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第五章 依頼が無いので、呆気なく新婚旅行に行く事になりました。
第九十三幕 存在進化!と怖いわ
しおりを挟む「それじゃ、説明するとしよう」
朝食を終えた千夜は急激な変化に戸惑うミレーネたちのためにその理由を口にする。前に千夜はもう一度妻たち一人一人を見詰める。
背が伸び、髪も少し長くり、大人びた顔立ちになったミレーネ。しかし、浮かべる表情は不安げであったが、何処か数時間前の愛らしさが残っていた。
余り変わってはいないが、姉のような見た目をしていたクロエも、今は完全に大人の女性といった姿をしている。
背も伸び、真剣な面立ちは威厳の風格が見え隠れする凛々しい女性となった。
エルザは何時ものように銀髪を靡かせていたが、こちらも大人になり幼さが減り、美少女と言った感じだ。
エリーゼは変わったところはなにもない。スタイルも顔立ちも何も変わらない。しかし、長い金髪の毛先が僅かながら白くなっていた。
「どうやら上手く先に進めたようだな」
「だから何がよ」
「そうだったな。さて、お前たちは存在進化というものを知っているか?」
「「「「存在進化?」」」」
「その口調だと知らないようだな」
「ええ、知らないわ。なんなのそれ?」
「簡単に言えば限界の先にある強さの事だ」
「限界突破とは違うのですか」
「違う。あれは一時的な効果しかない。発動の切り替えも可能だしな。それより見ればよく知っていたな」
「調べましたので」
大人びた姿になろうと嬉しいことに笑みを浮かべる表情は前とは変わらなかった。
「ま、言うより見た方が早いな。お前たちステータスを開いてみろ」
千夜の言葉に全員がステータスを開く。
───────────────────
エリーゼ(ルーセント)
ハイヒューマン
LV1
HP 367000
MP 308000
STR 44600
VIT 42600
DEX 44000
AGI 44600
INT 38600
LUC 80
スキル
剣術 LV99
弓術 L47
体術 LV90
調合 LV1
調理 LV41
魔力操作 LV92
火属性耐性 LV99
水属性耐性 LV71
風属性耐性 LV74
土属性耐性 LV73
光属性耐性 LV69
闇属性耐性 LV71
称号
???
炎神の寵愛
龍殺し
属性
火 水 土
ミレーネ
ハイエルフ
LV1
HP 344000
MP 490000
STR 3300
VIT 28000
DEX 36000
AGI 31000
INT 22000
LUC 60
スキル
剣術LV76
弓術LV99
体術LV68
治癒LV81
調理LV54
鑑定LV43
魔力操作LV98
火属性耐性LV64
水属性耐性LV65
風属性耐性LV59
土属性耐性LV71
闇属性耐性LV79
称号
???
風神の寵愛
龍殺し
属性
水 風 光
クロエ
ハイダークエルフ
LV1
HP 366000
MP 21500
STR 31200
VIT 30500
DEX 31000
AGI 29600
INT 21400
LUC 90
スキル
剣術LV99
二刀流LV99
弓術LV68
体術LV99
暗殺術LV99
危機察知LV99
隠密LV99
魔力操作LV99
火属性耐性LV72
水属性耐性LV75
風属性耐性LV81
土属性耐性LV72
光属性耐性LV78
闇属性耐性LV79
称号
??
闇神の寵愛
龍殺し
属性
火 土 闇
エルザ
バァンパイアロード
LV1
HP 868000
MP 830000
STR 54400
VIT 52000
DEX 46800
AGI 39000
INT 41100
LUC 120
スキル
剣術LV99
二刀流LV99
体術LV99
暗殺術LV99
隠密LV99
投擲LV99
魔力操作LV99
火属性耐性LV86
水属性耐性LV82
風属性耐性LV89
土属性耐性LV91
闇属性耐性LV89
光属性耐性LV82
称号
???
闇神の寵愛
吸血姫
龍殺し
属性
火 水 闇
───────────────────
「「「「え!?」」」」
全員が驚きの言葉と表情浮かべていた。
「だ、だ、旦那様、こ、これはいったい」
「落ち着け。一度深呼吸しろ」
あまりのステータスの向上に動揺を隠しきれない妻たち。
「落ち着いたか?」
「ええ。さっきよりかはね。でもこれはどういうこと?」
「それが『存在進化』だ」
「これが………」
「存在進化すれば全てのステータスが2~6倍になる。そしてレベルも1に戻る。これが存在進化の凄いとこでもあり、恐ろしいところでもある」
「でも、私は4倍にどころじゃないわよ」
「それは当たり前だ。人間だけは例外だからな」
「そうなの?」
「ああ。人間は他の種族に比べ貧弱で、なおかつ寿命が短い。まず存在進化事態が不可能に等しい。その代わり存在進化を成せば他の種族より圧倒的に強くなる。ま、エルザのように相手も存在進化していれば別だがな」
「そういうことね」
「どうだ? これがお前たちが求めた力だ」
「「「「……………」」」」
「どうした?」
「なんて言えば良いのか分からないわ。確かに嬉しいわ。最高よ。でもなぜか怖いわ。私が私じゃなくなるみたいでね」
「無理もない。それが当たり前だ。突然、急激に変われば誰だって戸惑うし、恐れるものだ。だが、それで良い。力に溺れ慢心するよりかは遥かに良いからな」
「でも、嬉しいわ。これで少しは旦那様に近づけたかしら?」
「ああ。近づいたさ。俺も安心して背中を任せられる。これで、家でお留守番してろなんて言えないさ」
「ほんとに!」
「ああ。だからといって鍛練を怠る奴は家でお留守番して貰うことになるからな」
「分かってるわ!」
笑みを浮かべる千夜。正直千夜は内心安堵していた。
(急激な力の上昇。大抵はそれに溺れてしまい。なんでも出来ると勘違いするものだ。いや、間違ってはいない。だが、それは圧倒的力を持つものに許された特権だ。エリーゼたちや、俺にも許された特権ではないのだ。ま、俺はそんな特権入らないがな)
「さて、そろそろ帰るぞ。良い機会だ王都までどれだけ力が上がったのか知るために走って帰るとしよう。勿論周りに被害を出さない程度にだが」
千夜の言葉に弾んだ返事返ってくる。と、王都に向けて駆け出すのであった。
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