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44)数字で測れないもの
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美咲ちゃんはめい一杯に背筋を伸ばして、伸びをした。それが最初の起こしたアクションだった。
その表情が既に「おっ」ってくらい可愛くて、何だか気合が入っていた。
これから何が起きるんだ。僕は固唾を飲んだ。
美咲ちゃんの制服のブラウスが、風を集めたヨットの帆のようにピンと張りつめる。彼女の胸のラインがあらわになる。
ボタンとボタンの隙間が開いて、彼女の白い肌がちらりと覗いたような覗かなかったような。
張りつめた胸のライン、それは当然、彼女の乳房の形ではなくて、彼女が下に着ている水着のブラのラインなわけであるが、しかしそれも彼女の胸に由来しているわけであって、やはりこの瞬間、僕たちは美咲ちゃんの生の裸の気配を感じたのだと思う。
窓から自然光が差し込んでいた。太陽の光が彼女の白いブラウスを透かして見せる。
彼女の胸のサイズ、確かそれは公表されていて、83から85くらいだったはずだ。
その数字に開きがあるのは、発表された時期とか、発表した媒体とか、そのときの彼女の気分とかのせいで前後するのだろうか、まあ、そもそも人間の身体なんて曖昧で、そのサイズは一定なんてしないのだろう、
「女の子は数字でなんて測れない」っていう、ちょっとした広告に使えそうな、いや、絶対に使えなさそうなセリフが思い浮かぶ。
いったい何のCMで使うというのか。
しかし美咲ちゃんのその膨らみはきっと数字どころか、生で見ようと、その手でじかに触ろうとも測ることは出来なくて、83から85なんて数字も吹き飛んでいく。それは柔らかい一つのかたまり、いや、二つか。
それが始まりだった。さっきの伸びをしたポーズ、それでもう僕たちはその美咲ちゃんの胸の膨らみに、意識を常に引き寄せらている状態にさせられてしまったに違いない。
僕の視線だけではなくて、カメラも彼女のその箇所を大写しにしている。
もう美咲ちゃんは伸びをしていないのだけど、今は普通の姿勢で椅子に座っているのだけど、しかし彼女の手は胸元に行ったり、ブラスのボタンをいじくったり、あるいは腕組みをしたりして、これでもかと、その胸の膨らみを強調しているのである。
腕組みで胸を隠すのではない。お臍のほうで腕を組んで胸を持ち上げるような仕草だ。
例えば彼女と自転車の二人乗りをしているとき。彼女が胸の柔らかさが僕の背中にわずかに触れる感触。あるいは彼女が腕を組んできたときの二の腕に触れる胸の感触。
僕はカメラ越しに彼女を見つめながら、そんなことに想いを馳せ始めていた。
いや、そんな想像はまだ上品なほうで、僕の妄想はエスカレートして、もっと直接的なことを考え始めてしまうのだ。
僕はあっという間に彼女のブラを外して、彼女の胸を触るなんていうとんでもない妄想を始めてしまっている。
それは僕が女馴れしていないせいか、何の手続きもなく始める乱暴な行為。
しかし美咲ちゃんは驚いたり慌てることなく、目を伏せて恥ずかしがり、その態度が逆に僕を誘うようで、とかって勝手に思い込んで、更に彼女に踏み込んでいくのである。
いやいや、妄想だよ。それにしても何と卑猥で直情的な妄想だろうか。
この仕事現場で、こんな淫らな妄想に入り込んだ自分にがっかりだ。だけどそれは抗いがたく運命的。美咲ちゃんが好きな人は皆、そんなふうになっているはずだ。
それと同時に僕は美咲ちゃんに感心しているのである。
これが美咲ちゃんなのだ。奥深い。行間がある。いつだって、それ以上の何かを妄想させてしまう。
彼女は本気を出し始めた。彼女の自由に任せて良かったと思い始めている。「僕の言うことを聞けよ」なんて意地を張らないで正解だった。
その表情が既に「おっ」ってくらい可愛くて、何だか気合が入っていた。
これから何が起きるんだ。僕は固唾を飲んだ。
美咲ちゃんの制服のブラウスが、風を集めたヨットの帆のようにピンと張りつめる。彼女の胸のラインがあらわになる。
ボタンとボタンの隙間が開いて、彼女の白い肌がちらりと覗いたような覗かなかったような。
張りつめた胸のライン、それは当然、彼女の乳房の形ではなくて、彼女が下に着ている水着のブラのラインなわけであるが、しかしそれも彼女の胸に由来しているわけであって、やはりこの瞬間、僕たちは美咲ちゃんの生の裸の気配を感じたのだと思う。
窓から自然光が差し込んでいた。太陽の光が彼女の白いブラウスを透かして見せる。
彼女の胸のサイズ、確かそれは公表されていて、83から85くらいだったはずだ。
その数字に開きがあるのは、発表された時期とか、発表した媒体とか、そのときの彼女の気分とかのせいで前後するのだろうか、まあ、そもそも人間の身体なんて曖昧で、そのサイズは一定なんてしないのだろう、
「女の子は数字でなんて測れない」っていう、ちょっとした広告に使えそうな、いや、絶対に使えなさそうなセリフが思い浮かぶ。
いったい何のCMで使うというのか。
しかし美咲ちゃんのその膨らみはきっと数字どころか、生で見ようと、その手でじかに触ろうとも測ることは出来なくて、83から85なんて数字も吹き飛んでいく。それは柔らかい一つのかたまり、いや、二つか。
それが始まりだった。さっきの伸びをしたポーズ、それでもう僕たちはその美咲ちゃんの胸の膨らみに、意識を常に引き寄せらている状態にさせられてしまったに違いない。
僕の視線だけではなくて、カメラも彼女のその箇所を大写しにしている。
もう美咲ちゃんは伸びをしていないのだけど、今は普通の姿勢で椅子に座っているのだけど、しかし彼女の手は胸元に行ったり、ブラスのボタンをいじくったり、あるいは腕組みをしたりして、これでもかと、その胸の膨らみを強調しているのである。
腕組みで胸を隠すのではない。お臍のほうで腕を組んで胸を持ち上げるような仕草だ。
例えば彼女と自転車の二人乗りをしているとき。彼女が胸の柔らかさが僕の背中にわずかに触れる感触。あるいは彼女が腕を組んできたときの二の腕に触れる胸の感触。
僕はカメラ越しに彼女を見つめながら、そんなことに想いを馳せ始めていた。
いや、そんな想像はまだ上品なほうで、僕の妄想はエスカレートして、もっと直接的なことを考え始めてしまうのだ。
僕はあっという間に彼女のブラを外して、彼女の胸を触るなんていうとんでもない妄想を始めてしまっている。
それは僕が女馴れしていないせいか、何の手続きもなく始める乱暴な行為。
しかし美咲ちゃんは驚いたり慌てることなく、目を伏せて恥ずかしがり、その態度が逆に僕を誘うようで、とかって勝手に思い込んで、更に彼女に踏み込んでいくのである。
いやいや、妄想だよ。それにしても何と卑猥で直情的な妄想だろうか。
この仕事現場で、こんな淫らな妄想に入り込んだ自分にがっかりだ。だけどそれは抗いがたく運命的。美咲ちゃんが好きな人は皆、そんなふうになっているはずだ。
それと同時に僕は美咲ちゃんに感心しているのである。
これが美咲ちゃんなのだ。奥深い。行間がある。いつだって、それ以上の何かを妄想させてしまう。
彼女は本気を出し始めた。彼女の自由に任せて良かったと思い始めている。「僕の言うことを聞けよ」なんて意地を張らないで正解だった。
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