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大人の日本昔ばなし・「キョーニュウ」
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むかーし、ある村にキョーニュウという娘がおった。キョーニュウは17歳のいま、流行り病で両親を亡くしてひとりぼっちじゃった。そして村の人たちも、キョーニュウを気の毒だと思いつつ、呪われている娘ではないか? などと思い、あまり親しくはせんかった。
そんなある日のこと、キョーニュウは山で山菜取りをしておった。その日はどういうわけか思いのほか暑く、キョーニュウは少し水浴びをしたいかもしれないと思ったのじゃった。
「おぉ……」
まるでキョーニュウの思いに応えてくれる存在かと思うようなきれいな川を見たとき、ちょっとだけ水浴びしたいと思ったキョーニュウは着物を脱ぎ始める。
ちょうどそのとき、村の若者できこりの木古兵衛(きこべい)が仕事の合間にと川にやってきていた。
「ん?」
木古兵衛はとっさに木の後ろに隠れた。川に誰かおる! と思っただけではない。その者が着物を脱ぐと察したから、礼儀として木の後ろに身を隠し、そこか成り行きを見守ることにしたのじゃった。
(あれは……キョーニュウじゃ、水浴びでもするつもりなのかのぉ)
木古兵衛はまだ冷静に物事を見つめるだけじゃった。しかし着物を脱いだキョーニュウが体を横に向けたとき、ボワン! と揺れ動く豊満な乳房を見てすごい衝撃を受けた。
(なんと! キョーニュウはあんなにすごい豊満な乳の持ち主じゃったのか! あんな豊満でやわらかそうな乳……オラ、見た事がねぇ)
まったくの偶然じゃが、この時キョーニュウはまるでサービスでもするかのように、全裸の体を木古兵衛のいる方に向けた。
(うぉ! な、なんちゅー色白ふっくらきれいで……豊満でやわらかそうな乳じゃ、た、谷間に顔を埋めて甘えるとかできるんでねぇか?)
木古兵衛は煮える鍋のように勃起しておった。誰にも見られていないと思い、無邪気に水遊びをするキョーニュウのからだ、幾度となくやわらかく揺れ動く乳の房を遠目にしながら、夢中になってペニスを扱いた。
「ハァハァ……キョーニュウ、キョーニュウ」
あの乳を揉んでみたい……あの乳にむしゃぶりついてみたい、そう思いながら裸のキョーニュウを見ていると、それだけで木古兵衛の体は太陽に向かって飛んでいくようじゃった。
「んぐんぅぅ!!!」
木古兵衛は達した。それは生まれて初めて味わう射精ではなかったが、それとしか思えない太い快感でしかなかった。
「ハァハァ……キョーニュウ……キョーニュウ」
この日から木古兵衛は村人から怪訝な目を向けられてもかまわないからとし、キョーニュウと親しくなるための努力を始めた。
「木古兵衛、なんでオラに言いよって来るだ? 前はこんな感じではなかったはずじゃ、いったいどうしたんじゃ?」
キョーニュウは木古兵衛に想いを寄せられて悪い気はせんかった。むしろ両親を失ってからずっとさみしいと思うておったから、木古兵衛と愛情を育む関係になれるなら、なってもいいと前向きに思うておった。
「キョーニュウ!」
木古兵衛は山の中でキョーニュウの背中を木に押し付け、真剣な面持ちを焼けるように突きつけた。
「ど、どうしたんじゃ木古兵衛」
キョーニュウは緊張した。これまで男と関係を持ったことがなかったから、まったくもってどうしていいか分らんかった。
「おら、前から、ずっと前からキョーニュウが好きじゃった」
こらえきれないとなった木古兵衛、キョーニュウを見つめながら右手を動かす。そうして着物の上から左側のふくらみ部分をグッとつかんだ。するどうじゃ、ムニュウっとやわらかい弾力ってキモチよさがすごい豊満さとして手に快
感を与える。
「き、木古兵衛……いきなり何するんじゃ……」
「キョーニュウ、オラ、キョーニュウが好きなんじゃ!」
戸惑うキョーニュウを着物を木古兵衛の両手がグワっと乱暴に広げた。すると赤い顔で恥じらうキョーニュウの、なんともうつくしい……大変に豊かでやわらかそうって乳房が勢いよく弾んで外に出る。
「き、木古兵衛……」
ここで2人はお互いに意識が透明になってしもうた。若い2人の事じゃから、冷静に物事を進めたり対処できるはずもない。そしてちょっとばかりの時間が過ぎて気がつくと、2人の体は一つになり愛し合っておった。
「ハァハァ……木古兵衛……木古兵衛……」
いま、キョーニュウは眼前の木に両手をつけている。そして後ろからぬくもりに挿入した木古兵衛にグッとかぶさるように密接され、ものすごい勢いのピストンで体を揺さぶれておるのじゃった。
「キョーニュウ、キョーニュウ、キョーニュウ」
木古兵衛はパンパンに張り詰めたペニスをやさしい温かさに包まれ夢中になって腰を動かす。その股間がキョーニュウのやわらかい尻に激しく当たるため、幾度となくパンパンと音がこだまする。
そして木古兵衛の両手は何をせずとも大きく揺れ動くキョーニュウの乳房を波打たせるように揺さぶり揉み解しまくる。そのボリューム、そのやわらかい揉み応え、そしてその手触り! 一度味わったらもう永遠に手を離すことができない快感がたっぷり詰まっている。
「あんぐんぅぅ!!!」
「はんぅん……」
いま2人の体は結ばれた。ひとりぼっちでさみしかったキョーニュウと、こんな女子と結ばれたいと思うた木古兵衛の純粋さが混ざり合いひとつになった瞬間じゃった。
そうしてしばらく後のある日、木古兵衛の友人で同じ木こりの斬留兵衛(きるべい)が仕事から帰る時につぶやいた。
「のう、木古兵衛、最近どうしたんじゃ?」
「どうしたとはどういう事じゃ?」
「最近の木古兵衛はなんか冷たい気がするんじゃ。友人であるワシと話をしていても心ここにあらず。いつも何かひとつの事ばかり考えているような気がする。なんかあったんかいの?」
「い、いや、なんもありゃぁせんよ」
「じゃがなぁ木古兵衛、ワシはもう一つ思うんじゃ」
「なんじゃ……」
「最近の木古兵衛はずいぶんとその、満たされて落ち着いた顔が多い。おまえ、いったいどこでどんな射精をしとるんじゃ?」
「何を言うとるんじゃ、ワシはなんもしとらん。おまえの考えすぎじゃ」
「ほんとうか?」
この場はうまく切り抜けた。じゃが斬留兵衛は何かあるという疑りを捨てんかった。そしてついに生々しい現場を見る事となった。
「なんじゃ、木古兵衛はいったい何をしとるんじゃ」
それは昼間、仕事の手を休めて一服しているときじゃった。ちょっと散歩してくるとかいった木古兵衛がなかなか持ち場に戻ってこん。それを不審に思った斬留兵衛、その辺りを探索して遭遇したのじゃった。
「ハァハァ……木古兵衛、木古兵衛……」
ユッサユッサと揺れる音と悩め香しい声が風に乗って聞こえた。そして木に隠れてこっそり見たのは、すごい豊満でやわらかそうな乳房を上下に揺らしながら目をうっとりさせる女の姿じゃった。
(あれは……キョーニュウ! あんなにふっくら豊かな乳を持っておったんか! あんなに、あんなに……)
すると揺れ動くキョーニュウの乳房を下から伸びてきた両手がはげしく揺さぶり波打たせる。
「キョーニュウ、キョーニュウの乳……すごいキモチええ、こんなにキモチいい手触り……オラ、他には知らん!」
こんな風に愛し合う2人という光景を見て、斬留兵衛はすぐに事の顛末を理解した。そしてすさまじい嫉妬と怒りが沸き上がる。
「おのれ木古兵衛……自分ひとりだけ幸せな射精に浸りおって!」
その日の夜、斬留兵衛は大事な話があると言って木古兵衛を森の中に誘った。男同士の一生に一回だけの重要な話などと言われてしまっては、キョーニュウの乳に甘えたいという思いを後回しにするしかない木古兵衛じゃった。
「斬留兵衛、いったいなんじゃ、どうしたんじゃ」
「木古兵衛、おまえは悪い奴じゃ、成敗せねばならんのぉ」
「成敗? いったい何を言うとるんじゃ」
「こういう事じゃ!」
突然に斬留兵衛は斧を持って木古兵衛に襲いかかった。まったく不意を突かれた木古兵衛、あっという間に片腕を落とされてしもうた。
「斬留兵衛……お主……正気か……」
大量の出血側を抑える木古兵衛、苦しそうにハァハァやりながら、ほんとうにこれ以上の事をするのか? と尋ねる。
「でぇぇぇい!」
怒りと嫉妬に満ちた斬留兵衛の斧が木古兵衛の顔面に振り落とされた。すると、パカっと顔が左右に分れ収納されていた内物がドサっと音を立て地面に零れ落ちる。
「木古兵衛、おまえが悪いんじゃ、おまえひとりだけが幸せになろうとするから、だからいけないんじゃ!」
夜の森に斬留兵衛の叫び声が響き渡る。それはしばらく続いたが、ハッと静かになると……もはや木古兵衛の原型はどこにもなかった。あるのは木古兵衛の服とドロっとした液体だけじゃった。
「ハァハァ……これで、これでキョーニュウは、キョーニュウの乳はワシのもんじゃ、ワシがキョーニュウの乳に甘えることができるんじゃ」
それっきり誰も木古兵衛を見ることはなくなり、村人たちは木古兵衛がどこかで死んだのかもしれんと思うようになった。
「木古兵衛」
やっとつかんだ幸せじゃったのに……と、キョーニュウは深く嘆きが悲しむ。そしてそれは斬留兵衛の付け入るスキとなった。
「キョーニュウ、元気を出すんじゃ……」
木古兵衛の友人という立場を利用し、悲しみに暮れるキョーニュウに取り入る。そして数日もすれば2人の体は交わりあたらしい愛の作り上げていく。だから斬留兵衛は思うた、これで完璧じゃ、これでもう誰も不幸にはならん! と。
ところが……人の世においては不幸とか恐ろしいというのは続くようにでき
ておる。
「おのれ斬留兵衛……」
別の若者がキョーニュウが豊満な乳の持ち主と知るところとなり、当然の事として木古兵衛はねたまれる。そして負の連鎖として、斬留兵衛もまた斬殺されてしもうた。
こんな風にしてしばらく時が経つと、村からかなりの若者が姿を消すことになっていた。そして最初はだいじょうぶだったキョーニュウに少しずつ疑いの目が向けられ、ついにという日がやってきた。
同じ村に住む女、ニコがついに物語を理解した。それはニコが思いを寄せていた若者が、キョーニュウと激しく愛し合う現場を見たことによる。
「なんと……キョーニュウはあんなに豊満な乳を持っておったのか、あんな、あんな豊かな乳……オラにはとても太刀打ちできん」
ニコは怒りに震えた。そして村中の女を集め、そこで怒りを交えた報告をしたのじゃった。
「すべてはキョーニュウじゃ、あの女が諸悪の根源じゃ」
「キョーニュウ? あのおとなしそうなキョーニュウがか?」
「おとなしいもんか、キョーニュウのあの豊満な乳房を見たら、いったいどこの誰がおとなしいとか言えるんじゃ」
「そ、そんなにすごいのけ?」
「谷間に顔を埋め甘えることが可能な豊満さじゃ」
「なんと! それゆえか……それゆえに男たちが狂ったのか、そしてキョーニュウの乳をわが物にしたいから殺し合いが生まれたというのじゃな?」
「そうじゃ、キョーニュウは魔物じゃ、あの女は魔物なんじゃ!」
こんな会話が夜に成されたとは知らないキョーニュウ、明け方において突如
家に押し入ってきた女たちに捕獲された。
「なんじゃ、何するんじゃ」
キョーニュウは必死に抵抗しようとした。じゃが大勢の女に就寝中を襲われ
てはどうしようもない。
「なんでじゃ、なんでこんな目に遭わされるんじゃ!」
朝、陽がのぼって美しいというなっているとき、キョーニュウは磔にされておった。そしてキョーニュウに対して怒りを覚えた多くの女が竹やりを持って
口々に叫ぶのじゃった。
「魔物め!」
「おとなしそうな顔をして男を食い漁りおって!」
「豊満な乳で男を誘惑したおまえが悪いんじゃ!」
「乳がデカイからっていい気になり腐ってからに!」
女たちの怒り、特にキョーニュウの豊満なふくらみに対する嫉妬はおそろしいモノじゃった。
「おっとう、おっかぁ!」
キョーニュウの目からブワっと涙があふれた。そして今はもういない父と母を想いながら泣き叫び始めた。
「泣いても許さんぞ」
「可哀想ぶっても騙されんぞ!」
もはや鬼と化した女たちにはキョーニュウの涙や叫び声は通じん。そしてついに一人の女が迷いを断ち切らんと行動に出た。
「でぇぇぇいい!!!」
鬼の形相で前に突き進んだ女の持つ竹やり、それの先がブスっとキョーニュウの左胸に刺さった。
「ぶっ……」
キョーニュウの口から大量の血が噴き出す。それを見た女たちは少しギョッとした。じゃがもう後には引けん。そこで少し離れたところから、一人の女がキョーニュウめがけて力いっぱい竹やりを投げつけた。
ドス! っとそれはキョーニュウの左目にブッ刺さる。そして眼球がつぶれ赤い血がトロトロと流れ出る。
「おっとう……おっかぁ……」
キョーニュウはもう力尽きる寸前じゃった。
「なんとむごい事を……」
ずっと離れた所でキョーニュウの乳に恋焦がれている男たちが哀れむ。男たちは出ていってキョーニュウを助けたいと思う。じゃが竹やりを持った女たちがあまりにも怖いので臆病風に甘んじるしかないのじゃった。
「キョーニュウ、成仏しておくれ」
男たちはみな一斉に手を合わせる。普段はキョーニュウの乳を情熱的にねだるが、こういうところでは何にもできんのじゃった。
「おっとう……おっかぁ……」
今にも死にそうなキョーニュウ、それを見た女たちはさっさと終わらせようということで火をつけた。ゴワー! っと燃えていくキョーニュウ。それはとっても可哀想で気の毒な最期じゃった。
こうしてキョーニュウの黒焦げになった死体は海に流された。そして女たちはキョーニュウを殺してから口々に言い合った。
「可哀想な事をしてしもうたのぉ」
「むごい事をしてしもうたのぉ」
そして男たちはキョーニュウのために何にもしてやれなかった自分たちを大いに恥じ、村の外れに小さな神社を立てた。そして女たちには内緒で、男たちだけがそこをキョーニュウ神社と呼んだ。そしていつからか、豊満な乳房のことを巨乳と呼ぶようになったという。
そんなある日のこと、キョーニュウは山で山菜取りをしておった。その日はどういうわけか思いのほか暑く、キョーニュウは少し水浴びをしたいかもしれないと思ったのじゃった。
「おぉ……」
まるでキョーニュウの思いに応えてくれる存在かと思うようなきれいな川を見たとき、ちょっとだけ水浴びしたいと思ったキョーニュウは着物を脱ぎ始める。
ちょうどそのとき、村の若者できこりの木古兵衛(きこべい)が仕事の合間にと川にやってきていた。
「ん?」
木古兵衛はとっさに木の後ろに隠れた。川に誰かおる! と思っただけではない。その者が着物を脱ぐと察したから、礼儀として木の後ろに身を隠し、そこか成り行きを見守ることにしたのじゃった。
(あれは……キョーニュウじゃ、水浴びでもするつもりなのかのぉ)
木古兵衛はまだ冷静に物事を見つめるだけじゃった。しかし着物を脱いだキョーニュウが体を横に向けたとき、ボワン! と揺れ動く豊満な乳房を見てすごい衝撃を受けた。
(なんと! キョーニュウはあんなにすごい豊満な乳の持ち主じゃったのか! あんな豊満でやわらかそうな乳……オラ、見た事がねぇ)
まったくの偶然じゃが、この時キョーニュウはまるでサービスでもするかのように、全裸の体を木古兵衛のいる方に向けた。
(うぉ! な、なんちゅー色白ふっくらきれいで……豊満でやわらかそうな乳じゃ、た、谷間に顔を埋めて甘えるとかできるんでねぇか?)
木古兵衛は煮える鍋のように勃起しておった。誰にも見られていないと思い、無邪気に水遊びをするキョーニュウのからだ、幾度となくやわらかく揺れ動く乳の房を遠目にしながら、夢中になってペニスを扱いた。
「ハァハァ……キョーニュウ、キョーニュウ」
あの乳を揉んでみたい……あの乳にむしゃぶりついてみたい、そう思いながら裸のキョーニュウを見ていると、それだけで木古兵衛の体は太陽に向かって飛んでいくようじゃった。
「んぐんぅぅ!!!」
木古兵衛は達した。それは生まれて初めて味わう射精ではなかったが、それとしか思えない太い快感でしかなかった。
「ハァハァ……キョーニュウ……キョーニュウ」
この日から木古兵衛は村人から怪訝な目を向けられてもかまわないからとし、キョーニュウと親しくなるための努力を始めた。
「木古兵衛、なんでオラに言いよって来るだ? 前はこんな感じではなかったはずじゃ、いったいどうしたんじゃ?」
キョーニュウは木古兵衛に想いを寄せられて悪い気はせんかった。むしろ両親を失ってからずっとさみしいと思うておったから、木古兵衛と愛情を育む関係になれるなら、なってもいいと前向きに思うておった。
「キョーニュウ!」
木古兵衛は山の中でキョーニュウの背中を木に押し付け、真剣な面持ちを焼けるように突きつけた。
「ど、どうしたんじゃ木古兵衛」
キョーニュウは緊張した。これまで男と関係を持ったことがなかったから、まったくもってどうしていいか分らんかった。
「おら、前から、ずっと前からキョーニュウが好きじゃった」
こらえきれないとなった木古兵衛、キョーニュウを見つめながら右手を動かす。そうして着物の上から左側のふくらみ部分をグッとつかんだ。するどうじゃ、ムニュウっとやわらかい弾力ってキモチよさがすごい豊満さとして手に快
感を与える。
「き、木古兵衛……いきなり何するんじゃ……」
「キョーニュウ、オラ、キョーニュウが好きなんじゃ!」
戸惑うキョーニュウを着物を木古兵衛の両手がグワっと乱暴に広げた。すると赤い顔で恥じらうキョーニュウの、なんともうつくしい……大変に豊かでやわらかそうって乳房が勢いよく弾んで外に出る。
「き、木古兵衛……」
ここで2人はお互いに意識が透明になってしもうた。若い2人の事じゃから、冷静に物事を進めたり対処できるはずもない。そしてちょっとばかりの時間が過ぎて気がつくと、2人の体は一つになり愛し合っておった。
「ハァハァ……木古兵衛……木古兵衛……」
いま、キョーニュウは眼前の木に両手をつけている。そして後ろからぬくもりに挿入した木古兵衛にグッとかぶさるように密接され、ものすごい勢いのピストンで体を揺さぶれておるのじゃった。
「キョーニュウ、キョーニュウ、キョーニュウ」
木古兵衛はパンパンに張り詰めたペニスをやさしい温かさに包まれ夢中になって腰を動かす。その股間がキョーニュウのやわらかい尻に激しく当たるため、幾度となくパンパンと音がこだまする。
そして木古兵衛の両手は何をせずとも大きく揺れ動くキョーニュウの乳房を波打たせるように揺さぶり揉み解しまくる。そのボリューム、そのやわらかい揉み応え、そしてその手触り! 一度味わったらもう永遠に手を離すことができない快感がたっぷり詰まっている。
「あんぐんぅぅ!!!」
「はんぅん……」
いま2人の体は結ばれた。ひとりぼっちでさみしかったキョーニュウと、こんな女子と結ばれたいと思うた木古兵衛の純粋さが混ざり合いひとつになった瞬間じゃった。
そうしてしばらく後のある日、木古兵衛の友人で同じ木こりの斬留兵衛(きるべい)が仕事から帰る時につぶやいた。
「のう、木古兵衛、最近どうしたんじゃ?」
「どうしたとはどういう事じゃ?」
「最近の木古兵衛はなんか冷たい気がするんじゃ。友人であるワシと話をしていても心ここにあらず。いつも何かひとつの事ばかり考えているような気がする。なんかあったんかいの?」
「い、いや、なんもありゃぁせんよ」
「じゃがなぁ木古兵衛、ワシはもう一つ思うんじゃ」
「なんじゃ……」
「最近の木古兵衛はずいぶんとその、満たされて落ち着いた顔が多い。おまえ、いったいどこでどんな射精をしとるんじゃ?」
「何を言うとるんじゃ、ワシはなんもしとらん。おまえの考えすぎじゃ」
「ほんとうか?」
この場はうまく切り抜けた。じゃが斬留兵衛は何かあるという疑りを捨てんかった。そしてついに生々しい現場を見る事となった。
「なんじゃ、木古兵衛はいったい何をしとるんじゃ」
それは昼間、仕事の手を休めて一服しているときじゃった。ちょっと散歩してくるとかいった木古兵衛がなかなか持ち場に戻ってこん。それを不審に思った斬留兵衛、その辺りを探索して遭遇したのじゃった。
「ハァハァ……木古兵衛、木古兵衛……」
ユッサユッサと揺れる音と悩め香しい声が風に乗って聞こえた。そして木に隠れてこっそり見たのは、すごい豊満でやわらかそうな乳房を上下に揺らしながら目をうっとりさせる女の姿じゃった。
(あれは……キョーニュウ! あんなにふっくら豊かな乳を持っておったんか! あんなに、あんなに……)
すると揺れ動くキョーニュウの乳房を下から伸びてきた両手がはげしく揺さぶり波打たせる。
「キョーニュウ、キョーニュウの乳……すごいキモチええ、こんなにキモチいい手触り……オラ、他には知らん!」
こんな風に愛し合う2人という光景を見て、斬留兵衛はすぐに事の顛末を理解した。そしてすさまじい嫉妬と怒りが沸き上がる。
「おのれ木古兵衛……自分ひとりだけ幸せな射精に浸りおって!」
その日の夜、斬留兵衛は大事な話があると言って木古兵衛を森の中に誘った。男同士の一生に一回だけの重要な話などと言われてしまっては、キョーニュウの乳に甘えたいという思いを後回しにするしかない木古兵衛じゃった。
「斬留兵衛、いったいなんじゃ、どうしたんじゃ」
「木古兵衛、おまえは悪い奴じゃ、成敗せねばならんのぉ」
「成敗? いったい何を言うとるんじゃ」
「こういう事じゃ!」
突然に斬留兵衛は斧を持って木古兵衛に襲いかかった。まったく不意を突かれた木古兵衛、あっという間に片腕を落とされてしもうた。
「斬留兵衛……お主……正気か……」
大量の出血側を抑える木古兵衛、苦しそうにハァハァやりながら、ほんとうにこれ以上の事をするのか? と尋ねる。
「でぇぇぇい!」
怒りと嫉妬に満ちた斬留兵衛の斧が木古兵衛の顔面に振り落とされた。すると、パカっと顔が左右に分れ収納されていた内物がドサっと音を立て地面に零れ落ちる。
「木古兵衛、おまえが悪いんじゃ、おまえひとりだけが幸せになろうとするから、だからいけないんじゃ!」
夜の森に斬留兵衛の叫び声が響き渡る。それはしばらく続いたが、ハッと静かになると……もはや木古兵衛の原型はどこにもなかった。あるのは木古兵衛の服とドロっとした液体だけじゃった。
「ハァハァ……これで、これでキョーニュウは、キョーニュウの乳はワシのもんじゃ、ワシがキョーニュウの乳に甘えることができるんじゃ」
それっきり誰も木古兵衛を見ることはなくなり、村人たちは木古兵衛がどこかで死んだのかもしれんと思うようになった。
「木古兵衛」
やっとつかんだ幸せじゃったのに……と、キョーニュウは深く嘆きが悲しむ。そしてそれは斬留兵衛の付け入るスキとなった。
「キョーニュウ、元気を出すんじゃ……」
木古兵衛の友人という立場を利用し、悲しみに暮れるキョーニュウに取り入る。そして数日もすれば2人の体は交わりあたらしい愛の作り上げていく。だから斬留兵衛は思うた、これで完璧じゃ、これでもう誰も不幸にはならん! と。
ところが……人の世においては不幸とか恐ろしいというのは続くようにでき
ておる。
「おのれ斬留兵衛……」
別の若者がキョーニュウが豊満な乳の持ち主と知るところとなり、当然の事として木古兵衛はねたまれる。そして負の連鎖として、斬留兵衛もまた斬殺されてしもうた。
こんな風にしてしばらく時が経つと、村からかなりの若者が姿を消すことになっていた。そして最初はだいじょうぶだったキョーニュウに少しずつ疑いの目が向けられ、ついにという日がやってきた。
同じ村に住む女、ニコがついに物語を理解した。それはニコが思いを寄せていた若者が、キョーニュウと激しく愛し合う現場を見たことによる。
「なんと……キョーニュウはあんなに豊満な乳を持っておったのか、あんな、あんな豊かな乳……オラにはとても太刀打ちできん」
ニコは怒りに震えた。そして村中の女を集め、そこで怒りを交えた報告をしたのじゃった。
「すべてはキョーニュウじゃ、あの女が諸悪の根源じゃ」
「キョーニュウ? あのおとなしそうなキョーニュウがか?」
「おとなしいもんか、キョーニュウのあの豊満な乳房を見たら、いったいどこの誰がおとなしいとか言えるんじゃ」
「そ、そんなにすごいのけ?」
「谷間に顔を埋め甘えることが可能な豊満さじゃ」
「なんと! それゆえか……それゆえに男たちが狂ったのか、そしてキョーニュウの乳をわが物にしたいから殺し合いが生まれたというのじゃな?」
「そうじゃ、キョーニュウは魔物じゃ、あの女は魔物なんじゃ!」
こんな会話が夜に成されたとは知らないキョーニュウ、明け方において突如
家に押し入ってきた女たちに捕獲された。
「なんじゃ、何するんじゃ」
キョーニュウは必死に抵抗しようとした。じゃが大勢の女に就寝中を襲われ
てはどうしようもない。
「なんでじゃ、なんでこんな目に遭わされるんじゃ!」
朝、陽がのぼって美しいというなっているとき、キョーニュウは磔にされておった。そしてキョーニュウに対して怒りを覚えた多くの女が竹やりを持って
口々に叫ぶのじゃった。
「魔物め!」
「おとなしそうな顔をして男を食い漁りおって!」
「豊満な乳で男を誘惑したおまえが悪いんじゃ!」
「乳がデカイからっていい気になり腐ってからに!」
女たちの怒り、特にキョーニュウの豊満なふくらみに対する嫉妬はおそろしいモノじゃった。
「おっとう、おっかぁ!」
キョーニュウの目からブワっと涙があふれた。そして今はもういない父と母を想いながら泣き叫び始めた。
「泣いても許さんぞ」
「可哀想ぶっても騙されんぞ!」
もはや鬼と化した女たちにはキョーニュウの涙や叫び声は通じん。そしてついに一人の女が迷いを断ち切らんと行動に出た。
「でぇぇぇいい!!!」
鬼の形相で前に突き進んだ女の持つ竹やり、それの先がブスっとキョーニュウの左胸に刺さった。
「ぶっ……」
キョーニュウの口から大量の血が噴き出す。それを見た女たちは少しギョッとした。じゃがもう後には引けん。そこで少し離れたところから、一人の女がキョーニュウめがけて力いっぱい竹やりを投げつけた。
ドス! っとそれはキョーニュウの左目にブッ刺さる。そして眼球がつぶれ赤い血がトロトロと流れ出る。
「おっとう……おっかぁ……」
キョーニュウはもう力尽きる寸前じゃった。
「なんとむごい事を……」
ずっと離れた所でキョーニュウの乳に恋焦がれている男たちが哀れむ。男たちは出ていってキョーニュウを助けたいと思う。じゃが竹やりを持った女たちがあまりにも怖いので臆病風に甘んじるしかないのじゃった。
「キョーニュウ、成仏しておくれ」
男たちはみな一斉に手を合わせる。普段はキョーニュウの乳を情熱的にねだるが、こういうところでは何にもできんのじゃった。
「おっとう……おっかぁ……」
今にも死にそうなキョーニュウ、それを見た女たちはさっさと終わらせようということで火をつけた。ゴワー! っと燃えていくキョーニュウ。それはとっても可哀想で気の毒な最期じゃった。
こうしてキョーニュウの黒焦げになった死体は海に流された。そして女たちはキョーニュウを殺してから口々に言い合った。
「可哀想な事をしてしもうたのぉ」
「むごい事をしてしもうたのぉ」
そして男たちはキョーニュウのために何にもしてやれなかった自分たちを大いに恥じ、村の外れに小さな神社を立てた。そして女たちには内緒で、男たちだけがそこをキョーニュウ神社と呼んだ。そしていつからか、豊満な乳房のことを巨乳と呼ぶようになったという。
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