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71・燃えろゲーマー魂、大会3
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「さぁ、恋人ではなく対戦相手で運命のマッチング開始」
そんな声と同時にタイマン勝負の組み合わせが選ばれる。そしてそれが停止すると、のぞみは激矢とかいうプレーヤーと当たった。
(来たぁ、来たぜ! やっぱり神はおれと望を戦わせたがっている)
激矢という男、表向きは冷静だが心の中は叫び散らかしたいほど興奮していた。なんせ対戦相手は望だ、叩き落して泣かしてやりたいと思っていたやつだ、余興とては最高のモノだと心が躍る。
「さぁ、ここではのぞみVS激矢の戦いが行われます。では場所をルーレットで選びたいと思います」
望、画面を見ながら冷静な顔の裏ですこぶる緊張する。そしてどうしても弱気的に考えてしまう。どうか少しでも走りやすいステージが選ばれますように! と。その願いが通じたのか他と比較すれば走りやすい部類となるカイロが選ばれた。
(カイロか……)
望は少しホッとしたが、対戦相手の激矢は内心ではガッツポーズを取って天空に叫びまくっていた。
(来た、カイロ、カイロ! 神はおれが望を撃墜して泣かせる事を後押ししている。燃える、めちゃくちゃ燃えるぜ)
「ではお二人にそれぞれ一言もらいたいと思います。では年下の望くんから熱い一言をお願いします」
「えっと、とにかく後悔がないよう思いっきり走ります」
「おっと、なかなか謙虚な発言。では続いて激矢氏、一言!」
「ん、年上だからちょっとでも年下の子から何かを吸収出来たらいいかなって」
「おおぉっとこれまた謙虚で美しい言葉」
こうして2人は車を選ぶ。望はこれこそおれの分身とか思っているシボレーのグランスポーツを選ぶ。
(やっぱり望はそれか、だったらおれも同じだ。望よぉ、同じ車に敗北して地獄へ落とされるみじめさを味わうがいいぜ)
こんな風にして準備は整った。8人で走って上の2人になるのも大変だが、ここからは1対1の1周勝負ゆえ緊張感の色合いが変わる。
(行け!)
レースが始まった。それは順調な滑り出しに見えた。実際のところ望は普段通りって調子の良さが感じられていた。
「おぉっと望が積極的に前に出た。対する激矢の車はほんのちょっと距離を持って後ろにつけている。激矢の作戦か、それとも望が最初から攻めているのか」
実況が言う中、望は落ち着こうと自分に言い聞かせる。相手は後ろにいて不気味ではあるが、ほんのちょっとだけ距離を取っている。だから望の車が回転して攻撃を仕掛けても当たらない。今は後ろを気にする事なく自分の走りをするだけと心がける。
「お願い、このまま最後までいって」
デカいテレビの画面を見ながら彼氏を応援する翠名、その豊かなふくらみの前で色白な両手を合わせ、どうか望が勝ちますようにと祈る。
「相手の車ってずっと後ろにいるじゃん、これって望の楽勝じゃないの?」
椎名、塩せんべいをぼりぼりかじりながら、望の応援はするけれど盛り上がりに欠けるなぁと思ったりする。もちろんそれを口にする妹がうるさいから言わない。
(よし、カーブ)
望は慎重にカーブに入るタイミングを意識する。ここはカイロ名物の緩いロングカーブであり、緩いけれど長いから手ごわいという特徴を持つ。だがカーブに入ったとき、望が思ってもいない事が発生する。
「おぉっと、ここで激矢の車が前に出るのか、いや、ちがう、望の横につけた」
実況が言ったその瞬間、ガガガガっとすごい音がして火花が散る。それは激矢のグランスポーツが、望の車を横から押しまくるせいだ。だから望のグランスポーツは右のカベに押し付けられグワーっと身を削られるみたいな状態になる。
「あぁっと望の車が張り付けられた、これは逃げられない。見ていて痛々しいぞ」
実況の言う通りの状況になっていた。望の車は脱出不可能になってしまい、前に出ることも左へ動くことも回転攻撃をかけることもできない。
(く……もうすぐ……もうすぐカーブが終わる、それまでガマン……)
望はこのときカーブが終われば自由になれる、そしてカーブをきれいに抜けさえすればまた前に出られると思った。だが激矢は違ったのである。
(望よぉ、このゲームの名前を忘れたか? このゲームはデス・アスファルトって言うんだぜ、つまり……死ね! って事なんだよ)
激矢がニヤッとしたとき、カーブが終わりかける。そして車の密接が解除されるという、望が重要な一瞬が訪れようとした。だがそこで激矢が仕掛けた。
(死ね!)
「あぁっと、ここで激矢の車が回った、回転攻撃だ、望、これは避けられない!」
実況が言ったその瞬間、望の車が大破する。ドシュ! っとものすごい音をして粉々に砕け散ってしまった。
「そんな!」
翠名、画面に映し出されたあまりにもむごたらしい映像にショックを隠せない。クゥっと顔をしかめうっすら涙を流し、こんなのイヤだよ……とこぼす。
「うぉ、なんつー外道攻撃。でも望、まだ挽回できるだろう、がんばれ!」
燃得は手に汗にぎりながら友人を応援した。外道なんかに負けるな! と熱を入れて応援するのは、自分がこのゲームをやったとき外道攻撃に泣かされた事があるから。
(まだ……まだだ)
思いっきり心がへし折られかけたが、途中放棄みたいなマネはできない。そしてまだだいぶ距離が残っているから戦えるとキモチを立て直す。
(さぁさぁここからなんだぜ望、ほんとうにうまいやつと、そこに達せられないやつとの小さいようで大きな差っていうのは)
激矢が本気モードのスイッチを入れた。するとどうだ、追いかける望にはショッキングな現実が映し出される。
(く……は、速い……)
同じ車を使っているのに激矢の方が速い、いやめちゃくちゃ速い。なぜ? どうして? と思うが、望とは全然ちがうラインでサメかシャチみたいなスピードで走っていく。そして望が前々から抱いていた疑問が炸裂する。このゲームにおいて速いやつ、いったい何をやっているんだ? と不思議に思って解明できないところ、それをまざまざと見せつけられて胸に突き刺さる。
(わかんない……ほんとうにわかんない……相手は魔法使いか……)
望、あまりのショックに目から涙が出そうになる。なぜなら激矢の車はもう遥か遠くに行っており、追いつけるかもしれないって可能性が消えていた。
(勝てない……負けた……)
望が残り25%って位置にきたとき、相手はすでにゴールしていた。同じ車を使ってこれほどの大差をつけられて負けると、みじめ、哀れ、格好悪い、ダサいなどなど、ネガティブな感情が胸いっぱいに沸く。
「いまやっと望がゴールイン! 圧倒的だ、激矢つよい、文句なしに激矢は強かった、圧倒的勝利だ」
望、大勢に見られている前で泣くわけにはいかないとガマンしているが、心はもう地中に埋められたみたいになっていて、表情はほぼ死人に近い。
「ではお互いに戦いの感想を」
実況がそう言ったとき、望はお願いがありますと声を出した。そして自分を地獄に突き落とした相手に言った。
「なぜ……あなたはそんなに速いのですか……教えて欲しいです、お願いします」
激矢、望を地獄に落としてスッキリした事、そして望が泣きそうなのを我慢して教えを乞うって姿にちょっと感動したから、ここは心に余裕ある年上でなければいけないとし、望に教えてやる事にした。
「望、きみがおれに勝てない理由は3つある。まず第一にラインだ。きみはお手軽な真ん中をなぞるが、それはベストなラインじゃないぞ。そして第二、これが非常に重要なのだけれど、きみの運転は配慮が足りない」
「配慮?」
「そうだ、カーブとまで言わなくとも車が左を向いたり左を向いたりってするとき、わずかだが車体が横にふくらむ。ま、言うなればアンダーステアとかオーバーステアってやつだな、その補正をきみはしていない。おれの走りを見て気づかなかったか? おれの車は常にまっすぐ駆け抜けていたはずだ」
「アンダーステアにオーバーステア……」
「きみはカーブを抜けるちょっと手前にニトロで勢いをつけるだろう? まっすぐに戻ってから勢いをつけるではなく、勢いをつけてまっすぐに戻っていくだろう。それを常にやりまくれってことだ。で、第三はニトロだな。直線で爆走するのがまちがっているわけじゃない。しかし横にぐらついたときの補正に使うとか、そういうところがまだ甘い。だからきみは勝てなかった。もしきみが真ん中ではなく理想のラインを走り、車体のぐらつきをまったく許さないって走りができて、それでニトロの爆走をすれば、きみはおれに勝てるのかもしれないな」
望、そういう事だったのか……と落ち込みかけたが、まずは教えてくれた相手にちゃんと頭を下げた。
「ありがとうございました」
こうして望の挑戦は終わった。賞金どころか商品券さえもらえないという現実に直面して大会という場からフェイドアウトする。
「理想のライン取りにアンダーステアにオーバーステアを消す、でもってニトロの使い方ってか……」
部屋の床に寝転がった望、まず最初にこう思った。そりゃぁ勝てないわな、勝てるとか賞金がもらえるとか思った自分が甘かったわなと思う。次に、ズキズキっと胸に沸いてくる痛みに苦悩する。
「く……」
グルっと体の向きを変えると、まくらに顔を押し付けた。そうしてジュワーっと流れ出る涙が熱いと感じながら声を出す。
「勝てないのは当然だろうけれど、考えが甘かったけれど……くやしくてたまらないよぉ。くっそぉ、ちくしょう……」
負けたくやしさと涙が望の部屋にうずまく。外はいい天気だが望部屋は灰色に沈み込んでいる。ゲームの神さまが与えた試練に望が泣く。
そんな声と同時にタイマン勝負の組み合わせが選ばれる。そしてそれが停止すると、のぞみは激矢とかいうプレーヤーと当たった。
(来たぁ、来たぜ! やっぱり神はおれと望を戦わせたがっている)
激矢という男、表向きは冷静だが心の中は叫び散らかしたいほど興奮していた。なんせ対戦相手は望だ、叩き落して泣かしてやりたいと思っていたやつだ、余興とては最高のモノだと心が躍る。
「さぁ、ここではのぞみVS激矢の戦いが行われます。では場所をルーレットで選びたいと思います」
望、画面を見ながら冷静な顔の裏ですこぶる緊張する。そしてどうしても弱気的に考えてしまう。どうか少しでも走りやすいステージが選ばれますように! と。その願いが通じたのか他と比較すれば走りやすい部類となるカイロが選ばれた。
(カイロか……)
望は少しホッとしたが、対戦相手の激矢は内心ではガッツポーズを取って天空に叫びまくっていた。
(来た、カイロ、カイロ! 神はおれが望を撃墜して泣かせる事を後押ししている。燃える、めちゃくちゃ燃えるぜ)
「ではお二人にそれぞれ一言もらいたいと思います。では年下の望くんから熱い一言をお願いします」
「えっと、とにかく後悔がないよう思いっきり走ります」
「おっと、なかなか謙虚な発言。では続いて激矢氏、一言!」
「ん、年上だからちょっとでも年下の子から何かを吸収出来たらいいかなって」
「おおぉっとこれまた謙虚で美しい言葉」
こうして2人は車を選ぶ。望はこれこそおれの分身とか思っているシボレーのグランスポーツを選ぶ。
(やっぱり望はそれか、だったらおれも同じだ。望よぉ、同じ車に敗北して地獄へ落とされるみじめさを味わうがいいぜ)
こんな風にして準備は整った。8人で走って上の2人になるのも大変だが、ここからは1対1の1周勝負ゆえ緊張感の色合いが変わる。
(行け!)
レースが始まった。それは順調な滑り出しに見えた。実際のところ望は普段通りって調子の良さが感じられていた。
「おぉっと望が積極的に前に出た。対する激矢の車はほんのちょっと距離を持って後ろにつけている。激矢の作戦か、それとも望が最初から攻めているのか」
実況が言う中、望は落ち着こうと自分に言い聞かせる。相手は後ろにいて不気味ではあるが、ほんのちょっとだけ距離を取っている。だから望の車が回転して攻撃を仕掛けても当たらない。今は後ろを気にする事なく自分の走りをするだけと心がける。
「お願い、このまま最後までいって」
デカいテレビの画面を見ながら彼氏を応援する翠名、その豊かなふくらみの前で色白な両手を合わせ、どうか望が勝ちますようにと祈る。
「相手の車ってずっと後ろにいるじゃん、これって望の楽勝じゃないの?」
椎名、塩せんべいをぼりぼりかじりながら、望の応援はするけれど盛り上がりに欠けるなぁと思ったりする。もちろんそれを口にする妹がうるさいから言わない。
(よし、カーブ)
望は慎重にカーブに入るタイミングを意識する。ここはカイロ名物の緩いロングカーブであり、緩いけれど長いから手ごわいという特徴を持つ。だがカーブに入ったとき、望が思ってもいない事が発生する。
「おぉっと、ここで激矢の車が前に出るのか、いや、ちがう、望の横につけた」
実況が言ったその瞬間、ガガガガっとすごい音がして火花が散る。それは激矢のグランスポーツが、望の車を横から押しまくるせいだ。だから望のグランスポーツは右のカベに押し付けられグワーっと身を削られるみたいな状態になる。
「あぁっと望の車が張り付けられた、これは逃げられない。見ていて痛々しいぞ」
実況の言う通りの状況になっていた。望の車は脱出不可能になってしまい、前に出ることも左へ動くことも回転攻撃をかけることもできない。
(く……もうすぐ……もうすぐカーブが終わる、それまでガマン……)
望はこのときカーブが終われば自由になれる、そしてカーブをきれいに抜けさえすればまた前に出られると思った。だが激矢は違ったのである。
(望よぉ、このゲームの名前を忘れたか? このゲームはデス・アスファルトって言うんだぜ、つまり……死ね! って事なんだよ)
激矢がニヤッとしたとき、カーブが終わりかける。そして車の密接が解除されるという、望が重要な一瞬が訪れようとした。だがそこで激矢が仕掛けた。
(死ね!)
「あぁっと、ここで激矢の車が回った、回転攻撃だ、望、これは避けられない!」
実況が言ったその瞬間、望の車が大破する。ドシュ! っとものすごい音をして粉々に砕け散ってしまった。
「そんな!」
翠名、画面に映し出されたあまりにもむごたらしい映像にショックを隠せない。クゥっと顔をしかめうっすら涙を流し、こんなのイヤだよ……とこぼす。
「うぉ、なんつー外道攻撃。でも望、まだ挽回できるだろう、がんばれ!」
燃得は手に汗にぎりながら友人を応援した。外道なんかに負けるな! と熱を入れて応援するのは、自分がこのゲームをやったとき外道攻撃に泣かされた事があるから。
(まだ……まだだ)
思いっきり心がへし折られかけたが、途中放棄みたいなマネはできない。そしてまだだいぶ距離が残っているから戦えるとキモチを立て直す。
(さぁさぁここからなんだぜ望、ほんとうにうまいやつと、そこに達せられないやつとの小さいようで大きな差っていうのは)
激矢が本気モードのスイッチを入れた。するとどうだ、追いかける望にはショッキングな現実が映し出される。
(く……は、速い……)
同じ車を使っているのに激矢の方が速い、いやめちゃくちゃ速い。なぜ? どうして? と思うが、望とは全然ちがうラインでサメかシャチみたいなスピードで走っていく。そして望が前々から抱いていた疑問が炸裂する。このゲームにおいて速いやつ、いったい何をやっているんだ? と不思議に思って解明できないところ、それをまざまざと見せつけられて胸に突き刺さる。
(わかんない……ほんとうにわかんない……相手は魔法使いか……)
望、あまりのショックに目から涙が出そうになる。なぜなら激矢の車はもう遥か遠くに行っており、追いつけるかもしれないって可能性が消えていた。
(勝てない……負けた……)
望が残り25%って位置にきたとき、相手はすでにゴールしていた。同じ車を使ってこれほどの大差をつけられて負けると、みじめ、哀れ、格好悪い、ダサいなどなど、ネガティブな感情が胸いっぱいに沸く。
「いまやっと望がゴールイン! 圧倒的だ、激矢つよい、文句なしに激矢は強かった、圧倒的勝利だ」
望、大勢に見られている前で泣くわけにはいかないとガマンしているが、心はもう地中に埋められたみたいになっていて、表情はほぼ死人に近い。
「ではお互いに戦いの感想を」
実況がそう言ったとき、望はお願いがありますと声を出した。そして自分を地獄に突き落とした相手に言った。
「なぜ……あなたはそんなに速いのですか……教えて欲しいです、お願いします」
激矢、望を地獄に落としてスッキリした事、そして望が泣きそうなのを我慢して教えを乞うって姿にちょっと感動したから、ここは心に余裕ある年上でなければいけないとし、望に教えてやる事にした。
「望、きみがおれに勝てない理由は3つある。まず第一にラインだ。きみはお手軽な真ん中をなぞるが、それはベストなラインじゃないぞ。そして第二、これが非常に重要なのだけれど、きみの運転は配慮が足りない」
「配慮?」
「そうだ、カーブとまで言わなくとも車が左を向いたり左を向いたりってするとき、わずかだが車体が横にふくらむ。ま、言うなればアンダーステアとかオーバーステアってやつだな、その補正をきみはしていない。おれの走りを見て気づかなかったか? おれの車は常にまっすぐ駆け抜けていたはずだ」
「アンダーステアにオーバーステア……」
「きみはカーブを抜けるちょっと手前にニトロで勢いをつけるだろう? まっすぐに戻ってから勢いをつけるではなく、勢いをつけてまっすぐに戻っていくだろう。それを常にやりまくれってことだ。で、第三はニトロだな。直線で爆走するのがまちがっているわけじゃない。しかし横にぐらついたときの補正に使うとか、そういうところがまだ甘い。だからきみは勝てなかった。もしきみが真ん中ではなく理想のラインを走り、車体のぐらつきをまったく許さないって走りができて、それでニトロの爆走をすれば、きみはおれに勝てるのかもしれないな」
望、そういう事だったのか……と落ち込みかけたが、まずは教えてくれた相手にちゃんと頭を下げた。
「ありがとうございました」
こうして望の挑戦は終わった。賞金どころか商品券さえもらえないという現実に直面して大会という場からフェイドアウトする。
「理想のライン取りにアンダーステアにオーバーステアを消す、でもってニトロの使い方ってか……」
部屋の床に寝転がった望、まず最初にこう思った。そりゃぁ勝てないわな、勝てるとか賞金がもらえるとか思った自分が甘かったわなと思う。次に、ズキズキっと胸に沸いてくる痛みに苦悩する。
「く……」
グルっと体の向きを変えると、まくらに顔を押し付けた。そうしてジュワーっと流れ出る涙が熱いと感じながら声を出す。
「勝てないのは当然だろうけれど、考えが甘かったけれど……くやしくてたまらないよぉ。くっそぉ、ちくしょう……」
負けたくやしさと涙が望の部屋にうずまく。外はいい天気だが望部屋は灰色に沈み込んでいる。ゲームの神さまが与えた試練に望が泣く。
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