯飲みがあるんだよね」
あぁ、欲しい物があったんだ、野田山様。
野田山様が驚いた理由を知って勝手に納得していたら、野田山様から背中をぽんぽんと叩かれる。
「行ってみようか」
なんて言われながら。
「え? あ、あぁ、はい」
私は別に骨董品なんてそれほど興味はないのだけれど、野田山様直々のお誘いならば行かないわけがない。
「いい出会いがあるかもしれないよ」
「いい出会い?」
「そう。予感がするからね。ほらほら行こう」
骨董品店でいい出会い? と思いながらきょとんとしていたら、さっきまで私の背中を叩いていた野田山様の手が止まり、今度は急かすように私の背を押し始めた。それはもうぐいぐいと。
「ちょ、ま、行きます、行きますってば野田山様! あ、それじゃあ鷹岩さん、行ってきます!」
「行ってらっしゃーい! あああ僕も行かないと、白蛇様がレトルトカレー食べたいって言ってたんだった」
白蛇様、レトルトカレーとか食べるんだ……。
この時の私は、まだ野田山様の予感を信じていなかった。
だって、本当に骨董品店でいい出会いがあるだなんて思っていなかったんだもの。
「これだけ暇ならもうこの先続けていけないでしょう。あんたの父親もいなくなったって話だし……」
「父ならすぐに帰って来ますから」
「でも連絡はないんでしょう? もうそろそろ潮どきだと思って諦めたら? 繁盛してないこの店も、父親も」
ええと……突然ですが、職を失いそうです。
「野田山様ぁ」
しんと静まり返る小さな神社の境内で、爽やかな朝の風と穏やかな木漏れ日を浴びながらそれらに似つかわしくない情けなく残念な声を漏らせば、くるりと振り返った野田山様が苦笑を零す。
そんな野田山様は朝のお掃除をしていたらしく、箒で地面をざりざりと掃いている。
「どうしたの?」
「昨日の夜なんですけど、お店、立ち退きだって言われました」
引き続き情けない声でそう言えば、野田山様ももう一度苦笑を零す。
「じゃあ、喫茶店は閉めるの?」
「まぁ……そういうことになりますね」
「そうかぁ」
お店が建っている土地はこの辺一帯の土地を所有している大地主さんのものであり、立ち退きを言い渡されてしまったら私にはどうすることも出来ない。
だから喫茶店を閉めるというか、閉めざるを得ないのだ。
「でも私、この仕事以外に出来ることってないし……」
「そうかな?」
「多分。……というか、やったことないし……」
「幽閉されてたもんねぇ」
「そうなんですよねぇ」
私が肩を落とすと、野田山様は己の腰あたりから生えたもふもふの尻尾で私の背をぽんぽんと叩いてくれる。優しく労わるように。
そう、御覧の通り野田山様は人間ではない。八尾の狐というあやかしである。なのでもっふもふの尻尾が八本生えているし、もっふもふの大きなお耳も生えている。
実年齢がおいくつなのかは知らないけれど、見た感じは柔和で穏やかなナイスミドル。この世界で一番の紳士だと言っても過言ではない。背が高くすらりとしていて、姿勢がいいからただ立っているだけでも美しい。
それから、狐の姿に戻った時は美しい銀色の狐だった。この世界で一番美しい生き物はきっとこの野田山様だと思う。
そしてそんな野田山様は、私の恩人且つ初恋の人である。人ではないけれど。
私、杉光泉美は生まれた時から人ならざる存在が見える赤い瞳を持っていた。その結果気味悪がられていじめられ、いつだって一人ぼっちだった。
そんな一人ぼっちだった私が珍しくかくれんぼに誘われた時、迷い込んだ先で出会ったたちの悪いあやかしに目を付けられて付け狙われて、危険だと判断されて一時的に幽閉されることとなった。
幽閉されてから幾度目かの新月の日、どういうわけか私はたちの悪いあやかしに見つかってしまった。その結果誘拐され、食われそうになったんだったか嫁にされそうになったんだったか、とにかく全てを諦めたそんな時、助けに来てくれたのが野田山様だったのだ。
私は助けに来てくれた野田山様を見て恋に落ち、そしてすぐにその恋は儚く散った。なぜなら野田山様が既婚者だったから。
告白する間もなく散ってしまった恋に、最初こそ落ち込んだりもしたけれど、今ではいい思い出となっている。こうして毎日お話しできる関係も続いていることだしね。それで充分。
勝手に好きでいるだけだし、迷惑はかけてないもの。……いや、まぁこうして泣きついているあたり迷惑かもしれないけれど。
……で、助け出されてからすぐに、私たち家族はこの地に辿り着いた。ここなら野田山様のような人の姿を持つあやかしも住んでいるし、人ならざる存在が見える私に対しても多少は寛大だから、と。
「それで、喫茶店はすぐに閉めなければいけないの?」
「いえ、一応父が二ヵ月先まで賃料を払ってるらしいので、猶予は二ヵ月……いや、二ヵ月弱くらいですかね」
「その間に今後のことを考えないといけないね。次の仕事を見付けるか、喫茶店を繁盛させるか?」
「……はい」
次の仕事を見付けるにも、こんな私がたった二ヵ月弱で見付けられる気がしない。
しかし喫茶店を繁盛させると言ったって、この数年間一度も繁盛したことのない喫茶店を今になって繁盛させるのも無理な話だ。
詰んでいる。これは完全に詰んでいる。淡い初恋の思い出なんか思い出してる場合ではない。
親切にも一緒に考えてくれている野田山様と同じように首を傾げていると、ばたばたと走り回る人が視界に入る。
あれはこの神社の宮司さんだ。代々この小さな神社とその最奥にある祠を守っている立派な人。最近代替わりしたところだからか見るたびにばたばたと忙しそうにしている。
お名前は鷹岩石英さん。歳は私よりも十ほど上なので、確か三十四歳くらいだったかな。大きな瞳は少しタレ目気味で、くせっ毛なのか寝ぐせなのか分からないふわっとした髪型がおちゃめで可愛いなと勝手に思っている。
三十代の男性に可愛いなんて、本人には口が裂けても言えないけれど。
そんな鷹岩さんがこちらに気が付く寸前で、野田山様が耳と尻尾をしゅるりと格納した。
「おはようございます! 野田山様に泉美ちゃん!」
両手に荷物を抱えた鷹岩さんがこちらに駆け寄ってくる。
「おはよう」
「おはようございます鷹岩さん。それはお供え物ですか?」
「そうそう。白蛇様の快気祝い」
白蛇様というと、野田山様のお知り合いのあやかしだったはずだ。最近見かけないと思っていたが、どうやら風邪をひいていたらしい。
野田山様が朗らかな笑顔で「人用の風邪薬で治ったみたいだね」と言っている。あやかしにも効くんだな、人間用の風邪薬。
「そういえば泉美ちゃん、さっき角森さんに聞いたけどお店立ち退きなんだって!?」
鷹岩さんが元から大きな瞳をまんまるにしてそう言った。
角森さんというのは昨夜私に立ち退きを切り出してきた大地主さんの名だ。
「そうなんですよねぇ」
「なんかコンビニにしたいって言ってたよぉ」
「コンビニぃ?」
私が思いっ切り首を傾げると、野田山様も一緒になって首を傾げている。「こんな辺鄙な場所にコンビニかぁ」なんて言いながら。
鷹岩さんまで首を傾げだしたので、私たち三人は揃えたように皆で傾いている。
「辺鄙っていうかなんていうか」
「人の寄り付かない場所だよね」
私の言葉に鷹岩さんが乗っかる。
ここは藍玉街という商店街の片隅の細い細い路地から少し入ったところにあって、なかなか人が寄り付かない。
まずこの場所を知らない人もいるし、そもそもここは評判が悪い。薄気味悪いという理由で。
実際ここには野田山様や白蛇様のように位が高く妖力も高い、人の姿を持つあやかしから、普通の人には見えない不思議な化け物だの悪霊だのが結構いる。そんな魑魅魍魎の気配が見えなくともひしひしと伝わってしまう……らしい。私は見えるから分かんないけど。気配とか。
そんな薄気味悪さから、この地についた通称はあやかし街だ。まぁこうして人々に気味悪がられているからこそあまり人が多くなくて私にとっては住み心地がいいのだけれど。
しかしコンビニなんて建ってしまえば、さすがのあやかし街も騒がしくなってしまうのだろうか?
「でもうちの喫茶店を潰しただけでコンビニが建つだけのスペースってありますかね?」
うちの喫茶店はそれほど広くはない。四人掛けのテーブル席が三つにカウンター席が六席だけのこじんまりとした喫茶店だから。
「あぁ、だから泉美ちゃんとこのお隣の骨董品店も畳んじゃうんだって」
鷹岩さんの言葉に、私も野田山様も同じように驚いた。私はそっちも立ち退き!? という意味での驚きだったのだが、野田山様がなぜ驚いたのかは知らない。
「今日から大売り出しやるって言ってましたよ」
と、鷹岩さんが野田山様に声をかけている。
「いいなと思ってた湯飲みがあるんだよね」
あぁ、欲しい物があったんだ、野田山様。
野田山様が驚いた理由を知って勝手に納得していたら、野田山様から背中をぽんぽんと叩かれる。
「行ってみようか」
なんて言われながら。
「え? あ、あぁ、はい」
私は別に骨董品なんてそれほど興味はないのだけれど、野田山様直々のお誘いならば行かないわけがない。
「いい出会いがあるかもしれないよ」
「いい出会い?」
「そう。予感がするからね。ほらほら行こう」
骨董品店でいい出会い? と思いながらきょとんとしていたら、さっきまで私の背中を叩いていた野田山様の手が止まり、今度は急かすように私の背を押し始めた。それはもうぐいぐいと。
「ちょ、ま、行きます、行きますってば野田山様! あ、それじゃあ鷹岩さん、行ってきます!」
「行ってらっしゃーい! あああ僕も行かないと、白蛇様がレトルトカレー食べたいって言ってたんだった」
白蛇様、レトルトカレーとか食べるんだ……。
この時の私は、まだ野田山様の予感を信じていなかった。
だって、本当に骨董品店でいい出会いがあるだなんて思っていなかったんだもの。
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