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149・閻美って爆乳女にある心の隙間とプライド7

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149・閻美って爆乳女にある心の隙間とプライド7

 
 かすみ、うつ伏せのままブルブルっと鳥肌を立てた。なぜならエローゼ星人こと閻美が背中の上に覆いかぶさってきたせいだ。

「ぅう……」

「さぁ、子ども巨乳、息吹くんたすけて! とか心の中で叫べ。そうしないとわたしと愛し合うストーリーが幕を開けるぞ」

 エローゼ星人はうつ伏せ女子にピタッと密接。そしてイヤがっている相手の首元に顔を近づけ、早く呼べ……と甘い声で脅す。

「そ、そんな風に脅してもダメじゃないですか、閻美さん」

「うん? どうして?」

「だ、だ、だって……お、女同士で愛し合うとか……そ、その……ぶ、物理的にムリっていうか」

「あぁ、そういう事か……かわいいなぁ子ども巨乳は」

 エローゼ星人、かすみの頭をやさしく撫でながら耳元にささやき教えてやるのだった。 

「女同士でも、ほら、アレがあればできる」

「あ、あれ?」

「女同士で愛し合うための必需品、もしかして名前を知らないとか?」

「う……」

 かすみ、ぞーっとしてぞわーっと震える。背中の相手からは本気な感がビシバシ伝わるが、そんな事とても受け入れられないとじたばたし始める。

「どうどう、おちつけってば」

 エローゼ星人、上から両腕を回しかすみの巨乳ってふくらみをギュッと掴み揉み解す。

「ぁ……んぅ……」

 たまらず目が細まってしまうあげく、どんどん力が抜けていく巨乳女子。こうなると息吹へ助けを求めたくなる。

「早く、息吹くん助けて! って言えってば」

 エローゼ星人、ギュッとふくらみを掴みながらぴったり密接。そしてイヤらしく自分の体を動かしエロ振動を起こす。

「ハァハァ……い、いぶ……」

「早く言え!」

「い、息吹くん……息吹くん、たすけて!」

 言いたくなかったのに言ってしまった。そんなかすみが唇を噛むと、上にかぶさっている者はニヤッと笑う。

「うん!?」

 ここでエローゼ星人、着物に手を当てたまま動きを止める。ビルの屋上、後方に風の舞が発生したと感じたからだ。それは別の誰かって存在感を漂わせており、女2人って場所に男が混じったという事も伝えてくる。

「来たか」

 エローゼ星人がつぶやいたとき、息吹が屋上に姿を現した。そして何かを言おうとしてすぐ、目にした光景におどろき目をパチクリさせる。

「閻美とかすみ? 2人だけ?」

 どこかに悪者がいると思っていたが、目の前には見慣れた2人の姿しかない。しかもどこかしら見てはいけない展開という感が生々しい。

「え……もしかして……ただいま取り込み中だったとか?」

 息吹が言うとかすみが大きな声で言う。

「ちがう、ちがう、取り込み中とか変なこと言わないで息吹くんのバカ!」

 いったいどういう事? と思う息吹へ閻美が向きを変える。それはたしかに閻美であり他の誰でもないとしか見えないが……どこか奇妙な感じがするのだった。

「閻美……いや、おまえは……誰だ」

 息吹が言うと女はとても感心した表情で、わたしはエローゼ星からやってきたエローゼ星人だと説明する。もっとも姿かたちに声は閻美そのままゆえ、息吹もかすみも困惑は隠せない。

「惑星エローゼは地球から20光年離れたところにある。平和に栄えていたが人口が増えすぎてしまったんだ。おかげでセックスに規制がかかってしまい、この上なくつまらないし欲求不満にあふれた世界。だからわたしはエローゼ星人とよく似ている地球人の男とセックスして満たされようと思った。そう、これはつまり宇宙の純愛物語なのだよ」

 それを聞いた息吹、スーッと刀を取り出し質問した。セックスしたくてやって来るのはかまわないとしても、なぜ閻美という女の体を乗っ取る必要があるのかと。

「地球の重力はエローゼより重い。人間の体を乗っ取らない場合、エローゼ星人は気体でしかない。それではセックスができないだろう? だからこういう事をしているわけだよ」

「そうか……と言いたいところだが、他人の体を乗っ取るのは禁じ手だ。エローゼ星人とやら、閻美の体から出ていけ。そうすれば見逃してやる」

「あらあら、わたしはセックスがしたいと言ったはずだぞ? それは戦いじゃない愛し合いだ。息吹、おまえだってこの女が嫌いではないだろう? おたがいに一石二鳥じゃないか」

「バカ言うな、閻美が犠牲になるだろう」

「仕方あるまいて、2人がシアワセになるなら土台の1人が犠牲になるはやむなし」

「どうやらエローゼ星人は倒さねばならないようだ」

 息吹が戦闘モードの構えに入る。それを見たエローゼ星人、ちょっと物悲しそうな目をしてつぶやく。

「なぜどいつもこいつも簡単にセックスができないのか。プライドだの犠牲がダメだの、よくそれで子孫が残せるものだ」

 ここで息吹、先手必勝と動く。その素早さは華麗であり、あっという間に閻美の頭上を取る。そのまま刀を振り下ろせば終わる! というイメージが屋上に広がる。

 が、しかし……閻美がこれといった動きを見せず、クッと顔を上げ見つめると、息吹の方が焦る。

「う……」

 刀を振り下ろそうと思ったができなかった。それは当然の事であり、外側は閻美なので傷つけるわけにはいかない。てっきり反撃だの防御をすると思っていたゆえ、無防備だと逆に困るという話だった。

「どうした息吹、わたしを斬るんじゃなかったのか?」

「む……」

「なんなら脱ごうか? どうせ無防備で攻撃ができないなら、愛し合った方がお互いに得だと思うがなぁ」

 エローゼ星人、閻美の体でニヤニヤっと勝ち誇りの笑みを浮かべる。すると息吹が予想もしない事を口にした。

「だったら閻美の中に入ろう。そしてエローゼ星人、おまえを抹消する」

「閻美の中に入る?」

 ちょっとおどろいたエローゼ星人だったが、一度離れ距離を取ったと思った息吹がすぐさまダッシュを開始。さっきよりさらに早くまっすぐ突進してくる。

「うぁぁぁぁぁぁぁ」

 向かってくる息吹が刀を振ろうとしている。エローゼ星人はあえて動かず、先と同じように息吹が閻美に攻撃出来ないというカタチを取る。

「斬!」

 シュワッと息吹の刀が水平に振られた。その瞬間、グワっと空気が歪む。そうして空気の乱れが顔にあたったゆえ、エローゼ星人は思わず一瞬両目を閉じた。そうしてすぐ目を見てみると、そこには息吹の姿がなかった。
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