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199・息吹争奪戦(巨乳ばっかりのバトル大会)15
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199・息吹争奪戦(巨乳ばっかりのバトル大会)15
熱気とざわつきの会場、突然に真っ暗となる。当然ながら大勢の観客が「停電か?」 と焦るわけだが、パーっとレインボーの光線がクロス。明らかに特別仕様ってフンイキが輝きの中にまぶされている。
「赤コーナーに入場するは、みなさま盛大な拍手でお出迎えください。彼女こそは主催者で出場者でもある御手洗団子!」
ひときわドハデな光線の乱舞、そして耳に暴力的な音量で鳴り響くハードロックの名曲。他の誰よりもわたしに注目せよというフィーリングが用意され、花道に柔道着の団子が登場。
「いぇ~!」
歩きながら両手をにぎって突き上げる。自分にはどんな声が飛んでくるか? こんな大会を開いてくれてありがとう! とか、お、けっこうかわいいじゃん! みたいな声が飛んでくるだろう……と団子は大いに期待する。しかし現実は厳しかった。
「はぁ? なんの工夫もないふつうの柔道着?」
「ダッセェ! いくら見た感じがふっくらとか言っても巨乳って魅力を隠されたら、全然そそられねぇつーんだよ」
「主催者の分際でサービス精神がないとかアホ過ぎ」
「ほんとうに巨乳なのかよ、もしかしてウソ吐いているんじゃねぇの?」
「顔がイマイチで巨乳具合を隠すとか、そんな根性なしが大会で優勝を狙うとかまったく笑えないわ」
「あまりにダサいぞ、みそ汁で顔を洗ってこい御手洗団子!」
団子に向けられる声もすべては激に辛辣だった。アイドルみたいにあがめられるかも? と期待していた団子の期待は見事にへし折られた。
「く……」
しくじった……と思うが、しかし今から着替えるわけにもいかない。だから御手洗団子は実に冴えない格好で戦うしかない。
「さぁ、御手洗団子の対戦相手、青コーナーに入るは田村かな子、ステキな美爆乳女子だぁ!」
場外アナウンスが魅力的に叫ぶ。そしてさっきとちがい、青色一本という地味なライトが当てられる。しかしどうだろう、ここで会場からは核兵器が投下された大爆発! みたいな興奮が湧き上がる。
「ちょ、ちょっと!」
団子、リング上でのけぞらんほどにおどろいた。それは対戦相手の格好があまりにも常軌を逸しているからだ。
田村かな子(68・実はずっと前から息吹くんが好きだったんだよ1から70・実はずっと前から息吹くんが好きだったんだよ3に登場)というのは、一皮むけていない女子高生時代に、女を食いまくっていた息吹にホレていたすごい巨乳女子。それがなんと全裸でのれん付きの廻しという格好で入場してきたから、すべての観客がかなこに大興奮。
「うぉぉ!!!!! 極上な目の保養」
「かな子マジ最高ぉ!」
「すげぇ美巨乳、マジでめっちゃく豊満でうつくしい!」
「これだよ、これなんだよ!」
「やべ、おれ涙が出てきた……」
「かな子、御手洗団子とかいうつまらない女に負けるなよ!」
天井知らずに盛り上がるかな子へのエール。ふつうならゲス過ぎるという話だが、会場にいる観客のすべてがかなこをエンジェル認定。まともな女であろう団子の方がヒールにされている。
(実況)「解説の居乳打亜さん、田村かな子ってすごい選手が出てきましたね」
(解説)「すごいです。まさに女の根性と覚悟を見せつけられているという感じですね」
(実況)「あぁ~っと会場のかなこ子コールがまだ収まらない。こうなるともう世界はかな子の味方か! 主催者である御手洗団子を応援する者はいないというのか!」
団子、ボワ! っと怒りのオーラを浮かべる。目の前にいるあまりにもふざけた格好の田村かな子が心底気に入らない。
「田村かな子……」
「な、なに?」
「何じゃない! なにそのふざけまくった格好は」
「わたし……おっぱい102cmのIカップだよ!」
「誰もそんなこと聞いてない! そんなふざけた格好をして、しかもあんた格闘とかできる女じゃないでしょう」
「こういう格好をすれば世界はわたしの味方、わたしを負かそうとする相手が戸惑うんじゃないかと思った」
「ゲス……腐れ……わたし、あんたみたいな女って大嫌い」
「勝手に嫌って、わたしだって本気なんだ、真剣なんだ!」
「そう、だったら思いっきり……痛い目に遭わせてやる」
両手を組み合わせ音を鳴らす団子、たとえ世界がかな子を愛しようと、自分はこんな女を許せないって表情をがっちり固めた。
そして試合が開始! かな子、特に意味はないがその場でグルっと回ったりする。すると豊満なふくらみが揺れ動くから観客の感情移入が高まる。
「御手洗団子なんか負けちまえ!」
「そうだ、つまらない女である団子が勝利しても誰もよろこばない」
「かな子こそ正義」
「かな子に勝たせろ、団子は金だけ出して引っ込んでろ!」
団子、ほざいている奴の顔面に右ストレートをぶち込みたいと思いつつ、あまりに冴えない格好で出た事には少し後悔。だったら次は格好を変えようと思い、そのためには眼前の忌々しい女をぶっ倒すと構えに入る。
「田村かなこ、あんたどうしてこの大会に出ようと思った?」
「わたしは息吹くんが高校時代から好きだったんだよ。それで以前に再会して告白したらフラれて……諦めたつもりでいた。でもこんな大会が開かれたら黙って見ていられるわけがない」
「格闘も何もできないくせに、そんなあざとい格好をする神経しか持ち合わせていないのに、それで出場して恥ずかしくないの?」
「でもわたしは巨乳。むしろ団子、あなたの方がダメな女」
「はぁ? なんだって?」
「冴えない柔道着、しかも下は無地の白いTシャツを着ているでしょう? それだと巨乳って重要な部分が隠されている。つまり自分を晒す根性が団子にはない。それ弱い女、情けない女、暗い女……だからわたしの方が上。わたしの方が女として輝いている」
かな子が意図的に大きめの声で言うと、それを耳で拾った観客が叫ぶ。そうだ、かな子の方が女として輝いているぞ! と。だから他の連中も煽られ、試合中だというのにかな子コールが沸く。
(実況)「あぁっと再びかな子コール。これはもう御手洗団子に期待する人はいないという事か。主催者である御手洗団子は金だけだして裏へ引っ込め! ということなのか」
(解説)「仕方ないかもしれませんね。いまの時点では田村選手の方が女神さまのようにまぶしいですからね」
こんな風になったら、かな子が自分の谷間に手を当て、恥じらう女をやりながら団子に言った。
「団子、お願い……負けて、この魅力的なわたしに勝ちをゆずって!」
かな子、観客を味方につけあざとく訴えることで勝ったと思った。この流れで自分が痛い目に遭わされることはないと勝手に確信する。しかし実際には団子の怒りをカンペキなモノにして言わせただけだった。
「ふざけんなよ……かな子、こうなったらもう、ただの痛い目じゃない、恥ずかしいって思いも与えてやるからな、おまえ……ほんとうに許さない」
熱気とざわつきの会場、突然に真っ暗となる。当然ながら大勢の観客が「停電か?」 と焦るわけだが、パーっとレインボーの光線がクロス。明らかに特別仕様ってフンイキが輝きの中にまぶされている。
「赤コーナーに入場するは、みなさま盛大な拍手でお出迎えください。彼女こそは主催者で出場者でもある御手洗団子!」
ひときわドハデな光線の乱舞、そして耳に暴力的な音量で鳴り響くハードロックの名曲。他の誰よりもわたしに注目せよというフィーリングが用意され、花道に柔道着の団子が登場。
「いぇ~!」
歩きながら両手をにぎって突き上げる。自分にはどんな声が飛んでくるか? こんな大会を開いてくれてありがとう! とか、お、けっこうかわいいじゃん! みたいな声が飛んでくるだろう……と団子は大いに期待する。しかし現実は厳しかった。
「はぁ? なんの工夫もないふつうの柔道着?」
「ダッセェ! いくら見た感じがふっくらとか言っても巨乳って魅力を隠されたら、全然そそられねぇつーんだよ」
「主催者の分際でサービス精神がないとかアホ過ぎ」
「ほんとうに巨乳なのかよ、もしかしてウソ吐いているんじゃねぇの?」
「顔がイマイチで巨乳具合を隠すとか、そんな根性なしが大会で優勝を狙うとかまったく笑えないわ」
「あまりにダサいぞ、みそ汁で顔を洗ってこい御手洗団子!」
団子に向けられる声もすべては激に辛辣だった。アイドルみたいにあがめられるかも? と期待していた団子の期待は見事にへし折られた。
「く……」
しくじった……と思うが、しかし今から着替えるわけにもいかない。だから御手洗団子は実に冴えない格好で戦うしかない。
「さぁ、御手洗団子の対戦相手、青コーナーに入るは田村かな子、ステキな美爆乳女子だぁ!」
場外アナウンスが魅力的に叫ぶ。そしてさっきとちがい、青色一本という地味なライトが当てられる。しかしどうだろう、ここで会場からは核兵器が投下された大爆発! みたいな興奮が湧き上がる。
「ちょ、ちょっと!」
団子、リング上でのけぞらんほどにおどろいた。それは対戦相手の格好があまりにも常軌を逸しているからだ。
田村かな子(68・実はずっと前から息吹くんが好きだったんだよ1から70・実はずっと前から息吹くんが好きだったんだよ3に登場)というのは、一皮むけていない女子高生時代に、女を食いまくっていた息吹にホレていたすごい巨乳女子。それがなんと全裸でのれん付きの廻しという格好で入場してきたから、すべての観客がかなこに大興奮。
「うぉぉ!!!!! 極上な目の保養」
「かな子マジ最高ぉ!」
「すげぇ美巨乳、マジでめっちゃく豊満でうつくしい!」
「これだよ、これなんだよ!」
「やべ、おれ涙が出てきた……」
「かな子、御手洗団子とかいうつまらない女に負けるなよ!」
天井知らずに盛り上がるかな子へのエール。ふつうならゲス過ぎるという話だが、会場にいる観客のすべてがかなこをエンジェル認定。まともな女であろう団子の方がヒールにされている。
(実況)「解説の居乳打亜さん、田村かな子ってすごい選手が出てきましたね」
(解説)「すごいです。まさに女の根性と覚悟を見せつけられているという感じですね」
(実況)「あぁ~っと会場のかなこ子コールがまだ収まらない。こうなるともう世界はかな子の味方か! 主催者である御手洗団子を応援する者はいないというのか!」
団子、ボワ! っと怒りのオーラを浮かべる。目の前にいるあまりにもふざけた格好の田村かな子が心底気に入らない。
「田村かな子……」
「な、なに?」
「何じゃない! なにそのふざけまくった格好は」
「わたし……おっぱい102cmのIカップだよ!」
「誰もそんなこと聞いてない! そんなふざけた格好をして、しかもあんた格闘とかできる女じゃないでしょう」
「こういう格好をすれば世界はわたしの味方、わたしを負かそうとする相手が戸惑うんじゃないかと思った」
「ゲス……腐れ……わたし、あんたみたいな女って大嫌い」
「勝手に嫌って、わたしだって本気なんだ、真剣なんだ!」
「そう、だったら思いっきり……痛い目に遭わせてやる」
両手を組み合わせ音を鳴らす団子、たとえ世界がかな子を愛しようと、自分はこんな女を許せないって表情をがっちり固めた。
そして試合が開始! かな子、特に意味はないがその場でグルっと回ったりする。すると豊満なふくらみが揺れ動くから観客の感情移入が高まる。
「御手洗団子なんか負けちまえ!」
「そうだ、つまらない女である団子が勝利しても誰もよろこばない」
「かな子こそ正義」
「かな子に勝たせろ、団子は金だけ出して引っ込んでろ!」
団子、ほざいている奴の顔面に右ストレートをぶち込みたいと思いつつ、あまりに冴えない格好で出た事には少し後悔。だったら次は格好を変えようと思い、そのためには眼前の忌々しい女をぶっ倒すと構えに入る。
「田村かなこ、あんたどうしてこの大会に出ようと思った?」
「わたしは息吹くんが高校時代から好きだったんだよ。それで以前に再会して告白したらフラれて……諦めたつもりでいた。でもこんな大会が開かれたら黙って見ていられるわけがない」
「格闘も何もできないくせに、そんなあざとい格好をする神経しか持ち合わせていないのに、それで出場して恥ずかしくないの?」
「でもわたしは巨乳。むしろ団子、あなたの方がダメな女」
「はぁ? なんだって?」
「冴えない柔道着、しかも下は無地の白いTシャツを着ているでしょう? それだと巨乳って重要な部分が隠されている。つまり自分を晒す根性が団子にはない。それ弱い女、情けない女、暗い女……だからわたしの方が上。わたしの方が女として輝いている」
かな子が意図的に大きめの声で言うと、それを耳で拾った観客が叫ぶ。そうだ、かな子の方が女として輝いているぞ! と。だから他の連中も煽られ、試合中だというのにかな子コールが沸く。
(実況)「あぁっと再びかな子コール。これはもう御手洗団子に期待する人はいないという事か。主催者である御手洗団子は金だけだして裏へ引っ込め! ということなのか」
(解説)「仕方ないかもしれませんね。いまの時点では田村選手の方が女神さまのようにまぶしいですからね」
こんな風になったら、かな子が自分の谷間に手を当て、恥じらう女をやりながら団子に言った。
「団子、お願い……負けて、この魅力的なわたしに勝ちをゆずって!」
かな子、観客を味方につけあざとく訴えることで勝ったと思った。この流れで自分が痛い目に遭わされることはないと勝手に確信する。しかし実際には団子の怒りをカンペキなモノにして言わせただけだった。
「ふざけんなよ……かな子、こうなったらもう、ただの痛い目じゃない、恥ずかしいって思いも与えてやるからな、おまえ……ほんとうに許さない」
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