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第三章 魔力無し転生者はランクを上げていく

第八十七話 夜逃げから始まるダンジョン攻略! ⑱

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 我に戻った俺は皮肉にも似た不満を口にする。

「お前はそう言って俺たちを驚かせるのが趣味なのか?」
「そんな趣味はありません。しかし虫を一方的に虐めるのは好きです」
 そう言ってアインは見下した視線を俺に向けながら鼻で笑うように笑みを浮かべる。
 我慢だ。今は大事な相談の最中なんだ。今は我慢しろ。
 俺はどうにか我慢してアインの皮肉を無視して質問を続けた。

「それで見分ける方法ってのはどんな方法だ?」
 それに対してアインは俺に視線を向ける事無く、憮然とした態度で説明し始めた。

「目です。正確には目の白い部分、強膜の色が違います。操られている魔物は強膜が黒く変色していると思われます」
 黒くか……ん?前にそんな奴を倒したような、倒していないような……ま、どっちでも良いか。
 それよりも問題なのが、

「新たな情報を手に入れた事に素直に喜びたいところだが、どうして気付くのに遅れた?」
 別に責めているわけじゃない。
 ただアインは俺たちの誰よりも優れた解析能力を秘めている女だ。そんな奴が、壁画を修復してから気付くまでに時間が掛かり過ぎている気がするし、あの支配を表現している線にだって気付いたのは俺だ。本来ならアインが気付いていても可笑しくはなかった。

「別に大した理由ではありません。ただ劣化による変色と思っていたので気付くのに遅れただけです」
 と、アインは淡々と呟く。
 きっと綾香ちゃんたちに自分がサイボーグである事がバレないようにするための言い訳なんだろう。ならこれ以上追及するのは止めていた方が良いだろうな。
 きっとアインは俺が察して追及を諦めると推測した上での返答だ。そして俺がそれを無視して話を続行する可能性が低いと言う事も織り込み済みってわけだ。まったくコイツに腹の探り合いで勝てる気がしないな。
 二つの意味で諦めた俺は嘆息し、話の内容を本題に戻す。

「なら、早速明日に向けてチームの組み分けを決めるとするか」
 俺はそう呟きながらも脳内では別の事を考えていた。
 確かにアインが発見した情報はとてつもなく貴重なものだ。
 しかし戦闘中に一々強膜の判別なんてしている暇はない。
 遠距離からスコープや単眼鏡で確認すれば良い話だが、それは群れの大きさが然程大きくない場合だ。100体も超える群れと遭遇した場合、一体ずつ確認するのは面倒だ。ま、そうなれば戦術を用いてチームワークで殲滅すれば良い話か。
 弾薬の無駄遣いになるが、別に構わない。どうせ自費だからな。
 そう考えれば俺ってほんと安上がりだよな。
 そんな事を考えていると俺に強い視線、基、懇願の視線を向けて来る奴が居た。
 愛莉だ。
 ああ、これは間違いなく影光と蝶麗あげはさんのチームに私を入れないで欲しい。入れるにしてもどちらかは外して欲しいと言う要望だと察した俺は大丈夫だと視線で送り返すと、安堵したのか愛莉は胸を撫で下ろしていた。そんなに嫌なのか。
 その後チームバランス等を考えながら相談した結果決まったチーム編成がこうだ。
 チームA――俺、アリサ。
 チームB――景光、クレイヴ、グリード。
 チームC――アイン、ヘレン、愛莉、銀。
 チームD――綾香、萩之介、蝶麗、一朗太。
 愛莉だけ冒険者と組む事になったが、別に気にしている様子はない。
 むしろ楽しそうにヘレンとガールズトークをしている。
 それに対してチームBはむさ苦しい男どもだけの編成になってしまったが、別に問題ないだろう。
 この編成に対して不満はなさそうな表情をしているが、1人だけ不満そうな者が居た。
 綾香ちゃんだ。
 しかし、その内容はチーム編成をする際に説明したので追及するつもりはない。
 理由としては俺とアリサのチームAだけが2人で綾香ちゃんのチームDが4人なのが不満なようだ。
 しかし綾香ちゃんは戦闘要員としてではなく衛生兵としての立場に近い。本来なら護衛対象者となっても可笑しくないのにそこを敢えて戦闘に参加させているのだから我慢して貰いたい。
 そのため綾香ちゃんが戦えない以上、戦力が大幅に減るチームDにもう1人戦闘員を追加する必要があった。
 そのためこういう結果になった。
 綾香ちゃんの威厳の為に言わして貰うと別に綾香ちゃんは戦えないわけじゃない。治癒魔法が使えるだけでなく、もしもの時の為に武術も習っているらしい。
 しかし萩之介たちの表情から察するに暴漢に襲われた際の対処が可能な程度で魔物と戦うには実力が足りないのだ。
 ここはBランクの冒険者パーティーですら命を落とす危険性がある場所だ。そんな場所で綾香ちゃんが戦闘要員として数えて貰えると思っては本人も思ってはいないだろう。
 それでもやはり納得出来ていない様子だ。
 己の無力さで他者を危険に晒すのが許せないんだろうが、別に俺は気にしていないしどうでも良い。そんなに不満に感じるのなら戦闘要員として数えて貰えるだけの力を付ければ良いだけの話なのだからな。
 結局綾香ちゃんの不満に対して誰も追及する者は居ない。これ以上藪を突くのは面倒と感じているフリーダムメンバーと皇女の安全のためと思っている軍人たちそれぞれの考えが同じ結論を出したからに他ならなかった。
 結局、明朝に作戦を開始するという事を決めて見張りのクレイヴと萩之介だけを残して俺たちそれぞれのテントに入り就寝するのだった。
 テント内に置かれているシュラフは冬用だ。
 ダンジョン内の情報は事前にある程度集めていたので冬用と夏用の両方をメンバーに1つずつと予備に2つ、計18個ものシュラフを購入している。因みに夏用は封筒型シュラフ、冬用はマミー型シュラフに統一している。
 ドキュメンタリー番組や映画などでよく見かけるシュラフはマミー型シュラフだ。
 分かりやすく言えば芋虫みたいに見える。
 シュラフに使われている素材は夏用、冬用で統一しているが全員体格が違うから値段もバラバラだ。当然一番値段の高かったのはグリードのシュラフだ。ま、質は全員同じだから当然身長と体格が一番デカイグリードのシュラフが高くなるのは必然なので別に構わない。
 ま、メンバー内にそれで文句を言う奴は居ない。ただ自分だけ高級なシュラフにして欲しいなんて我儘を言う奴は自腹で買ってくれ。
 キャンプ用品や食料など色々と購入したから経費はかなりの額になったが、ダンジョン内の素材や情報などを売れば結果的に儲かるだろうし、キャンプ用品は今後も使うだろうから先行投資と考えれば悪い買い物じゃないだろう。
 さっきからキャンプ用品と言っているが正確な名所で言うのであれば冒険者専用野営用品と言うべきだろう。
 お店などで売っているキャンプ用品とは違い、冒険者専用野営用品は全体的に機能性や質が高い。
 キャンプは決められた場所での野営のためある程度の安全が確立されているが、冒険者たちは違う。いつ如何なる時魔物に襲われるか分からないためテントやシュラフに至るまで丈夫に造られている。その分値段も高い。
 シュラフ1つに至ってキャンプ用と比べてもその値段は1.5倍は違うからな。高級なものになると3倍どころか5倍の値段の差が付くものだってある。ま、その分安全と安眠が確保出来るわけだが一般人が購入するものじゃない。
 因みに冒険者専用野営用品は物によっては購入可能だったりする。
 そんなわけで俺は1つ18万8600RKする冬用シュラフに入る。日中はクソ熱い砂漠だけど夜は極寒だからな。ま、あの気まぐれ島に比べれば大した事はないけど。
 フカフカのシュラフに包まれた俺はその快適さに意識が遠のいて行った。


 公暦1327年2月22日木曜日午前7時42分。
 偽物の太陽の輪郭が確認できる程度に明るくなった現在、既に朝食を済ませた俺たちは自分の持ち物と装備の最終確認を行っている最中だ。
 まだ寒さは残っているがダウンジャケットは既にアイテムボックスに収納し日焼けしない程度の戦闘服を身に纏っている。
 俺の武器は自分の身体とパチンコ玉だけなので他の奴らに比べて点検する理由もないし、大半はアイテムボックスに収納しているので確認する理由もない。ほんとこんな時は楽で良かったと思いながら一服しつつ他の奴らを待つ。
 当然と言うわけではないが、やはり近接武器を使う連中に比べて遠距離武器、この場合だと魔導小銃アサルトライフル魔導軽機関銃ライトマシンガンをメイン武器としれいる連中は最終確認に時間が掛かる。
 部品の欠落がないか、マガジンに弾が入っているか、銃口が詰まっていないかなど点検する部分は多いからな。
 その分近接武器をメインにしている連中は刃が欠けていないか、打撃武器や防具にヒビが入っていないかなどを見るだけなので点検項目が少ない分早い。
 そんな俺の次に最終確認を済ませたいた綾香ちゃんが話しかけて来る。

「仁は確認が早いのだな」
 と言ってくる。
 綾香ちゃんは先日の俺と影光の模擬戦闘を目にした筈だから俺の戦闘スタイルを知っている筈なんだが……。もしかして俺が綾香ちゃんたちに戦闘スタイルを知られないようにするためにわざと拳で模擬戦をしたと思っているのか?
 スマホやタブレットで調べたいだろうがダンジョン内、正確には同じ階層での通信は可能だが別階層、別エリア、ダンジョンの内外による通信は不可能だ。そのためスマホもダンジョンに入った時から圏外になっている。いったいどういう仕組みなのか知らないが、どうやらどこのダンジョンも同じらしく立派な電波遮断の効果を持っている。
 それとも朝一発目の皮肉か?
 そんな事を思いながらも俺は正直に答えた。

「俺の武器はこの身体だけだからな、確認は既に終わっているんだ」
 その言葉に綾香ちゃんは言葉は発しないが目を大きく見開いた顔を見て、どうやら俺の推測は当たっていたようだな。と俺は内心呟いた。
 きっと俺の情報はある程度部下の萩之介たちから聞いて知っていたはずだ。ま、その情報がどこまで詳細つ真実なのかは知らないが。
 俺と影光の模擬戦を観てもまだ半信半疑だったらしく、かなり驚いていた。

「そ、そうか」
 と、どこか誤魔化すように呟く。
(先日の藤堂殿との模擬戦で仁から繰り出される技はあまりにもお粗末な物。武術家としては素人に毛が生えた程度だった。ドラマや映画に出てるく喧嘩とそう変わりない。しかしそれを補って有り余る身体能力には驚いたが、どうやら仁の身体能力は余が想像する遥か上を行くようだ)
 黙り込んでしまった綾香ちゃん。いったい何を考えているのか知らないが、話を勝手に打ち切るのは止めて貰いたい気まずいだろ。
 そう思った俺は今度はこっちから質問する事にした。

「そう言う綾香ちゃんも確認は終わっているみたいだが?」
 そんな俺の質問で我に返ったのか顔を軽く振った綾香ちゃんは俺の質問に答えるべく口を開いた。

「生憎と余の武器はこれだけだ」
 そう言って腰に携える拳銃をホルスターから取り出して見せてくれる。
 偽物の太陽の日光を浴びて輝きを放つ黒の光沢が特徴の拳銃はアインやクレイヴたちが持つ拳銃に比べて圧倒的に銃口が大きい拳銃の見た目はまさに前世の地球にあったデザートイーグルとさほど変わらない形をしていた。
 しかしそんな拳銃を軽々と持つ16歳の少女の姿を見て俺は違和感を覚える。
 デザートイーグルは銃本体だけでも2キロにもなる重量の拳銃だ。前世の地球に比べて科学文明が進んでいるこの世界だ軽量化に成功していたとしてもあの細腕を持つ少女が片手で持てるような代物じゃない……となると考えられる答えは1つだな。

「魔法拳銃か」
 そう呟いた俺の言葉に綾香ちゃんはどこか含みのある笑みを浮かべながら答えた。

「ほう……流石はAランク冒険者、これを一目で見抜くか」
 確かに見た目から考えて強力な威力を持つ魔導拳銃ハンドガンと勘違いしても可笑しくはないが、片手で持っている時点でその可能性は無いと考えるのが当然だ。
 ましてや少女が持つどころか持ち歩くにしたって邪魔にしかならない拳銃だ。それを護衛の萩之介たちが許しているとなれば魔法拳銃と考えるのが妥当だろう。
 そんな事を思いながら俺は別の疑問を綾香ちゃんに投げかける。

「確かに綾香ちゃんは後方からの治癒担当なんだろうが、それだけで大丈夫なのか?」
 魔法拳銃の威力は魔導拳銃よりも強いのは確かだ。だが連射に向いていないし、熟練者がどれだけ時間を短縮しようとも魔導拳銃に比べて発射までにどうしてもタイムロスがある。
 それを実戦経験が少ない少女に持たせるのを許したとしても魔物に接近されてしまっては対処に遅れる可能性がある。
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