54 / 64
番外編 騎士団に復帰後のアレコレ
さああて! 新婚旅行だ! たっぷり楽しむぞ!
しおりを挟む
――強烈な初夜が明けての朝……というか昼に起きて、ホテルをチェックアウトした。明け方までシてたから、起きられなかったんだよ……。
エントランスで「良いご旅行を!」なんて言いながら見送ってくれるホテルの従業員さん達の笑顔が、どこかしら生暖かく見えたのは、気のせいだと思いたい……。
「カムロさん、体のほう大丈夫ですか」
出発した馬車の中でこそっと聞いてみた。だ、だってさ、俺が初めて抱かれたときなんて体がギシギシいってたし、カムロさんだってキツいだろうって思ったから!
「平気ですよ。むしろいつもより調子がいいくらいです」
「……そ、そうですか」
つやつやピカピカ。幸せいっぱいでほっぺたもほんのりピンクっぽいっていうか、血色がイイ! ですよね! 体が筋肉痛でギシギシならそんな顔してませんよね! 魔術師様の体力はどうなってんですかまったく!
「ハス君は大丈夫ですか」
「いや、俺も別に平気でしたよ。ほとんどカムロさんが動いてたし……」
ぬあああ、思い出してもちょっとドキドキする! 俺の上でカムロさんがエロく腰をくねらせて、あ、あれを……おっと、ダメダメだ。朝っぱら……違う! 昼間っから頭の中がショッキングピンクみたいに染まっちゃうぞ!
「……だ、大丈夫です」
「ふふ。顔が赤くなってますよ。可愛いですハス君。また、しましょうね」
「うっ、はっ、はい。カムロさんが、よければ」
眩しい笑顔のカムロさんが、俺の肩を抱き寄せてほっぺたにキスをしてくれた。うう、仕草がイケメンすぎる! ドキドキが凄いし、顔が熱い。
「いつでもいいですよ。今夜でも」
「あ、あう。それはちょっと、心の準備が」
「準備なんてしなくても、私に身を任せていれば何の問題もありません」
のおおおおおおお! 旦那様が男らしくて困る! どうにでもしてくれ! ってなっちゃうぞ!
こんなだとまた、俺の方がトロトロになっちゃいますよ!、次こそは俺がしっかりカムロさんを抱いて、すんごく気持ちよくなってもらって、トロトロのぐすぐすになった可愛い姿を見たいっ! ちくしょう! リベンジマッチだ!
――そんなピンク色な会話をしながら、新婚旅行をスタートさせた俺達。
南部から近い隣国ベルカヌスの国境へと向かった。
俺の住んでる王国と友好関係を結んでいるベルカヌスは、身分証を見せれば関所を簡単に通過できる。国境周辺は森林地帯でいかにも大自然! っていう雄大な景色が広がってる。最初の1日目は、ベルカヌス側にある巨大湖とか大渓谷が目的地だ。普段は見られないような凄い景色を楽しめるっていう評判の観光地だぞ。
「巨大湖で美味い魚が釣れるって話ですから、ちょっと釣りなんかしてもいいかもです」
「釣りですか。したことがないですね……」
「俺は子供の頃、近所の小川なんかで釣ってましたよ。夕飯のおかずにしてました」
「私も釣ってみたいです」
よーし! 初心者の魔術師様に釣り歴ン年の俺がレクチャーしちゃうぞ!
「じゃあ、今日の予定は釣りってことで! やり方は俺が教えますよ」
「はい。お願いしますね」
ってなことで、巨大湖へ釣りに行くことが決定!
おや? 行きあたりばったりなのかな? とかって、思うなかれだ諸君! 行く先々の観光地は抜かりなく調べてあるし、ルートも決めてるけど、そこで何をするかはそのときの気分や天気次第ってことにしてある。
普段は仕事があって一緒に居られる時間が短いから、2人きりの時間がたっぷりある旅行中はイチャイチャくっついて過ごすのがメインだっ! 観光ポイントをコンプリして堪能し尽くそうなんて気合を入れるつもりは、小石ほどもないのでございますよ。ははは!
「ああそうだ。少し変装でもしておきますか」
「えっ? 変装って、カムロさんが?」
「そうですよ。割と絡まれやすいので、時々してます」
「し、知らなかった……」
「敢えて言うほどのことでもありませんし、楽しい話ではないですから」
ふっと、苦笑しながらカムロさんがコートの内ポケットから眼鏡を取り出した。シルバーカラーで、両サイドにガードが付いてる。レンズは黄色で、スマートなゴーグルみたいでカッコいいやつだ。
「今のうちに、変装した私の姿を見慣れておいてください」
なんて言いながら眼鏡を掛けると、一瞬で髪が真っ黒になった!
「ふえっ! ちょ! なんですかこれ! すごい!」
「ふふふ。どうですか」
「……す、すごい。もうカムロさんだって分からないくらい別人ですよ。でもイケメン! カッコいい!」
「ありがとうございます。この姿も気に入ってもらえたみたいですね。嬉しいです」
「いつものカムロさんもカッコいいけど、これはこれで素敵だと思う!」
うおおお……。かっこいい。黒髪でゴーグル眼鏡の似合う渋イケメン!
いつものローブ姿じゃなくて、ハーフコート姿でロングブーツっていう動きやすいファッションをしてるカムロさんにぴったり似合ってる! ちょっと傭兵っぽくて近寄り難い感じがするのがまたいい!
なんだか別人過ぎて、何かの拍子に他人に話し掛けちゃったぞすみませんごめんなさい! とか、変な勘違い動揺しちゃいそうだな。き、気を付けないと。
「さて、これで心置きなく釣りもできます。外ではこの姿で過ごしますから、そのつもりで」
「はいっ! 了解です」
俺はニコニコしながら、ビシッと敬礼をした。掛けるだけで髪色を変えられる眼鏡……。多分、カムロさんオリジナルアイテムだろうなぁ。あとでちょっと貸してもらおう。俺が掛けても髪色は黒になるのかな? とか、いろいろ気になる!
特殊なアイテムを使った変装って、秘密任務っぽくてわくわくするよな! っていっても、カムロさんの場合は止むに止まれない事情……有名すぎる超絶美形で絡まれやすい……っていうのがあるからなんともだけど。
――さああて! 新婚旅行だ! たっぷり楽しむぞ!
※ハスが変装眼鏡を装着すると、金髪になります。似合わなさそうですね!
エントランスで「良いご旅行を!」なんて言いながら見送ってくれるホテルの従業員さん達の笑顔が、どこかしら生暖かく見えたのは、気のせいだと思いたい……。
「カムロさん、体のほう大丈夫ですか」
出発した馬車の中でこそっと聞いてみた。だ、だってさ、俺が初めて抱かれたときなんて体がギシギシいってたし、カムロさんだってキツいだろうって思ったから!
「平気ですよ。むしろいつもより調子がいいくらいです」
「……そ、そうですか」
つやつやピカピカ。幸せいっぱいでほっぺたもほんのりピンクっぽいっていうか、血色がイイ! ですよね! 体が筋肉痛でギシギシならそんな顔してませんよね! 魔術師様の体力はどうなってんですかまったく!
「ハス君は大丈夫ですか」
「いや、俺も別に平気でしたよ。ほとんどカムロさんが動いてたし……」
ぬあああ、思い出してもちょっとドキドキする! 俺の上でカムロさんがエロく腰をくねらせて、あ、あれを……おっと、ダメダメだ。朝っぱら……違う! 昼間っから頭の中がショッキングピンクみたいに染まっちゃうぞ!
「……だ、大丈夫です」
「ふふ。顔が赤くなってますよ。可愛いですハス君。また、しましょうね」
「うっ、はっ、はい。カムロさんが、よければ」
眩しい笑顔のカムロさんが、俺の肩を抱き寄せてほっぺたにキスをしてくれた。うう、仕草がイケメンすぎる! ドキドキが凄いし、顔が熱い。
「いつでもいいですよ。今夜でも」
「あ、あう。それはちょっと、心の準備が」
「準備なんてしなくても、私に身を任せていれば何の問題もありません」
のおおおおおおお! 旦那様が男らしくて困る! どうにでもしてくれ! ってなっちゃうぞ!
こんなだとまた、俺の方がトロトロになっちゃいますよ!、次こそは俺がしっかりカムロさんを抱いて、すんごく気持ちよくなってもらって、トロトロのぐすぐすになった可愛い姿を見たいっ! ちくしょう! リベンジマッチだ!
――そんなピンク色な会話をしながら、新婚旅行をスタートさせた俺達。
南部から近い隣国ベルカヌスの国境へと向かった。
俺の住んでる王国と友好関係を結んでいるベルカヌスは、身分証を見せれば関所を簡単に通過できる。国境周辺は森林地帯でいかにも大自然! っていう雄大な景色が広がってる。最初の1日目は、ベルカヌス側にある巨大湖とか大渓谷が目的地だ。普段は見られないような凄い景色を楽しめるっていう評判の観光地だぞ。
「巨大湖で美味い魚が釣れるって話ですから、ちょっと釣りなんかしてもいいかもです」
「釣りですか。したことがないですね……」
「俺は子供の頃、近所の小川なんかで釣ってましたよ。夕飯のおかずにしてました」
「私も釣ってみたいです」
よーし! 初心者の魔術師様に釣り歴ン年の俺がレクチャーしちゃうぞ!
「じゃあ、今日の予定は釣りってことで! やり方は俺が教えますよ」
「はい。お願いしますね」
ってなことで、巨大湖へ釣りに行くことが決定!
おや? 行きあたりばったりなのかな? とかって、思うなかれだ諸君! 行く先々の観光地は抜かりなく調べてあるし、ルートも決めてるけど、そこで何をするかはそのときの気分や天気次第ってことにしてある。
普段は仕事があって一緒に居られる時間が短いから、2人きりの時間がたっぷりある旅行中はイチャイチャくっついて過ごすのがメインだっ! 観光ポイントをコンプリして堪能し尽くそうなんて気合を入れるつもりは、小石ほどもないのでございますよ。ははは!
「ああそうだ。少し変装でもしておきますか」
「えっ? 変装って、カムロさんが?」
「そうですよ。割と絡まれやすいので、時々してます」
「し、知らなかった……」
「敢えて言うほどのことでもありませんし、楽しい話ではないですから」
ふっと、苦笑しながらカムロさんがコートの内ポケットから眼鏡を取り出した。シルバーカラーで、両サイドにガードが付いてる。レンズは黄色で、スマートなゴーグルみたいでカッコいいやつだ。
「今のうちに、変装した私の姿を見慣れておいてください」
なんて言いながら眼鏡を掛けると、一瞬で髪が真っ黒になった!
「ふえっ! ちょ! なんですかこれ! すごい!」
「ふふふ。どうですか」
「……す、すごい。もうカムロさんだって分からないくらい別人ですよ。でもイケメン! カッコいい!」
「ありがとうございます。この姿も気に入ってもらえたみたいですね。嬉しいです」
「いつものカムロさんもカッコいいけど、これはこれで素敵だと思う!」
うおおお……。かっこいい。黒髪でゴーグル眼鏡の似合う渋イケメン!
いつものローブ姿じゃなくて、ハーフコート姿でロングブーツっていう動きやすいファッションをしてるカムロさんにぴったり似合ってる! ちょっと傭兵っぽくて近寄り難い感じがするのがまたいい!
なんだか別人過ぎて、何かの拍子に他人に話し掛けちゃったぞすみませんごめんなさい! とか、変な勘違い動揺しちゃいそうだな。き、気を付けないと。
「さて、これで心置きなく釣りもできます。外ではこの姿で過ごしますから、そのつもりで」
「はいっ! 了解です」
俺はニコニコしながら、ビシッと敬礼をした。掛けるだけで髪色を変えられる眼鏡……。多分、カムロさんオリジナルアイテムだろうなぁ。あとでちょっと貸してもらおう。俺が掛けても髪色は黒になるのかな? とか、いろいろ気になる!
特殊なアイテムを使った変装って、秘密任務っぽくてわくわくするよな! っていっても、カムロさんの場合は止むに止まれない事情……有名すぎる超絶美形で絡まれやすい……っていうのがあるからなんともだけど。
――さああて! 新婚旅行だ! たっぷり楽しむぞ!
※ハスが変装眼鏡を装着すると、金髪になります。似合わなさそうですね!
43
お気に入りに追加
406
あなたにおすすめの小説
ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)
三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。
各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。
第?章は前知識不要。
基本的にエロエロ。
本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。
一旦中断!詳細は近況を!
もしも○○だったら~らぶえっちシリーズ
中村 心響
恋愛
もしもシリーズと題しまして、オリジナル作品の二次創作。ファンサービスで書いた"もしも、あのキャラとこのキャラがこうだったら~"など、本編では有り得ない夢の妄想短編ストーリーの総集編となっております。
※ 作品
「男装バレてイケメンに~」
「灼熱の砂丘」
「イケメンはずんどうぽっちゃり…」
こちらの作品を先にお読みください。
各、作品のファン様へ。
こちらの作品は、ノリと悪ふざけで作者が書き散らした、らぶえっちだらけの物語りとなっております。
故に、本作品のイメージが崩れた!とか。
あのキャラにこんなことさせないで!とか。
その他諸々の苦情は一切受け付けておりません。(。ᵕᴗᵕ。)
【完結】家族の為に身を引いたのに、優秀な異母弟が追いかけてきて捕まりました。あれっ何で?
うらひと
BL
近親相姦あり。R18には※がついています。執着ヤンデレ腹黒弟×チョロくて可愛い兄
前半に兄視点のハッピーエンドがあり、後半は弟視点のハッピーエンドの2部構成です。
・・・出来損ないだった伯爵家子息であるリンゼが、優秀な異母弟のクラウスに伯爵家を継いで貰おうと自ら身を引いて家を出る事にした。
名前もリンゼからランゼルに変えて田舎の村人として自給自足生活が安定した頃に、優秀なクラウスが突然やって来て徐々に手篭めにされるまでの酷い話です。クラウスは性格も愛情表現も歪んでいます。
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
【R-18】踊り狂えその身朽ちるまで
あっきコタロウ
恋愛
投稿小説&漫画「そしてふたりでワルツを(http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/630048599/)」のR-18外伝集。
連作のつもりだけどエロだから好きな所だけおつまみしてってください。
ニッチなものが含まれるのでまえがきにてシチュ明記。苦手な回は避けてどうぞ。
IF(7話)は本編からの派生。
聖なる巫女は隣国の王子と真実の愛を誓う
千堂みくま
恋愛
わけあって山村で生きてきた王女セイラには、聖なる巫女という不思議な力があった。何も知らずに暮らしていた彼女だが、ある日突然、敗戦国の姫として敵国に嫁ぐことになってしまう。
夫となった王子は見惚れるような美男子だったが愛情表現が病的で、いつでも妻と一緒にいようとする。重たい愛に疲れてくるセイラ。
彼の愛をかわしたいと思っていたのに、聖の女神は「巫女の使命は夫と真実の愛を誓うこと」などと、とんでもない神託を授けてきた。
女神の力によって王子の過去を知ったセイラは彼を懸命に愛そうとするのだが、王子の心の闇はなかなか深く……。
(過去になろうで公開していた作品です。)
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる