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106・サキュバスと12歳の少年に戻されてしまった息吹4

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106・サキュバスと12歳の少年に戻されてしまった息吹4


 息吹が叫んだことで場の空気が一瞬揺らめいた。なんだ? とエロ心に満ちる3人の男が振り向く。するとそこには小6か中1かって男子が一人いて、手に木刀を持っていると認識。

「なんだ、こいつ……」

「木刀? このガキ頭おかしいんじゃねぇの?」

「引っ込んでろよ、包茎のチンカスが」

 3人はギッと息吹をにらむ。それは年齢の高い雄ライオンが、今から交尾をするのだからおまえは消え失せろと年齢の低い雄ライオンを脅しているように見えなくもない。

「ひとりの女子をむさくるしい男が3人で迫るとか恥ずかしくないのか。そんなの男のクズ、滅菌してやる」

 叫んだ息吹少年、木刀をもって霞の構えを取って見せる。そうして真剣な顔をつくったとき、男たちに絡まれている女子の顔がポッと赤くなったが、今はそんなモノを見ている余裕なし。

「え、なにこのガキ、木刀もって構えたぞ」

「精神病院から脱走したやつか?」

「なんだよチンカス、この女の子はおまえの何なんだよ」

 そう言われた息吹少年は一瞬考えた。正義の味方だ! というよりは、その女子は自分の姉だとか言って助ける方が自然かなと。よって姉ちゃんに手を出すなって感じのセリフをぶっ放そうかと思った。が、しかし息吹より先に赤らんだ顔の女子が大きな声で言った。

「ダーリン、待ってたよ! たすけて!」

 これはなかなか強烈だった。性欲の狼たちは女を見た後で息吹に向き直り、こんなガキがこんな魅力的って巨乳女子の彼氏なのか? と少しショックを受ける。

 それはおれの彼女じゃない……と言うにはタイミングを逃してしまった息吹少年。とにかく女子が救えたらそれでよし! という事で言い放つ。

「そうだ、おれの彼女に手を出すな! 彼女を守るためならいかなる攻撃も躊躇しない。ケガをしたくなかったら立ち去れ!」

 息吹が言うと、女子の顔はますますパーっとうれしそうになる。やった、わたしの王子さまが見つかった! という心の声がたっぷり塗られているとしか言いようがない。

「仕方ねぇなぁ、おれが大人のきびしさを教えてやる」

 狼の一人が手をポキポキ鳴らしながら一歩前に出た。どうやら腕には自信があるらしく、かったるいガキは瞬殺し白いベッドで巨乳に甘えたいと心の中で考えて止まない。

「おら、死にやがれ、チンカスがぁ」

 狼が叫ぶ。そしてダッシュ。距離があまりない事もあり、一瞬で息吹は捕獲されると狼の仲間は思った。

 しかしここで息吹の木刀が突然にグルっと後ろ向きに回転。なんだ? と男が思った次の瞬間、少年は木刀を振り上げに入っていた。あまりの速さにすべての流れを男が把握するのは困難。だからまずみぞおちに下からやってきた木刀がヒットしググっとめり込むように当たり進む。

「おらぁぁぁ! 回転牌!」

 叫んだ息吹少年、そのまま木刀を振り上げ切る。

「うごぉお……」

 目を白くしながらよだれを垂らす男の体が宙を舞う。そしてその体はすぐ傍に流れる決してきれいとは言えない川の中にドボーンと落ちた。

「まず一匹!」

 少年は手に持つ木刀の体を肩に当てながら、残る2匹の狼と巨乳女子に目を向ける。

「おい、おまえ行けよ」

「仕方ねぇなぁ」

 続いて別の狼が前に出る。だがあの見事な攻撃を見た直後では慎重にならずを得ず。じわじわっと警戒しながら相手に近づこうとする。

「かったるいんだよ、早く来い」

 息吹少年、ふわぁっと余裕のアクビをかます。そういう姿は相手の感情を逆なでする効果あり。しかしそれでも敵は警戒してなかなか突入して来ない。

「だったら、こっちから突き進んでやる」

 ここで息吹少年は担肩刀勢の構えを取る。そうして警戒してばっかりの相手を少しの間見つめてから風に乗ったストレートダッシュに出る。

「くらえ、一気通貫!」

 ズバっと目にも止まらぬ速さで一撃が決まった。もし武器が木刀ではなく真剣だったら、エロ男の胴体は上と下の真っ二つになっていただろう。だが切られない代わり、地獄の底へ突き落されるような痛みに襲われ地面を転がり回る事となる。

「さて、最後の一匹!」

 少年は最後の一人と巨乳女子に目を向ける。

「う、動くな!」

 残りの一人は巨乳女子の後ろに回り立つ。

「そんな事をしたって悪人は叩き潰すのみ!」

 そう叫んで木刀の先を男に向ける少年の姿からは、いかな手打ち案も拒否し、悪者は徹底的に打ち砕くという融通のなさが生々しく浮かぶ。

「お、おまえの巨乳って彼女がどうなってもいいのかよ」

 男、ここで後ろから手を回しイヤがる巨乳女子のTシャツをグワっと勢いよくまくり上げた。さすればボワン! っと揺れ動きこぼれ落ちたのは白いフルカップブラッジャーのふくらみ。それはそれはとっても豊満であり推定Fカップ。そう、この女子は偽りも掛値もない正しい巨乳だった。

(あぅ……)

 このとき息吹はおどろいた、石をぶつけられドキッとするようにショックを受けた。なぜなら賢者の自分は反応などしまいと思っていたのに、とってもベリーナイスに当たり前に愚者の反応が生じたせいだ。

 女子の白い豊かなふくらみを覆ったフルカップブラジャーってふくらみやプクッとやわらかそうな谷間が見えたとき、脳にビリビリっと電流が脳に走った。一度死んで悟りの境地に達していると思っていた息吹だったが、12歳って年齢に戻ったせいなのか、脳が愚者っている。だから女子のふくらみが揺れ動いたと目にした瞬間、ドキッとしただけでは済まず、ズボンの中において勃起という男の青春が沸き上がった。

「ったく……」

 息吹少年、ここで仕方のない演技をする。やれやれとエロ男に呆れるふりをしながら、こんなときに勃起なんか起ってしまうのかよ……と愚者な自分を嘆く。

「う、うぉ、すげぇボリューム、こ、このやわらかい揉み応え、この手触り、こ、こんなにキモチいいの初めてだ!」

 息吹がハッと我に返ってみると、男が女子のふくらみをフルカップブラジャーの上から揉みまくる。そのワンダフル過ぎる快感に動物のように興奮しそうとなっていく。

「ダーリン……たすけて……」

 後ろの男に巨乳を揉みまくられる女子、赤らんだ顔で息吹を見る。

「よし!」

 息吹が意を決して突進を開始、そのスピードは確かに速いがあえてわずかに落としているようでもあった。

「く、来るな……」

 女子の巨乳を揉んでシアワセに浸っていた男は慌てて我に返ろうとする。だがそのときシュワ! っと少年の姿が消えた。

「ん!」

 男は焦った。どこに消えた? と焦る。しかし戸惑っている最中でも女子のふくらみから手を離さないというのは、まさに男としてあるべき姿のお手本かもしれない。

「ここだ!」

 声がしたので男が顔を上げると、上空より向かってくる少年の姿あり。

「風牌の舞!」

 息吹の木刀がうなる。ブンブン! と生き物の声みたいに音を立て、男の顔面を滅多打ち。

「ツモ上がり!」

 空中より着地した息吹少年がそうつぶやくと、鼻血を流し上下すべての前歯を失った男がばったり地面に倒れるのだった。
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