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141・愛しのスーパードールまりあ14
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141・愛しのスーパードールまりあ14
「あなたは何者なんですか?」
かすみ、戦闘態勢を取りつつ青い炎を纏う相手に問うた。
「わたしはスーパードールまりあ、おまえなんかに用はない!」
まりあ包丁をブンブンっと踊るように振り回しながら誰かわからない女子に接近攻撃していく。
しかし……ふうつなら怯えて逃げるはずが、薙刀の巨乳女子は華麗に受け流す。まるでゆるく美しい水流を美学みたいに動く。そしてただガードして避けているだけでなく、絶好のタイミングで反撃しようとしている事も伝わる。
「む!」
かすみが反撃しようと思ったと同時にまりあが自ら後ろに下がった。そし自ら上げている炎のオーラで照らされる相手女子に言う。
「13歳くらい? 子ども巨乳、おまえはタダ者じゃないと見た」
「ふっ、わたしは人呼んでビューティーかすみ。で、あなたは? スーパードールとかなんですか? 意味が分からないのですけど」
「わたしはさみしい心の持ち主に愛され、同じだけの愛を返すために生まれた愛されドール」
「愛されドールぅ? ぅ! そ、そ、それって……ま、まさかラブドールとかいうんじゃ……」
「だったらどうだっていうんだ!」
まりあが手に持っていた包丁をシュパっと投げつけた。それは相当な速さであり、ふつうの人間なら額にブッ刺さりあの世に旅立つ可能性大。しかしかすみはヒョイっと顔だけ動かして避ける。
「ドールでも人を愛するキモチに偽りなし!」
力強く言ったまりあの両手にふっと突然に新たな武器が出現。
(小太刀……、しかも二刀流!)
かすみ、相手がドールとかいう事におどろくのは中断、小太刀二刀流で攻め込んでくることに最大の注意意識を向けることにする。
「わたし、まりあは愛に和磨くんとの愛に添い遂げる!」
言うが早いがまりあが動き出した。それは先ほどの包丁攻撃と比較にならない速くうつくしい舞。
「あぅ……」
一瞬で間合いを縮められたかすみは分が悪い。薙刀の長さが必死のガードにしか使えず攻撃に転じられない。まりあの攻撃がワンダフル過ぎだから前に出られない。
(は、速い……)
相手の速さに合わせ小太刀二刀流の舞を受け続けるが、困った事にまぶしくて熱い。青い炎が揺らめくとき、どうしても目の前が光る。かすみはジリジリと後退するが、同じだけまりあが前に進んでは埒が明かない。
「どけ、子ども巨乳。ジャマしなければ殺さなくて済む」
「わたしがどいたらまりあは何をする気?」
「和磨くんとの愛を貫く!」
「でもまりあ、あなたはさっき……人を殺そうとしていた、あれが貫こうって愛なんですか?」
「そう、その通り!」
「どうして、どこが!?」
「和磨くんがわたしを裏切って浮気したから。だからわたしは和磨くんを殺して自分も死ぬ。そうすれば愛は永遠」
「そんなの愛なんて認めません!」
ここでかすみが不意にグッと体を沈めた。予想外のアクションだったからまりあは一瞬を動きを止め、こう思った。
(下から斬り上げる?)
しかし実際はちがった。それは斬り上げではなく風起こしが目的の振り。そしてギョッとなったまりあの体を暗い夜空高くに浮かせる。
「な、なにぃ……」
高く浮かせられ焦るまりあを見上げるかすみ、両手で持つ薙刀を頭の上で猛烈な勢いで回転させ叫んだ。
「紅孔雀!」
かすみの声と同時に生まれる紅い炎の鳥。それがおどろいたまりあへ特急スピードで衝突。次にゴワーっと音を立てまりあを炎に包む。
「まりあ、成仏!」
かすみ、勝ったと思った。暗い夜空にて赤く燃えるまりあに祈りをささげてもいいかと考えたりもした。しかしそれはただのカン違いだったようだ。
「ぁ……」
今度はかすみがギョッとさせられる。青い炎をオーラとして浮かべるまりあはスタっと地面に着地してから教えてやるのだった。
「赤と青では青い炎が温度は高い。なかなかいい技で攻撃だったけれど、残念だったね。子ども巨乳、なにか言い残す事があれば聞いてあげるけど?」
「わたし……わたしビューティーかすみは負けない」
「そう、だったら殺して剥製にしてあげる。そうすればかすみもドールになれるかもしれないね」
「く……」
ドキドキ……っと怯えるかすみが構えつつも下がってしまう。まりあはそんな相手を見つめながらゆっくりと構えた。小太刀二刀流、今度は神速の一撃でかすみをできるだけきれいに殺そうと。ほんとうに人間剥製を作ってみようと思ったりしながらカウントダウン開始。
「10、9、8、7、6、5……」
(ど、どうしよう……)
かすみ、かなり弱気になって足がグラつく。そして怯える、相手がやるであろう突進を防げる気がしないと。
「0」
まりあがカウントダウンを終了させえると同時に動いた。その速さ……青い炎をこの上なくうつくしいと見せる。そしてかすみはひんやり冷たい時間の中で自分は死ぬと思った。だからたまらず両目をクッと閉じてしまう。
―ガッキーンー
ここで突然はげしい衝突音が発生。それはブルブルっと震えているかすみに当たった音ではなかった。そしてかすみのちょっと手前で発生した効果音みたいに聞こえた。だからかすみはドキドキしながら両目を開く。
「息吹くん!」
そう、目の前にはまりあの攻撃を刀で受け防ぐ息吹の後ろ姿があった。
「遅れて悪かったなかすみ、後はおれが引き継ぐ」
オールブラックに身を包む息吹、得たいが知れない女まりあを見ながら聞かずにいられない。
「女、おまえはいったい何者だ」
するとまりあ、一度下がって距離を取ってから自分はドールだと教えてやる。しかしただドールというだけではつまらないと思ったらしく、太陽系で最高傑作なドールとかそんな表現もつけたりした。
「ドール? 人形ってか? 生命体じゃないってか?」
息吹が言うとまりあの顔がとても不機嫌だと歪んだ。人形とか言われたり、非生命体と見下されるのがどうやら辛いらしい。
「たしかにわたしはドール。でも……誰かを愛し誰かに愛されるという真心は人間と同じ!」
まりあが怒りの顔つきで二刀流で構えると思いきや……突然刀が通常サイズの一本になった。そしてボッと音がすれば、刀身が魔物の微笑ごとく美しい青色に燃える。
「火刀……」
つぶやいた息吹、あまりにきれいで見惚れてしまいそうな青い刀を見ながら構える。
「この、まりあは愛に生きる!」
叫ぶと同時に攻撃が始まった。あっという間に息吹の眼前に位置するまりあ、怒りに満ちた顔で刀を振り下ろす。
―ガーンー
下から振り上げようとした息吹の刀が相手のモノと激突した。そのとき、すさまじく分厚い衝撃が発生して夜の空気を揺さぶる。
「ぅ……く……」
息吹、相手の振りが壮絶に重い事に表情をしかめた。だが刀を合わせてせめぎ合うと熱いという苦痛にまみれていく事に表情が歪む。
(く……なんて重さ、熱さ……)
ギリギリっと歯ぎしりを立てる息吹、この体勢を一度解除せねばならないという事で、意図して両腕を真上に勢いよく上げた。それにおどろいたまりあのからだがよろめきそうになると、息吹は空中に飛び手放していた刀を取る。そして着地すると同時にすぐ、まりあが体勢を立て直すより先に接近。
―ガンー
息吹の右ストレートがまりあの顔面に入った。だからまりあは刀を手放さないとしても、後方へひっくり返る。
「たとえ女でもドールなら殴っても、気にしなくてもいいよな?」
息吹がちょっとつめたい感じで言ってやると、ムクっと起き上がったまりあは歯ぎしりをしながら言い返すのだった。
「おまえなんかに気にされたいと思わない。わたしはドールであっても、愛し愛してくれる人といっしょにいられたら幸せなのだから」
「あなたは何者なんですか?」
かすみ、戦闘態勢を取りつつ青い炎を纏う相手に問うた。
「わたしはスーパードールまりあ、おまえなんかに用はない!」
まりあ包丁をブンブンっと踊るように振り回しながら誰かわからない女子に接近攻撃していく。
しかし……ふうつなら怯えて逃げるはずが、薙刀の巨乳女子は華麗に受け流す。まるでゆるく美しい水流を美学みたいに動く。そしてただガードして避けているだけでなく、絶好のタイミングで反撃しようとしている事も伝わる。
「む!」
かすみが反撃しようと思ったと同時にまりあが自ら後ろに下がった。そし自ら上げている炎のオーラで照らされる相手女子に言う。
「13歳くらい? 子ども巨乳、おまえはタダ者じゃないと見た」
「ふっ、わたしは人呼んでビューティーかすみ。で、あなたは? スーパードールとかなんですか? 意味が分からないのですけど」
「わたしはさみしい心の持ち主に愛され、同じだけの愛を返すために生まれた愛されドール」
「愛されドールぅ? ぅ! そ、そ、それって……ま、まさかラブドールとかいうんじゃ……」
「だったらどうだっていうんだ!」
まりあが手に持っていた包丁をシュパっと投げつけた。それは相当な速さであり、ふつうの人間なら額にブッ刺さりあの世に旅立つ可能性大。しかしかすみはヒョイっと顔だけ動かして避ける。
「ドールでも人を愛するキモチに偽りなし!」
力強く言ったまりあの両手にふっと突然に新たな武器が出現。
(小太刀……、しかも二刀流!)
かすみ、相手がドールとかいう事におどろくのは中断、小太刀二刀流で攻め込んでくることに最大の注意意識を向けることにする。
「わたし、まりあは愛に和磨くんとの愛に添い遂げる!」
言うが早いがまりあが動き出した。それは先ほどの包丁攻撃と比較にならない速くうつくしい舞。
「あぅ……」
一瞬で間合いを縮められたかすみは分が悪い。薙刀の長さが必死のガードにしか使えず攻撃に転じられない。まりあの攻撃がワンダフル過ぎだから前に出られない。
(は、速い……)
相手の速さに合わせ小太刀二刀流の舞を受け続けるが、困った事にまぶしくて熱い。青い炎が揺らめくとき、どうしても目の前が光る。かすみはジリジリと後退するが、同じだけまりあが前に進んでは埒が明かない。
「どけ、子ども巨乳。ジャマしなければ殺さなくて済む」
「わたしがどいたらまりあは何をする気?」
「和磨くんとの愛を貫く!」
「でもまりあ、あなたはさっき……人を殺そうとしていた、あれが貫こうって愛なんですか?」
「そう、その通り!」
「どうして、どこが!?」
「和磨くんがわたしを裏切って浮気したから。だからわたしは和磨くんを殺して自分も死ぬ。そうすれば愛は永遠」
「そんなの愛なんて認めません!」
ここでかすみが不意にグッと体を沈めた。予想外のアクションだったからまりあは一瞬を動きを止め、こう思った。
(下から斬り上げる?)
しかし実際はちがった。それは斬り上げではなく風起こしが目的の振り。そしてギョッとなったまりあの体を暗い夜空高くに浮かせる。
「な、なにぃ……」
高く浮かせられ焦るまりあを見上げるかすみ、両手で持つ薙刀を頭の上で猛烈な勢いで回転させ叫んだ。
「紅孔雀!」
かすみの声と同時に生まれる紅い炎の鳥。それがおどろいたまりあへ特急スピードで衝突。次にゴワーっと音を立てまりあを炎に包む。
「まりあ、成仏!」
かすみ、勝ったと思った。暗い夜空にて赤く燃えるまりあに祈りをささげてもいいかと考えたりもした。しかしそれはただのカン違いだったようだ。
「ぁ……」
今度はかすみがギョッとさせられる。青い炎をオーラとして浮かべるまりあはスタっと地面に着地してから教えてやるのだった。
「赤と青では青い炎が温度は高い。なかなかいい技で攻撃だったけれど、残念だったね。子ども巨乳、なにか言い残す事があれば聞いてあげるけど?」
「わたし……わたしビューティーかすみは負けない」
「そう、だったら殺して剥製にしてあげる。そうすればかすみもドールになれるかもしれないね」
「く……」
ドキドキ……っと怯えるかすみが構えつつも下がってしまう。まりあはそんな相手を見つめながらゆっくりと構えた。小太刀二刀流、今度は神速の一撃でかすみをできるだけきれいに殺そうと。ほんとうに人間剥製を作ってみようと思ったりしながらカウントダウン開始。
「10、9、8、7、6、5……」
(ど、どうしよう……)
かすみ、かなり弱気になって足がグラつく。そして怯える、相手がやるであろう突進を防げる気がしないと。
「0」
まりあがカウントダウンを終了させえると同時に動いた。その速さ……青い炎をこの上なくうつくしいと見せる。そしてかすみはひんやり冷たい時間の中で自分は死ぬと思った。だからたまらず両目をクッと閉じてしまう。
―ガッキーンー
ここで突然はげしい衝突音が発生。それはブルブルっと震えているかすみに当たった音ではなかった。そしてかすみのちょっと手前で発生した効果音みたいに聞こえた。だからかすみはドキドキしながら両目を開く。
「息吹くん!」
そう、目の前にはまりあの攻撃を刀で受け防ぐ息吹の後ろ姿があった。
「遅れて悪かったなかすみ、後はおれが引き継ぐ」
オールブラックに身を包む息吹、得たいが知れない女まりあを見ながら聞かずにいられない。
「女、おまえはいったい何者だ」
するとまりあ、一度下がって距離を取ってから自分はドールだと教えてやる。しかしただドールというだけではつまらないと思ったらしく、太陽系で最高傑作なドールとかそんな表現もつけたりした。
「ドール? 人形ってか? 生命体じゃないってか?」
息吹が言うとまりあの顔がとても不機嫌だと歪んだ。人形とか言われたり、非生命体と見下されるのがどうやら辛いらしい。
「たしかにわたしはドール。でも……誰かを愛し誰かに愛されるという真心は人間と同じ!」
まりあが怒りの顔つきで二刀流で構えると思いきや……突然刀が通常サイズの一本になった。そしてボッと音がすれば、刀身が魔物の微笑ごとく美しい青色に燃える。
「火刀……」
つぶやいた息吹、あまりにきれいで見惚れてしまいそうな青い刀を見ながら構える。
「この、まりあは愛に生きる!」
叫ぶと同時に攻撃が始まった。あっという間に息吹の眼前に位置するまりあ、怒りに満ちた顔で刀を振り下ろす。
―ガーンー
下から振り上げようとした息吹の刀が相手のモノと激突した。そのとき、すさまじく分厚い衝撃が発生して夜の空気を揺さぶる。
「ぅ……く……」
息吹、相手の振りが壮絶に重い事に表情をしかめた。だが刀を合わせてせめぎ合うと熱いという苦痛にまみれていく事に表情が歪む。
(く……なんて重さ、熱さ……)
ギリギリっと歯ぎしりを立てる息吹、この体勢を一度解除せねばならないという事で、意図して両腕を真上に勢いよく上げた。それにおどろいたまりあのからだがよろめきそうになると、息吹は空中に飛び手放していた刀を取る。そして着地すると同時にすぐ、まりあが体勢を立て直すより先に接近。
―ガンー
息吹の右ストレートがまりあの顔面に入った。だからまりあは刀を手放さないとしても、後方へひっくり返る。
「たとえ女でもドールなら殴っても、気にしなくてもいいよな?」
息吹がちょっとつめたい感じで言ってやると、ムクっと起き上がったまりあは歯ぎしりをしながら言い返すのだった。
「おまえなんかに気にされたいと思わない。わたしはドールであっても、愛し愛してくれる人といっしょにいられたら幸せなのだから」
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